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vol-697:外国人派遣は正常な感覚を麻痺させる
2020年7月6日、就労資格のないベトナム人を新潟県の工場で働かせたとして、群馬県で派遣会社を営む経営者が入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。不法残留したベトナム人男性を部品製造工場で働かせたようです。 外国人派遣は、ごく僅かな一部を除いて、明らかな違法か黒に近いグレーですから、ちょっとまともに調べれば、数珠つなぎで検挙できるような状況であるわけですが、偽造在留カードを絡ませて一捻りしている最近の違法派遣と比べると、あまりにもストレートな入管法違反で呆気にとられます。 ただし、だからこそ、外国人派遣の闇は深い。多くの関係者は、最初は違法と知りつつも、求人企業の圧倒的なニーズに寄り切られて手を染めていく。規模を拡大すれば日銭が加速して積み上がるビジネスだけに、一度美味しさを知ったら止められない。早晩、感覚が麻痺して「人がいないんだから仕方ない」と正当化。ホワイトな派遣に見せ掛ける努力すら放棄し、単なるルーティーンと化せば、ブラックとグレーの違いすらわからなくなる。それにしても、在留カードを持たない外国人を派遣するようになったら終わりで
2020年7月20日読了時間: 1分


vol-696:「特定活動」で留学生を雇用する?
自民党の外国人労働者等特別委員会は、2020年6月23日に「提言」をとりまとめ、同年7月3日に、安倍総理大臣に提言書を手交しました。これを受けて、マスコミは、「特定技能の対象業種に、コンビニエンスストアや産業廃棄物処理を追加するよう求めた」と報じました。しかし、「提言」は、「コンビニエンスストア、運輸、産業廃棄物処理等の分野での外国人労働者の活用について更に議論を深め検討を行う」と記しただけであり、片山さつき委員長も、「業界・担当省庁の中で、人材確保のための努力を全部行ったが、人材がどうしても足りないので、万全の体制で受け入れるという所に至らなかったので継続審議にした」と公言。報道としては、「誤報に近い」と思われます。 気になったのは、留学生就職の部分。片山委員長は「特定活動等をうまく使って増やしていく」と総理に明言。「 提言」も「本邦大学卒業生等を対象とした幅広い就労活動を認める『特定活動』の活用を促進する」と明記しています。「N1ビザ」の周知徹底に終わることなく、特例的に認めている「特定技能準備ビザ」の継続へと発展した場合には、とても大きな一
2020年7月17日読了時間: 1分


vol-695:米国が技能実習制度を格下げする?
2020年6月25日、米国務省は、「人身売買に関する年次報告書」において、技能実習制度の不備を指摘し、日本を1ランク格下げしました。「政府は、法外な手数料を徴収する海外の仲介業者の排除に向け、法的な義務であるはずのスクリーニングを十分に実施していない。そのため実習生は借金漬けでの来日を強いられる」などというコメントを見る限り、日本で読まれている記事をまとめて評価してみたら、「やっぱりダメだった」という感じでしょうか。 表層的な日本のマスコミでは、「技能実習生=被害者」という色眼鏡で書いた記事が圧倒的な大多数。「 1割はババを引くが、9割は成功する。だから、実習生が増えている」と喝破しているジャーナリストも一部にいるのですが、「実習生は被害者だ」という大合唱の中で無視されています。 今回のコロナショックで露呈したのは、かなりの部分を技能実習生に頼っているという現実。人権派が唱える「かわいそうだ論」で現状が改善されることはなく、机上の空論で作り上げた「特定技能」では力不足。いまを好機と捉えて制度を再編すべきなのですが、その剛腕は入管には無さそうです。
2020年7月16日読了時間: 1分


vol-694:北海道の3密には密入国が入る?
「3密」と言えば、「密閉・密集・密接」のことですが、北海道石狩市では、 6月の「不法就労外国人対策キャンペーン月間」で、「許すな『密入国・密 輸・密漁』なくそう『不法就労』!」というスローガンを掲げ、この「3密」を書いた懸垂幕を市役所庁舎で掲示していたそうです。 もちろん「密入国」は入管法違反ですが、今では新型コロナウイルス感染症 の対策で、普通に入国することすら難しくなっているので、已むに已まれぬ 事情がある人たちは「密入国」を図るようになるかもしれません。特に、「新型コロナウイルスの感染者はゼロだ」と対外的に言い張っている北朝鮮では、 医療体制が整っておらず、食糧事情も良くないので人々の免疫力が高くない 可能性があり、感染爆発が発生する可能性も皆無ではないと思われます。 そうなった場合、日本への密入国を図る北朝鮮の人たちが急増するリスクも。 近年、粗末な木造船で漂流するケースが増えているだけに心配です。実際、 韓国では、ゴムボートによる中国からの密入国が問題になっています。同様の事件が、北朝鮮から日本へのルートで発生しなければよいのですが・・
2020年7月15日読了時間: 1分


vol-693:日本語学校は大量破綻するのか?
日本語教育機関6団体による調査では、全国208校に4月入学を予定していた留学生は13,700人。約1,000人( 8%)が入学を辞退し、11,600人( 85%)が入国待ち。今春の新入生がゼロの学校は86校に上ります(7割超が1割以下)。日本語学校で学ぶ留学生は、2018年度に10万人を超えましたが、5~6万人にまで半減。3割が「経営に支障がある」状態です。800行にまで膨れ上がった日本語学校バブルの直後だけに、深刻な影響が懸念されます。 コロナショックの直撃を受けた観光業並みの惨状だと言ってよいでしょう。しかも、観光業のように、政府が「GO TOキャンペーン」を展開してくれるわけでもなく、自然淘汰に任せるという感じです。粗悪な日本語学校が少なくないことは事実なのでしょうが、何も手を打たなければ、良心的で良質の教育を提供していた先も大量破綻してしまいかねません。 将来を見渡せば、「日本語教育」というインフラが重要になることは必至。日本語教育推進法で所管官庁となった文部科学省が立ち上がるべきなのですが、大学や専門学校を守ることに必死で、とても手が回
2020年7月14日読了時間: 1分


vol-692:偽造を見破るアプリを開発できるか?
2020年6月26日、シェアハウスで偽の在留カード400枚以上を作っていたとみられる中国人男性が逮捕されました。この容疑者は指南役から偽造カードの作り方を教わり、月30万円の報酬を約束されて、メールで送られてきた外国人の個人情報を基に1人で偽造し、指定された住所に郵送していたようです。 1週間余で400枚以上を偽造したようですから、月1600枚のペース。1枚当たり 200 円未満の労賃なので、原材料費や集客コストを入れても1枚1,000 円以下。1万円以上で売れれば巨額の利益が転がり込みます。この指南役は、他にも「作り手」を確保して組織化しているでしょうから、毎週数千枚単位で量産・販売している感じ。被害者はこれからも増えるでしょう。 この対策を個々の企業に押し付けるのは酷。入管は、2020年中にスマートフォンで簡単に偽造を見破れる専用アプリを開発すると言っていますが、利用者目線になれるか不安ですし、完成も遅れるでしょう。いっそのこと、民間で開発している機器を検証してお墨付きを与えたらいかがでしょう。そのほうが、この「偽造問題」に有効かつ迅速に対処
2020年7月13日読了時間: 1分


vol-691:技能実習の大掃除が実施される?
2020年6月23日、出入国在留管理庁と厚生労働省は、監理団体「千葉農業技術協同組合」の運営許可を取り消しました。この団体はベトナムの送り出し機関との間で、実習生が失踪したら違約金を受け取る「覚書」を締結していました。定められていた違約金は1人あたり日本円で20万~30万円であったとみられています。また、許可を得ていない第三者に事業をさせていたなどとして、千葉県と愛媛県の別の二つの監理団体も運営許可が取り消されましました。さらに、賃金を支払わなかったなどした11の受け入れ先業者については、合計194件分の実習計画を取り消しましたから、これらの団体は今後5年間、実習生の受け入れができなくなります。 従来と比較すれば、かなり踏み込んだ感じがありますが、本当に技能実習の病巣を大掃除するつもりなのかと言えば、疑問符が残ります。何と言っても、日立の法令違反の背後にいたフレンドニッポンに関して、未だに処罰を受けたという報道がないからです。フレンドニッポンを野放しにしたままで、小物を摘発したところで、納得する関係者は少ないのではないでしょうか。
2020年7月10日読了時間: 1分


vol-690:偽装難民の不法就労はどんどん蔓延していく
2020年6月16日、難民申請中で就労が認められていないトルコ人3人を工事現場で働かせたとして、解体業を営む経営者のトルコ人男性が入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。同時にトルコ人3人も同法違反(資格外活動)の疑いで逮捕されています。彼ら3人は、短期ビザで来日した後、難民申請。就労が認められない「特定活動」の在留資格であったにもかかわらず、埼玉県内などの解体工事現場で違法に働いていたようです。 発端は、畳の大量不法投棄。廃棄物処理法違反容疑で、経営者が逮捕され、解体会社が家宅捜索された結果、押収した資料から不法就労の疑いが浮上。同社は、各方面から解体工事の依頼を受けて、外国人30人を日雇いで働かせていましたが、13人が同様の「特定活動」だったほか、一時的に「仮放免」されていた6人が確認されました。いずれも就労できない在留資格です。 留学生のオーバーワークよりこの事件は悪質ですが、「偽装留学生」を叩く人たちはこの事件には知らぬ顔。「偽装難民」の背後にはマスコミにも頻繁に登場する弁護士がいるようですが、仲間は叩けないということでしょうか
2020年7月9日読了時間: 1分


vol-689:ビジネスにおいてテクノロジーは万能ではない
日本のメディアにおいては、短絡的にDXやAIを推奨する軽薄な専門家が跋扈しており、無邪気にデジタル技術の素晴らしさを崇め奉る輩が少なくない。しかし、専門家には高く評価されたものの、本当の顧客ニーズを掴んでいなかったため、実際におカネを支払う顧客からサポートされることがなく、技術を盲信し偏愛して行き詰ったデジタル系の新興企業は枚挙に暇がない。インターネットが勃興した時代には、投資家が高く評価したベンチャー企業が雨後のタケノコのように世界中に輩出したが、日本でも、ハイパーネット(ネット広告)やクレイフィッシュ(ホスティングサービス)、エフ・プランニング(女性向けファッションEC)等が経営難に陥るなど、少なからぬ先はあっけなく消えて行った。 米国で最も注目を集めたベンチャー企業バーティカル・ネットは1995年に創業。「産業材のオンライン・マーケット」というコンセプトを掲げ、産業材のポータルサイトになることを目指し、化学業界向けの「ケミカル・オンライン」や水処理関連資材の「ウォーター・オンライン」など産業分野毎に50以上のポータルサイトを運営。当初は広告
2020年7月8日読了時間: 4分


vol-688:入管の爆破予告は事態悪化を招く
6月10日、東京入管に対して、「私はアンティファの活動をしている者だ。6 月12日15時30分に、外国人を虐待している入国管理局と渋谷警察署の施設内で手榴弾2個を爆破する。爆破に失敗した場合は、1時間後に入国管理局と渋谷警察署で関係者を包丁で斬りつける」というメールが届きました。これを受けて、東京入管は12日、在留資格申請などの窓口業務を中止。 アンティファは「アンチ・ファシズム」の略。指導者やきちんとした組織をもたない過激思想者の集まりであり、人種差別等に対して抗議活動を繰り広げる極左集団のことです。メンバーの中には、過激な暴力行為や破壊行動を行う者もいます。結果的には、施設の爆破や職員の傷害はありませんでした。 入管に問題がないとは言いませんが、このような手法は、入管の外国人排斥主義を正当化し、排斥を先鋭化させるだけです。早速、入管の専門部会は、6 月15 日に退去拒否の収容外国人に刑事罰を課す方向を打ち出しましたから、収容外国人の支援者が「共犯」に問われる可能性も出てきました。入管行政は、さらに悪化する方向に傾いていきそうです。
2020年7月7日読了時間: 1分


vol-687:政治利権と化した特定技能はいずれ100職種になる
自民党は、外国人労働者の受け入れに関する提言を近くまとめ、「特定技能」の対象業種にコンビニを追加するよう求めるようです。政府が7月にまとめる「骨太の方針」に反映させ、実現化する構えです。 鳴り物入りで始まった「特定技能」は、最大見込みの1割にも到達せず、叩き潰されるはずだった「技能実習」は、内包する諸問題を解決する素振りも見せずに躍進中。そんな中、「特定技能」の不振を挽回するために、コンビニを追加するというのは、タイムリーに見えて、なかなかにトリッキーです。 「特定技能」が増えないのは、「技能実習」の諸問題を解決するために規制で雁字搦めにしておきながら、肝心の「技能実習」には同等の規制を導入しないという非合理な政策が原因。ここにメスを入れないで、対象業種を増やすというのは、業界の要望に応える形で貸しを作り、利得にあやかろうとする伝統的な政治手法そのもの。当初17職種でスタートした「技能実習」が82 職種にまで拡大した歴史を再現しようというのでしょう。権益争いばかりで、筋の良い制度を創ろうという意思がない政治家には困り果てます。
2020年7月6日読了時間: 1分


vol-686:ベトナムでは賄賂や偽造は常識?
2020年6月10日、在大阪ベトナム総領事館の領事に対し、証明書の不正発行を求める趣旨で現金を供与したとして、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の疑いで、ベトナム人男性が逮捕されました。外国人が日本で結婚するために必要な証明書や結婚証明書などを、本来対象にならない不法残留者と短期滞在者向けに発行してもらいたいとの趣旨で、現金計14万円を供与した疑いがあると言います。同男性は、不法就労助長の罪で、懲役1年6月・罰金150万円の判決を言い渡されており、服役中だったといいます。 不正競争防止法によれば、贈賄側だけが処罰対象で、収賄側には適用されません。このため、現金を受け取った領事は罰せられないことになります。 2019年12月にも、同様の容疑で、ベトナム人女性が福岡市にあるベトナム総領事館の領事に15万円を渡したとして逮捕されていますから、ベトナムでは、公務員に対する賄賂や公務員による偽造文書は当たり前なのかもしれません。ベトナムでは、留学や技能実習においても、偽造文書が横行していることが広く指摘されていましたが、どうも問題の根は深そうです。
2020年7月3日読了時間: 1分


vol-685:外国人派遣は法令違反だらけのまま放置
2020年6月9日、技能実習生等を人材派遣会社に紹介し、別の会社で不法に働かせていたとして、人集め係のベトナム人と名古屋市の人材派遣会社社長ら3人が逮捕されました。就労資格のないベトナム人の男性2人を愛知県内の工場 に派遣し働かせた疑いが持たれています。ベトナム人の容疑者が、SNSを通じて集めた就労資格のないベトナム人に偽造在留カードを渡し、人材会社に 紹介することで報酬を得ていたようです。3人の関係先からは、偽造された在留カードなどが押収されており、数十人規模でベトナム人を紹介していた こともあり、警察は組織的に不法就労させていたと踏んでいるようです。 就労資格のない外国人を集め、偽造在留カードを渡した上で、工場等に派遣する手法は、3年ほど前から主流となっている手法ですが、手広く行われている割には、それほど摘発されておらず、闇が深いことを感じさせます。 そもそも論から言えば、永住者などの身分資格以外で、外国人を派遣するのは、入管法の観点から見て、かなりグレーな取引。この際、怪しげな外国人派遣については、徹底的に検挙すべきなのではないでしょうか?
2020年7月2日読了時間: 1分


vol-684:出稼ぎ外国人の仕送りは母国の経済を支えている
新型コロナウイルスの感染拡大による国際的な送金への影響を世界銀行が調査したところ、2020年の低・中所得国への送金額は去年に比べて19.7%、金額にして1090億ドル(11兆7000億円)も減少する見通しだと言います。これは、これまでに経験したことがないインパクトです。 低所得や中所得国への国際的な送金は、外国人労働者の増加とともに10年間で1.5 倍以上に増加(2019年は過去最高の5542億ドル)。この送金は途上国において、人々の生活費を支えているほか、貴重な外貨の獲得手段にもなっており、途上国の数多くの家庭が貧困に陥る可能性は否定できません。 900万人が諸外国に働きに出ているパキスタンでは、彼らからの送金がGDPの7~8%に達します。人口1億人の1割が海外に出稼ぎに行くフィリピンではGDPの1割を占めます。海外への出稼ぎを重要な外貨の獲得手段と位置付けているベトナムでも、送金減少は経済に悪影響を与えているようです。じつは、来日している外国人の2人に1人は、母国に仕送りをしているという調査もあります。送金の減少が国際経済に与える影響は軽視で
2020年7月1日読了時間: 1分


vol-683:9月入学論は最後の最後まで見当違いで終わった
「コロナ学校休業」で降って湧いた「9月入学論」。賛成派と反対派に分かれて喧々諤々でしたが、結局、現状維持で終わったようです。 この問題は、①学校教育に何を求めるか、②学校制度は①に関して機能しているか、③「9月入学」は②の対策として効果的か、という三段論法で解くべきです。①は「社会適用能力」の涵養。「先生が大変」「対応が難しい」という反対論は、学校制度の「社会適用能力」が劣っていることを自白しているだけなので説得性に欠けます。②は、大学が著しく機能していないので改革すべき。③については、「欧米が9月入学だから」とか「海外の留学生が日本に留学しやすくなる」という賛成派が目立ちますが、「私は、日本の〇〇大学の〇〇教授に師事したい」などと語る留学生はいません。日本留学の魅力は「大学ではなく、日本での就労や生活」という現実を直視すべきです。 ジャーナリストたちは「偽装留学生」を批判しますが、本当に批判すべきなのはクオリティの低い「日本の大学」。なぜ「日本の大学」に魅力がないのかという点を改善しなければ、「9月入学」など議論する意味がありません。
2020年6月30日読了時間: 1分


vol-682:ロボット導入による人手不足の解決は幻想だった
もはや、昔話の域に達しようとしていますが、「コロナショックが日本全土に襲来する前の時代」において、人手不足が大問題だったとき、「移民を受け入れる必要はない。なぜなら、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=ロボットによる業務自動化)で対応できるからだ」という勇ましい論陣を張っていた専門家と名乗る怪しい輩が大勢いました。 しかし、現実を見ると、コロナショックが襲来する以前の2019年頃からRPA導入の失敗例が取り沙汰されるようになり、「熱狂」は「幻滅」へと変貌。市場は急拡大から縮小へと転じます。問題は、①対応範囲の狭さと②現場の導入負担と③コスト・パフォーマンス。要するに、完全に標準化できる単純作業には向いていても、判断が係わる業務だと途端に難易度が高まるのです。 あるホテルではロボットを従業員として「採用」したのですが、「おもてなしの心がない」というクレームが顧客から出たため「解雇」した、という事例からも窺い知れるように、挑戦の壁は高くそびえたちます。移民は移民で悩ましい課題が多いのですが、ロボットはロボットで難題山積なのです。
2020年6月29日読了時間: 1分


vol-681:系列学校への渡りにメスは入るか?
今春入学する予定だった留学生が来日できなくなった日本語学校では、少なからぬ先で経営が揺らいでいます。そんな中、在籍している留学生を系列の専門学校に進学させようとして、他校への進学や就職を希望する者に対し、必要な書類の発行を拒むケースが増えてきているという指摘があります。 日本語学校の留学生は、就労するために在留資格の変更を申請する際、あるいは、専門学校や大学に進学する際に、入管や進学先から成績証明書や出席証明書の提出が求められる場合があります。証明書の発行を拒否されると、留学生は行き場を失い、系列の専門学校に進学せざるを得なくなるという仕組み。系列校に進学させることを「渡り」と呼ぶ関係者もいます。 日本語学校から系列の専門学校に進学させるなどはかわいいほうで、複数の専門学校を抱えている学校法人だと、専門学校から別の専門学校に「渡り」をさせ、ヒドイ場合は以前の専門学校にまた「渡り」をさせるという例すらあります。かねてより問題視されていた行為ですが、そういう学校は留学ビザの対象から抹消することを検討すべき時期が来ているのかもしれません。
2020年6月26日読了時間: 1分


vol-680:実習生の受入れで集団感染は発生するか?
新型コロナウイルスの感染対策で「優等生」と見られていたシンガポールで、最近感染者数が急増しています。新たな感染者のうち9割以上が専用宿舎に住んでいた外国人労働者。宿舎に住む32.3万人の8%近くが感染しており、さらに増える見込み。大部屋に2段ベッドを並べて10人以上で寝るような宿舎もあり、過密な環境が急速な広がりを招いたようです。 医療費が自己負担の契約もあり、病気になって現場に出られないと解雇されたり、収入を減らされたりする心配もありました。宿舎で労働者を診察した医師は「トイレやシャワーなどの清掃がいい加減で、非常に不衛生な宿舎もあった。何より問題だったのは、体調が悪くても声を上げられなかったことだ」と証言。「仲介業者に借金がある場合もあり、彼らはお金のことを何より心配する。病気だと診断され、泣き出す人もいたほどだ」と振り返ります。 この報道で、思い起こされるのが、技能実習生。彼らを取り巻く環境は、シンガポールにおける外国人労働者とほぼ同じ。今のところ、技能実習生が集団感染したというニュースはありませんが、本当に大丈夫なのでしょうか。
2020年6月25日読了時間: 1分


vol-679:アフターコロナのサバイバルに備える
2020年4月の外国人新規入国者数は 1,256 人で、2019 年 4 月の 268.3 万人から99.9%減りました。中国や韓国等に加え、感染が広がった米欧からの入国も大幅に落ち込んでいます。シンガポールは0人でした(前年同月3.6万人)。 2020年2月中は、外国人の入国を原則拒否する対象が、中国の湖北省と浙江省、韓国の大邱市などに限られていましたが、同年3月に入るとイランや欧州の一部に拡大。同ねん4月3日からは米国や英国などを含む73カ国・地域に広がりました。海外でのロックダウン(都市封鎖)など世界的に人の往来を規制する動きが続き、日本を発着する国際便の運休や欠航も相次いでいます。 マスコミでは、「ビフォアコロナ」と「アフターコロナ」は異なる等として、哲学的な議論が花盛りですが、ビジネスの世界は、大々的に異ならざるを得ないでしょう。大打撃を受けている観光業だけでなく、幅広い業界に影響が及ぶと考えるべきです。それは、消費者の行動と所得環境が大きく変容しているため、従来通用してきた「成功の方程式」が当てはまらなくなってくるから。本当の生き残り
2020年6月24日読了時間: 1分


vol-678:大手人材業者は5%の上澄み人材にしか興味がない
人材紹介のビジネスにおいて、大手の人材会社が標的とする求職者は、大企業や有名企業に紹介し得る「即戦力」的な人材である。いわば能力やレベルが高い人材であり、求職者のごく一部にすぎない「上澄み人材(=トップレベルの人材)」(3~5%)を主な対象にして、ビジネスモデルを組み立てている。こうした構造があるため、人材紹介を営む大手人材会社にとって、「上澄み以外の人材」は、「求人企業にアピールするための捨て駒(10万人の中から10人を選別しました等)」にすぎない。このため、多くの求職者は、コーディネーターと面会して履歴書を手渡した後、求職者集めに困り果てている求人企業を大量に紹介されるか、そのまま何もされずに放置されるだけの運命にある。 上記の構造は、人材紹介ビジネスが、求人企業からの支払いだけによって成り立っていることに因る。このため、人材紹介を扱う大手業者は、「求職者目線のマッチング」ではなく、「求人企業目線のマッチング」になってしまっている。 例えば、最大手のリクルートエージェントでは、2.8万社(2019年度)と取引があり、69.6万件の求人案件を取
2020年6月23日読了時間: 2分
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