「日本の水準は諸外国に比べて低い」として、この秋に、最低賃金がさらに一段引き上げられる。議論においては「日本の最低賃金が安すぎて、オーストラリアに出稼ぎに行く若者までいる」などということも話題になった。 オーストラリアは、ワーキングホリデーの渡航先として人気を博し、ビザ発給は過去最多。最低賃金は2,300円で日本の2倍以上だが、実態を窺うと、渡航したものの仕事が見つからず、現地で困窮して、炊き出しに列をなす若者も少なくない。「仕事に就くまで2カ月ぐらい。130件に応募して面接に進んだのが3件」「オーストラリアの仕事探しは厳しい。一歩タイミングをミスると帰国」「ようやく仕事に就けたものの2時間でクビ」「歩合制だったので、1日8時間とか10時間働いても3,000円」という証言もある。 そもそも、現地の労働環境や生活水準を無視して、為替換算した賃金水準だけで議論すること自体がナンセンス。スイスの賃金は、日本の3~4倍だが、生活費も3~4倍という話もある。まともに人を雇ったことがない学者や労働組合や弁護士の空論に流されずに、経済実態に即応した議論をしてほしい。