vol-43:NC旋盤の作業は「技人国」でも可能だった
更新日:6 日前
2016年2月、在留資格「技術」を持つ外国人によるNC旋盤の作業に関し、退去強制処分の是非を争った裁判で入管が敗訴しました。短期間、NC旋盤で作業することは、「専ら行っていることが明らか」とはいえないとして、退去強制に関する認定・裁決・処分を取り消したのです。
しかし、裁判官が、「『技術』の在留資格に見合う活動についての規定は曖昧であり,『技能実習2号』の対象職種であっても『単純』に分類されるなど,入国管理法上の専門的技術又は知識を要する業務は,社会通念上の専門性,技術性との認識と異なっている」とする原告の主張を退け、現場監督者が「単純作業である」と評価したことと、原告が「指導を受けながらであれば初心者であっても1週間でできるかもしれない」と陳述したことを根拠に、NC旋盤の作業を「資格外活動」であると認定したことについては注意が必要です。
その一方、実務の現場では、技能実習生による「単純作業」に関する就労期間の延長が決定しました。法務省の省令には、「申請人が修得しようとする技能、技術又は知識が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと」と明記されていますから、この決定は、当局による明らかな「資格外活動」の助長です。一度、法廷で争っていただきたいものです。
【参考判例】 名古屋地裁 平成28年2月18日判決
事件番号:平成26年(行ウ)第128号・退去強制令書発付処分等取消請求事件
ベトナム人の原告は、機械工学を専攻した大学卒業者で、それ以前には機械のプログラミングや修理・メンテナンスを行っていた。しかし、問題となった勤務先では、主に次の作業をしていた。
- 金属素材をNC旋盤に固定する
- 機械を作動させ、金属を切削する
- 加工後の製品を取り出し、見本と照合して検査する
原告は、4種類の機械を並行して操作していたものの、NC旋盤のプログラミングや修理は担当していなかった。
裁判所は、実際に担当していたNC旋盤の操作・切削・検査業務は、専門的な技術・知識を必要とする業務とはいえないと判断した一方、NC旋盤のプログラミングや修理については、「技術」の在留資格に対応する活動と認定。ただし、原告はそれまで専門技術者として働いており、問題となった仕事を始めてから、それほど歳月は経過していなかった。裁判所は、こうした事情などを踏まえ、資格外活動を「専ら行っていることが明らか」とはいえないとして、退去強制に関する認定・裁決・処分を取り消した。



