「技能実習」を換骨奪胎した「育成就労」に係る改正入管法審議の中で、岸田首相は「政府としては国民の人口に比して一定程度の規模の外国人およびその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする、いわゆる移民政策をとる考えはありません」と述べ、無味乾燥の従来答弁を繰り返した。いつまで経っても「言葉遊び」に終始している。 一方、岸田首相は「共生社会の実現」を掲げ、「特定の民族や国籍の人々を排斥する趣旨の不当な差別的言動、まして、そのような動機で行われる暴力や犯罪は、いかなる社会においても決してあってはなりません」と力強く述べながらも、足元で急増している外国人犯罪の増加は見て見ぬふりだ。 実現困難な「多文化共生」という「キレイごと」を掲げ、「移民」の定義に関する「言葉遊び」を繰り返している限り、在留外国人に対する政策は、確固とした基本理念が存在しないまま、入管法の最低限のルールである「在留期限」すら徹底できない状態が続くだろう。「キレイごと」を排し、目の前にいる「移民」の存在を前提に実現可能で実務的な措置を講じる必要がある。