日立製作所は、かつて年間3000万円を使って毎年30人の新卒大学生を採用していた。しかし、「1人あたり100万円」という費用をかけたところで、3年で3割が辞めてしまう。「ジョブ型」で転勤や配転が自由にできなくなるのなら、教育コストがかかる新入社員に多額の費用はかけられなくなる。 即戦力を期待する中途採用も同様だ。人材紹介の場合、年収の30~40%が請求されるから、年収600万円の人材の場合、200万円前後が必要になる。しかも、入社後3ヶ月を経過すれば、その人材が辞めた場合に人材会社は紹介料は返金してくれない。そもそも、その人材のスキルを高く評価して採用したところで、企業文化や就業現場における人間関係や同僚のスキルセットと合わなければ、うまくいくことはない。サッカーで例えれば、個人のスキルは重要だが、もっと必要とされるのはゲームインテリジェンスだからだ。 経営環境が不透明さを増す中で、スキルセットを基盤にした馬鹿高い紹介料は誰も払わなくなる。中小企業でも負担可能な「1人当たり30万円以下」の採用対価を常に提供できる人材会社と付き合っていくことが重要になる。