6月10日に改正入管法が施行され、3回以上の難民申請は原則として認められなくなったが、対象となる「偽装難民」の外国人たちの動きは鈍い。「偽装難民」の予備軍である不法残留外国人の反応もあまり芳しくない。もとより、他の在留外国人における「在留期限」の意識が極めて希薄になっている。 この現状は、2020年5月に導入された「帰国困難ビザ(俗称:コロナビザ)」の後遺症が極めて重いことを意味する。「母国に帰れない」と言い張るだけで在留・就労できるようにしてしまった。さらに、ウィシュマ事件が発生し、入管は「密な環境の中でコロナ感染者が出るかもしれない」という言い訳で収容中の違法残留者を大量に仮放免し、犯罪者予備軍を世の中に吐き出した。しかも、外国人が不法残留になっても収容せず、野放しにする道を選んだ。 ユルユルの入管行政が4年間も続いたのだから、ここ数年に来日した外国人にとってみれば「入管はビザを出してくれる優しいところ」。「オーバースティの外国人を逮捕し収容する」などということは、きっと想像もできないだろう。改正入管法を断行できるかどうかは、入管行政の死活問題になる。