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vol-757:観光ビザで就労を認める特別措置は早期に止めよ
日本政府は、来夏の東京オリンピックを絶対に開催するという前提の下で、各種の政策を断行しています。入国管理や在留資格も例外ではありません。 政府は、新型コロナウイルス対策をとりながら大規模な外国人客を受け入れるため、ウイルスの陰性証明書を提出して、専用アプリを利用すれば入国後2 週間の待機は不要とし、制限なく行動できるようにする方針です。外国客には接触確認アプリ COCOA とビザ等の情報を管理するアプリを組み合わせて使ってもらうよう求めます。もっとも、訪問した場所の履歴は本人の意思で各自の端末内に残す方式に留まるため、感染防止効果は限定的です。 ここで問題となるのが在留資格。入管は、観光ビザであっても、就労を認める運用を決定しましたが、来春までこの運用が続いた場合、オリンピックの最中にビザ期限が到来した不法滞在者が激増する可能性が否定できない一方、延長した場合は、日本での就労を狙い、オリンピック観光客の振りをした出稼ぎ外国人が大挙して来日する可能性もあります。観光ビザに就労を認める特別措置は、早期かつ円滑に終了することが求められます。
2020年12月7日読了時間: 1分


vol-756:梅蘭は入管の研修ガイドラインに救われた?
11月30日、有名中華料理店の「梅蘭」で、接客・レジなどの資格外活動をしたとして、入管法違反の疑いで9月9日に逮捕された中国人男女7人が不起訴処分になりました。9月30日に運営会社の役員2人が逮捕され、容疑を認めたと報じられていましたが、最悪の事態は免れたようです。 不起訴理由は明らかにされていませんし、逮捕された役員2人のことは何ら報じられていませんから、確定的なことは言えませんが、資格外活動の疑いをかけられた従業員が不起訴なのに、雇用主だけを有罪にするということは一般的に考えにくく、「技術・人文知識・国際業務」が認めている現場研修であった可能性が完全には否定できないという結論に至ったのでしょう。 その意味で、今年4月、入管が「技術・人文知識・国際業務」における現場研修のガイドラインを公表したことは大きかったと思われます。「技術・人文知識・国際業務」の社員を現場で使っている企業は、当該ガイドラインを熟読して、雇用状況の遵法性を確認するとともに、当局が来たときにすぐに見せられるように、ガイドラインを現場に常備しておいた方が良いでしょう。
2020年12月4日読了時間: 1分


vol-755:就職難に「特定活動(特定技能準備)」で対応せよ
「特定技能」の資格で日本に在留する外国人は、9月末時点で8,769人になりました。特定技能での新規入国者は新型コロナの水際対策を強化していることから約80人にとどまり、技能実習からの移行が83.8%を占めています。5 年間で最大34.5万人とする政府の見込みには遠く及びませんが、3月末時点の3,987人から半年で2.2倍に増えました。もっとも、新型コロナで解雇されるケースが多いため、特例として別の職種への転職が認められています。 そんな中、新型コロナの影響で、帰国が困難になっている外国人の生計を支援するため、入管は、観光や商用などの短期滞在などで訪日した外国人に対しても、一時的にアルバイトすることを認めるという特別措置を12月1日から実施しました。もはや「何でもあり」という感じです。 現在のごちゃ混ぜ状態を放置すれば、いずれ大混乱を生みます。今のうちから、「特定活動(特定技能準備)」を告示で明示し、「コロナによる就職難」という条件を「就職難」に緩和した上で、観光などの「短期滞在」以外の在留資格からであれば、在留資格の変更を認めるという整理を始める
2020年12月3日読了時間: 1分


vol-754:わらべや日洋子会社の違法派遣は闇に葬られた
2020年11月18日に、不法就労助長の疑いで人材派遣会社「ソシアリンク」の千葉営業所長ら5人が逮捕された事件は、あっという間に風化しようとしています。実際、「ソシアリンク」で検索しても、出てくるのは NHK の記事だけで、クリックしても「お探しのページは見つかりませんでした」と表示されるだけ。「ソシアリンク」の親会社である「わらべや日洋ホールディングス」に至っては、検索したところで、入管法違反事件の気配すら出てきません。 3年前の「ラーメン一蘭」の事件。留学生が週28時間以上働いていたことが問題視され、家宅捜索だけで全メディアが大騒ぎ。時間が超過したのも、除籍・退学なのに「学校が長期休暇中」と嘘をつかれ、会社側のチェックが難しかったという背景がありましたし、会社側の逮捕者も出ていません。 一蘭と比べれば、「ソシアリンク」は千倍以上悪質。技能実習で不法在留というのですから、在留カードを確認するだけで防げたはず。確信犯であるとしか思われません。それがこのヌルい扱い。やはりメディアも警察も入管も大企業には甘いのでしょう。これで不法就労がなくなるわけが
2020年11月30日読了時間: 1分


vol-753:FRESC が技能実習機構をヘルプすればいいだけ!
「技能実習機構は当てにならない」という意見が目立ちます。受入先で仕事がなくて技能実習機構に訴えたのに、「監理団体が次の仕事を探してくれるのを待ってください」と言われるだけだったり、受入先とのトラブルで駆け込んでも、「あなたにも悪いところがある」として、監理団体に問題の解決を委ねるという手抜きの対処が散見されるようです。 技能実習機構は実習生の保護強化の目的で新設された組織です。監理団体の許認可権を持ち、指導に従わない場合は許可を取り消すこともできます。それなのに、人員不足で実習生を保護できないのでは、意味がありません。 でも、それなら良い組織があります。今年7月に新設された「外国人在留支援センター(FRESC)」です。140名が働いているのに、相談件数は1日に100 件しかないのなら、手持ち無沙汰のはず。実習生の問題は、FRESC に持ち込んで、受入先と監理団体と技能実習機構の調整役になって解決してもらいましょう。「それは技能実習機構に相談してください」と断るようであれば、高い家賃を払って、バカ高い四谷タワーに入居する意味はありません。
2020年11月27日読了時間: 1分


vol-752:公務員は経営能力を審査できるのか?
入管庁は、日本の大学を卒業した外国人留学生の起業を支援するため最長2年間の在留を認める「起業ビザ(特定活動)」を新設します。日本で外国人が起業する場合は「経営・管理」の在留資格を取得する必要がありますが、事務所の開設や資本金500万円という要件が高いハードルになっているため、新設する「特定活動」ではそれらの要件を整えるまで、起業のための準備活動を認めるものです。各都道府県でも、「起業ビザ」への取り組みが広がりつつあり、日本国内で投資してもらい、雇用を増やしてもらうという意味で、外国人の起業を推進することには一定の価値があります。 ただし、「起業ビザ」の審査では、経営能力や経営計画が審査されるわけですが、起業した経験がない公務員にその能力があるはずもなく、個々の審査官による趣味的な質問に振り回されるというのが実態です。逆に、資本金と事務所の要件を厳格化し、その条件さえ充たせば、1年の「起業ビザ」を与え、法人税の支払や雇用の創出という実績を確認できれば、1年の更新を認めるという運用にしたほうが実務的ですし、日本のためになると思います。
2020年11月25日読了時間: 1分


vol-751:ソシアリンクの親会社の社名はなぜか報道されない
2020年11月18日、千葉県警は、入管法違反(不法就労助長)の疑いで人材派遣会社「ソシアリンク」の千葉営業所長ら同営業所の社員5人を逮捕しました。在留期限の切れたベトナム人で、しかも元技能実習生らを去年から先月にかけて市川市内の食品工場に派遣したというのです。 外国人派遣は入管法違反の塊ですから、本件自体は「さもありなん」という事件に過ぎないのですが、不可思議なのは報道内容。ソシアリンクの親会社は、東証一部上場の「わらべや日洋ホールディングス株式会社」というビッグネームなのに、報道には一切出てこない。記事では、「このような事態は極めて遺憾で、深くおわびする」とソシアリンクが言ったことになっていますが、その内容のプレスリリースを掲載したのはわらべや日洋のHPです。 ソシアリンクの派遣は6割が外国人で、この道20年のベテラン。それが、在留期間切れの技能実習生を派遣していたとなれば、他にも違反があるに決まっています。警察とメディアがわらしべ日洋とズブズブの関係でないのであれば、この事件は大きな違反事件の端緒に過ぎないはず。注目しましょう。
2020年11月20日読了時間: 1分


vol-750:米国における留学生を排斥する流れは伝播するか?
2019~2020年度に米国で学ぶ留学生は、前年比▲1.8%の1,075,496人。前年より減ったのは14年ぶり。同時期に留学を始めた学生数は267,712人(前年比▲0.6%)で4年連続減。直近ピークの2015~2016年度より11%も少ない水準です。中国と米国の関係悪化、トランプ政権によるビザ発給の厳格化で、米国で学ぶことを考え直す学生が目立っているようです。 トランプ政権は、技術者向けの「H1Bビザ」発給の要件を厳格化。このビザの不許可率は2019年度に33%に達し、3年前の3倍以上になったと見られています。また、中国の通信機器大手ファーウェイへの制裁が発動された後、スパイ活動への懸念からハイテク分野を学ぶ中国人の留学は制限されるようになりました。中国の人民解放軍と関係があるとみられる計1000人以上の中国人の留学生や学者のビザも取り消されました。さらに、柔軟に認められてきた留学生の滞在期間も、2年や4年に制限する方針も出されました。 日本でも米国同様の政策を進言している人たちは少なくありません。大学や専門学校は、こうした動きにどう対処する
2020年11月18日読了時間: 1分


vol-749:なぜ人権派は技能実習機構を批判しないのか?
相変わらず、技能実習に対する批判が根強い。支援者や弁護士たちは、被害者である技能実習生をマスコミの前に突き出し、可哀そうな事例を挙げては、「技能実習」という制度を批判し、すぐに撤廃すべきだと叫ぶ。 しかし不思議なのは、批判者たちが「技能実習機構」を活用しようとしないという点だ。「技能実習機構」は、技能実習法によって、「技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う業務」や「技能実習生が引き続き技能実習を行うことができるよう、技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うとともに、実習実施者、監理団体その他関係者に対する必要な指導及び助言を行う業務」を担うことが定められている。事実関係の調査や報告徴求や検査を行うこともできる。 さらに言えば、「技能実習機構」には「評議員会」という組織があり、「労働者を代表する評議員」も指名されている。技能実習機構や評議員に対して、被害者の救済を陳情し、彼らが陳情に対応しなかったことを批判するのが先だ。マスコミへのアピールを繰り返しても、被害者の救済にはつながらない。
2020年11月16日読了時間: 1分


vol-748:外国人在留支援センターは新築高層ビルを借りる?
2020年7月、JR四ツ谷駅前に、外国人の出入国在留・人権・就労・労働関係の相談窓口となる「外国人在留支援センター(FRESC)」がオープンしました。多文化共生社会の実現を促進するために、入管庁や東京入管など関連4省庁8 機関が同じ建物の同じフロアに集まったワンストップの窓口です。ワンフロアに約140名が働いており、相談件数は1日に100件ほど。 FRESCが入っている四谷タワーは、2020年1月末に竣工したばかりの高層の新築ビル(地上31階・地下3階)。ワンフロア650坪ですから、家賃だけで月2,000万円前後。新オフィスを整備するための費用は、億を超えているはずです。ところが、1人当たりの対応件数は1日0.7件というのですから、コスト・パフォーマンスで見る限り、かなり問題があるような気もします。 それだけの巨額のおカネをかけるのであれば、電話の問い合わせに対応する係員を各入管に1人ずつ増やしたほうが良かったのではないでしょうか。電話しても通話中でなかなかつながらないとか、審査の状況を尋ねても「審査中です」という一言で片付けてしまう杜撰な現状を
2020年11月13日読了時間: 1分


vol-747:留学生が大きく減ると東京都の人口も減少する
2020 年6月末時点の在留外国人数は、入国制限が影響して、過去最高だった2019 年12月末から1.6%減り、288万5904人となりました。在留資格別にみると、「留学」が大幅減(▲18.9%)したことが特筆されます。2020年上半期の外国人入国者数は、前年比75.1%も減少しており、最近ようやく留学生の入国が再開されたものの、元に戻るかは疑問も残ります。 留学生の減少は、東京都の人口減少という珍しい現象を引き起こしました。10 月1日時点での人口は、前月比0.08%減の1397万人となり、3カ月連続で減少。初めての現象です。杉並区や大田区、新宿区の現象が目立ちます。 景気が悪化して、大企業を中心にリストラが広範化。中小企業の廃業や破綻が増える中で、経済政策としては、失業問題に注目が集まる状況下においては、手薄だった若年層を留学生などの外国人材がカバーしてきたというプラス面は忘れられがち。長期的に見れば、景気回復後における若年労働者の不足問題を緩和するために、より有効な受け入れ策をいまから検討すべきなのですが、建設的なビジョンを描けるリーダーが
2020年11月11日読了時間: 1分


vol-746:在留資格だけで国際金融都市を築けるわけじゃない
菅政権は、日本に世界の金融ハブをつくる「国際金融都市構想」を掲げています(2020年秋)。一国二制度が事実上崩れた香港から金融人材が流出しているほか、米国も年内に外国人技術者向けのビザの発給要件を厳しくする予定であり、優秀な外国人が新たな就労国を探す可能性が高まっていると分析しています。 そのための政策として、学歴・職歴・年収等を勘案して認定する「高度専門職」の外国人については、相続税の減免制度を設けて、保有する海外資産を課税対象外にするほか、役員報酬を損金算入できる対象を広げ、金融庁に海外事業者の英語対応を担う専門組織を設置するといいます。 しかし、「国際金融都市」のメインプレイヤーになるはずの我が国の金融業界を見ると、統合と寡占化とリストラと料金引き上げとサービス劣化にしか興味がないように見えます。本気で「国際金融都市」にするつもりがあるのなら、金融業界自体をもっとイノベーションに充ちた活気溢れる業界に変貌させないと無理なような気がします。小手先で在留資格や税制や英語インフラを整えたところで、本物の「国際金融都市」を築けるはずがありません。
2020年11月9日読了時間: 1分


vol-745:豚の解体事件はベトナム人のイメージを壊す
2020年10月26日、群馬県警は、住宅2棟を家宅捜索し、ベトナム国籍の男性2人を入管法違反(不法残留)の疑いで逮捕しました。SNSに家畜の売却に関する投稿があり、県警が分析してベトナム人らの関与が浮上したといいます。北関東では今年に入って家畜の盗難被害が相次いでおり、これまでに群馬県で豚719頭、牛1頭、鶏144羽、埼玉県でヤギ8頭、豚約130頭、鶏80羽、栃木県で牛6頭が被害にあっており、被害総額は3000万円を超える模様。 上記のほかにも、ベトナム人男女13人を入管法違反(不法残留等)で逮捕した住宅の床下などから冷凍された鶏約30羽が見つかったり、許可を得ていない場所で豚を解体したとして、ベトナム人の男4人が逮捕されています。市内の畑でウリ5個を盗んだベトナム人を窃盗容疑で2020年11月4日に現行犯逮捕したのが切っ掛けだと言いますから、悪質な窃盗団です。 今回の事件は「ベトナム人は何でも盗む」「 ベトナム人は何をするかわからない」というイメージを多くの日本人の脳内に刷り込みました。今後、入管政策が議論される度に蒸し返されることになるでしょ
2020年11月6日読了時間: 1分


vol-744:6000 万人という掛け声だけでは餓死してしまう
2020年10月16日、菅首相は、講演で、訪日外国人客を2030年に6,000万人まで拡大する目標を明示。持論の観光業振興による地域経済の再生に改めて意欲を示しました。2020 年 9 月の訪日外国人客数は、前年同月(227.3 万人)比99.4%減の1.4万人。12カ月連続で前年同月を下回りましたが、6カ月ぶりに1万人を超えました。2020年に4,000万人という目標は断念せざるを得ませんが、「6,000万人」の旗は降ろさずに、「今後もわが国が観光立国として生きていくうえで、観光業はまさに貴重なインフラだ。政府として、事業の継続、雇用の維持のためにあらゆる対策を講じる」とのスタンスです。 しかし、観光業界に身を置く企業は、環境が好転するまで息を潜めて待っているわけにもいきません。リストラ、出向、国内客への切り替え、オンラインツアーなど、サバイバルに賭けた必死の模索が続きます。 GDPの2割を観光業が占めるタイでは、業界全体が死活問題に。観光都市のパタヤでは8割の住民が観光業に関与していますが、前年の1%しか外国人観光客が来ていません。掛け声だけ
2020年11月4日読了時間: 1分


vol-743:滞在は更新できたとしても就職はどうする?
10月19日、法務省は、帰国が困難な外国人留学生などに対して、卒業の有無や時期を問わずに、在留資格を「特定活動(6ヶ月)」の対象とすると発表しました。今までは、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、大学や専門学校等を卒業したものの、帰国が困難な外国人留学生に関しては、「特定活動(6ヶ月)」を許可していました。今回法務省は、外国人留学生の帰国が困難な状況がこれからも続くことを考慮し、留学生の卒業の有無や時期を問わずに「特定活動(6ヶ月)」の対象とすることとしたのです。 今春に「特定活動(6 ヶ月)」をもらった人たちの在留期限が迫っていたので、発表を聴いて安堵した留学生も少なくないと思います。しかも、今回は、除籍・退学となった場合も対象となるという気前の良さ。 とはいえ、就職の道は狭い。大卒内定者の数が前年より1割以上削減される中、内定取消も散見されます。来春卒業する留学生の内定率は、現時点でも2 割に届かないなど、厳しい現状が短期間で好転するとは思われません。とにかく早く内定を獲得して、就労ビザへの変更を申請することが望まれます。
2020年10月30日読了時間: 1分


vol-742:技能実習を正常化するために必要な措置は何か?
コロナ禍の中で技能実習生が大量に解雇されており、彼らの生活苦が報道されています。生活苦のために犯罪に手を染める者も出るのだということで、改めて、「技能実習制度を廃止すべきだ」という議論が盛り上がっています。 技能実習制度の評判が好転する気配はなく、「入国後における14日間の個室での待機が義務づけられているのに、タコ部屋に何人も押し込められている」「入国後講習をやったことにして書類を偽造し、ごまかして代金を抜いている」「転職を容認し、引き続き日本で就労できる取り組みが始まっているのに、実習生に教えない組合もある」「逃げないようにする担保として、実習生の給料の中から毎月定額を預金させているところもある」などルール違反に関する具体的な証言が次々と出てきています。 建前と本音が乖離している技能実習制度が深刻な制度疲労を起こしていることは誰も否定できません。即時廃止は難しくとも、正常化に向けた措置が必要になっていると思われます。まずは、すでに認められている「特別活動(特定技能準備)」を恒常的な在留資格にすることから始めるべきでしょう。
2020年10月29日読了時間: 1分


vol-741:不法就労は疑いだけで入国拒否だが感染症は無理?
2019 年に入管が「不法入国の疑いがある」と判断し、日本への上陸を拒否た外国人が1万647人に上りました。7年連続の増加で、前年より16.0%えました。不法就労目的なのに観光や親族訪問と偽って申請するなど、「入国目的に疑いがある」とされた人が8,890人で83.5%を占めたといいます。 ただ、自民党が年初に、新型コロナウィルス感染者の入国拒否を求めたとき、入管は「現状では、入国を制限する法律の根拠がない」と回答。政令改正によって、法的に入管法第5条第1項第1号(感染症の患者等)に該当した後でも、「感染が分かった場合は入国拒否できるが、武漢を経由するなど疑わしい場合は拒否できない」と説明しました。実際、入管は、「法的根拠がない」として最後まで第1号の適用を拒み、首相官邸が同項14号(日本国の利益または公安を害する行為)を適用することで押し切った経緯があります。 入国するときに、「不法就労のために来ました」と認めた外国人はいないでしょうから、入管は「疑い」だけで、入国を拒否したはず。感染症でも同様の対応ができなかったはずがありません。本当に不可思議
2020年10月28日読了時間: 1分


vol-740:5,000円の偽造在留カードが世の中に出回る!
在留カードの偽造が蔓延しています。10 月 22 日に送検された事件では、SNS を通じ中国にいる指示役から連絡を受けて在留カードを製造した中国人が不法滞在しているベトナム人などに1枚5,000 円で販売していました。初期に3~5 万円していた偽造カードの価格は、近年1~2万円に下がっていましたが、いまでは5,000円の安値にまで落ちているようです。 本物の在留カードには、カードを傾けると MOJ(法務省)の文字の周囲の絵柄がピンクから緑に変わったり、黒白が反転するといった仕掛けや左右に動くホログラムが浮き出る仕様が施されていますが、正直言って出来が悪い。入管のホームページで在留カード番号を入力すると、カードの有効性を確認することは一応できますが、それもクリアする偽造カードも出回っています。 偽造は年々精巧になっており、一般人が一見で偽物と見抜くのは不可能。偽造カードの作成に数十万円かかるのであれば被害も少ないのでしょうが、原価は数百円程度とみられ、IC チップの中身を読み込む機器を広く提供するなどの対策がなければ、根絶は困難。入管のスマホアプリ
2020年10月26日読了時間: 1分


vol-739:技人国で採用するにはジョブ型でないといけない?
世の中の実態を知ることなく、教科書的に机上の理論ばかり勉強していると、有象無象の現実に対処できなくなることが往々にして起こります。外国人を雇用している 250 社に対して助言を行っていると公称しているある弁護士は、「外国人雇用においてはジョブ型の雇用を行わなければなりません」と断言していますが、本当に「ジョブ型」の人事を理解しているのか、「ジョブ型」を導入している日本企業に出遭ったことがあるのか心配になります。 人に仕事を付けるのが「メンバーシップ型」で、初めに仕事ありきで仕事に人を付けるのが「ジョブ型」。レストランで言えば、接客と調理と掃除というジョブがあり、それぞれ接客係と調理係と掃除係を雇うのがジョブ型。接客係は絶対に調理も掃除もしません。この点、日本企業が採用しているのは「メンバーシップ型」だから、接客係でも調理や掃除を手伝います。本格的な「ジョブ型」を導入している日本企業は、ほとんどありません。 入管ですら、その現実を無視できないから、「技術・人文知識・国際業務」の現場研修を認めています。実態を無視した助言は百害あって一利なしです。
2020年10月23日読了時間: 1分


vol-738:大学を卒業した留学生は本当に即戦力なのか?
留学生に関する評論は、実態から懸け離れた主張が多くて辟易します。「グーグル創業者の1人のセルゲイ・ブリン氏やテスラCEOのイーロン・マスク氏は、もともと米国以外の出身で移民です。異才や異能の人が海外からやってきて、世界的なイノベーションの担い手になっています」と説き、留学生を即戦力として活用すべきという意見がある一方で、「偽装留学生たちは大学や専門学校を卒業しても、専門職で使える日本語能力や専門知識を身につけていない」として、単純労働を押し付けていると主張する者もいます。 そもそも、日本の大学を卒業しただけで「専門家」や「即戦力」になっている人材がどれくらいいるでしょうか。日本人の有名大学卒だって、入社後すぐに「専門家」や「即戦力」になっている人なんて皆無。経営者も大学には期待していませんし、社内で育てるしかないと諦めています。 だから、大学卒には「現場研修」を通じたビジネスマン教育が必要不可欠。その現実を無視した評論は百害あって一利なし。「技術・人文知識・国際業務」で、「現場研修」を認めた入管の方がよっぽど実態をわかっています。
2020年10月21日読了時間: 1分
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