vol-1039:入管行政には「コロナビザ」の呪いが残っている
更新日:5 日前
「特定技能」の導入が話題に上った2020年前後から入管行政はユルユルになり、パンデミックが襲来する中で、入管は右往左往して、「入管法の枠組み」を無視した運用に手を染めるようになった。そして、本来であれば、とっとと強制送還しておかねばならなかったはずの長期収容者の多くを仮放免で巷に解放してしまった。さらに、「禁じ手」の在留資格である「特定活動(帰国困難)」を認めてしまう。「帰国できない」と言い張れば、日本に在留し就労もできるビザだ。2020年12月には観光客でも「帰れない」と言い張れば、就労できるようになった。関係者の間で「コロナビザ」と呼ばれる、この在留資格は、日本の在留資格制度を腐らせていく。
この「コロナビザ」を導入した経緯については、当時の事情を考えれば致し方ない面が多いし、機動的に対処したことによって理不尽な境遇に陥りかねなかった多くの在留外国人を救ったという功績は大きい。ただ、問題は、パンデミックが終結し、飛行機便で帰国できるようになった後も廃止されることなく、ダラダラと運用が続けられてしまった。実際、2021年春には、7月開催のオリンピックが近づき、帰国できるような状況になり始めていたにもかかわらず、廃止の動きはなかった。
このため、入管の現場では、「帰国困難である」や「帰国できない事情」に関する解釈がバラバラになり、混乱したため、基本的に「帰れない」と主張した場合は、「コロナビザ」を認める運用に統一された。その結果、日本の在留資格制度は、実体のないユルユルのものに堕し、在留外国人は在留期限すら気にしなくなってしまった。だって、「帰れない」と主張するだけで、在留できて就労できるのである。在留期限すら守らない外国人は、他の日本のルールなど守るはずもない。
じつは入管は、コロナビザを許可する際に、外国人から誓約書をとっていた。そして、その誓約書には「航空便の運航状況が改善するなどし、帰国が可能となった場合は速やかに帰国します」と明記されていた。すなわち、入管は、航空便が飛ぶようになったから、帰国しなさい」と指導し、コロナビザの発出を止めればよかったのに、それをしなかったのである。それが「入管窓口の緩さ」という、いまの「惨状」を招いた。
オーバーステイや偽装難民に甘い入管行政には「コロナビザ」の呪いが残っている。



