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vol-865:外国人派遣の違法性を警察が認めた

2022年2月7日
読了時間: 4分

更新日:6 日前

  • 中村屋の工場で外国人が不法就労した事件(2021年11月書類送検)では、派遣労働者や派遣会社だけでなく、派遣先である中村屋と係長が書類送検されました。産経新聞は「係長は『違法なのは分かっていたが、人手不足の解消を優先させた』と容疑を認めている。・・・逮捕容疑は・・・資格外活動の許可を受けていないネパール国籍の男性6人を工場作業員として働かせた」と書いていますから、明確には報道されていないものの、係長は一時「逮捕」されたのかもしれません。

  • この事件に関しては、「かねて『技人国』を巡る怪しい就労の横行と、人材会社を隠れみのに責任逃れを続けてきた派遣先を問題視してきた」(日本経済新聞)とする警視庁幹部のコメントが紹介されるなど、不法就労の温床であった外国人派遣に本格的なメスが入ることが示唆されています。

  • 派遣会社は、「翻訳・通訳」をやらせると嘘をつき、「技人国」が許可された外国人を工場等に派遣。派遣先企業は「派遣会社を信じていた」という論理で、不法就労のリスクを派遣会社にすべて押し付けていたわけですが、その構図が崩れるのかもしれません。今後の警察による摘発動向には要注目です。

  • 2022.2.3「拡大解釈許さず 中村屋、入管法違反容疑で書類送検」(日本経済新聞)


    人材会社から派遣された外国人に在留資格の範囲を超える業務をさせたとして、警視庁がカレーや和洋菓子の老舗として知られる中村屋を入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検した。外国人を直接雇用する企業の摘発例はあったが、派遣先の刑事責任を追及するのは珍しい。熟練労働者を中心に海外人材を受け入れる仕組みが整いつつあるなか、在留資格を安易に"拡大解釈"する企業側の姿勢に捜査・入管当局が厳しい目を向けている。


    警視庁が法人としての中村屋と採用担当社員を書類送検したのは2021年12月。捜査関係者によると、人材会社から派遣されたネパール国籍の6人について、与えられた在留資格がエンジニアや通訳などを対象にする「技術・人文知識・国際業務」であると知りながら、18年11月~21年6月、工場で資格外活動に当たる和菓子の製造などをさせた疑いが持たれている。採用担当社員は調べに対し「違法と分かっていた。人手不足解消のためだった」と供述。今後、東京地検が悪質性などを検討した上で起訴の要否を判断するとみられる。


    同資格は専門家などの間で「技人国(ギジンコク)」と呼ばれ、21年6月末時点で約28万人が国内に滞在する。外国人雇用に詳しい杉田昌平弁護士は「資格外の仕事をさせている企業は少なくないはずだが、これまで派遣先まで摘発が及ぶことはほとんどなかった」と指摘。警視庁幹部は「かねて『技人国』を巡る怪しい就労の横行と、人材会社を隠れみのに責任逃れを続けてきた派遣先を問題視してきた」と明かす。国は専門的な知識やスキルを持つ「高度外国人材」を積極的に活用しようとする一方、非熟練労働者の受け入れには慎重な立場を取ってきた。少子高齢化とともに生産年齢人口は 1995年の約8700 万人をピークに減り続けており、2015年時点で約7600万人。製造業や建設業などで作業員の不足に悩む企業が多い。

    日本で技能・技術を学ぶのを目的とする技能実習制度などで手当てするケースもあるが、杉田弁護士は「膨大な書類を提出せねばならないため、敬遠した企業が適法性は二の次に、手続きの比較的簡便な『技人国』の人材を安易に採用しようとする傾向が目立つ」と説明する。資格の取得も、大卒で日本への留学経験などがある外国人が業務内容を「通訳」と申告すれば難しくはない。捜査当局の摘発姿勢は、国の不法就労対策と歩調を合わせたものだ。


    違法行為を迅速に察知するため、出入国在留管理庁と厚生労働省は21年3月、互いの管理する在留資格や外国人の就労先企業に関する情報をオンラインでつないだ。入管法関連の著書が多い山脇康嗣弁護士は、19 年に在留資格「特定技能」が創設され、人手不足の業種14分野で外国人の現場作業が認められた点を取り上げて「労働力を確保する道筋が一定程度整い、以前は『やむを得ない』とされた在留資格の拡大解釈が許されなくなっている」と分析する。不法就労が発覚した外国人は強制退去処分になることが多い。企業も罰金刑などの処罰を受ければ、技能実習法や入管法に基づき、実習生や特定技能の資格を持つ外国人を一定期間雇用できなくなる。既に働いていた実習生らまで転職を迫られるなど、雇用主と労働者双方の受ける影響は極めて大きい。山脇弁護士は「直接雇用か派遣先かの別を問わず、企業には外国人が能力に応じた職場で安心して働ける環境を整える責任がある。在留資格制度を十分に理解し、法令を順守する姿勢が欠かせない」と訴えている。

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