vol-1115:労働者の質を無視した主張に説得力はない
外国人材を雇用している企業に関するポジティブな記事をポストすると、「日本人が集まらないのは賃金と労働条件がマッチしていないだけ」「ちゃんと見合った給料を出せば日本人は来る」「外国人の寮の費用や管理費相当を賃金に上乗せして募集すれば、真面目で生産性の高い日本人は来る」というコメントを少なからずいただく。ただ、これらのコメントに欠けているのは、労働者の「質」の問題だ。賃金を上げた場合に来てくれる日本人の「質」が、外国人材を下回るとすれば、賃金を上げてまで日本人を採用しようと思う経営者はいないだろうからだ。
無論、「自国でも仕事にありつけない貧困国の底辺層で、満足に日本語も話せずサボる事だけ熱心なクズなのが外国人」「シャチョーさんがいなくなるとお決まりのぐーたら勤務に逆戻りというのが外国人」「外国人はサボってばかりで働かない」というコメントがあるように、一部にダメな外国人材がいることは紛れもない事実である。しかし、500社以上の求人企業に対するアンケートで評価すれば、日本人と外国人の全体像をある程度窺い知ることができるはずだ。
全国雇用協会では、面接会に参加した企業にアンケートを実施しているが、全般的に申し上げて、日本人の「質」に対し、厳しい意見を持っている経営者は多い。事実として、「すぐに辞める」「根性がない」「努力しない」などのネガティブな指摘が目立つ。また、日本人と外国人との比較でも、「日本人よりも真面目である」「日本人よりも熱意がある」「日本人よりも努力する」「日本人よりも我慢する」という項目においては、外国人材の優位性がハッキリしている。
次のような、「問い」を設定して考えてみれば、少しは客観的に思考することができるのではないか?
求職者 A と求職者 B がいたとして、経営者が現在提示している給与水準で納得している B を雇っているときに、「もっと給与水準を上げれば、A も雇えるはずだ」とあなたは主張するだろうか?
求職者 A(日本人)は、「すぐに辞める」「根性がない」「努力しない」という性質を持っており、B(外国人)よりも真面目でなく、努力する姿勢もなく、ストレス耐性も低い。それでも、あなたは、経営者に対して、「給与水準を上げて A を雇うべきだ」と主張し続けるのだろうか?
【求人企業のアンケート(全国雇用協会調べ)】 2026年10月27日時点(直近2ヶ月の集計値)
① 日本人の若者について当てはまる評価を教えてください。 ・すぐに辞める 18.0%(ネガティブ評価) ・根性がない 17.4%(ネガティブ評価) ・誠実である 13.4% ・努力しない 13.0%(ネガティブ評価) ・優秀である 12.1% ・努力家が多い 10.2% ・辛抱ができない 9.9%(ネガティブ評価) ・遅刻する 9.0%(ネガティブ評価) ・約束を守らない 8.7%(ネガティブ評価) ・約束を守る 7.8% ・やる気がない 6.2%(ネガティブ評価) ・根性がある 4.7%
②日本人と比べた場合の外国人の評価を教えてください。 ・日本人より真面目である +19.5%(真面目である-真面目でない) ・日本人よりも熱意がある +16.0%(熱意がある-熱意がない) ・日本人よりも努力する +13.1%(努力する-努力しない) ・日本人よりも我慢する +12.3%(我慢する-我慢しない) ・日本人よりも長期間働く + 2.6%(長期間働く-長期間働かない) ・日本人より信頼できる ▲ 2.3%(信頼できる-信頼できない)



