vol-1105:実務研修ガイドラインは資格外活動を明示した
「実務研修ガイドライン」は、「技術・人文知識・国際業務」の外国人を採用する際に、絶対に読んでおくべき重要文書である。まずは、「実務研修ガイドライン」が明記している下記の文章を熟読していただきたい。
外国人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留するためには,当該在留資格に該当する活動,すなわち,学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務 に従事することが必要です。他方で,企業においては,採用当初等に一定の実務研修期間が設けられていることがあるところ,当該実務研修期間に行う活動のみを捉えれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当しない活動(例えば,飲食店での接客や小売店の店頭における販売業務,工場のライン業務 等)であっても,それが日本人の大卒社員等に対しても同様に行われる実務研修の一環であって,在留期間中の活動を全体として捉えて,在留期間の大半を占めるようなものではないようなときは,その相当性を判断した上で当該活動を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格内で認めています。
留意すべきなのは、「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格に該当しない活動(例えば,飲食店での接客や小売店の店頭における販売業務,工場のライン業務等)」と明記されたことである。つまり、入管は、これまで曖昧なままで放置し、統一見解の公表を避けてきた「飲食店での接客」「小売店の店頭における販売業務」「工場のライン業務」について、明確に「資格外活動」であると断定した。この意味は重い。それまでは、「これは単純労働であり、資格外活動である」とする指摘に対する反論として、「一定期間の修練や実務経験を要する業務である」「経済学や経営学を必要とする分野である」などと反論する余地があったが、今後は、少なくとも、「飲食店での接客」「小売店の店頭における販売業務」「工場のライン業務」は「技術・人文知識・国際業務」の「活動」ではない、という前提の下で議論する必要があるという情勢に変わった。
したがって、直接雇用している企業は、上記の事実をしっかりと弁えた上で、「実務研修」を組み込んでいく必要がある。しかし、直接雇用は対処すればよいだけだ。悩ましいのは、「派遣」という間接雇用を担っている派遣会社である。
「飲食店での接客」「小売店の店頭における販売業務」「工場のライン業務」に関して、「技術・人文知識・国際業務」の外国人派遣を実施している派遣会社は、軒並み「不法就労」に加担していることが明らかとなった。特に「工場のライン業務」に関しては大量の外国人が派遣されており、「技術・人文知識・国際業務」が紛れ込んでいるので「不法就労」が数多く発見されることはまず間違いない。また、「飲食店での接客」「小売店の店頭における販売業務」に対する外国人派遣においても、「不法就労」を発見できる確率は上がる。例えば、一時話題になった派遣会社ネオキャリア の場合、ドラッグストアの販売や飲食店への外国人派遣を得意にしていたから、本来であれば「不法就労」で摘発されてもおかしくないケースであったということになる。
直接雇用も、間接雇用も、「実務研修ガイドライン」を知らなければ、リスクが大きくなる。まずは、「実務研修ガイドライン」を熟読し、十分に理解すべきである。



