vol-1048:合法移民を締め付ける前に不法移民を排除せよ
高市政権は、外国人政策に着手していないわけではない。詳細に見れば、下記のとおり、多彩な施策をどんどん実施している。だから、「高市政権は何もしていない」という批判は間違っている。
2026年1月 在留審査ガイドラインの改正(素行要件の厳格化)
技術・人文知識・国際業務と特定技能の区分け
2026年3月 派遣元・派遣先双方の誓約書の提出(申請時のみ≠派遣開始時ではない)
2026年4月 帰化審査の厳格化(10年以上の在留必要)
企業内転勤の厳格化
特定技能1号(外食業)の交付停止
技術・人文知識・国際業務の言語能力証明(CEFR・B2以上)
2026年6月 在留カード等読取アプリの使用明記(外国人雇用管理指針)
特定在留カード運用開始(在留カードとマイナンバーカードを一体化)
2026年7月 悪質な納税義務違反者の情報を国税庁から入管庁へ提供開始
2026年10月 在留手数料の大幅引上げ(永住許可1万円→20万円)
永住許可ガイドライン改正案施行
2026年秋頃 永住取消しガイドラインの公表(予定)
2027年4月 育成就労制度の施行
不法就労助長罪の厳罰化 (3年以下・300万円以下→5年以下・500万円以下)
永住者審査の厳格化(在留期間3年→5年)
2027年6月 国保・年金の納付状況を在留資格の審査に反映
2027年度中 医療費不払い情報の報告対象の拡大(短期滞在→中長期在留者)(予定)
2028年度中 JESTA(電子渡航認証)の導入(渡航前のオンライン事前審査)
どうだろう。上記の数々の施策を見て、「高市政権はしっかりやっているじゃないか!」と思われた方もいるかもしれない。しかし、上記の多彩な施策から漏れている極めて重要なものがある。それは、①オーバーステイの収容と退去強制、②偽装難民の即時不認定と退去強制、③外国人派遣における不法就労の摘発だ。要するに、「不法移民の徹底的な排除」である。
不法移民が減らないから、犯罪予備軍が減らない。犯罪予備軍が減らないから、外国人犯罪が減らない。外国人犯罪が減らないから、日本国民の不安が募る。日本国民の不安が募るから、外国人を排斥する世論になる。外国人を排斥する世論になるから、合法移民の締め付けに走る。その結果、合法移民は締め付けられるが、不法移民は野放しなので、日本国民の国民の不安は払拭されない。日本はいま、そういう悪循環に陥っている。
高市政権下の法務大臣や外国人政策担当大臣からぼんやりとした「厳格化」しか指示されていない入管の現場は、面倒くさく手ごわい「不法移民の排除」を先送りにして、着手が簡単で抵抗が少ない「合法移民の締め付け」に走っている。
結果的に起こっていることを冷静に見てみよう。 ①合法移民に関するルールが厳格化される結果、日本語でコミュニケーションできて、日本の企業文化で就労できる「合法移民」を母国に帰国させている(合法移民の多くは素直だから帰国する) ②帰国する合法移民が増える結果、日本語でコミュニケーションできず、日本の企業文化を知らない外国人を大量に「育成就労」で日本に呼び寄せることになる(在留外国人の質を低下させる) ③合法移民に関するルールが厳格化される結果、すぐに帰国できない事由を抱える「合法移民」が合法に在留・就労できなくなり、「不法移民」になっていく(合法移民から不法移民へのシフト) ④不法移民は居残り続けるので、日本国民の不安は消えない(不法移民は素直に帰国しない) ⑤上記の結果、帰国する「合法移民」の減少分は「育成就労」で補われるようになる。さらに、少なからず「合法移民」が「不法移民」シフトしていく。そして、「不法移民」はそれほど減らない。結局、マクロ的に見た在留外国人の質はどんどん低下していく。
「合法移民」に係るルールの厳格化を公表して「やっている感」を醸し出すのは止めてほしい。もうおなかいっぱいだ。ハッキリ言って、どうでもいい。そんなことより、①オーバーステイの収容と退去強制、②偽装難民の即時不認定と退去強制、③外国人派遣における不法就労の摘発を徹底的にやってほしい。「合法移民」を締め付ける前に、「不法移民」を排除する ーー それが、高市政権が為すべき外国人政策である。



