vol-1052:食品スーパー「さえき」は在留資格を最大限に活用する
日本経済新聞が、9月15日に食品スーパー「さえき」の記事を掲載した(下記)。さえきは、外国人材を育成して戦力化する長期計画だ。「技能実習」と「特定技能」を中心に運用する予定だが、「技術・人文知識・国際業務」の「実務研修ガイドライン」を巧みに組み合わせている。
現行の在留資格制度を深く理解した上で、外国人材を最大限活用する方針で社内の人事制度を設計しているのだろう。「技術・人文知識・国際業務は翻訳・通訳です」という教科書の上っ面だけを学んだ三流の行政書士と付き合っていないことだけは確かだ。
経営者であれば、食品スーパー「さえき」のように、在留資格制度を深く理解した上で最大限活用する方法を身に付けたいものだ。
東京都西部地盤の食品スーパーのさえきセルバホールディングス(HD、東京都国立市)が、日本とベトナム両国で10年単位で育成する。ベトナムで必要な人材について技能実習生に着目し、食品製造から店舗管理まで日本とベトナム両国で10年単位で育成する。ベトナムでは100店規模の展開を視野に入れる。
「かき揚げがダメにならないよう、水を少しずつ加えるのがポイント」。そう話すのが、さえきセルバホールディングスのルーティ・タオさんだ。総菜を調理する手際よさは、担当者顔負けだ。
タオさんは留学生として来日。2024年に入社し、週5日フルタイムで勤務する。技術・人文知識・国際業務の在留資格を持ち、総菜の調理や商品発注などを担当する。「職場で分からないことはすぐ質問する」と話す。2026年4月からは特定技能1号に切り替える予定だ。タオさんは「いずれ肉や魚の加工にも挑戦して、ベトナムでも働きたい」と意気込む。
さえきは3年以内にベトナムに出店する。海外店は同社初。まずはホーチミン型店舗で、まずホーチミンから出店し、将来は1号店規模のスーパーを複数展開する。「海外に向けて長期で業務を学んでもらう必要がある」と、同社は話す。技能実習の制度は2024年4月に育成就労制度に変わる。制度の目的は「技能移転」から「人材育成・確保」となり、育成就労では原則として転職が認められる方向だ。特定技能制度と同様に労働者のキャリアアップの計画を設定することも求められる。制度変更も見据えて、さえきの育成プランは人材を生産・加工・店舗での総菜や精肉、鮮魚などの分野で、最長3年間、人材として育成する。
ベトナムのスーパーは、まだ日本に比べて小規模店が多く、今後のスーパー市場の拡大余地が大きい。さえきの佐伯守社長は「ベトナム進出後、店舗の立ち上げ当初はさえきの日本人従業員が駐在する。ある段階になれば、日本人は各店の監督業務に絞る」と話す。人材育成を担うさえきの山本恭専務は「労務や店の収支管理まで含めた店舗全体の管理ができる店長になるには10年程度がかかる」と話す。「ただ、ベトナムで成長することができれば、加速度的に短期になる可能性もある。経験を踏まえて売場の責任者、副店長、店長と順次経験を積み、長期間を通じて店舗運営や事業管理を担うベトナム人材を育てる」
さえきは技能実習生をこれまで26人受け入れている。6月現在では、技能実習生を特定技能などへ切り替えた従業員もいる。「ベトナム人材は日本人従業員が駐在する約20人採用し、27年度から日本の店舗での実習が始まる予定だ」 ベトナム進出を見据えた実習が始まる。さえきの佐伯守社長は「ベトナム進出計画は出店まで10年単位で展開する。スーパーがもう衛生管理も含め、日本のノウハウと現地の食文化や習慣を融合していきたい」と話す。 「ベトナム人を現地店長に・さえき、技能実習生に着目 100店展開へ10年計画」(日本経済新聞:2026.9.15)



