経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。 しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないという事実を簡単に確認できます。リーマンショック後の回復期で見ても、年率換算するとたかだか年+0.4%程度の向上。2000年からの17年間で見ると、生産性向上はほぼゼロです。 労働生産性が大幅に向上すれば、賃金も上がるでしょうが、生産性が上がらない社員から「給料を上げろ」と言われて、素直に昇給させる社長はいません。生産性が上がらなければ、売上高や生産を増やすためには増員が必要なので人手不足につながります。怠けている「社内失業者」が3割いるという見方もありますが、まずは、労働生産性を上げないとお話にならないのです。