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vol-315:中小派遣業者はなぜ不法就労に手を染めるのか?

2018年12月21日
読了時間: 3分
  • 現在の外国人派遣においては、入管法を無視した業界慣行をベースとした実務が、派遣先を中心に根強く定着している。そして、これまでのところ、業界慣行をベースにした実務を覆してしまうような象徴的な摘発や逮捕が発生していないため、派遣業界では「入管法を無視した実務慣行」がまかりとおっている。まずは、派遣業界の実情や実務慣行について解説しよう。

  • 厚生労働省が集計している「外国人雇用状況」の届出状況によれば、日本における外国人労働者のうち派遣で就労している外国人は20%近くを占めている。日本人における派遣労働者の比率が2~3%にすぎないことに鑑みると、極めて高い比率であると言ってよい。もっとも、不法残留外国人を派遣するなどの「不法就労」は現実的には届出されないため、実態としては、在留外国人の25%近くが「派遣」に関与している と考えても、決して大きくは外れていないと推察される。

  • ここまで外国人派遣が増えた背景には、派遣先の大企業群が「違法派遣を排除しない巨大な外国人供給インフラ(以下「違法派遣インフラ」という。)」を創り上げてしまったことによる。食品工場などの繁閑が激しい派遣先は、正社員やアルバイトよりも、繁閑期の調整が容易な派遣を選好。中小の派遣会社を競わせて人材を出させる。派遣業界は、提供する人材が「価値」なので、会社の大小や業歴は契約締結の障害にならない。だから、スタートアップやベンチャー企業にも新規契約の可能性がある。中小の派遣会社にとっては、1ロットの人数が多いだけに、是が非でも取りたいチャンスであり、しかも、継続的に収益が見込める派遣なので、我先にと派遣先大企業に殺到する。派遣先大企業は、複数の中小派遣会社と契約を交わして、派遣会社を常に競争状況に置くように差配していく。

  • 各々の中小派遣会社がそれなりの質と量の人員を派遣できるようになり、互いに競い合う環境が整うと、派遣先大企業は、繁閑の調整や即時の対応、派遣時給の切り下げなど、無理難題を吹っ掛け始める。獲得した派遣契約を失いたくない中小派遣会社は、派遣先大企業からの無理難題に対応するため、どんどん無理をする。派遣先大企業から切られないためには、発注を受けたときの欠員は絶対に許されないので、ビザ切れや資格外の外国人も時間の問題で使い始める。派遣先大企業は、入国管理法上の制約がない「身分・地位に基づく資格」の外国人を欲しがる が、そのカテゴリーで派遣に応じる外国人は一定割合しか存在せず、また、たまたま登録していても他業者からの引き抜き圧力が強くて、すぐに転職してしまうので、長期的な戦力にはならない。結局、派遣先大企業の無理難題に付き合う中小派遣会社は、遅かれ早かれ「不法就労」に手を染めていく。

  • 残念ながら、外国人を扱う中小派遣会社の多くは、ほとんどが「不法就労」と無関係ではないのが現状である。

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