パレスチナ自治区ガザの住民に関し、石破茂首相が「病気、けがをした方々を日本に受け入れられないか、いま、鋭意努力をしている」と答弁したことが大きな論争を呼んでいる。岩谷外務大臣が、自民党本部との調整なしに、「中国富裕層に対して、10年観光ビザを新設する」と表明したこともあり、「石破政権は外国人に対して甘すぎる」という不満が噴出しているのだ。 もっとも、石破首相は「どこの大学が受け入れてくれるか。シリアの例をよく参考にしながら、実現に向けて努力をする」と語っているから、最大150人の若いシリア人を留学生として受け入れた前例を参考にするのだと思われる。はっきり言って大した人数ではないし、中国富裕層に対する10年観光ビザにしても、富裕層の定義を絞れば、これまた驚くような規模ではない。 無論、「蟻の一穴になるかもしれない」という懸念はわかる。しかし、現在の入管行政は「バケツの底に穴が空いている」状況だ。不法残留者を隈なく収容することも、仮放免者を強制送還することも徹底できていない。「蟻の一穴」も大事だが、「バケツの穴」を塞ぐところから始めるのが筋である。