今年6月、警視庁が家宅捜索したのは、埼玉県内にある大手運送会社。実習先から失踪していたカンボジア人技能実習生ら22人を連行した。この実習生らを派遣していた業者は逮捕されたが、背後でブローカーが暗躍していた。 ブローカーは、技能実習生に対し「今より良い収入や職場がある」とSNSを通じて勧誘。応じた実習生は、実習先から失踪。紹介料18万円をブローカーに支払い、新たな職場で働くため派遣業者を紹介してもらう。ブローカーは、派遣された実習生がもらう毎月の給料の1割を自分のものにしていた。 この事件で留意すべきは、派遣業者が「私たちは調べて、在留カードは本物だと思って働いてもらっていたので知らなかった」と主張している点。つまり、ブローカーが偽造在留カードを調達し、実習生に持たせて送り込んだ可能性がある。少なからぬ派遣業者は、派遣外国人との接触を避け、給与支払を含めてブローカー経由にするようになった。何かあった際に、すべてをブローカーの責任にするためだ。派遣先は責任を派遣業者に責任を押し付け、派遣業者はブローカーに責任転嫁する。この構図が不法就労を増大する。