川口市におけるクルド人問題の発覚を契機に「外国人排斥論」が力を増しているが、日本における少子高齢化は止まるところを知らず、人手不足の状況は改善する兆しを見せない。したがって、「外国人排斥」は現実的ではない。 人手不足は、各業種で経営環境を蝕んでいる。訪問介護事業は、人手不足が原因で、限界を通り越して崩壊の危機に陥っており、2023年1~8月における倒産件数は過去最多の44件を記録した。地方はさらに悲惨だ。四国・徳島の吉野川上流の産業は、ネパール人がいないと存立し得なくなっている。 外国人排斥派は「労働生産性を高めればなんとかなる」「高齢者を活用すればいい」と言い張ってきた。ところが、65歳以上の高齢者の動向を窺うと、今年の人口に占める高齢者の割合や高齢就業者数、高齢者の就業率は、いずれも増加傾向にあり過去最高を記録したものの、高齢者人口は、1950 年以降73年間で初めて減少に転じた。今後は、高齢者の労働力すら不足し、ますます 人材不足が加速していくから、経営者にとっては、従業員の確保が最重要課題になる。安定採用を実現する戦略の有無が企業の生死を決める。