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vol-1052:食品スーパー「さえき」は在留資格を最大限に活用する
日本経済新聞が、9月15日に食品スーパー「さえき」の記事を掲載した(下記)。さえきは、外国人材を育成して戦力化する長期計画だ。「技能実習」と「特定技能」を中心に運用する予定だが、「技術・人文知識・国際業務」の「実務研修ガイドライン」を巧みに組み合わせている。 現行の在留資格制度を深く理解した上で、外国人材を最大限活用する方針で社内の人事制度を設計しているのだろう。「技術・人文知識・国際業務は翻訳・通訳です」という教科書の上っ面だけを学んだ三流の行政書士と付き合っていないことだけは確かだ。 経営者であれば、食品スーパー「さえき」のように、在留資格制度を深く理解した上で最大限活用する方法を身に付けたいものだ。 東京都西部地盤の食品スーパーのさえきセルバホールディングス(HD、東京都国立市)が、日本とベトナム両国で10年単位で育成する。ベトナムで必要な人材について技能実習生に着目し、食品製造から店舗管理まで日本とベトナム両国で10年単位で育成する。ベトナムでは100店規模の展開を視野に入れる。 「かき揚げがダメにならないよう、水を少しずつ加えるのがポイ
4 日前読了時間: 3分


vol-891:14業種で始まった特定技能は早晩100業種になる
11月30日、有識者会議は「技能実習」の廃止と「育成就労」の創設を求める最終報告書を法務大臣に提出。未熟練の外国人を育成し、中長期的な就労につなげるという新制度は「人材確保」の目的を強調しており、育成期間は3年間で、技能検定と日本語能力試験に合格すれば、最長5年働ける「特定技能1号」に移行可能としているが、期間途中での転職が多少可能になるくらいが変更点であり、現行の「技能実習」を換骨奪胎したにすぎない。 したがって、技能実習に係る諸問題は基本的に何も解決しないが、むしろ、重要なのは、「育成就労から特定技能制度へ円滑な移行を促す」という基本方針を示した点である。1993年の導入当初17職種から始まった「技能実習」は現在90職種にまで拡大したが、「特定技能」も同様の流れになる。新しい政治利権の誕生だ。業界団体は毎年ヤキモキすることになるだろう。 「技能実習」を廃止する代わりに、「技能実習生や留学生等に対する雇用維持支援(特定活動・1年)」を復活させて、「特定技能0号」という位置付けにすればよかった。そうすれば、「技能実習」の諸問題は解決しただろう。
2023年12月11日読了時間: 1分


vol-882:責任転嫁の構図が不法就労を増大させる
今年6月、警視庁が家宅捜索したのは、埼玉県内にある大手運送会社。実習先から失踪していたカンボジア人技能実習生ら22人を連行した。この実習生らを派遣していた業者は逮捕されたが、背後でブローカーが暗躍していた。 ブローカーは、技能実習生に対し「今より良い収入や職場がある」とSNSを通じて勧誘。応じた実習生は、実習先から失踪。紹介料18万円をブローカーに支払い、新たな職場で働くため派遣業者を紹介してもらう。ブローカーは、派遣された実習生がもらう毎月の給料の1割を自分のものにしていた。 この事件で留意すべきは、派遣業者が「私たちは調べて、在留カードは本物だと思って働いてもらっていたので知らなかった」と主張している点。つまり、ブローカーが偽造在留カードを調達し、実習生に持たせて送り込んだ可能性がある。少なからぬ派遣業者は、派遣外国人との接触を避け、給与支払を含めてブローカー経由にするようになった。何かあった際に、すべてをブローカーの責任にするためだ。派遣先は責任を派遣業者に責任を押し付け、派遣業者はブローカーに責任転嫁する。この構図が不法就労を増大する。
2023年10月9日読了時間: 1分


vol-844:自民党が動くのは働き手の確保と観光振興だけ
自民党が10月8日に公表した「自民党政策BANK 2021」は、今回の衆議院議員総選挙における選挙公約ですが、入管行政については「外国人の適正な出入国・在留管理を徹底しつつ、一元的相談窓口の設置など、多文化共生の実現に向けた受入れ環境を整備するとともに、技能実習制度及び特定技能制度の活用を促進し、中小企業・小規模事業者等の人手不足に対応します」という箇所のみで、ほとんど興味がないことが窺い知れます。 子細に見ても、「新規就農者の確保を推進するため・・・外国人材の確保と受入れを支援します」「本格的なインバウンドの回復に備え・・・戦略的な訪日プロモーション等に取り組みます」「日本に何度も来ていただける安心で魅力的なIRを創り上げます」という表記しかなく、政策として認識されているのは「技能実習の復活」と「観光振興」しかないと見てよいでしょう。 そうした中「留学」については冷淡です。「留学生」という言葉が一切なく、「特に問題のある大学には厳しく対応する制度導入等、大学改革に取り組みます」と明記。留学生関連業界には、厳冬の時代が到来したと見るべきです。
2021年10月18日読了時間: 1分


Vol.821:技能実習機構は大鉈を振るえるのか?
技能実習機構が、多数の失踪者が出たベトナムの大手送り出し機関5社からの実習生の新規受入を停止する方針を決めたようです。この大手5社が派遣している実習生は1割を超えます。2019年末時点のベトナム人実習生22万人で全体の過半数を占めています。同年における実習生の失踪者数は8,796人(2014年の1.8倍)で、ベトナム人は7割(6,105人・2014年の6倍)。 実習生の失踪が相次ぐ背景には、送り出し機関が実習生から徴収している高額な手数料があります。ベトナムでは、法令で手数料の上限を3,600ドル(約40 万円)と定められていますが、2~3倍の請求が常態化していました。2017年に設立された技能実習機構が 4 年半経ってようやく本気を出してきたのでしょうか。実習計画の取り消しや監理団体の資格剝奪も毎月のように発表されており、悪質な業者は排除されていくのかもしれません。 しかし、気になるのは、日立や日産の違反事件で不問に付されたフレンドニッポンのような大手監理団体への対処。政治銘柄も多いだけに難しいのかもしれませんが、フェアに処分されないのなら関係
2021年6月16日読了時間: 1分


vol-811:だからマスコミ報道は信用を失っていく?
2021年5月16日、NHKは「技能実習生受け入れの公益法人 特定企業に約6億円の優先発注か」として、最大の監理団体が違法行為を犯した可能性を報道しました。興味をそそられて、「違法」の内容を読み進んでいくと、前会長の知人が経営する会社に優先的に物品を発注していて、公益法人認定法に違反する疑いがあるとのこと。入管法や技能実習法とは無関係の話。 2020年1月、前会長に関するタレコミがあったため、同監理団体は、外部の弁護士による特別調査委員会を設置。その調査結果は2020年3月末に報告書になっているのですが、それが今回のネタ元。報告書では、コンプライアンス上の問題点が確認されたと指摘し(損害はゼロとの認定)、監理団体は、コンプライアンス室の設置や監査体制の充実、規程の整備、各理事等の牽制体制などの改善を直ちに実施。監督官庁にも2020年6月に報告済になっています。 要するに、改正入管法の正念場に差し掛かって、何か炎上する火種はないかと探していたら、未報道の古いネタがあったので投下してみたという次元の低いお話。こういう報道をしているから、マスコミは信用
2021年5月19日読了時間: 1分


vol-796:法令違反の悪質ブローカーに正義はあるのか?
昨春、高原野菜の産地で有名な長野県川上村の多くの農家は、深刻な人手不足に直面していました。新型コロナウイルスの影響で技能実習生が入国できなかったからです。そこで、ベトナム人250人を斡旋して百数十軒の農家の危機を救ったのが「ホアンアン合同会社」でした。しかし昨秋、その会社の経営者ら3人は、職業安定法違反で逮捕されてしまいます。結果的に、免許なしに斡旋を行ったという罪で、今年2月に有罪が確定しました。 農家から集金した「ホアンアン合同会社」は、手数料を抜いた上で給与を手渡すだけでなく、偽造在留カードも扱っていたようです。しかし、今回の事件で摘発された3人には反省の色が見えません。「入管制度とか、昔からむちゃくちゃ。私は法律的には間違っても人間的には間違っていない」と発言し、今後も外国人労働者に関するビジネスに係わっていくつもりのようです。 法を犯した彼らは擁護できませんが、入管制度において、実態にそぐわない部分があることは事実です。不合理な現行制度を頑なに押し付けるだけでなく、実態に見合った制度に改善する不断の努力を入管に望みたいものです。
2021年3月24日読了時間: 1分


vol-775:わらべや日洋ホールディングスは技能実習を止める
昨年11月18日に、不法就労助長の疑いで人材派遣会社ソシアリンクの営業所長ら5人が逮捕された事件は、ソシアリンクの親会社である「わらべや日洋ホールディングス」が人材派遣事業から撤退するという結果につながりました。ソシアリンクが営む外部の企業向け事業を3月に同業他社に無償で譲渡し、自社のグループ向け事業からも6月に撤退することになります。 ソシアリンクは、工場向けの人材派遣や業務請負で事業を拡大し、4,372人(2019.2.28 時点)を抱えていますが、登録する派遣社員のうち、グループ企業向けの約2,500人はパートとして直接雇用に切り替え、本社で働く社員は転籍や希望退職制度の提案などで支援する予定だと言います。 しかし、報道内容を読む限り、ソシアリンクが行ってきた技能実習制度に関連する諸サービス(座学研修や模擬監査等)は残るように見えます。同社は、不法残留した元技能実習生の人材派遣で摘発されており、常識で考えれば、技能実習制度に係る企業としては不適格と言わざるを得ません。技能実習機構がどのような判断を下すのかを、引き続き注視していく必要がありま
2021年1月25日読了時間: 1分


vol-767:わらべや日洋を報道基準にするべきだ?
セブンイレブンにおにぎり等を納品していることで知られる上場企業の「わらべや日洋ホールディングス株式会社」の子会社である「ソシアリンク」が、在留期限が切れたベトナム人の元技能実習生らを工場に派遣した事件は、法人としての会社を書類送検して幕切れになりました。産経新聞は、書類送検の事実のみ報道しましたが、NHK以外の報道機関は無視を決め込みました。 経営が厳しい中、セブンイレブンからの広告がなくなることを懸念した上での苦渋の判断だったのかもしれませんが、80 人という大規模で、転職が認められていない技能実習生を派遣に使い、在留期限が切れている事件で、この扱いなのなら、①50人以下で、②技能実習ではなく、③在留期限が切れていない場合、「わらべや日洋基準」に照らせば、報道すべきではありません。 昨年末には、不法在留などをしている60人以上の外国人に不法就労をさせていた東京の派遣会社の役員も、在留資格で認められていない食料品などの仕分け業務をさせたとして、不法就労助長の疑いで逮捕されましたが、不起訴になりました。どうも当局は、派遣会社に対して甘いようです。
2021年1月4日読了時間: 1分


vol-759:技能実習を正常化するために必要な措置は何か?
コロナ禍の中で技能実習生が大量に解雇されており、彼らの生活苦が報道されています。生活苦のために犯罪に手を染める者も出るのだということで、改めて、「技能実習制度を廃止すべきだ」という議論が盛り上がっています。 技能実習制度の評判が好転する気配はなく、「入国後における14日間の個室での待機が義務づけられているのに、タコ部屋に何人も押し込められている」「入国後講習をやったことにして書類を偽造し、ごまかして代金を抜いている」「転職を容認し、引き続き日本で就労できる取り組みが始まっているのに、実習生に教えない組合もある」「逃げないようにする担保として、実習生の給料の中から毎月定額を預金させているところもある」などルール違反に関する具体的な証言が次々と出てきています。 建前と本音が乖離している技能実習制度が深刻な制度疲労を起こしていることは誰も否定できません。即時廃止は難しくとも、正常化に向けた措置が必要になっていると思われます。まずは、すでに認められている「特別活動(特定技能準備)」を恒常的な在留資格にすることから始めるべきでしょう。
2020年12月10日読了時間: 1分


vol-753:FRESC が技能実習機構をヘルプすればいいだけ!
「技能実習機構は当てにならない」という意見が目立ちます。受入先で仕事がなくて技能実習機構に訴えたのに、「監理団体が次の仕事を探してくれるのを待ってください」と言われるだけだったり、受入先とのトラブルで駆け込んでも、「あなたにも悪いところがある」として、監理団体に問題の解決を委ねるという手抜きの対処が散見されるようです。 技能実習機構は実習生の保護強化の目的で新設された組織です。監理団体の許認可権を持ち、指導に従わない場合は許可を取り消すこともできます。それなのに、人員不足で実習生を保護できないのでは、意味がありません。 でも、それなら良い組織があります。今年7月に新設された「外国人在留支援センター(FRESC)」です。140名が働いているのに、相談件数は1日に100 件しかないのなら、手持ち無沙汰のはず。実習生の問題は、FRESC に持ち込んで、受入先と監理団体と技能実習機構の調整役になって解決してもらいましょう。「それは技能実習機構に相談してください」と断るようであれば、高い家賃を払って、バカ高い四谷タワーに入居する意味はありません。
2020年11月27日読了時間: 1分


vol-749:なぜ人権派は技能実習機構を批判しないのか?
相変わらず、技能実習に対する批判が根強い。支援者や弁護士たちは、被害者である技能実習生をマスコミの前に突き出し、可哀そうな事例を挙げては、「技能実習」という制度を批判し、すぐに撤廃すべきだと叫ぶ。 しかし不思議なのは、批判者たちが「技能実習機構」を活用しようとしないという点だ。「技能実習機構」は、技能実習法によって、「技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う業務」や「技能実習生が引き続き技能実習を行うことができるよう、技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うとともに、実習実施者、監理団体その他関係者に対する必要な指導及び助言を行う業務」を担うことが定められている。事実関係の調査や報告徴求や検査を行うこともできる。 さらに言えば、「技能実習機構」には「評議員会」という組織があり、「労働者を代表する評議員」も指名されている。技能実習機構や評議員に対して、被害者の救済を陳情し、彼らが陳情に対応しなかったことを批判するのが先だ。マスコミへのアピールを繰り返しても、被害者の救済にはつながらない。
2020年11月16日読了時間: 1分


vol-724:「特定技能0号(特定技能準備)」を恒久化せよ
9月14日、大分県において、監理団体が初めて破綻しました。介護職に特化した実習生を老人福祉関係の施設や病院に対して派遣していたようですが、負債は6,700万円。監理団体の業務自体は大きな費用を必要しないので、監理団体職員の給料が高すぎたということなのでしょう。 北海道全土をカバーするある監理団体では、400人を超える技能実習生に対して現場を巡回する職員は1~3人。まともに監理できるわけがありません。幹部からは「とにかく経費を節約せよ」と言明されていたようですが、要するに、自分の給料以外はケチに徹するというのが実態なのかもしれません。 最近は、実習生が、新型コロナウイルスの影響で解雇されたのに、自ら希望して退職したことにされたケースが増えています。ある識者は、「国が全面的に出て、仕事を失った実習生を保護したり、新しい仕事へのマッチングをしたりするべきだ。それが財政上、難しいのであれば、別の会社で働きやすくするなど柔軟な対応をすべきだ」と話しています。この際、「特定活動(特定技能準備)」を「特定技能0号」として恒久化することを検討すべきです。
2020年9月18日読了時間: 1分


vol-695:米国が技能実習制度を格下げする?
2020年6月25日、米国務省は、「人身売買に関する年次報告書」において、技能実習制度の不備を指摘し、日本を1ランク格下げしました。「政府は、法外な手数料を徴収する海外の仲介業者の排除に向け、法的な義務であるはずのスクリーニングを十分に実施していない。そのため実習生は借金漬けでの来日を強いられる」などというコメントを見る限り、日本で読まれている記事をまとめて評価してみたら、「やっぱりダメだった」という感じでしょうか。 表層的な日本のマスコミでは、「技能実習生=被害者」という色眼鏡で書いた記事が圧倒的な大多数。「 1割はババを引くが、9割は成功する。だから、実習生が増えている」と喝破しているジャーナリストも一部にいるのですが、「実習生は被害者だ」という大合唱の中で無視されています。 今回のコロナショックで露呈したのは、かなりの部分を技能実習生に頼っているという現実。人権派が唱える「かわいそうだ論」で現状が改善されることはなく、机上の空論で作り上げた「特定技能」では力不足。いまを好機と捉えて制度を再編すべきなのですが、その剛腕は入管には無さそうです。
2020年7月16日読了時間: 1分


vol-691:技能実習の大掃除が実施される?
2020年6月23日、出入国在留管理庁と厚生労働省は、監理団体「千葉農業技術協同組合」の運営許可を取り消しました。この団体はベトナムの送り出し機関との間で、実習生が失踪したら違約金を受け取る「覚書」を締結していました。定められていた違約金は1人あたり日本円で20万~30万円であったとみられています。また、許可を得ていない第三者に事業をさせていたなどとして、千葉県と愛媛県の別の二つの監理団体も運営許可が取り消されましました。さらに、賃金を支払わなかったなどした11の受け入れ先業者については、合計194件分の実習計画を取り消しましたから、これらの団体は今後5年間、実習生の受け入れができなくなります。 従来と比較すれば、かなり踏み込んだ感じがありますが、本当に技能実習の病巣を大掃除するつもりなのかと言えば、疑問符が残ります。何と言っても、日立の法令違反の背後にいたフレンドニッポンに関して、未だに処罰を受けたという報道がないからです。フレンドニッポンを野放しにしたままで、小物を摘発したところで、納得する関係者は少ないのではないでしょうか。
2020年7月10日読了時間: 1分


vol-687:政治利権と化した特定技能はいずれ100職種になる
自民党は、外国人労働者の受け入れに関する提言を近くまとめ、「特定技能」の対象業種にコンビニを追加するよう求めるようです。政府が7月にまとめる「骨太の方針」に反映させ、実現化する構えです。 鳴り物入りで始まった「特定技能」は、最大見込みの1割にも到達せず、叩き潰されるはずだった「技能実習」は、内包する諸問題を解決する素振りも見せずに躍進中。そんな中、「特定技能」の不振を挽回するために、コンビニを追加するというのは、タイムリーに見えて、なかなかにトリッキーです。 「特定技能」が増えないのは、「技能実習」の諸問題を解決するために規制で雁字搦めにしておきながら、肝心の「技能実習」には同等の規制を導入しないという非合理な政策が原因。ここにメスを入れないで、対象業種を増やすというのは、業界の要望に応える形で貸しを作り、利得にあやかろうとする伝統的な政治手法そのもの。当初17職種でスタートした「技能実習」が82 職種にまで拡大した歴史を再現しようというのでしょう。権益争いばかりで、筋の良い制度を創ろうという意思がない政治家には困り果てます。
2020年7月6日読了時間: 1分


vol-680:実習生の受入れで集団感染は発生するか?
新型コロナウイルスの感染対策で「優等生」と見られていたシンガポールで、最近感染者数が急増しています。新たな感染者のうち9割以上が専用宿舎に住んでいた外国人労働者。宿舎に住む32.3万人の8%近くが感染しており、さらに増える見込み。大部屋に2段ベッドを並べて10人以上で寝るような宿舎もあり、過密な環境が急速な広がりを招いたようです。 医療費が自己負担の契約もあり、病気になって現場に出られないと解雇されたり、収入を減らされたりする心配もありました。宿舎で労働者を診察した医師は「トイレやシャワーなどの清掃がいい加減で、非常に不衛生な宿舎もあった。何より問題だったのは、体調が悪くても声を上げられなかったことだ」と証言。「仲介業者に借金がある場合もあり、彼らはお金のことを何より心配する。病気だと診断され、泣き出す人もいたほどだ」と振り返ります。 この報道で、思い起こされるのが、技能実習生。彼らを取り巻く環境は、シンガポールにおける外国人労働者とほぼ同じ。今のところ、技能実習生が集団感染したというニュースはありませんが、本当に大丈夫なのでしょうか。
2020年6月25日読了時間: 1分


vol-667:やはり監理団体は無罪放免なのか?
2020年3月18日、ベトナム人技能実習生の携帯電話を没収し、私生活の自由を不当に制限したとして、実習生を工場に派遣する監理団体「福岡国際事業協同組合」の代表理事が技能実習適正化法違反の疑いで逮捕されました。実習生を派遣する団体幹部を同容疑で逮捕するのは全国で初めてだったので、大変注目された事件でしたが、同年4月9日、不起訴処分になりました。 検察は「諸事情を考慮した」と語るだけなので、真の事情を知ることはできませんが、当局が監理団体に甘い(=「技能実習」に配慮する)という実態が裏付けられたと見るべきでしょう。携帯電話を取り上げただけでなく、休日の外出を2時間しか認めず、違反した場合に罰金を徴収しており、巻き上げたおカネは数百万円に達するという報道すらあるのですから。 日立の法令違反を見逃していた事件でも、フレンドニッポンは厳罰に処されませんでした。日本には「監理団体は処罰されない」という不文律があるようです。ところが、同年4月20日、同監理団体を含む3団体による5億円の所得隠しが報道されました。監理団体は、今回も処罰を免れ得るのでしょうか。
2020年6月8日読了時間: 1分


vol-662:技能実習の対象外なのにマスクを作れるのか?
岐阜県では、縫製を学ぶ技能実習生が数多くいます。ところが、このコロナショックで、百貨店や衣料品店の売上が急減し、実習先の工場で縫製の仕事が激減しています。このため、布製マスクの生産にシフトする動きが出てきました。ある実習先の社長は、「衣料品の受注キャンセルで来週には仕事が無くなる。マスクを望む地域の声に応えたい」と訴えました。 しかし、「技能実習」の建付けの下では、実習計画に基づく仕事しかできず、実習項目に「マスク生産」がないため、マスクを生産すれば違法行為になります。そこで、「実習生の雇用安定と地域社会への貢献につながる」として、厚生労働省や法務省などに提案し、特例措置を求めているというのです。 嘘にまみれた「技能実習」の欠陥が表面化しています。自民党では、「技能実習」を抜本的に改革するために、「グローバル人材共生」という概念を提示し、「人材育成マネージャー」や「企業内管理者」という在留資格を議論しているようですが、転職が認められていて労働搾取がされにくい「技術・人文知識・国際業務」の活動を広く認めるという王道も検討すべきです。
2020年6月1日読了時間: 1分


vol-658:「技能実習」は「特定技能」に圧勝した
2020年4月1日、改正入管法が施行されてから1年が経過しましたが、「特定技能」を取得して日本で働いている外国人は、3,000人程度にとどまったようです(同年2月末2,994 人)。 1年間で 32,800 人~47,550 人の受入れを見込んでいましたが、1割すら達成できませんでした。入管庁は、ベトナムと中国で、適切に送り出す仕組みが整っていないことから、全体としての受け入れの人数が伸び悩んだと総括しているようですが、「技能実習」との比較で「圧倒的に使いにくい」という評価が関係者の間で固まったことが主因でしょう。 「技能実習」の弊害を是正するための諸施策を「特定技能」には盛り込みながら、肝心要の「技能実習」には、その一部しか適用しないという整合性のなさ。手間暇の割に魅力が少ないことも相まって、「特定技能」vs「技能実習」の戦いは、「技能実習」の圧勝となっています。 遅ればせながら、「技能実習」の違法行為摘発が始まりましたから、今後は一進一退の戦いになるのかもしれませんが、規制上の整合性が是正されない限り、「技能実習」を支持する勢力はまだまだ多数
2020年5月26日読了時間: 1分
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