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vol-1061:GHQは日本企業にジョブ型を導入できなかった
敗戦後の1946年7月に、GHQが招聘した米国労働諮問委員会は、「我が国の賃金に対する批判と勧告」という報告書を作成し、賃金方式を「ジョブ型=職務給」に変更すべきとする方針を打ち出したという歴史的事実がある。しかし、四半世紀を経過した1970年になっても「ジョブ型=職務給」を導入した大企業は18%にすぎなかったという。この事実から見ても、「ジョブ型」を日本的経営において根付かせることが如何に困難かがわかる。独裁的な権限を持っていたGHQが旗を振っても根付かなかった「ジョブ型」が軽々に定着するわけもない。 『現在の如き年齢、性及び婚姻状態の相違に基礎をおく賃金給料制度は経済的に不健全であり関係被傭者に対しては不公平であり……本委員会は日本政府及び日本の民間産業が職務評価の健全な原則即ち被傭者の個人的条件即ち性、年齢或は、婚姻状態に基かず、当該職務に必要な義務及び責任に基づく所の賃金給料制度に向かって努力することを勧告する』 (我が国の賃金に対する批判と勧告:米国労働諮問委員会) 1947年4月に来日し、日本の賃金慣行を視察した世界労連日本調査団も、
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vol-1060:日本企業における「ジョブ型」は紛い物が多い
近年、日本のメディアでは、「ジョブ型雇用」が称賛され推奨されている。このため、「メンバーシップ型雇用」に係わるデメリットが強調され、「ジョブ型雇用」のメリットばかりが喧伝される傾向がある。例えば、人事コンサルティング会社マーサージャパンによる大企業の管理職を対象とした調査(2020年9月)によれば、現状の雇用は、「メンバーシップ型」が34%、「どちらかというとメンバーシップ型」が30%で、「どちらかというとジョブ型」が15%、「ジョブ型」が21%であり、「メンバーシップ型」64%に対して、「ジョブ型」が36%の比率だったが、3~5年後の見通しを聞くと、「メンバーシップ型」44%に対して、「ジョブ型」56%と逆転。日本企業(特に大企業・上場企業)において、「ジョブ型」へと向かう潮流を観察することができる。 また、パーソル総合研究所の調査(2021年6月)によると、「ジョブ型」を導入企業は18.0%で、導入検討企業は39.6%であったし、「求人広告」や「合同企業説明会」を展開している学情が「ジョブ型採用」について調べたところ(2022年1月)、「20
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vol-1052:食品スーパー「さえき」は在留資格を最大限に活用する
日本経済新聞が、9月15日に食品スーパー「さえき」の記事を掲載した(下記)。さえきは、外国人材を育成して戦力化する長期計画だ。「技能実習」と「特定技能」を中心に運用する予定だが、「技術・人文知識・国際業務」の「実務研修ガイドライン」を巧みに組み合わせている。 現行の在留資格制度を深く理解した上で、外国人材を最大限活用する方針で社内の人事制度を設計しているのだろう。「技術・人文知識・国際業務は翻訳・通訳です」という教科書の上っ面だけを学んだ三流の行政書士と付き合っていないことだけは確かだ。 経営者であれば、食品スーパー「さえき」のように、在留資格制度を深く理解した上で最大限活用する方法を身に付けたいものだ。 東京都西部地盤の食品スーパーのさえきセルバホールディングス(HD、東京都国立市)が、日本とベトナム両国で10年単位で育成する。ベトナムで必要な人材について技能実習生に着目し、食品製造から店舗管理まで日本とベトナム両国で10年単位で育成する。ベトナムでは100店規模の展開を視野に入れる。 「かき揚げがダメにならないよう、水を少しずつ加えるのがポイ
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vol-1051:VUCAの時代におけるリスキリングはリスキーだ
日本の人材業界では、求職者が持っている「スキル」と求人企業が求める「スキル」を「マッチング」すればよいと考える「スキルマッチング思考」が支配的であり、転職を成功させるためには、必要とされる「スキル」を身に付ける「リスキリング」が推奨されている。これは、2024年8月に政府が公表した「ジョブ型人事指針」が示した方向性と同じである。要するに、「職務(ジョブ)ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリスキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要である」という考え方だ。 しかし、現代は、予測が難しい「VUCAの時代」だと言う。「VUCA」とは、「Volatility:変動性」、「Uncertainty:不確実性」、「Complexity:複雑性」、「Ambiguity:曖昧性」の4つの単語の頭文字をとった造語。要するに、「将来が読めない」と言われているわけだ。 将来が読めなくなればなるほど、将来において必要とされる「スキル」を予測することは困難になる。また、3ヶ月程度の努力で身に付けることができる「スキル」など、
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vol-1049:日本において「ジョブ型人事」は机上の空論である
2024年8月28日、内閣官房・経済産業省・厚生労働省は、「ジョブ型人事指針」を公表した。「職務(ジョブ)ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要である」と説き、日本企業において支配的な「メンバーシップ型人事」から「ジョブ型人事」への転換を謳っている。 「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきた。職務(ジョブ)ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要である。そうすることにより、内部労働市場と外部労働市場をシームレスにつなげ、社外からの経験者採用にも門戸を開き、労働者が自らの選択によって、社内・社外共に労働移動できるようにしていくことが、日本企業と日本経済の更なる成長のためにも急務であり、個々の企業の実態に応じたジョブ型人事の導入を進める。 (ジョブ型人事指針《内閣官房・経済産業省・厚生労働省》:2024年8月28日)
4 日前読了時間: 4分


Vol.1047:「人材希少社会」で介護は「無理ゲー」になる
日本で働く外国人は257万人。労働者の27人に1人にあたる。2009年においては112人に1人だったことを考えると、増加の著しさがわかる。外国人労働者は、日本人が当たり前と思っている「普通の生活」を支える存在と化した。その現実が鮮明なのは介護現場。日本の介護現場における人材不足は極めて深刻であり、2026年度には25万人、2040年度には57万人が不足すると見られている。どこの施設もスタッフの確保に頭を抱えており、事業存続の危機にさらされている施設も少なくない。さらに、日本国内だけではなく、台湾や韓国、シンガポールなどの諸外国とも外国人介護人材を奪い合っているというのが現状だ。 こうした外国人介護人材は日本にとってありがたく、本来なら感謝しても感謝しきれない存在だ。しかし、高市政権による在留資格の厳格化だけでなく、在留資格変更・更新手数料の大幅引上げ(6000円から33,000円~77,000円に)が彼らを襲っている。本人負担が増えれば、日本で働き続けることをためらう人が出てくるので、人材流出を防ぐため、増額分を事業者側で負担するという動きが出て
5 日前読了時間: 5分


vol-1036:サナエノミクスで景気は良くなっているのか?
株価が大幅高になったことなどを背景に、「高市政権による経済政策(サナエノミクス)は上手く機能している」と短絡的に論じるコメンテーターが少なくない。しかし、本当に景気は良いのだろうか? 経済関連統計をつぶさに見てみよう。年間累計の倒産計数は、2025年1月から1万社超え。前年比もじりじりと増加し、+7%近くに上昇してきた。素直に読めば、景気が良いとは思えない。 倒産件数 (年間累計) 前年比 2026年1月 10,292件 +2.6% 2月 10,357件 +2.9% 3月 10,427件 +3.5% 4月 10,498件 +3.6% 5月 10,434件 +4.8% 6月 10,593件 +5.8% 7月 10,674件 +6.2% 8月 10,750件 +6.9% 実際、企業倒産が増えている中で、世の中的には「人手不足」が根強く喧伝されてるものの、有効求人倍率(実数)の数値を見る
9月15日読了時間: 4分


vol-1034:日本人の若者にはやりたいことも夢も希望もない?
実際に外国人社員を雇っている社長から話を聞くと、「仕方なく外国人を雇っているんじゃない。現場の本音はむしろ『日本人より外国人の若者の方がやる気があって優秀』というものだ」「ワークライフバランスだのパワハラだのと、面倒なことばかり言う日本人を雇いたい経営者は確実に減っている」「建設業施工会社の7割は外国人で3割が日本人。日本人はほぼ運転手。収入はそれほどないけど、人を運搬するだけの仕事。それくらい日本人は現場に出ない。お金が高くても日本人は現場に出ない」「現場で実際に汗を流せる人が、今の日本にどれだけいるのか? ワガママでぬるま湯に浸かり切った日本人にその覚悟があるとは思えません」など、日本人の若手に対する不満が湧いて出てくる。 無論、すべての日本人の若者がそうだと言うつもりはない。しかし、就職を希望する日本人の高卒を雇おうと思うと、特にやりたいことも希望も意欲もなく、「家から近くて休みが多い会社がベスト」「給料はそこそこでいいから、いつでも休める企業がいい」「夢はフリーターです」と答えるという話を聞くと、日本の将来に懸念を抱かざるを得ない。実際、
9月15日読了時間: 2分


vol-1031:「安いから外国人」と批判する人は経験が浅い
ある会社で働く若手の外国人特定技能から相談があった社長の話。「建設重機に乗るために資格取りたいです。図面書くためにパソコン作業覚えたいです。他の人の2倍働きます。その分、給与上げて欲しいです。自分が住む国への仕送りを増やしたいです」 ギラギラした眼差しで、こちらを見つめてくるのが印象的だったという。 翌日、その社長が職場の上長に話を聞くと、現場では誰もが嫌がる仕事を率先して対応し、空き時間に日本語の勉強をしているくらいの努力を感じているようだった。一方、同じ職場で働く同年代の日本人社員と面談したところ、「給与は現在のままでいいです。上がるとしても、勉強したくもないし、働きたくもありません。」という回答だったという。 社長は「豊かさが、必ずしもハングリー精神を奪うものではないが、圧倒的な差を感じる。数年後には、現場の指揮から特殊技能に関しては外国人特定技能が独占するのではないだろうか...本当にこのままでいいのだろうか?」と考えさせられたらしい。 公の場では、ほとんど論じられることはないが、これは、あるある、の話。移民の話に関して、「賃金が安いから
9月15日読了時間: 2分


vol-1025:AIがもたらす効果を過度に期待すべきではない
「猫も杓子もAI」という狂騒の中で、ようやく冷静な議論が散見されるようになった。小林祐児・パーソル総合研究所主席研究員は、「生成AIの利用率は過半数を超えて、仕事が早くなったと実感している人は多い。だが、日本のみならず、AI活用が進むアメリカの統計を見ても、労働時間は減らず、組織の生産性はほとんど上がっていないことがわかった」と証言する。 ノーベル経済学賞を受賞したアセモグルMIT教授は、AIによる今後10年間の生産性向上はたかだか0.66% (年率0.06〜0.07%) に過ぎないと推計したし、サンフランシスコ連銀も年間0.07%(2026年1Q時点)と分析。 ビジネスの現場も同様だ。カスタマーサポート要員を数百人規模でAIに切り替えたスウェーデンのKlarnaでは、サービスの品質低下を招き、人員を再雇用。AIによるドライブスルーの自動発注システムを導入した米マクドナルドは、注文精度や現場対応の問題で中断した。AIプロジェクトを中止した米国企業は42%(2025年)に達し、MITの研究でも「95%ではAIの投資効果が得られなかった」との結論に。
9月5日読了時間: 1分


vol-1024:ゆで太郎の給料は決して低賃金ではない!
500人の外国人社員を雇用するそばチェーン「ゆで太郎システム」の池田智昭代表は「事務職を募集すれば、日本人は山ほど来る。日本人はみんな現場で働きたがらない。190万人が失業していても有効求人倍率が1.2なのは、仕事を選んでいるからだ」と主張。「安く働く外国人労働者を入れれば入れるほど、日本人の給料は上がらなくなる」という反論に対しては、「外国人のコストは日本人以上。寮の費用や管理費が余計にかかっているのに、採用するのは、外国人の方が生産性が高くて面目だからだ」と補足説明した。 SNSでは「賃金が安い外国人を雇うな!」という短絡的な意見が渦巻いているが、ゆで太郎の賃金体系は、初任給で23.4~31.0万円、店長クラスは35.5~47.0万円であり、決して「低賃金」ではない。そもそも、正規の在留資格で働く合法移民の賃金は、入管法上、日本人と同等以上でなければならない。 「外国人=低賃金」という誤解が蔓延しているのは、「不法移民が低賃金で働いている」という現実があるから。誤ったイメージを是正するには、不法残留者や偽装難民という不法移民を片っ端から摘発し
8月29日読了時間: 1分


Vol.1018:「AIが人間の仕事を奪う」のはまだまだ先
「イギリスでは、2026年1〜3月期の16歳から24歳のニートが100万人を超えました」などの事実に引っ掛けて、「AIが人間の仕事を奪う」という言説が世の中に溢れる。というのも、生成AIが資料作成やデータ入力など新人が担ってきた仕事を賄えるからだ。「若者は最初の職を得られず、職歴がないので採用されないという悪循環に陥る」という。米国IT業界にはその気配が色濃く漂っているし、日本でもSBIホールディングス北尾会長が「よほど優秀な人材でないと採用するな」「採用を大幅に減らす」と述べた。 しかし、本当にそうか? AIが便利なツールであることを否定するつもりはない。巧みに使えば、打ち出の小槌にもなる。しかし、テレアポリストに限って言えば、Chat-GPTで作成したリストのヒット率は0.06%、手作りの0.26%に及ばないという実例もある。しかも、Chat-GPTが作成するリストの4~5割はバグ。無論、Chat-GPTに対する指示が下手なだけという側面はある。しかし、AIっぽいテレアポを売り込みにくる業者と話しても、リアルな事情はあまり変わらない。AI関連
7月21日読了時間: 1分


Vol.1017:楽観論に騙されることなく最悪期に備えよ
帝国データバンクの調査によれば、2026年6月の倒産件数は1,028件(前年同月869件、前年比18.3%増)となり、約2年ぶりに1,000件を超えた。また、上半期(1~6月)の倒産件数は、5,335件となり、前年(5,003件)を6.6%上回り、2年連続の5,000件超えとなった。物価高や人手不足という苦境の中で、販売不振に見舞われている中小企業が力尽きている。 大企業の増益や高水準の株価の背後に隠されているが、中小企業の景況感に力強さは感じられない。冷徹に観れば、AIブームで浮かれている市場関係者の中で、AIの収益化を具体的に語れる者は皆無であり、6ヶ月連続で前年比割れの実質消費(家計調査)や5月に悪化した鉱工業生産も懸念される。 そんな中、政策金利のさらなる引き上げが見込まれている。帝国データバンクの調査では、政策金利が1.0%へ引き上げられることによって3.3%の企業が経常赤字に転落、1.5%へ引き上げられた場合には6.1%の企業が経常赤字になるという試算となっている。高市政権やメディアで漂っている楽観論に騙されることなく、あらゆる局面に
7月13日読了時間: 1分


vol-1012:足元の人手不足と将来の需要減少が企業を襲う
5月29日、総務省は「2025年国勢調査人口速報集計結果」を公表。日本の総人口は1億2,305万人。2020年と比較すると、309万7,000人(▲2.5%)減少。5年毎の推移をみると、1945年~1950年は第1次ベビーブーム等で+15.3%と高い増加率となったが、出生率の低下に伴い増加率が縮小。1970~1975年は反転したものの(第2次ベビーブーム)、1975~1980年には増加幅が再び縮小に転じ、2010~2015年は▲0.8%と初めて減少。2015~2020年は▲0.7%、2020~2025年は▲2.5%に。都道府県の人口をみると、人口が増加したのは東京都と沖縄県のみ。秋田県では人口減少率が▲8.1%に達した。市町村の人口をみると、人口が減少したのは1,558市町村で全体の90.6%。一方、人口が増加したのは161市町村で全体の9.4%に過ぎない。 2025年の日本人の出生数は67万人で10年連続で過去最少。人口の「自然減」は19年連続で続く。女性1人が一生のうちに産む子どもの数の指標「合計特殊出生率」は1.14で過去最低。人口減少は否
6月8日読了時間: 1分


vol-1004:行政実務に疎い高市政権は本当に政策通なのか?
景気の雲行きが怪しい。イラン戦争が泥沼化し長期化する様相を見せており、IMFは、エネルギー価格と食料価格の高騰が続けば、世界的なインフレを加速させるとの見通しを示した。日本国内でも、石油精製の過程で得られるナフサが入手できなくなるとの予測から、大手化学メーカーは軒並みエチレンの減産を発表。石油関連製品に関する値上げのリリースが相次いでいる。 高市首相は、3月29日に「ただちに供給が滞ることはないですから落ち着いた対応を」と呼びかけ、翌日には「赤澤経産大臣を『中東情勢に伴う重要物資安定確保担当大臣』に任命したが、経済安保担当大臣がいるにもかかわらず、似たような担当大臣を新設したところで、何の解決にもならない。 今後懸念されるのは、原油枯渇や物価高に加えて、景気悪化の中で日本人の失業問題がクローズアップされ、「日本人が職にありつけないのは外国人を受け入れているから」という情緒的な世論が沸騰し、排外主義が勢いを増すこと。政策通のようで実情に疎く行政手腕に欠ける高市政権が、排外主義に迎合しすぎて、ヘンテコな政策を打ち出さないことを切に祈るばかりである。
4月6日読了時間: 1分


vol-1003:特定技能はいきなり「転職困難」になる?
3月29日、入管庁は、外食業分野における「特定技能1号」の在留者数が、本年2月末現在で4.6万人となっており、本年5月頃に受入上限の5.0万人を超えることが見込まれるとして、4月13日から、外食業分野における「特定技能1号」の受入れを一時的に停止する。再開はかなり後になりそうだ。 寝耳に水の外食業界は大騒ぎ。大手飲食チェーンは「急な決定に驚いている。今後の計画の見直しが必要になる」と懸念を表明し、給食運営企業は「特定技能外国人を採用できなければ食堂の運営が立ちゆかない」と悩みを語る。 今回の措置で、4月13日以降に受理した「外食業分野の特定技能1号」に関する「在留資格認定証明書交付申請」と「在留資格変更許可申請」は不交付・不許可になる。在職中の特定技能外国人の「在留期間更新許可申請」等については「通常どおり審査」ということなので、最悪の事態は避けられた形だが、じつはこの措置により、特定技能外国人は転職が難しくなった。特定技能は受入企業に紐づいているので、転職の場合、「在留資格変更許可申請」で許可を得る必要があるからだ。実際は、転職困難になる可能性
3月30日読了時間: 1分


vol-998:大きな人手不足は生じないから問題ない?
1月26日に経済産業省が公表した「2040年の就業構造推計」が話題になっている。2025年平均で過去最多の7004万人となった労働力人口は、人口減少によって2040年には6303万人になると推計。700万人ほど減るのだが、国内投資の拡大や産業構造の転換、AIやロボットの利活用およびリスキリングによる省人化によって「大きな人手不足は生じない」と結論づけた。 「だからどうした」と言うしかない。日本が抱える真の問題は人口減少ではない。高齢層に比べて若年層が圧倒的に不足するという人口構成の問題である。AIやロボットの利活用およびリスキリングによって、200万人が不要になると言うが、人口構成の問題は完全に無視。無論、省力化はどんどんやればよい。事務職で437万人の余剰が生じるという予測も披露されたが、価値が低く不要な事務も多い。業務改善を先送りしてきた結果だとも言える。 政府はIT、DX、AIなど目新しい旗を次々と掲げてきたが、役所仕事の実態を見ればよい。AIどころかIT導入の前提となる標準化すらできていない。その程度の役所が垂れ流すいい加減な予測は9割引
2月23日読了時間: 1分


vol-987:今後50年は毎年100万人ずつ人口が減る
日本人の出生数68.6万人に対し、死亡数は160.5万人(2024年)。差引き91.9万人が1年間で減少。この傾向は1年だけの異常値ではなく、少なくとも今後50年間は続く。出生数を低位で推計し、死亡数を高位で推計すれば、毎年100万人の人口が失われていき、その減少傾向は最低でも50年続くという現実を確認することができる。この将来像は避けようがない。 しかし、この待ち受けている近未来を直視できない人は多い。多いのは、「人口減少をどうにか食い止める」という解決不能の問題に取り組む振りをして時間を浪費する人々だが、「重要なのは1人あたりGDPであって、人口が減っても何ら問題は生じない」などと問題をすり替える一派も目立つ。 悩ましいのは、人口減少だけでなく、高齢者層に対して若年者層が少ないという深刻なギャップが広がっていること。程度についてはともかくとして、「移民」について真剣かつ子細に議論すべき時が来ている。厳しいルールを張り巡らせ、若年層の移民を受け入れる一方、妊娠すれば強制送還。高齢者は金持ち以外在留させないというシンガポール方式に学ぶべき点は多い
2025年12月1日読了時間: 1分


vol-984:日本人若年層は今後20年間絶対に増えない
2025年上半期の日本人の出生数は、過去最少の32.9万人だった。前年同期比▲3.3%で、上半期としては過去最少を記録した。2024年の年間出生数は68.6万人で、調査開始以来史上最少。2025年下半期も同じペースで推移すれば、2年連続で70万人を割り込む。少子化に歯止めがかからない状況だ。 一方、上半期の死亡数は82.3万人で前年比+2.9%。出生数との差し引きによる自然減は50.4万人で、前年同期47.0万人よりも3万人以上増えている。この状況下、婚姻件数は23.0万件で前年比▲4.3%。最近の少子化は人口減少・非婚化・夫婦の出生率低下の三重の下押しで進行が続いている。高齢化の進行により死亡数が増加する一方で、出生数の落ち込みが続いており、高齢者層に対して若年者層が少ないという深刻なギャップは広がる一方だ。 客観的に観れば、今後少なくとも20年間において、日本人若年層が増える見込みは絶対にない。これは、冷徹な事実である。高齢者を切り捨てる「姥捨て山政策」か、若年層に皺寄せする「若者奴隷政策」を大胆に断行しないのであれば、外国人の若年層に支えて
2025年11月10日読了時間: 1分


vol-983:最低賃金引上げは生産性向上をもたらす?
10月3日から東京都の最低賃金が1,226円に引き上げられるなど、初めて全国すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超えた。この施策の背景には、「最低賃金の引上げを契機に、企業は労働生産性の向上に努める。一方、賃金の引上げで消費者の購買力が向上し、販売価格の上昇を通じて企業の売上高が増える。結果的に、企業業績が改善するから、さらなる賃上げを実施できるようになり、経済の好循環が実現する」という机上の空論がある。 じつは、経済産業省のシンクタンク「経済産業研究所」が出した論文「Who Pays for the Minimum Wage in the Japanese Manufacturing Sector?(最低賃金の上昇を負担したのは誰か?)」はこの論理を否定。「日本企業は、最低賃金の上昇圧力に対して、事業と雇用を縮小させることで対応しており、販売価格の引上げで生産性を向上させた証拠は得られなかった」と結論付けた。 当たり前だが、「労働生産性の向上➡企業業績の改善➡賃上げ余力の発生➡最低賃金引上げの許容」という筋道が逆転することはない。経営の論
2025年11月3日読了時間: 1分
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