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vol-1132:高市早苗は派遣先大企業とズブズブである
いまから振り返ると、外国人政策に関する高市早苗の欺瞞に気付いたのは、2026年1月23日のことだった。この日に公表された「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」の中身を見て、本当にびっくりした。あのリベラル色が強くなっていて、かつ、派遣業者から多額の寄付を受けている自民党の外国人政策本部ですら、 『受入れ機関が外国人を資格該当性のない業務に従事させないようにするため、例えば、派遣による就労を行う場合は、派遣先において専門的な業務に従事させることを派遣元に受入れ時に誓約させるなどの運用上の措置を講じるべきである。』 と高市首相に手交した「提言」に明記していたにもかかわらず、その部分をごっそり削除して、 『「技術・人文知識・国際業務」等の在留資格について、資格該当性のない活動に従事することを防止するなど、適正な在留管理を図る観点から、申請書類の見直しを含めた在留審査等に係る運用の改善に取り組む。』 という漠然とした書き方に変換したからだ。「派遣先」という文言すら消え失せた。「不法就労の温床」である「外国人派遣」には一切手を付けないという堅
2 日前読了時間: 5分


vol-1128:派遣先も在留カードの原本を確認する必要がある
2021年、外国雇用問題に詳しい山脇康嗣弁護士は「派遣先も在留カードの原本を確認する必要がある」と指摘していた。不法就労助長罪の適用対象は「不法就労活動をさせた者」であり、外国人と雇用関係にある場合に限らないと解釈できるからだ。一方、原本を確認している受け入れ企業はほとんどないのが実情。このため山脇弁護士は、原本が未確認だとして捜査を受けた事件を例に挙げながら、「(この事件の)影響は非常に大きい」と指摘した。当時の入管庁も「『派遣元が確認しているから大丈夫』との弁明は通じないかもしれない」(政策課)とコメントしていた。 しかし、その後の展開を見る限り、残念ながら、『派遣元が確認しているから大丈夫』という弁明は有効性を保っているように見える。警察も入管も、派遣先の在留カード確認義務に関して、厳しい処罰を下していない。 「派遣先も在留カードの原本を確認する必要がある」という山脇康嗣弁護士の正論が、実務に活かされるのはいつになるのだろうか? 【参考資料】 外国人雇用、捜査の手 在留カード、原本確認しない雇い主に 偽造事案、後絶たず 2021年8月21日
2 日前読了時間: 5分


vol-1120:中村屋事件を覆して派遣問題を抜本解決せよ!
2021年12月に発覚した「中村屋事件」は、有名企業の派遣先が摘発されたということで、人材業界では大いに注目されましたが、結局、不起訴で終結しました。この事件は、 ①外国人派遣労働者が3 年近く就労を続ける間に、2回のビザ更新があり、その更新時に提出した会社作成の「雇用理由書」に「通訳業務に従事させる」旨を明記していた。 ②外国人派遣労働者は、あんみつの容器にシールを貼り付けるなどの単純作業に従事していた。 ③中村屋の係長は「違法なのは分かっていたが、人手不足の解消を優先させた」と容疑を認めている。 ④外国人派遣労働者の業務内容は、実質的に中村屋が決めていた。 ⑤中村屋で働いていた外国人労働者は、直接雇用ではなく派遣なので、入管が認めている「実務研修ガイドライン(実務研修中は、技術・人文知識・国際業務に相当しない活動も可)」にも相当しない。 ということなので、派遣先が「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者」(入管法73条の2)である以上、「大手派遣先が不法就労助長罪で有罪になるケース」になると予想する専門家が少なくありませんでした。でも
6 日前読了時間: 8分


vol-1117:入管は上場派遣会社をなぜ摘発しないのか?
「技術・人文知識・国際業務」の申請において、従来にない不許可の事例が増えている。典型的な例が、申請した就労企業ではなく、その企業の一つ前、すなわち転職前の企業が派遣会社であった場合、その派遣会社における業務に関し、「前職の企業に関して信憑性に疑義がある」として不許可になる事例だ。 不許可になる派遣会社として有名なのが、2020年前後から介護派遣で大躍進を果たした某派遣会社だ。いまでは、東証上場まで果たしている。もっとも、介護派遣を前面に出して上場するのは流石にヤバいと思ったのか、現在はコンサルティングができる看護助手を派遣するという形式を主たるビジネスとして打ち出している。かつては、介護派遣を大々的に広告していたが、いまでは検索しても一切出てこない。介護派遣の現状は不明だ(上場を機に止めた可能性もないではないが・・・)。 もっとも、入管における不許可理由の説明においては変化がみられる。というのは、これまでの入国審査官は「前職の企業に関して信憑性に疑義がある」と言いながらも社名や内容を明言することは避けていたのだが、最近一部の入国審査官は「前職の▲
10月30日読了時間: 2分


vol-1109:「勉強不足で認識不足だ」という批判は正当か?
先日、申請人・受入企業・業務には問題ないが、前職が派遣会社(摘発なし)だっただけで、在留期間更新を不許可にされ、「一度、帰国しろ」と指導された外国人のことについて書いたら、 「資格外活動を派遣会社にやらされたという言い訳で許すべきじゃない。不許可で問題なし」 「結果として、その外国人は不法就労していたのだから、帰国するしかない」 「証拠がなくても可能性があるだけで、ドンドン不許可にすべき」 「外国人の場合は働ける業務範囲が事前に設定されて、超えたら違法になる。本人は一番知っている。確かに派遣会社は悪いが、その外国人も申請外の労働をしていたので悪い」 「資格外の労働だと理解しつつ働き続けた本人が悪い」 「在留資格の範囲内で働ける仕事、働けない仕事を理解してないのが悪い」 「本人の勉強不足で認識不足。本人が悪い」 などという批判をたくさんいただいた。 反対意見を主張されるのは自由だし、むしろウエルカムだが、建設的な議論を行う前提として、一応、入管法と入管実務の現実を指摘しておきたい。 事実として、入管法は複雑怪奇である。初心者が読み始めたら、20分で
10月24日読了時間: 5分


vol-1105:実務研修ガイドラインは資格外活動を明示した
「実務研修ガイドライン」は、「技術・人文知識・国際業務」の外国人を採用する際に、絶対に読んでおくべき重要文書である。まずは、「実務研修ガイドライン」が明記している下記の文章を熟読していただきたい。 外国人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で在留するためには,当該在留資格に該当する活動,すなわち,学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務 に従事することが必要です。他方で,企業においては,採用当初等に一定の実務研修期間が設けられていることがあるところ,当該実務研修期間に行う活動のみを捉えれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当しない活動(例えば,飲食店での接客や小売店の店頭における販売業務,工場のライン業務 等)であっても,それが日本人の大卒社員等に対しても同様に行われる実務研修の一環であって,在留期間中の活動を全体として捉えて,在留期間の大半を占めるようなものではないようなときは,その相当性を判断した上で当該活動を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格内で認めています。 留意すべきなのは、「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格に該
10月23日読了時間: 3分


vol-1099:入管はブラックリストの派遣会社を摘発しろ!
10月21日、ある行政書士から呆れた話を聞いた。外国人政策担当の小野田大臣や山下法務大臣が知らない中で、入管の現場が勝手にやっている話なのだろうが、本当にいい加減だ。 「技術・人文知識・国際業務」の申請において、従来にない不許可の事例が増えている、という話は、以前にも書いた。典型的な例が、申請した就労企業ではなく、その企業の一つ前、すなわち転職前の企業が派遣会社であった場合、その派遣会社における業務に関し、「前職の企業に関して、信憑性に疑義がある」として不許可になる事例だ。 ある外国人(当該行政書士に依頼した申請人)は、「特定活動(30日)」となり、不許可理由を説明した入国審査官から「一度帰国して下さい」という指導を受けた。説明に納得できない行政書士は、入国審査官を問い詰めた。 (行政書士)「技術・人文知識・国際業務の申請の場合、不許可になるケースは、①申請人の外国人に問題がある場合、②会社に問題がある場合、③会社における業務に問題がある場合のはず。この申請人の場合、①も②も③も問題がないのではないですか?」 (入国審査官)「この申請に関する限り
10月21日読了時間: 4分


vol-1063:派遣会社は在留資格を確認していない!
在日中国人が、派遣会社から配布された書面を写真で晒しながら、怒りのSNSを投稿していた。 「派遣会社が突然、在留カードをチェックすると言い出した!」 「最近は取り締まりが厳しい!」 これ、本当に笑える。 そして、本当に怖い。 外国人派遣は、本当にブラックホールだった。 誰も外国人の在留資格をチェックしていない。 こんなことを放置していてよいのか?
9月22日読了時間: 1分


vol-1057:企業側は派遣会社の責任で知らぬ存ぜぬで押し通す
外国人派遣が孕む問題については、業界人であれば「常識」であり、古くから指摘されてきた。ノンフィクションライターの栗田シメイが書いた「外国人の不法就労が今でもやまない深刻実態 ーー 労働者を食い物にする悪質ブローカーも存在」(東洋経済オンライン:2020.3.10)から、参考になる部分を抜粋してみよう。 「太田市や大泉町のような外国人労働者が多い群馬の地域では、企業の社長からこんな相談を受けるんです。『在留カード、パスポート、ビザ。この3つがそろっていなくても、外国人を雇う方法はないのか』と。つまり正式なルートでない方法で安い労働力を確保できないか、ということを暗に尋ねられているわけです。こういった驚くべき“相談”が2019年だけで1500件近く寄せられているというのが現実です」 そんな証言を聞いたのは、群馬県太田市の取材をしているときだった。太田市で行政書士業を営む、山田さん(仮名)が続ける。 「とくに問題視しているのがベトナム、ネパール、インドネシアといったアジア圏からの特定活動をベースとした在留資格を保有していると“される”人々。特定活動に関
9月21日読了時間: 3分


vol-1056:元リクルートの専門家が外国人派遣を糾弾する
リクルートにおける勤務で人材業界の裏と表を知り尽くし、人事関連については、日本国内だけでなく、海外事例についても詳しい海老原嗣生氏(大正大学客員教授)が、大量に派遣されている「技術・人文知識・国際業務」の外国人について、極めて重要な指摘をしています。 (海老原)派遣を抜け穴に、外国人就労の監理が「ザル」になっている、かなり「危ない」状況です。 ーー それは、入管や警察が「派遣業者」しか逮捕せず、派遣先大企業を摘発しないため、無傷の派遣先大企業は、逮捕された「派遣業者」との契約を切り、新しい新興の中小派遣業者と契約すれば、これまでどおり、不法就労で外国人を使えます。この構造を是正するためには、派遣先大企業を摘発しなければダメです。 (海老原)ちなみに、現在、外国人で派遣社員として働いている人は、39.9万人にも上ります。雇用の専門家として、この39.9万人という数字は異常としか言いようがありません。なぜなら、日本全体で、日本人も含めた派遣社員の総数は2024年現在、154万人しかいないからです。なんと、派遣社員の4人に1人以上が外国人! ーー..
9月21日読了時間: 2分


vol-1055:入管法に詳しくない警察官は派遣先を摘発できない
入管法は複雑怪奇。一般の人であれば、読むのが嫌になるほど大部で、在留資格が多様すぎて訳がわからなくなる。それは、検挙する立場の警察官も同じ。多種多様な犯罪がある中で、入管法だけを勉強する時間などない。現場の警察官が直面する犯罪のほとんどは、道路交通法違反か、傷害・盗難の類。入管法違反などは1%にもならないから、忙しい警察官には、入管法に詳しくなるメリットもない。 だから、現場の警官の入管法知識は極めて狭くて単純だ。「技術・人文知識・国際業務は、通訳・翻訳のビザだから、現場の仕事はできない」という短絡的な理解だけで検挙に向かう。「技術・人文知識・国際業務」のビザで「現場研修」ができることを明記したガイドラインを入管が出していることなど知る由もない。ガイドラインによれば、その外国人が日本に在留する予定の期間の半分までは「現場研修」ができることになっている。管理職候補の日本人を雇った場合でも「現場研修」は当たり前だから、当然と言えば当然だ。 まずは、現場で就労している外国人を「お前、こんなことしてよいと思ってんのか!」と脅しつけ、「このビザでこんな仕事
9月21日読了時間: 3分


vol-1054:派遣先が摘発されない限り不法就労は撲滅されない
2026年9月16日、在留資格の期限を超えて国内に滞在したとして、兵庫県警は工場作業員で、ベトナムと中国籍の男計10人を入管法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕した。同市の木造2階建て住宅を拠点に集団で生活しており、県警はグループの実態や他に関与した人物の有無を詳しく調べている。10人は技能実習生や留学生などとして入国し、2019年4月~2026年2月に在留資格が切れた後も滞在していた。 こういう集団的な不法残留の背後には、例外なく「違法派遣業者」がいる。法的に細かく言うと「請負」かもしれないし、「斡旋」なのかもしれないが、だいたいが「派遣紛いの違法ブローカー」が絡んでいる。そして、身分を偽るために、「偽造在留カード」もしばしば使われる。かつては5万円以上した「偽造在留カード」はどんどん安くなり、1枚5,000円~10,000円程度で入手できるから、派遣の儲けと比べれば雀の涙並みのコストに過ぎない。 本当に警察が「違法派遣業者」を検挙する気があるのなら、関東近辺に多数存在する食品工場の従業員出入口で、片っ端から外国人労働者に職質を行い、在留カードを
9月21日読了時間: 4分


vol-1053:違法派遣インフラがあるから観光客もすぐに働ける
日本には、外国人観光客でもすぐに就労できるような環境が整っている。それは、外国人派遣を生業とする業者が増大して、常に就労チャンスを供給する体制を構築しているからだ。 外国人派遣が増えたのは、派遣先の大企業群が「違法派遣を排除しない巨大な外国人供給インフラ(以下「違法派遣インフラ」という。)」を創り上げてしまったからだ。食品工場などの繁閑が激しい派遣先は、正社員やアルバイトよりも、繁閑期の調整が容易な派遣を選好。中小の派遣会社を競わせて人材を出させる。派遣業界は、提供する人材が「価値」なので、会社の大小や業歴は契約締結の障害にならない。だから、スタートアップやベンチャー企業にも新規契約の可能性がある。中小の派遣会社にとっては、1ロットの人数が多いだけに、是が非でも取りたいチャンスであり、しかも、継続的に収益が見込める派遣なので、我先にと派遣先大企業に殺到する。派遣先大企業は、複数の中小派遣会社と契約を交わして、派遣会社を常に競争状況に置くように差配していく。 各々の中小派遣会社がそれなりの質と量の人員を派遣できるようになり、互いに競い合う環境が整う
9月21日読了時間: 6分


vol-1048:合法移民を締め付ける前に不法移民を排除せよ
高市政権は、外国人政策に着手していないわけではない。詳細に見れば、じつは、多彩な施策(注)をどんどん実施している。だから、「高市政権は何もしていない」という批判は間違っている。 どうだろう。実際に決定した数々の施策を見て、「高市政権はしっかりやっているじゃないか!」と思われた方もいるかもしれない。しかし、多彩な施策から漏れている極めて重要なものがある。それは、①オーバーステイの収容と退去強制、②偽装難民の即時不認定と退去強制、③外国人派遣における不法就労の摘発だ。要するに、「不法移民の徹底的な排除」である。 不法移民が減らないから、犯罪予備軍が減らない。犯罪予備軍が減らないから、外国人犯罪が減らない。外国人犯罪が減らないから、日本国民の不安が募る。日本国民の不安が募るから、外国人を排斥する世論になる。外国人を排斥する世論になるから、合法移民の締め付けに走る。その結果、合法移民は締め付けられるが、不法移民は野放しなので、日本国民の国民の不安は払拭されない。日本はいま、そういう悪循環に陥っている。 高市政権下の法務大臣や外国人政策担当大臣からぼんやり
9月20日読了時間: 4分


vol-1035:在留カード導入時の入管は派遣先に確認を求めた
入管は、不法就労の温床である「外国人派遣」に対して極めて優しく、入管法違反を黙認しています。そもそも、日本人の場合、派遣労働者の割合は2~3%にすぎないにもかかわらず、在留外国人において派遣労働者の割合は20%に上ります。さらに言えば、派遣を含む人材業界で働く労働者の中における外国人の比率は30%近くありますから、いかに派遣労働者が多いかがわかります。実際、雇用問題に詳しい専門家は「外国人で派遣社員として働いている人は、39.9万人にも上ります。この39.9万人という数字は異常としか言いようがありません。外国人は日本人以上に雇用管理を強化すべきであり、職務変更が容易で雇用保障も薄い派遣労働などは、原則、認めるべきではありません。少なくとも、母国で大学を出た人が、いきなり派遣社員として「技術/人文/国際」ビザを取得することは、早急に禁止すべき」と発言しています。 じつは、「外国人派遣」が「不法就労の温床」になるのは、構造的な問題があります。繁閑調整を機動的に行い、入管法リスクをヘッジしたい大企業は、外国人に特化した中小派遣業者に声を掛け、大量の派遣
9月15日読了時間: 4分


vol-1026:資格外活動の外国人は罰するが派遣業者は見逃し
入管庁は、今秋から他省庁と合同で立ち入り調査を行う方針を固めた。現在は通報などで不法就労の疑いが判明した場合のみ調査を実施しているが、所管する省庁による調査に入管庁の職員も同行する。まずは、国土交通省と10月にも解体業者を対象に行う予定らしい。 建物などの解体業や、車を解体・保管する「ヤード」と呼ばれる作業場が、外国人の不法就労の温床となっている。解体業は国交省、ヤードは環境省などが所管しており、それぞれ自治体と連携し、事業上の不正行為がないかどうかを調べるため、定期的に立ち入り調査を実施しているが、国交省や自治体の職員には、在留カード等を常時携帯する義務を負っている外国人に対して在留カード等を提示させる権限はなく、在留資格や在留期間を確認することができなかった。しかし、入管庁の職員や警察官が在留カード等の提示を求めた場合には拒否できないし、提示しない場合は逮捕することもできる。 この措置が本格的に断行された場合には、かなりの成果を期待することができる。高市政権による不法滞在外国人対策としては初めての有効な施策だと言ってよい。期待して結果を待ちた
9月11日読了時間: 3分


vol-1000:派遣先は不法就労助長罪で起訴されるか?
2026年3月4日、不法残留のベトナム国籍の男性らを静岡県の金属研磨工場で働かせたとして、警視庁は、人材派遣会社「アイディーエー」社長を入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕。同社社員と派遣先である金属研磨工場の工場長も逮捕したという。逮捕容疑は、2024年11月~26年1月、不法残留のベトナム国籍の男性4人を金属研磨工場に派遣して就労させたとしている。2020年11月から、不法残留などのベトナム人61人がアイディーエーから同工場に派遣されていたというから常態化していたのだろう。 問題は、派遣先の工場長が起訴されるかだ。派遣先の関係者が逮捕された場合、ほとんどが不起訴。「3人は容疑を認めている」というから、起訴の可能性はあると思われるが、中村屋の不法就労事件では「違法なのは分かっていたが、人手不足の解消を優先させた」と容疑を認めた埼玉工場の係長は結局起訴されなかった(2021年12月書類送検、2022年3月不起訴決定)。 外国人派遣労働者の不法就労事件において、派遣先が断罪されない限り、外国人派遣における不法就労は根絶されない。今回の事件はその試
3月9日読了時間: 1分


vol-999:派遣先に誓約書を提出させれば解決する?
2026年3月9日から、入管は、派遣元だけでなく、派遣先に対しても、「在留資格の活動範囲及び申請書上で申告されている活動内容詳細の内容について理解し、申請人を当該活動に従事させること」について、「誓約書」の提出を要求する。とはいえ、「派遣の実施時」ではなく、「在留資格の申請時」というのが残念。まあ、一応、半歩前進とは言えなくもないが極めて不十分。 もっとも、この方針が出た以上、派遣先が派遣労働者の申請に協力することは絶対にない。「誓約書」の提出が求められるのは、申請時だけだから、申請時に協力しなければ「誓約書」のリスクはないから、①派遣業者は、すでに「技術・人文知識・国際業務」を持っている外国人を大企業に派遣するようになる。②派遣先は、従来通り、派遣労働者の在留カードをチェックせず、「派遣業者を信じていた」という言い訳で凌ぐということになるのだろう。 本当なら、入管は、厚労省に要請して、派遣時において、派遣先は「誓約書」を派遣元に提出するというガイドラインを発出させればいい。そうなれば、外国人派遣は一挙に正常化に向かう。だが、高市政権にそれができ
3月2日読了時間: 1分


vol-994:高市政権は不法就労を見て見ぬふりをする?
2026年1月23日、高市政権は、目玉政策の一つである「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を公表。入管行政を厳格化する施策がずらりと並んでいるのかと思いきや、「検討」ばかりのユルユルの内容にビックリ。 例えば、自民党の外国人政策本部は、外国人派遣に関し、『受入れ機関が外国人を資格該当性のない業務に従事させないようにするため、例えば、派遣による就労を行う場合は、派遣先において専門的な業務に従事させることを派遣元に受入れ時に誓約させるなどの運用上の措置を講じるべきである』と高市首相宛の提言に明記していましたが、「総合的対応策」では、その部分を削除して、『「技術・人文知識・国際業務」等の在留資格について、資格該当性のない活動に従事することを防止するなど、適正な在留管理を図る観点から、申請書類の見直しを含めた在留審査等に係る運用の改善に取り組む』という見当違いの方向にスピン。「派遣先」という文言すら消え失せました。 要するに、高市政権は「不法就労の温床」である「外国人派遣」には手を付けないと宣言したわけです。入管行政の正常化は、まだまだ遠
1月26日読了時間: 1分


vol-975:外国人派遣の派遣先に報告義務を課すべきだ
2025年9月1日、奈良県では、技能実習先から失踪したベトナム人を違法に働かせたとして、人材派遣会社の経営者ら3人が不法就労助長罪の容疑で逮捕された。不法残留や、技能実習先以外では就労資格がないベトナム人男性3人を、廃棄物収集会社で働かせた疑いがある。また愛知県では、人材派遣会社の代表が、ベトナム人労働者などの賃金を支払っていなかったとして逮捕された。派遣労働者延べ73人に対し1660万円を支払わなかった疑いがあるという。 残念ながら「外国人派遣は不法就労の温床」である。そして、派遣業者を何人逮捕ししようが、摘発されなかった派遣先の大企業が、逮捕された派遣業者の代わりに、新しい派遣業者と契約して無理難題を吹っかければ、その派遣業者は不法就労に関与せざるを得ない。だから、不法就労はなくならない。 しかし、簡単で有効な対策がある。それは、派遣先企業に派遣外国人の在留資格を入管に報告させるという手だ。入管に報告した派遣先の罪は一切問わないという扱いでよい。派遣先企業が在留資格を確認すれば、外国人派遣における不法就労は「偽造カード」の問題だけになる。即刻
2025年9月8日読了時間: 1分
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