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vol-851:出国が正常化していないのに観光客を来日させる?
2021年11月18日、松野官房長官は記者会見で、新型コロナウイルス対策として実施している入国者数の制限を26日から緩和するほか、外国人の団体観光客の受け入れについても、「制限の更なる緩和に向け、前向きに検討を続けていく」と述べました。つまり、外国人観光客を今年末までに受け入れることがあり得ることを否定しなかったということになります。 留学生や技能実習生だけでなく、観光客ですら来日するというのであれば、「観光客でも就労できる」という「コロナビザ(特定活動・3~6 ヶ月・就労可)」という特例的かつ緊急的な在留資格をこのまま認めていた場合、就労目的の外国人を大量に入国させてしまうことになりかねません。 何度も指摘するようですが、「入国の正常化」を進めるのであれば、「出国の正常化」を通じて、「在留の正常化」を急ぐべきです。残念ながら「出国の正常化」が着手されていないために、日本における「在留の正常化」が毀損されつつあります。「コロナビザ」が本格的に導入された2020年 12 月1日から丁度1年が経過した11月末で「コロナビザ」は廃止すべきです。
2021年11月27日読了時間: 1分


vol-844:自民党が動くのは働き手の確保と観光振興だけ
自民党が2021年10月8日に公表した「自民党政策BANK 2021」は、今回の衆議院議員総選挙における選挙公約ですが、入管行政については「外国人の適正な出入国・在留管理を徹底しつつ、一元的相談窓口の設置など、多文化共生の実現に向けた受入れ環境を整備するとともに、技能実習制度及び特定技能制度の活用を促進し、中小企業・小規模事業者等の人手不足に対応します」という箇所のみで、ほとんど興味がないことが窺い知れます。 子細に見ても、「新規就農者の確保を推進するため・・・外国人材の確保と受入れを支援します」「本格的なインバウンドの回復に備え・・・戦略的な訪日プロモーション等に取り組みます」「日本に何度も来ていただける安心で魅力的なIRを創り上げます」という表記しかなく、政策として認識されているのは「技能実習の復活」と「観光振興」しかないと見てよいでしょう。 そうした中「留学」については冷淡です。「留学生」という言葉が一切なく、「特に問題のある大学には厳しく対応する制度導入等、大学改革に取り組みます」と明記。留学生関連業界には、厳冬の時代が到来したと見るべき
2021年10月18日読了時間: 1分


vol-830:偽装難民問題が再び浮上し悪化していく?
2021年7月16日、東京五輪出場のため大阪府泉佐野市で合宿していたウガンダの重量挙げ選手が行方不明になったことが明らかになりました。オリンピックで来日した選手は、宿泊先と競技場等を除いた移動は禁じられていたにもかかわらず、大阪から名古屋行の新幹線に乗ったようです。宿舎に「生活が厳しい国には戻らない。日本で仕事をしたい」という書き置きがありました。 「日本で仕事をしたい」という理由だけで、日本に在留できるのであれば、在留資格制度はガタガタになります。このウガンダ選手への対処は、極めて重要な試金石になるでしょう。というのは、法務大臣の判断でミャンマー人の難民申請というパンドラの箱が空いてしまっているからです。入管の対応が軟弱に終わるようであれば、偽装難民が大挙して来日することになります。 すでに、在留しているミャンマー人の多くは、「在留資格制度に抵触しても難民申請すればいい」と割り切っているので、無断で職場を離れる技能実習生や資格外活動違反を気にしない留学生が急増しています。「かわいそうだ」というだけでは、解決できない大問題に発展する兆しがあります
2021年7月19日読了時間: 1分


vol-744:6000 万人という掛け声だけでは餓死してしまう
2020年10月16日、菅首相は、講演で、訪日外国人客を2030年に6,000万人まで拡大する目標を明示。持論の観光業振興による地域経済の再生に改めて意欲を示しました。2020 年 9 月の訪日外国人客数は、前年同月(227.3 万人)比99.4%減の1.4万人。12カ月連続で前年同月を下回りましたが、6カ月ぶりに1万人を超えました。2020年に4,000万人という目標は断念せざるを得ませんが、「6,000万人」の旗は降ろさずに、「今後もわが国が観光立国として生きていくうえで、観光業はまさに貴重なインフラだ。政府として、事業の継続、雇用の維持のためにあらゆる対策を講じる」とのスタンスです。 しかし、観光業界に身を置く企業は、環境が好転するまで息を潜めて待っているわけにもいきません。リストラ、出向、国内客への切り替え、オンラインツアーなど、サバイバルに賭けた必死の模索が続きます。 GDPの2割を観光業が占めるタイでは、業界全体が死活問題に。観光都市のパタヤでは8割の住民が観光業に関与していますが、前年の1%しか外国人観光客が来ていません。掛け声だけ
2020年11月4日読了時間: 1分


vol-670:観光業はコロナで壊滅するのか?
新型コロナウイルスは、全産業にダメージを与えていますが、その中でも深刻なのは観光業。3月に日本を訪れた外国人旅行者数は、前年比▲93%になるなど、これまでに経験したことのない苦境に立たされています。JTB とHIS は全国すべての店舗を、近畿日本ツーリストもほぼすべての店舗を臨時休業に。不足が喧伝されてきたホテルも、過剰供給が心配されています。 外国人入国者数は7年連続で過去最多(2019年3188万人)を更新し、本年初に観光庁長官は「2020 年訪日外国人旅行者数4,000 万人等の目標達成に向けた総仕上げの1年となります」と高らかに宣言していましたが、4ヶ月が経過した今となっては、浮世離れした話としか思われません。慎重な見方をしていたJTBの予測(3430万人)の半分も危なそうです。 国連世界観光機関は「世界の目的地の 96%が旅行制限を行っている」と指摘し、世界旅行ツーリズム協議会は「全世界で7500万人の雇用と2.1兆ドル(約228兆円)の収益が失われる」と予測しています。日本でも、「廃業を考えざるを得ない」という声が渦巻き、壊滅的な結果
2020年6月11日読了時間: 1分


vol-623:米国入管は外国人妊婦の入国を許可しない
中米諸国から米国を目指す移民集団が数千人規模でメキシコに接近。1月20日、メキシコ国境警備隊は催涙弾による撃退を図り、国境を突破した500人については、翌日、400人以上の身柄を拘束し、出身国に送還しました。メキシコはトランプ米政権に対し、不法移民対策を約束するかわりにメキシコ製品への関税賦課を免れており、不法移民への強い姿勢を示した格好です。 また、トランプ政権は、公的支援に頼る移民によるビザやグリーンカードの取得を制限する新たな規制を発布。訴訟に発展して論議を呼んでいましたが、1 月27日、米最高裁は、これを当面認める判断を示しました。 1月23日、さらにトランプ政権は、出産のために観光ビザを使って米国を訪れようとする人へのビザ発給を拒否する方針を発表。米国籍の獲得を目的とした「バースツーリズム(出産旅行)」を抑制します。米国は「出生地主義」制度を採用しており、米国で生まれた子に米国籍を付与していますが、この制度を活用すべく、わが子の米国籍取得を目的とした中国人やロシア人の妊婦が続々と入国。米国における移民排斥の動きはしばらく続きそうです。
2020年4月1日読了時間: 1分


vol-612:箱物観光政策を追求するのはリスクあり
観光政策が好調だったことに気を良くし、安倍政権は、「IRを全国で3ヵ所設営する」「スノーリゾートを全国10カ所設ける」「高級ホテルを全国50カ所新設する」などの方針を打ち出しています。2030年に訪日外国人客を6000万人にする目標の下で、富裕層の受入れを睨んだ施策です。 「地方には国民が気軽に利用できる宿泊施設が足りない」という掛け声の下、かんぽの宿・グリーンピア・国民休暇村等が野放図に展開され、リゾート法に基いて僻地にまでリゾート施設が建設された時代がありました。税金等で支援されたこれらの施設は、結果的に安値販売に傾斜して、地元の宿泊業をガタガタにしただけでなく、杜撰な経営が祟って閉鎖の憂き目に遭いました。 「さすがに同じ轍は踏むまい」と信じたいところですが、元々日本は「富裕層向けビジネス」を得意としていません。実際、IRは、外資系のノウハウに頼るところ大。また、大都市や観光地を中心に繰り広げられているホテルの新築ラッシュも、人手不足に悩まされて、フルに稼働できないようですし、オリンピック後には供給過剰すら懸念されます。杞憂であればよいのです
2020年3月16日読了時間: 1分


vol-601:観光戦略は「箱物行政」と化すのか?
2020年代半ばに開業が予定されているIR(統合型リゾート)を巡り、開発に向けた動きが本格化しています。地方自治体からの申請受付が1月から始まるほか、手続を定める省令案も公表されました。大阪が一歩リードする中で、北海道が誘致を見送るなど、今後の成り行きが注目されています。 IR 自身の成否を疑問視する向きもありますが、より気になるのは、政府が舵取りする観光戦略が「箱物行政」化しつつあることです。実際、菅官房長官は、「世界レベルの高級ホテルを50カ所新設する」「長期滞在が楽しめるスノーリゾートを全国10か所整備する」等とぶち上げています。 「箱物行政」とは、庁舎・学校・公民館・博物館・テーマパークなどの無駄な公共施設の「建設」に重点を置く政策を意味します。施設や建造物の整備そのものが目的になり、大失敗した公共工事が日本全国に溢れました。元々は、コストのかからない観光ビザの緩和等から始まった観光戦略が、クルーズ港の整備を経て、本格的に「箱物」にシフトしてきた感があります。日本は、再び「箱物行政」の失敗を繰り返してしまうのでしょうか。
2020年2月28日読了時間: 1分


vol-588:韓国を嘲笑うも明日は我が身の運命になるのか?
日韓関係は最悪で、2019年9月の韓国からの訪日客数も前年比▲58.1%と激減したものの、ラグビーW 杯の効果もあり、訪日外国人全体では前年比+5.2%となり、9月としては過去最高の水準になりました。また、7~9月期における訪日外国人旅行消費額は1兆2,000億円で、前年同期比で+9.0%。2019年1~9 月で見ると、3兆6,189億円で過去最高額を記録するなど、「韓国との関係が悪化しても日本経済は大丈夫」という見方が大勢を占めています。 その一方、韓国はと言えば、韓国人による日本旅行の自粛によって、韓国の航空会社が破綻する一歩手前で身売りする先があるほどで、日本に対する経済制裁で自分の首を絞めている格好です。ただでさえ、自国経済が脆弱になっているところに、屋台骨を支えている財閥企業も輸出不振で軒並み大きく落ち込んでおり、主だった外資企業は韓国から脱出しています。 日本国内では、韓国の惨状を眺めて、留飲を下げている人が少なくないようですが、韓国ほど極端ではないにしろ、安倍政権が韓国と酷似した経済政策を採用していることは事実。「明日は我が身」にな
2020年2月11日読了時間: 1分


vol-542:留学生アルバイトに頼る経営は危うい
日韓関係が悪化したことによって、好調を持続してきた観光業に異変が生じています。2019年7 月に九州の港や空港から入国した外国人数が前年比▲6.1%減となった中、対馬市では4割近くの減少に見舞われているほか、宿泊客に至っては、同年8月は同5~8割減が多く、同年9月の予約状況は9割減やゼロの状況。 日韓をつなぐ空路は、定期便60路線以上の運休・減便が決まっています。大韓航空は、釜山と新千歳、関西空港のほか、仁川と旭川、小松、鹿児島を結ぶ各路線や、済州と成田、関空を結ぶ各路線の計7路線を9月以降に運休し、那覇―仁川等の5路線も減便します。アシアナ航空や格安航空会社も路線を運休させる模様で、元に戻る気配はありません。 ビジネスに環境変化は付き物。一本柱に頼ってしまうと、その柱がぐらついたときに対応できなくなります。それは、外国人材も同じ。留学生アルバイトだけに頼る運営は、早晩困難化します。「留学(資格外活動)」だけでなく、「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」も活用して、移り気な入管行政の風向きが変わったときでも対応できるようにしておきたいものです
2019年11月29日読了時間: 1分


vol-487:オーバーツーリズム問題に対しては早めに対処せよ
「観光業の振興」は、「アベノミクス」における数少ない成功例です(2019年秋)。高めの数値目標を掲げて、観光ビザを緩和し、クルーズ船を誘致して、地方の観光資源に光を当てるとともに、ホテルの建設ラッシュで関連業界を潤しまし。歴代の産業政策の中でも出色の出来栄えですし、この成功がなかったら、安倍政権は窮地に追い込まれていたかもしれません。 ただし、本当の試練はこれから。弊害が目立つ京都を筆頭に、「観光公害」や「オーバーツーリズム」という指摘が、全国各地で沸き起こっていますが、これらに対する観光庁の対策は、観光客のマナー対策やポスターによる広報、先進事例の紹介等に限定されており、効果など見込めないお粗末な代物。 他の産業であれば、関係者は、商品やサービスを購入する人に限られますが、観光業は異なります。目に見えて恩恵に与る人と比べれば、目に見える被害を受ける人は大多数に及びます。したがって、恩恵に与る人たちが、先手を打って、被害を受ける人たちに配慮した建設的な対策を示していかなければ、海外よりも先鋭的な形で、排外的な運動が巻き起こる危険性があります。
2019年9月10日読了時間: 1分


vol-417:定住外国人が増えれば軋轢は必ず発生する!
2018 年に京都市内の主要ホテルに泊まった日本人客数は前年比9.4%減で、4 年連続のマイナスになりました。繁華街の河原町から四条大橋を通って観光名所の祇園、東山に至る一角は連日、広い歩道を埋め尽くさんばかりの外国人観光客でごった返しており、足の踏み場もないほど。河原町近くにある錦市場は、地元の高齢者らが外国人観光客に追い出された感じです。路線バスは時間通りに運行されず、宿泊施設の建設ラッシュで「京都らしさ」が失われるなど、「観光公害」や「オーバーツーリズム」が喧伝されています。 一時的な在留者に過ぎない観光客ですら、これだけの批判を産むのですから、定住する外国人が増えてきたら、この程度の騒ぎでは済みません。「負の側面を減らしていく努力が要る」(鈴木馨祐財務副大臣)という認識が重要になります。この点で、「共生」を担当する司令塔が、杓子定規で世の中を知らない「法務省」というのは心配。今からでも遅くないので、問題が発生する前に、内閣府の下に「入管庁」を置き、定住外国人の実態に詳しい専門家を参加させて、為政者としての智慧と全省庁の機能を結集させたほう
2019年5月31日読了時間: 1分


vol-400:米国は「出産ツーリズム」問題に頭を悩ます
米国で「出産ツーリズム」が問題になっています(2019年春)。国籍取得に関して、米国では、親の国籍で決まる「血統主義」ではなく、出生地で決定する「出生地主義」を採用しているため、米国で出産することにより子どもに米国籍を与えたいと考える妊婦が後を絶たず、それを商売にしているブローカーもいるため、ひとつの産業になっています。一説によれば、毎年3~8万人が15,000~50,000ドルの費用(VIPは100,000ドル)を支払って、「出産ツーリズム」で訪米するとも言われています。生まれた子どもは母国で育てられた後、米国に戻り、21歳になったら両親を呼び寄せることができるのが魅力です。 妊婦は、入管通過時に「ゆったりとした服」を着用して妊娠状態を隠すよう指示され、模擬面接を行って、滞在目的を偽るように指導されます。このため、2019年1月末には、中国人を顧客とする「出産ツーリズム」企業を運営したとして、中国人3人が逮捕されました。500人以上の中国人顧客を抱え、中国から2年間で340万ドルの送金を受け取っていました。ブローカー対策に頭を悩ませているのは、
2019年5月8日読了時間: 1分


vol-386:オーバーツーリズムが全国各地で顕在化する
2018年の訪日外国人は、累計3119万人に達し、2020年の政府目標4000万人が射程圏内に入ってきました。その一方、いわゆる「観光公害」や「オーバーツーリズム」も顕在化。京都市右京区の「竹林の散策路」では竹への落書きが問題となり、北海道美瑛町でも観光客に畑が荒らされポプラの木がダメになりました。金沢市の近江町市場では、観光客の急増で地元客が遠のいてしまいましたし、奄美大島南部の鹿児島県瀬戸内町ではクルーズ船の誘致に絡んで「自然が破壊される」として反対運動が起きました。 「観光公害」が喧伝される裏側には、実感しやすいデメリットに対し、地元が「観光によるメリット」を享受しきれていないという実態があるのかもしれません。実際、外国人の人気観光地は日本人の感覚とはかなり異なります。「訪日中国人ビジネスはすでに勝負あった」とする論者がいる一方で、社会現象にまでなった訪日中国人による「爆買い」ブームは減少に転じ、昨夏、中国人オーナーが経営するラオックスは銀座本店を閉店。中国人でも読み誤まるのです。各地元はまず、観光による「得失」を冷徹に確認すべきです。
2019年4月10日読了時間: 1分


vol-361:日本で産まれた新生児の父母が不明のときは日本人
2019年1月29日、新生児を民家の敷地に遺棄したとして、保護責任者遺棄の疑いで、中国籍の技能実習生(22)が逮捕されました。泣き声を聞いた通行人が、ポリ袋に入れられていた男児を発見。命に別条はありませんでした。容疑者は自宅で1人で男児を出産したといい、「会社に知られたら、日本にいられなくなってしまう。日本人の家に赤ちゃんを置けば育ててくれると思った」と供述しているようです。この事件を契機に、改めて「外国人労働者」を「人」として扱わない「技能実習制度」に批判が集まっています。 仮に容疑者が発見されなかった場合、この男児はどうなったでしょうか? 国籍法第2条は、「子は、次の場合には、日本国民とする」と定め、「日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき」と規定しているので、「日本人」として遇されることになります。安倍政権が口頭で「移民」を否定したところで、外国人の受入れを増やせば、このような意図せぬ「日本人」も増えていきます。「外国人労働者」を「人」として受け入れるための法令や体制の整備が不可欠になると覚悟すべきです
2019年3月6日読了時間: 1分


vol-290:米国は出生地主義を捨てられるのか?
ドナルド・トランプ米大統領が、大統領令によって、米国で生まれた子どもに自動的に市民権を与える『出生地主義』を転換させるという考えを表明しました。市民権を得た移民が祖国の親族を呼び寄せる「移民の連鎖」を断ち切るとして、大統領選時から唱えてきた考えです。 日本は、トランプ氏が理想とする「国籍制度」である「血統主義」を採用しています。というのは、日本国籍を取得するには、父か母かが日本人でなければならず、しかも外国で生まれた場合は一定の手続きを取らないと日本国籍を取得することができない仕組みになっています。「国籍」というものは生まれながらにして世界共通に決まっているものだと思いがちですが、じつは、各国が定めている「国籍法」の内容によって大きく変わり得るのです。 日本の「国籍法」は、二重国籍を認めていません。その一方、OECD諸国の圧倒的多数が二重国籍を認めています。また、海外に出て行った元自国民をつなぎ留める動きも顕著に見られます。入国管理法の議論が活発化していますが、同時に「日本人とは何者か」という根源的な議論が求められています。
2018年11月14日読了時間: 1分


vol-255:生活者としての外国人は消費市場を形成する
台風21号の直撃で関西国際空港が一時閉鎖され、日々刻々と復旧が図られているものの、関西経済に与えたダメージは、かなりのものがあるようです。大阪城の来館者が半減し、黒門市場が閑散となり、ホテルのキャンセルが大量発生するなど一部では悲鳴に近い声も上がりました。無論、関西空港が完全復旧すれば、それらも過去の笑い話になるのかもしれませんが、北海道地震の影響で観光離れが起きたり、西日本豪雨や大阪北部地震の影響で韓国からの旅行客が前年よりも減るなど、観光業は、ビジネスの本質上、環境変化による大きなアップダウンが避けられません。 安倍政権は「観光立国」を掲げていますが、「観光頼み」は、「観光倒れ」になりかねないリスクを抱えています。長い目で見れば、あくまでも「観光」は「大黒柱」ではなく、「+α」と心得て、安定した経済基盤を維持していくことが肝要。そのためには、しっかりとした内需が必要であり、少子高齢化の中でしっかりとした内需を維持していくには、「生活者としての外国人」を受け入れていく必要があるという現実を直視する必要があるのです。
2018年9月26日読了時間: 1分


vol-233:訪日外国人を増やすなら入国審査官を増やせ
2018年の訪日外国人は、8月15日に過去最速で2000万人を突破するなど急増していますが、最前線でチェックする入国審査官が増強されなければ、問題が生じることは避けられません。3月25日、成田空港の入国審査場は身動きできないほどの入国者で溢れ、待ち時間が3時間を超えました。入管は、審査待ちの間に顔写真撮影や指紋採取を完了できるようにし、日本人向けに自動化ゲートを導入しましたが、人手が足りないのです。 一方で不法入国の手口が巧妙化し、手術を受けて指紋を偽装するケースがあるなど一時たりとも気が抜けません。2017年に入管が入国拒否した外国人は7181人(2013 年の2.5 倍)。リスクが指摘されていたクルーズ船においては、「要注意人物リスト」に掲載されていた中国人男性が大阪港から入国した後、行方不明になっていたことが公になり、大騒ぎになっています。 訪日外国人は激増させなければならない。でも、人員はそんなに急激には増やせない。だけれども、要注意人物は1人も入国させてはいけない。それは無理な要求というものです。入国審査官は本当にかわいそうだと思います
2018年8月27日読了時間: 1分


vol-227:「観光」の推進は良いことばかりではない
和歌山県の高野山は、年間 140 万人が訪れる名所ですが、米国出身の僧侶が、宿坊(参拝する人の宿泊施設)を利用した外国人客がネットに書き込んだコメントに「喝」を入れ、話題になっています。「スタッフの対応が素っ気なかった」という批判に対し「何のためにここに来たんだ」と反論。「出されたベジタリアンフードは変な味だった」というコメントには「それは日本の精進料理なんだよ。F●CK YOU」と回答。観光客のマナーの悪さに辟易としていた人々の気持ちを代弁した面もあるかもしれません。京都・嵐山の竹林に刃物で落書きする、滝行という「修行」を「アクティビティ」と捉えて無断で撮影や雑談を行う、マリオに扮する公道カートで事故を起こす、などの「観光公害」を指摘する声が増えてきました。 オランダ屈指の観光都市アムステルダムでは、民泊の利用日数の上限を年60 日から30日に減らし、セグウェイの走行禁止や遊覧船の係留禁止など講じていますが、スペインのバルセロナやイタリアのベニスも同様とのこと。「観光は良いことばかりではない」というご時世に移行しつつあります。
2018年8月17日読了時間: 1分


vol-207:イエメン難民が韓国の済州島に殺到する
いま韓国は、「難民問題」で大騒ぎになっています。内戦下の中東イエメンから大勢の亡命希望者が来韓。「韓国のハワイ」として知られるリゾート地・済州島がビザ不要だったため、LCC の直行便があったマレーシアを経由して殺到しました。ノービザで入国した後に難民申請すると審査期間中は滞在できます。難民認定されなくても訴訟すれば最長3年の滞在が可能になるので、日本の「偽装難民問題」に類似した現象が突如沸き起こったのです。 韓国では、2018年5月末までに計4万470人が難民申請しました。審査を終えた2万361人における難民認定数は839人であり、全体の4.1%にすぎません(人道主義的な在留許可を含めると 7.6%)。世界の難民認定率が 38%であることに比べると、日本ほどではないにしろ難民に厳しい国です。もっとも、難民申請後半年以内に就労できないという原則を曲げて、イエメン難民の生活を支援するために早期就労を許可したり、入管が雇用主と難民申請者のマッチングの場を設けたり、申請者の生計費(43万2900ウォン/人・月)を支援する制度もあり、難民に対し日本よりも遥
2018年7月20日読了時間: 1分
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