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vol-806:マスコミはウィシュマ事件を正確に報道していない

2021年5月1日
読了時間: 3分
  • いまでは、完全に「入管=悪」という図式で報じられている「ウィシュマ事件」ですが、実際の経緯を知った上で、報道内容を吟味している人たちは少ないと思います。報道を観て、単純に「入管は悪い奴らだなぁ」と思って観ている日本人がほとんどなのかもしれません。しかし、ウィシュマ事件の発端とその経緯を知れば、「人権派を名乗る悪い奴ら」が関与していることに気付けます。

  • そもそも、ウィシュマさんは、「留学」で在留していたにもかかわらず、学校を退学した後も在留し続け、ビザ期限が到来しても日本に居続けた外国人です。要するに、不法に残留したのです。まずは、彼女が、明らかな入管法違反を犯した外国人であることを忘れてはなりません。

  • 不法残留を続けたウィシュマさんは、同国人であるスリランカ人の男性と暮らし始めました。ところが、その男性が家庭内暴力をふるう人だったので逃げ出し、近くの警察に保護を求めて駆け込みました。そこで、身元が確認され、不法残留が発覚して収容されたという経緯があります。

  • 収容された当初、ウィシュマさんは「帰国したい」という強い希望を持っていたのですが、飛行機代がありませんでした。入管の担当官は「大使館と相談したら」と助言しましたが、スリランカ大使館は用立てしてくれません。その後入管も「誰かから工面しなさい」と言うだけだったので、無為に歳月が経過していきました。

  • そんなとき、「人権派を名乗る怪しげな団体」が、収容されているウィシュマさんにしばしば面会を申し入れるようになります。寂しかったウィシュマさんは、次第に心を開き、自分の境遇をその人たちに話すようになっていきます。「こんなにやさしく接してくれる人たちだったら、ひょっとしたら、飛行機代を工面してくれるかもしれない」と思ったからです。

  • ところが、彼らがウィシュマさんに届けたのは、帰国便のチケットではなく、悪いニュースでした。事もあろうに彼らは、家庭内暴力をふるったスリランカ男性にわざわざ接触し、「彼はめちゃくちゃ怒っている」「母国に帰れば彼の家族があなたに報復するかもしれない」とウィシュマさんにささやきました。怯えた彼女は、徐々に帰国する意思を失くしていきます。

  • 帰国する意思をなくして日本で暮していきたいと思い始めたウィシュマさんに、彼らは次の手段を講じます。「病気になれば仮放免になる」と吹聴して、断食を決断させたのです。収容所から出たい一心の彼女は断食を決断します。その結果、彼女はどんどん衰弱し、心身を弱らせていきました。ウィシュマ事件の背後には、こういう人たちがいたのです。

  • 無論、名古屋入管の責任は免れません。反省すべき点は多々あるでしょう。しかし、帰国意思を持っていた頃のウィシュマさんに飛行機代を渡していたら、こんな悲劇は生じませんでした。ウィシュマさんのことを暴力的な彼に告げ口して、「ウィシュマさんがスリランカに帰ったら大変なことになる」という環境を作らなければ、こんな悲劇は生じませんでした。また、「病気になれば仮放免になる」と吹聴して断食を決断させる輩がいなければ、こんな悲劇は生じませんでした。

  • 少なくとも、名古屋入管の担当者だけを責めるのはお門違いです。人権派を名乗る「悪い奴ら」がいるという現実を直視しなければ、ウィシュマ事件は今後もなくなりません。入管だけを悪者にしても、この手の問題は全然解決しないのです。

  • ウィシュマさんの遺族が複数名来日して長期間滞在したり、裁判をするにはかなりの費用がかかります。それだけの費用を捻出できるのであれば、ウィシュマさんが帰国する飛行機代を出してあげればよかった。10万円程度の帰国便のチケットを買い、ウィシュマさんを無事に帰国させることこそ、本当の「人権派」が為すべき行動でした。暴力的な元彼に接触したり、断食のアドバイスなどせずに、無事に帰国させてあげればよかった。そういう考え方もできるわけです。

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