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vol-1026:資格外活動の外国人は罰するが派遣業者は見逃し

9月11日
読了時間: 3分
  • 入管庁は、今秋から他省庁と合同で立ち入り調査を行う方針を固めた。現在は通報などで不法就労の疑いが判明した場合のみ調査を実施しているが、所管する省庁による調査に入管庁の職員も同行する。まずは、国土交通省と10月にも解体業者を対象に行う予定らしい。

  • 建物などの解体業や、車を解体・保管する「ヤード」と呼ばれる作業場が、外国人の不法就労の温床となっている。解体業は国交省、ヤードは環境省などが所管しており、それぞれ自治体と連携し、事業上の不正行為がないかどうかを調べるため、定期的に立ち入り調査を実施しているが、国交省や自治体の職員には、在留カード等を常時携帯する義務を負っている外国人に対して在留カード等を提示させる権限はなく、在留資格や在留期間を確認することができなかった。しかし、入管庁の職員や警察官が在留カード等の提示を求めた場合には拒否できないし、提示しない場合は逮捕することもできる。

  • この措置が本格的に断行された場合には、かなりの成果を期待することができる。高市政権による不法滞在外国人対策としては初めての有効な施策だと言ってよい。期待して結果を待ちたいと思う。

  • ただし、上記のような報道があったからと言って、入管を手放しでほめる気にはなれない。というのは、入管の現場では、大手企業に対する不法就労助長罪を本気で摘発しようとする姿勢が見られないからだ。この間、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持ったネパール人が在留期間更新を申請して不許可になったので、不許可理由を入管に聞きに行ったところ、申請した新しい就労企業に問題があるということではなく、転職前に働いていた企業における業務が「資格外活動」だったからという理由だった。

  • その申請者が転職前に就労していた企業は、看護や介護の施設に派遣している上場企業。確かに、派遣先で看護や介護の仕事をするのは、「実務研修ガイドライン」に相当するとは言い難く、「資格外活動」と認定されても仕方がない面は多分にある。しかも、このパターンで不許可になっているケースは、このネパール人1人だけではない。

  • しかし、そうであれば、その上場企業は、不法就労助長罪で摘発されなければならないはずだ。就労者が「資格外活動」だと認定されたのに、派遣業者が無傷のままというのはありえないだろう(本当は派遣先もアウトだが)。ところが、その上場企業が不法就労助長罪で摘発されたというニュースは寡聞にして聞かない。要するに、上場会社には甘いという入管の実態が明らかになっただけだった。いずれ、天下り先にでもしてもらうのだろう。

  • したがって、今回の「ヤード調査」に関しても、地元の政治家や天下りOBからの横槍が入り、「口先介入だけだった」という結果になる可能性がゼロだとは言えない。空振りに終わることがないことを心から祈っている。

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