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vol-1115:労働者の質を無視した主張に説得力はない
外国人材を雇用している企業に関するポジティブな記事をポストすると、「日本人が集まらないのは賃金と労働条件がマッチしていないだけ」「ちゃんと見合った給料を出せば日本人は来る」「外国人の寮の費用や管理費相当を賃金に上乗せして募集すれば、真面目で生産性の高い日本人は来る」というコメントを少なからずいただく。ただ、これらのコメントに欠けているのは、労働者の「質」の問題だ。賃金を上げた場合に来てくれる日本人の「質」が、外国人材を下回るとすれば、賃金を上げてまで日本人を採用しようと思う経営者はいないだろうからだ。 無論、「自国でも仕事にありつけない貧困国の底辺層で、満足に日本語も話せずサボる事だけ熱心なクズなのが外国人」「シャチョーさんがいなくなるとお決まりのぐーたら勤務に逆戻りというのが外国人」「外国人はサボってばかりで働かない」というコメントがあるように、一部にダメな外国人材がいることは紛れもない事実である。しかし、500社以上の求人企業に対するアンケートで評価すれば、日本人と外国人の全体像をある程度窺い知ることができるはずだ。 全国雇用協会では、面接会
10月28日読了時間: 3分


vol-1104:リモートワークはイノベーションを生まない
日本ではあまり報道されていないが、リモートワークを批判している米国企業の経営者は少なくない。例えば、『リモートワーカーは、働いていないわけではないが、実際には仕事をそれほどしていない』(Blackstone)、『オフィスにいないとプロフェッショナルな成長は難しい』(ディズニー)、『リモートは過去の習慣に戻させる。文化・創造力にとって別物』(JPMorgan Chase)など枚挙に暇がないほどだ。 テスラを創業したイーロン・マスクは、リモートワークを「道徳的に間違っている」として全否定していたし、フェイスブック(現メタ)の創業者マーク・ザッカーバーグは、社内の業績データを示しながら、「在宅勤務者は効率的ではなく、エンジニアはオフィスに来た方がより多くの仕事をこなせる」と述べていた。じつは、ヤフーのマリッサ・メイヤーCEOが、パンデミックが到来する遥か以前の2013年の時点でリモートワークを止めようと試みた時期がある。結局は、社員の猛反対に遭ったので途中で断念してしまったが、当時において、すでに『最善の決断や洞察は廊下やカフェテリアの雑談、人々の新た
10月23日読了時間: 2分


vol-1103:世界で戦うユニクロの強みは日本式経営だ!
ユニクロを創業した柳井正は、「泳げない者は沈めばいい(注:Sink or Swim)」という激しい言葉で知られている。実際、ユニクロの人事は、年功序列などまったく関係のない徹底的な実力主義が採られているので、外からは「ゲゼルシャフト(機能的組織)」的な社風と見られがち。しかし、創業者の柳井正は「日本の強みをユニクロの強みとする」と明言している。日本では、「ゲゼルシャフト」を志向していると見られがちの柳井正ですら、じつは「ユニクロはゲマインシャフト(共同体組織)だ」と認識していることを重視すべきだ。要するに、多くの日本企業にとって、異なる文化の下で形成されてきた「ジョブ型」を基盤にして人事制度を組み立てるのは完全なナンセンスなのである。 (注)『Sink or Swim』は、柳井正が最初に述べた台詞ではなく、元々は、マイクロソフトを創業したビル・ゲイツの言葉である。彼は、「この激動期において、生き残るにはどうすればいいのか?」と問われたときに、インターネットという「破壊的イノベーション」をビジネスにおける「津波」に例えて、「溺れたくなければ泳ぐし
10月22日読了時間: 3分


vol-1102:欧米企業には日本企業にはない身分制度がある
伝統的な日本企業とは異なり、典型的な「ジョブ型」が大勢を占めている欧米企業においては、年功的な給与体系を採用していないから、長年勤めたからと言って、給与水準が上がるわけではない。日本企業のように「頑張って努力すれば、誰でもマネジメント職に就ける」ということもない。平社員は、昇給も昇格もすることなく、一生平社員のままである。 日本では、「欧州はワーク・ライフ・バランスを重視している」などと解説する専門家が闊歩しているが、昇格も昇給もない会社で「ワーク」を最重視できるはずもなく、「ライフ」でバランスを取るしかない。ブルーカラー同士が結婚した場合、生活を維持するために共働きせざるを得ず、外食するカネがないから、家に帰って家族で食事をするというのが実態と言ってよい。 また、一般的に欧米企業には、かつての日本企業のように、「社員は家族」という発想は基本的になく、経営陣(employer)と従業員(employee)の間は、「They and Us(あいつらと俺たち)」という言葉に象徴されるように、ある意味で「敵」同士であり、食堂や駐車場が別々だったりする。
10月22日読了時間: 4分


vol-1100:「ジョブ型」から助け合いの文化は生まれない
日本において、「ジョブ型(注)=職務給」は、何度も導入が試みられてきたが、その度に巧みに換骨奪胎されてきた。また、「ジョブ型」を導入することによって、本当に「労働生産性が高まる」というのであれば、とっくの昔に、日本企業においても「ジョブ型」が定着していたに違いない。しかし日本では、「メンバーシップ型」が企業風土に浸透し、「ジョブ型」は根付かなかった。それは、「日本で当たり前とされている働き方」が「ジョブ型」では困難という事実が背景にある。 (注) 欧米における「ジョブ型」とは、仕事の内容を明確に定めて、定義に合致した人材を採用・配属・育成する人事制度のことをいう。「ジョブ型」の場合、JD(Job Description)に明記されている職務を遂行することによって、労働対価をもらうという原則になるので、JDに明記されていない業務は「させない方針」でマネジメントするか、「追加業務に関する追加賃金」を合意した上で業務を依頼する。このため、欧米企業の社内では、「This is not my business」「It’s not my fault」という言
10月22日読了時間: 4分


vol-1078:サナエノミクスによる好景気は勘違いなのか?
2026年10月1日、日銀短観(9月調査)が公表され、相変わらず人手不足を訴える企業が多いことが確認された。「過剰」と答えた企業の構成比から、「不足」と回答した企業の構成比を差し引いた「雇用人員判断(=過剰-不足)」は、全産業ベースで▲38%ポイントと6月調査(▲37%ポイント)よりも人手不足感が強まっている。先行きについても▲41%ポイントとさらに人手不足感が高まっていくという予想だ。 素直に考えると、この「人手不足感」は、有効求人倍率などの雇用関連統計と連動していると想定されるが、正社員の有効求人倍率は、8月時点で0.99であり、6ヶ月連続で1を割り込んでいる(求人数が求職数を下回っている)。また、アルバイトの有効求人倍率は1をわずかに上回っているものの、5~6月は1を下回っていたなど、決して労働需給が逼迫しているわけではない。 事実として、マイナビ調査によるアルバイト平均時給(全国)は、8月時点で前年比▲1.2%。2026年に入ってからの推移も弱々しいものだ(1月+3.1%➡2月+2.5%➡3月+2.3%➡4月+0.4%➡5月▲0.4%➡6
10月3日読了時間: 5分


vol-1049:日本において「ジョブ型人事」は机上の空論である
2024年8月28日、内閣官房・経済産業省・厚生労働省は、「ジョブ型人事指針」を公表した。「職務(ジョブ)ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要である」と説き、日本企業において支配的な「メンバーシップ型人事」から「ジョブ型人事」への転換を謳っている。 「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきた。職務(ジョブ)ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要である。そうすることにより、内部労働市場と外部労働市場をシームレスにつなげ、社外からの経験者採用にも門戸を開き、労働者が自らの選択によって、社内・社外共に労働移動できるようにしていくことが、日本企業と日本経済の更なる成長のためにも急務であり、個々の企業の実態に応じたジョブ型人事の導入を進める。 (ジョブ型人事指針《内閣官房・経済産業省・厚生労働省》:2024年8月28日)
9月20日読了時間: 4分


vol-1034:日本人の若者にはやりたいことも夢も希望もない?
実際に外国人社員を雇っている社長から話を聞くと、「仕方なく外国人を雇っているんじゃない。現場の本音はむしろ『日本人より外国人の若者の方がやる気があって優秀』というものだ」「ワークライフバランスだのパワハラだのと、面倒なことばかり言う日本人を雇いたい経営者は確実に減っている」「建設業施工会社の7割は外国人で3割が日本人。日本人はほぼ運転手。収入はそれほどないけど、人を運搬するだけの仕事。それくらい日本人は現場に出ない。お金が高くても日本人は現場に出ない」「現場で実際に汗を流せる人が、今の日本にどれだけいるのか? ワガママでぬるま湯に浸かり切った日本人にその覚悟があるとは思えません」など、日本人の若手に対する不満が湧いて出てくる。 無論、すべての日本人の若者がそうだと言うつもりはない。しかし、就職を希望する日本人の高卒を雇おうと思うと、特にやりたいことも希望も意欲もなく、「家から近くて休みが多い会社がベスト」「給料はそこそこでいいから、いつでも休める企業がいい」「夢はフリーターです」と答えるという話を聞くと、日本の将来に懸念を抱かざるを得ない。実際、
9月15日読了時間: 2分


vol-1031:「安いから外国人」と批判する人は経験が浅い
ある会社で働く若手の外国人特定技能から相談があった社長の話。「建設重機に乗るために資格取りたいです。図面書くためにパソコン作業覚えたいです。他の人の2倍働きます。その分、給与上げて欲しいです。自分が住む国への仕送りを増やしたいです」 ギラギラした眼差しで、こちらを見つめてくるのが印象的だったという。 翌日、その社長が職場の上長に話を聞くと、現場では誰もが嫌がる仕事を率先して対応し、空き時間に日本語の勉強をしているくらいの努力を感じているようだった。一方、同じ職場で働く同年代の日本人社員と面談したところ、「給与は現在のままでいいです。上がるとしても、勉強したくもないし、働きたくもありません。」という回答だったという。 社長は「豊かさが、必ずしもハングリー精神を奪うものではないが、圧倒的な差を感じる。数年後には、現場の指揮から特殊技能に関しては外国人特定技能が独占するのではないだろうか...本当にこのままでいいのだろうか?」と考えさせられたらしい。 公の場では、ほとんど論じられることはないが、これは、あるある、の話。移民の話に関して、「賃金が安いから
9月15日読了時間: 2分


vol-1023:悪質なブローカーに関する対策に終わりはない!
外国人就労ビザの厳格化が進む一方で、新たな「抜け道ビジネス」が横行しているという指摘がある。発端は「経営・管理」の資本金要件が3,000万円以上へ引き上げられた2025年10月。中国系SNSには関連投稿が飛び交い、対処の本命が「技人国」だった。「手数料を払えば、日本で働いた実態がなくても会社員の身分証が手に入ります」というSNSの投稿が後を絶たない。 投稿にDMを送ると「四年制大学卒なら、手数料6万元(約140万円)で手配します。名義貸し企業に所属することで会社員の身分が手に入り出社も不要。ペーパーカンパニーではなく、営業実態のある一般企業なのでご安心下さい」と説明。企業も名義貸し料を得られるのでWin-Winだ。4月から通訳や接客で雇う場合、N2以上の証明が必要になったが、SEなど日本語は要らないと偽って審査を通す。また、派遣が厳格化されたので、請負の体裁を取りながら、現場で直接指示を出す「偽装請負」も横行しているらしい。 中国には「上有政策、下有対策(上=国に政策があれば、下=国民は抜け道を考える)」という有名な言葉がある。悪質ブローカー対策
8月22日読了時間: 1分


vol-929:「日本人は滅びる」んじゃないですか?
ユニクロの柳井正会長が「日本は30年間成長していない。日本人だけではこれからやっていけない。少数の若い人で大多数の老人をどうやって面倒見るんですか。人口が減っていくなかで、今までみたいに自分たちだけでやろうとしても、そもそも戦えない。少数精鋭で仕事するということを覚えないと日本人は滅びるんじゃないですか」と発言したことが波紋を呼んでいる。 この発言の是非を議論する際には現状を直視する必要がある。全国外国人雇用協会では、求人企業に対して、雇用する日本人と外国人の評価についてアンケートを取っているが、日本人に対する評価(複数回答:9月末)は「すぐに辞める」(30.2%)「根性がない」(25.2%)「努力しない」(18.3%)、「辛抱ができない」(16.0%)「約束を守らない」(13.0%)となっている。 日本人と外国人とを比較した場合、「外国人は日本人より真面目」(20.6%超過)「外国人は日本人より熱意がある」(20.2%超過)「外国人は日本人より努力する」(13.2%)ということで日本人の劣位が目立つ。「日本人は外国人より優れている」という前提で
2024年10月7日読了時間: 1分


Vol.887:人口が半減する日本市場で生き残る!
1億2500万人いる日本の人口は、2070年には8700万人(▲30%)になり、2120年には5000万人(▲60%)を割り込むレベルにまで激減する。足元の統計でも、日本人の人口は前年比84万人以上減っている。1年で山梨県や佐賀県(共に81万人)が消失する衝撃が日本経済を襲い続けている。 こうした人口の減少傾向は2011年以来、12年連続で続いており、増加傾向に転じる気配は全くない。そうなっていけば、国内市場は自ずと拡大余地が狭まり、日本企業のサバイバルゲームは激しさを増す。人口の分布を地域別に見ると東京・名古屋・大阪という三つの大都市圏に半数強が集中。人口減少というマイナスインパクトは、地方の産業を根こそぎ壊滅させかねない。 すでに日本のGDPはドイツに抜かれて世界第4位に落ちる。遠からず、インドを含む新興国に軒並み抜かれてトップ10から転落する可能性すらある。個々の日本企業としては、100年後の人口半減に即した日本社会と産業構造に対応できる企業体質を構築していけるか否か。生き残るためには、外国人材の採用と育成と活用を普段の人事インフラとして組
2023年11月13日読了時間: 1分


vol-886:ビザを緩和してもイーロン・マスクは来ない
日本経済新聞によれば、「経営・管理」の在留資格に関する許可条件を緩和するらしい。現在、当該ビザを獲得する際に最大の障壁となっている「出資金500万円」という条件を「0円」にする方針のようだ。それにしても、「外国人の起業家が増えることで海外の最先端の技術や、外国人ならではの発想を取り込むことができる。米国にはグーグルやテスラなど海外から来た経営者が次世代の産業を生み出した例がある」という解説には笑ってしまった。 500万円程度の資金を調達する経営力がなくて、艱難辛苦の起業に成功できるわけがない。ベンチャーというのは、だいたいが10年以内に潰れるものだ。500万円程度の資金調達力がない人間がセルゲイ・ブリンやイーロン・マスクになれるわけがない。彼らの伝記には「起業時に政府から500万円の資金補助があったから、いまのグーグルがある」とは書かれていない。 「出資金500万円」の条件が緩和されて喜ぶのは、インチキな在留を可能にする「ビザ屋」とその顧客だけだ。机上の空論を並び立てた経営計画を、起業の経験がない入国審査官が審査するという喜劇。呆れてモノが言えな
2023年11月6日読了時間: 1分


vol-857:経営管理に不正に変更した行政書士が逮捕される!
在留資格を「留学」から「経営・管理」に不正に変更した疑いで、行政書士と行政書士補助者が逮捕されました。「実体のない会社事務所の写真を用意する」「同じ会社事務所の写真などを使った複数の申請」という記述がありますから、同じ物件を同時期に複数人に対して貸し出していたという事実が判明して、「虚偽申請」を立件する決め手になったのでしょう(2021年末)。 「経営・管理」については、資本金500万円の問題が云々されますが、実務的に最も負担が重いのは事務所の家賃や敷金です。10 万円の物件を賃借すれば、契約時に数十万円の出金が発生し、入管審査に半年以上かかれば、さらに数十万円が出ていきます。しかも許可されるまでは、ビジネスに使用することもできません。つまり、100~200万円を捨てる覚悟が必要なのです。 この無駄金を嫌がる起業家が多いので、事務所を用意するというのは一案。しかし、前の人の申請が不許可で解約になった後の事務所を貸すのは合理的ですが、同じ事務所を複数人に同時に貸す場合は「虚偽」と判断されても仕方ありません。「経営・管理」の法令遵守には多大なコストが
2021年12月21日読了時間: 1分


vol-831:「実務研修ガイドライン」公表までの経緯を知る
多くの日本企業は、新入社員に対して「実務研修」を課しており、外国人社員に対しても同様に「実務研修」が課されてきた。しかし、入管から明確なガイドラインが示されることがなかったため、外国人新入社員の「実務研修」は「不法就労」であると認定される可能性があるのではないかという指摘に係るリスクは、長い間払底されることがなかった。 この不安定な状況は、2020年4月に「技術・人文知識・国際業務の在留資格で許容される実務研修について」というガイドライン(以下「実務研修ガイドライン」という。)の公表によって、遂に解消することになる。「実務研修ガイドライン」が出るまでは、勉強不足の行政書士 などが「技術・人文知識・国際業務は、自然科学・人文知識の分野に属する技術・知識を要する業務に限られるから単純作業はできない」と吹聴する事例が少なからずみられたが、「研修として単純作業を行うことは問題ない」という法理が示されることになった。 これまでの経緯を振り返ろう。じつは、入管は、「長期的なキャリア形成のために、入社直後の実務研修を認める」という審査実務を20~30年続けてき
2021年7月31日読了時間: 3分


vol-827:外国人幹部を2倍に増やしてどうするの?
2021年6月21日、日本経済新聞は「政府は海外の企業経営者や経営幹部らの国内受け入れを増やし、2030年に約20万人にする目標を決めた」と報じました。2019年(9.5万人)の約2倍に増やす方針で、東京や大都市圏に集中する外資系企業の日本法人本社を地方に誘致し、東京以外に拠点を置く企業の数を 2026年に1万社にするべく施策を講じるそうです(2016年4,200社の2倍強)。 机上の空論です。海外の企業経営者や経営幹部が陸続として来日するとすれば、①日本経済の成長が他国に比べて魅力的であり、かつ、②現地法人の経営を日本人に任せるよりも外国人に任せることが合理的であり、③税制や在留資格などの諸制度が排他的でないことが最低限必要です。③だけ一生懸命やったところで結果は知れていますし、②の必然性もよくわかりません。言うまでもなく、①については、もっと大きな視点に立った諸施策が必要です。 おそらく、「日本人の経営者では現在の閉塞感は払底できない」という命題から「外国人ならできる」という結論を得て、今回の施策に至ったのでしょうが、経営現場を知らないお役人
2021年7月6日読了時間: 1分


vol-779:ロックダウンをしたところで何の効果もない?
2021年2月2日、日本政府は、2月7日が期限の「緊急事態宣言」を東京など10都府県で3月7日まで1カ月延長することを決定しました。飲食店の営業時間は短縮を要請し、協力した店舗には協力金を支払い、大規模なイベントは5 千人を上限とし、収容率は50%までに制限します。期間中は観光需要喚起策「Go To トラベル事業」の全国一斉停止を継続するほか、外国人の新規入国停止や中韓など11カ国・地域を対象にしたビジネス往来も停止します。 米国の歴史学者であるアルフレッド・W・クロスビーは、100年前のスペイン風邪を調査し、「閉鎖命令を『厳格に』適用した地域の患者発生率や死亡率は、そうでなかったところとくらべて特に低くもなく、それどころかむしろ高かった例もしばしばあった。しかしながら公衆衛生当局にしてみれば、何かしないではいられず、劇場や学校、玉突き場、そして教会にまで閉鎖命令が出された。1918年秋、どこにでも見られた風景だった」と書き、ロックダウンは当局者の自己満足に過ぎなかったと叙述していますが、歴史家によって類似の記述が為されないことを心から望みます。
2021年2月3日読了時間: 1分


vol-765:日本企業は「ジョブ型雇用」を導入するのか?
コロナショックの中で、短期的に「人手不足」から「人余り」に転じた日本企業は、余剰感が高まった中高年社員を放出し始めていますが、雇用調整助成金の特別措置が切れたら、大量解雇へと移行します。失業問題が最優先課題となる中で排外的なムードが高まれば、構造的な若年層不足という問題には目をつぶり、外国人材の受入れが敵視される危険性もゼロではありません。 しかし、各企業がスリム化に走る現状をポジティブに捉えれば、硬直化した人事制度を抜本改革できる機会が訪れていることを意味してもいます。今は厳しく辛い局面ですが、だからこそ、終身雇用や年功序列賃金や新卒一括採用から脱皮することができる最大のチャンスでもあるのです。。 近年、「ジョブ型雇用」という単語がバズっています。じつは世界的には、日本型雇用よりも「ジョブ型」が標準です。慣れ親しんだ日本型雇用をそのまま維持し続けることは困難であり、若年層の外国人材を受け入れる器を整備するために必要ということであれば「ジョブ型」の検討も必要でしょう。ただし、欧米型を真似る必要はありません。
2020年12月24日読了時間: 1分


vol-752:公務員は経営能力を審査できるのか?
入管庁は、日本の大学を卒業した外国人留学生の起業を支援するため最長2年間の在留を認める「起業ビザ(特定活動)」を新設します。日本で外国人が起業する場合は「経営・管理」の在留資格を取得する必要がありますが、事務所の開設や資本金500万円という要件が高いハードルになっているため、新設する「特定活動」ではそれらの要件を整えるまで、起業のための準備活動を認めるものです。各都道府県でも、「起業ビザ」への取り組みが広がりつつあり、日本国内で投資してもらい、雇用を増やしてもらうという意味で、外国人の起業を推進することには一定の価値があります。 ただし、「起業ビザ」の審査では、経営能力や経営計画が審査されるわけですが、起業した経験がない公務員にその能力があるはずもなく、個々の審査官による趣味的な質問に振り回されるというのが実態です。逆に、資本金と事務所の要件を厳格化し、その条件さえ充たせば、1年の「起業ビザ」を与え、法人税の支払や雇用の創出という実績を確認できれば、1年の更新を認めるという運用にしたほうが実務的ですし、日本のためになると思います。
2020年11月25日読了時間: 1分


vol-723:資本を集める力もないのにロケットを開発する?
2020年9月8日、外国人起業活動促進事業における茨城県内第1号として、つくばで再使用型有人ロケット開発を目指すオーストリア人に確認証明書が交付されました。いわゆる「スタートアップビザ」です。入管に申請して認められれば、起業準備として1年の在留資格を得ることができます。 「経営・管理」に在留資格を変更する場合、500万円以上の資本金や事業所の確保が必要になることがネックになっていました。「スタートアップビザ」は、その負担を軽減し、外国人の起業を促進する試みです。方向性自体は間違っていませんし、確認証明書が出たことはおめでたいことだと思います。 しかし、「有人ロケット開発」に真剣に挑戦するのであれば、資本金は500万円どころか500億円でも足りないかもしれません。オーストリアで宇宙航空エンジニアリング会社を経営していると自称する経営者が、500万円程度を拠出できなくて、事業所を構える余裕もないというのは不可思議です。初めから「経営・管理」に挑戦すればいい。それとも、「スタートアップビザ」第1号になることで新聞記事になることを狙った作戦なのでしょうか
2020年9月16日読了時間: 1分
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