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vol-204:欧州は移民問題とともに左右に漂う

2018年7月17日
読了時間: 2分
  • EU(欧州連合)が難民問題で大揺れに揺れています。特に2018年6月の中旬から月末にかけては、これまでにないほど緊張感が高まりました。100万人を超える難民が押し寄せた2015年の難民危機を切っ掛けに、極右政党が勢力を増し、各国において反移民・反難民の政権が誕生しています。

  • 2017年10月に実施されたドイツの総選挙では、右派政党が大きく票を伸ばし、 EUの盟主であるドイツのメルケル政権を揺さぶりました。同年12月には、オー ストリアで反移民・反難民の新政権が誕生。チェコでも移民排斥を唱える新政権が生まれます。また、EUの指示に従わないポーランドのポピュリスト政権は、首相を挿げ替えつつも自説を曲げません。2018年も流れは変わら ず、4月に反移民・反難民の最右翼であるハンガリーのオルバン政権が再選 を果たすと、6月にはイタリアで反移民・反難民の政権が誕生しました。

  • イタリアの新政権は、誕生するや否や、難民流入を阻止するための実力行使に出ます。地中海を渡って、イタリアに上陸しようとする難民を乗せた救助船の入港が拒否されると、それぞれの国の思惑が絡み合って、足並みが揃わず、EUが右往左往し始めます。取りまとめ役であるはずのドイツですら、 足元の連立与党で造反劇があり、一時は政権崩壊の危機とも報じられました。

  • いずれにせよ、EUが早期に難民問題を解決することは難しそうです。ただし、この現象を正しく理解するためには、歴史的な経緯に加え、難民認定率 (イタリア5%~ドイツ40%:日本0.2%)や移民比率(10%超:日本2%)を熟知した上で考察すべき。表層的な事件だけに目を奪われ、短絡的に「反移民・反難民」を唱えても、EUを「活きた教材」にすることはできません。

  • サッカーW杯を見れば明らかなとおり、ヨーロッパの国々で代表選手の中 に移民がいない国など皆無です。EUの問題は「難民や移民を受け入れる」という大前提の下でキャパシティを超えた国々の問題であり、日本のように「難民や移民を受け入れる」という大前提がないのに都合がよいところだけ受け入れようとする国の問題とは本質が違います。日本は、欧州の教訓を学びつつ、日本独自の道を切り拓いていくべきです。

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