2024年度の「人手不足」関連倒産は、過去最多の309件に達した(前年度比+60.9%)。資本金1千万円未満が65.0%を占め、小・零細企業の苦境が表れている。「人件費高騰」が110件(同69.2%増)、「従業員退職」が77件(同57.1%増)、「求人難」が122件(同56.4%増)と、すべての要因で過去最多を記録している。従業員の採用や引き止めのために、小・零細企業は収益力を超えた賃上げを求められており、経営悪化に拍車がかかっている。 今後を展望すれば、「トランプ関税」の影響などもあり、世界経済が大きく枠組みを変貌させていく一方で、少子高齢化の流れは止まらない。毎年、日本人が100万人近く減少していく中で、日本経済は従来になく大きく揺さぶられることになる。人手不足が解消されることはないから、目先の苦しさに気を取られて、新規採用を絞ってしまうと生存確率は低くなってしまう。 今後ますます、日本企業の経営においては、「人」が最も貴重な経営要素になっていく。苦しくとも、「安定的な採用インフラ」と「低コストの社内教育システム」を築く努力を継続した企業だけが、生き残っていくことになる。