vol-1028:不法滞在者ゼロプランの目標は「ゼロ」ではない
更新日:9月13日
高市政権が実務的な外国人政策として唯一打ち出している「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」は「ゼロプラン」の「ゼロ」という語感が良いので、「不法滞在者をゼロにする計画」だと勘違いしている人が結構いるようだが、入管が公表している数値基準は、下記の3つだけだ。
①退去強制が確定した外国人数 今後の難民認定申請の審査迅速化により増加が見込まれるものの2030年末までに半減を目指す(2024年末3,122人)。 ーー 不法滞在者7万人に比べると、退去強制対象者が極めて少ないという現実に驚く。しかも「ゼロ」ではなく「半減」にすぎない。
②護送官付き国費送還 3年後に倍増を目指す(2024年249人)。 ーー「倍増」と聞くと「スゴイ!」となりそうだが、たった250人。不法滞在者7万人と比べれば余りにも少ないし、退去強制が確定した外国人数(3,122人)と比較しても少なすぎる。
③難民認定申請の平均処理期間 2026年中に新規受理した申請の6か月以内(平均)の処理を目指す。2030年までに平均処理期間6か月を目指す(※標準処理期間6か月)。 ーー こんなものは、とっとと「3ヶ月」にすべき。「6ヶ月」だと進まない。「3ヶ月」を「平均値」にすれば、「偽装難民」の審査は1週間以内に終わらせなければならなくなる。
この数値にはトリックがある。そもそも7万人いるオーバーステイを「ゼロ」にすると言いながら、「半減」しか目指していないだけでなく、護送官付き国費送還は倍増しても年間500人にすぎない。
もっと言えば、「退去強制令書」を発付しなければ、この目標は容易に達成できる仕組みになっている。私が、オーバーステイの外国人に対して、入管が「即日仮放免」を認めている現状に対して批判し続けているのは、この仕組みがあるからだ。
警察が入管にオーバーステイの外国人を連行してきても、入管が「即日仮放免」で釈放して、ウダウダ理屈をこねて「退去強制令書」を発付しなければ、「ゼロプラン」は簡単に達成できてしまう。不法滞在者は「ゼロ」になっていないのに・・・。



