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vol-677:虚偽申請の外国人派遣にメスは入るか?
2020年5月、外国人専門の中堅派遣会社が、申請において虚偽の雇用契約書を提出していた疑いがあり、名古屋入管が調査していると報じられました。「技術・人文知識・国際業務」を得るため、「本人用」と「入管提出用」の2種類の雇用契約書を作成。申請人の署名欄に、社員らが代筆していたようです。元幹部らは「不正は数年前からで百数十件あった」と証言し、「外国人をできるだけ早く入国させて囲い込み、派遣収入を増やそうとしていた」と語りました。 海外から大勢の外国人を招聘して派遣する手法は、利益率が高く、売上増を図ることができる魅力的なビジネスです。国会議員の口利き疑惑で名前が出たネオキャリアの得意分野でもあります。派遣先のあらゆるリスクを派遣元が背負う「外国人派遣」は人気が高く、急速な売上増を狙う有象無象の業者が参入していますから、中には怪しげな輩も少なくありません。 本件に係る虚偽の真偽は追及されるべきですが、問題の根源は「外国人派遣」という違法性の高いビジネスを放置し続けていること。ここに厳しいメスを入れなければ、類似の事件が再発するのを防ぐことは決してできませ
2020年6月22日読了時間: 1分


vol-676:完全失業率は5%台に向かってしまう?
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、景気が悪化しているため、不安定な雇用環境にあり、言葉の問題からも声を上げづらい状況にいる外国人労働者たちが「雇用の調整弁」として切られています。工場、語学学校、ホテル、ガイド、免税店などで解雇が増え、ファミレスや居酒屋でアルバイトしていた留学生が仕事を失い、生活に困窮する人々が増えています。 新たな仕事を探すにも、多くの人材会社は就職フェアを休止していますし、採用面接に応じる企業自体が少なくなっています。4月の派遣時給は、販売・事務・製造・介護など少なからぬ業種で前年同月割れ。アルバイトの時給も下落が目立ち、5月には多くの業種で前年同月割れする勢いです。 日本で働く外国人は166万人いますから、1割強が「コロナ切り」に遭ったら、20万人近い失業者が発生します。ところが彼らは、ハローワークで仕事を探すことのない「見えない失業者」。彼らの存在を勘案すれば、完全失業率はすでに3.0%を超えていると見るべきです。適切な経済政策が講じられないと、リーマンショック時の悲惨な5%台に向かって悪化していきます。
2020年6月19日読了時間: 1分


vol-675:特例の「特定活動」は大化けする?
新型コロナウイルスの煽りで、実習生が来日できず、生産活動を大幅に縮小せざるを得ない事業主が続出しています。農業分野では2,400人、水産業でも300人について来日の見通しが立たず、大幅な人手不足に陥っています。農水省は、他業種から人材を引っ張ってこようと躍起になっており、補助や支援を打ち出していますが、いまひとつ有効打にはなっていないようです。 こうした状況下、入管庁は、人手不足が深刻な業界に外国人材を供給するため、従来は許されていない他職種への再就職を容認する方向に転じました。禁じ手の封印を解いたと言ってよいでしょう。対象となる外国人は、技能実習の継続が困難になった技能実習生、解雇された「特定技能」の在留資格での就労者、内定取り消しとなった留学生などで、本人からの申請に基づいて「特定活動」の在留資格を与え、最大1年間の就労を認めることとしました。 この「特定活動」は、学歴も試験も必要のない在留資格。将来、「特定技能」になることが予定されているとはいえ、義務付けられているわけでもありません。雁字搦めの「特定技能」よりも人気が出る予感がします。
2020年6月18日読了時間: 1分


vol-674:コロナ恐慌だからこそ移民政策を練る
コロナ恐慌に直面し、各国では、「排外主義」が台頭する気配が漂っています。自国民の失業が爆増している中で、「移民が職を奪っている」というメッセージは人々の心に染みとおりやすく、格好のターゲットになりがちです。気を見るに敏なトランプ米大統領は、移民受入の一時停止をぶち上げました。 ところが一夜明けると、「短期滞在の外国人は影響を受けない」「例外を設ける」とトーンダウン。米国経済は移民に支えられている部分が少なくなく、農業やIT業界への配慮が求められたようです。また、コロナで表面化した医療危機に関しても、フィリピン人看護師の入国を妨げてきたトランプ政権の入管政策が悪影響を及ぼした(入国拒否5%→50%)とする声があります。 甲論乙駁が続くオーストラリアでも、移民の減少が人口増に依存する業界や事業モデルを破綻に導き、経済に大きなダメージを与えるだけでなく、税収にも大きくマイナスに働くとの指摘があります。各国の政策は、「移民排斥」の色彩を帯びるようになるでしょうが、一つ過てば、将来の成長の糧を失う結果をもたらしかねません。深い洞察に基づく判断が必要です。
2020年6月17日読了時間: 1分


vol-673:留学生30万人は達成したけれど?
2019 年5月1日時点で日本における外国人留学生が312,214人で過去最多 を更新し、「 留学生30万人計画」を達成したことが公表されました。達成し た事実は、在留資格統計等により昨秋時点で明らかでしたが、本来なら昨年 末に出していた数値の公表を4ヶ月近く遅らせたことからもわかるように、 文科省の今後の留学生政策は何も決まっていない、というのが実態です。 「偽装留学生」を絞る昨年来の入管政策に直撃されて、すでに留学生が大幅 減に転じている日本語学校では、今回のコロナショックで、人数が絞られた 留学生すら来日しないという惨状に陥っているため、少なからぬ先が経営破 綻の危機に直面しています。専門学校や大学も後に続くでしょう。 今春卒業の留学生たちは、就活すらままならず、内定取り消しが相次ぐ中で、 アルバイトができずに食うや食わずの状態に置かれています。帰国が困難な 中で在留期限は延長されましたが、卒業後のアルバイトは、従来通り御法度 のまま。苦境のどん底にある留学生に対する施策が迅速に実行できないよう であれば、「30 万人計画」の次をどうしよう
2020年6月16日読了時間: 1分


vol-672:危機だからこそ雇用インフラを構築する好機になる
日本を襲うコロナショック。最初に皺寄せが行くのが、派遣されている外国人です。静岡県や愛知県では大勢のブラジル人が派遣会社から解雇を告げられており、リーマンショックや東日本大震災後と同じ情勢になってきました。群馬県大泉町では「派遣切り」にあった人に2万円を給付するのに加え、失業し家賃支払いに困る人に1カ月1万円を補助すると言いますが、経済活動が復旧しなければ、生活に困窮する外国人はどんどん増えていくでしょう。 日本に在留している外国人は244万人。生産年齢人口(15~64歳)が85%を占めており(207万人)、20~30代が過半数(130万人)。一方、日本人は、高齢者(65歳以上)が3573万人と全体の3割に迫る一方、生産年齢人口は減り続けています。コロナショックの真っ只中であっても、少子高齢化の中で、外国人に依存せざるをえない構図は、依然と何ら変わりありません。 危機の中で冷静に判断することは難業ですが、生き残る企業にとって、長期的に持続可能な雇用インフラを構築することは極めて重要です。有能な経営者にとって、今はそのインフラを練り直す好機なのです
2020年6月15日読了時間: 1分


vol-671:アトキンソン理論は突っ込みどころ満載でアホの塊
菅官房長官の経済政策ブレーンであるデービッド・アトキンソン氏が出した新書「国運の分岐点」(2019年9月発行)を読みました。ツッコミどころ満載で面白い経済小説(?)です。 アトキンソン教祖が説く論理のエッセンスは、「規模の大きな企業は効率性が高く、規模の小さな企業は効率性が低い。だから、中小企業を半減させて、規模を大きくすれば、日本経済の生産性は向上する」というもの。彼がそういう結論に至った前提となる論理のいくつかをご紹介します。是非、ツッコんでみてください。 【1】2018年の55ある業種別のトップ企業に入っているのは、日本生命とトヨタ自動車の2社だけで、3社ランクインしているスイスよりも低いのです。ちなみに、世界第1位の経済大国・アメリカは27社、世界第2位のGDPの中国は11社です。先進国の中で世界第2位である日本の2社というのが、十分な数でないことは明白です。この厳しい現実からも、生産性に影響を与えるのは、やはり「規模の小さな企業の多さ」だということがわかります。小さな規模のままで経営されている企業で働く労働者の割合が高いということが問題
2020年6月12日読了時間: 15分


vol-670:観光業はコロナで壊滅するのか?
新型コロナウイルスは、全産業にダメージを与えていますが、その中でも深刻なのは観光業。3月に日本を訪れた外国人旅行者数は、前年比▲93%になるなど、これまでに経験したことのない苦境に立たされています。JTB とHIS は全国すべての店舗を、近畿日本ツーリストもほぼすべての店舗を臨時休業に。不足が喧伝されてきたホテルも、過剰供給が心配されています。 外国人入国者数は7年連続で過去最多(2019年3188万人)を更新し、本年初に観光庁長官は「2020 年訪日外国人旅行者数4,000 万人等の目標達成に向けた総仕上げの1年となります」と高らかに宣言していましたが、4ヶ月が経過した今となっては、浮世離れした話としか思われません。慎重な見方をしていたJTBの予測(3430万人)の半分も危なそうです。 国連世界観光機関は「世界の目的地の 96%が旅行制限を行っている」と指摘し、世界旅行ツーリズム協議会は「全世界で7500万人の雇用と2.1兆ドル(約228兆円)の収益が失われる」と予測しています。日本でも、「廃業を考えざるを得ない」という声が渦巻き、壊滅的な結果
2020年6月11日読了時間: 1分


vol-669:入管はやはり日立製作所に対して忖度していた
2020年夏、日立製作所が技能実習適正化法に違反していた問題で、監督機関の外国人技能実習機構が、日立を最も重い処分の「技能実習計画の認定取り消し」にするよう所管省庁に報告していたことが発覚しました。最終的には、2019年9月に、「認定取り消し」よりも軽い「改善命令」という処分で終わったのですが、当局による「日立への忖度」が立証された形です。 日立の事件は、実習生40人に対して、配電盤の組立等を実習させる計画だったにもかかわらず、鉄道車両の窓枠取り付け等の単純作業をさせたというもの。本来なら、資格外活動で逮捕されてもおかしくない事案です。百歩譲っても、他社の類似事件では、実習生を5年間受け入れられなくなる「認定取り消し」になっていたので、同等の処分が為されるべきでした。だから、当時から、「入管は日立に甘すぎる」という批判が寄せられていたのです。 ラーメン一蘭の事件では、週28時間を超えた外国人アルバイトが1200人の中で10人いただけで、福岡本社までガサ入れされ、マスコミに晒し者にされて、罰金刑を課されました。どう考えても、入管は日立に甘すぎます。
2020年6月10日読了時間: 1分


vol-668:トランプ米大統領は移民の受入をストップする
2020年4月21日、トランプ米大統領は、移民の米国への入国を一時的に停止する大統領令に22 日にも署名すると表明しました。永住希望者を対象に60日間適用し、その後に延長を含め再評価する模様です。大統領は「新型ウイルスの影響で失われた米国民の職が、新たに流入した移民に取って換わられるのは間違いで不当だ。われわれはまず、米国の労働者を大切にしなければならない」と説明。「新たな移民に関するこの停止措置は、米国市民にとって不可欠な医療資源を保護することにもつながる」と述べました。 新型コロナウイルスの感染拡大に対処するためのロックダウン(都市封鎖)などの影響で、米国は1ヶ月間に全就業人口の15%に相当する約2200万人が失業。失業率が20%に悪化するという予想もあるほどです。ただし、今回の措置では、人手不足に苦しむ医療と農業は対象外になる見通しのようです。 日本でも、外国人の解雇が相次ぐ一方で、実習生が来日できずに人手不足に苦しむ業界があるなど、失業の発生と労働力不足が併存しています。政府が舵取りを誤れば、日本でも「移民不要論」が高まる可能性が否定でき
2020年6月9日読了時間: 1分


vol-667:やはり監理団体は無罪放免なのか?
2020年3月18日、ベトナム人技能実習生の携帯電話を没収し、私生活の自由を不当に制限したとして、実習生を工場に派遣する監理団体「福岡国際事業協同組合」の代表理事が技能実習適正化法違反の疑いで逮捕されました。実習生を派遣する団体幹部を同容疑で逮捕するのは全国で初めてだったので、大変注目された事件でしたが、同年4月9日、不起訴処分になりました。 検察は「諸事情を考慮した」と語るだけなので、真の事情を知ることはできませんが、当局が監理団体に甘い(=「技能実習」に配慮する)という実態が裏付けられたと見るべきでしょう。携帯電話を取り上げただけでなく、休日の外出を2時間しか認めず、違反した場合に罰金を徴収しており、巻き上げたおカネは数百万円に達するという報道すらあるのですから。 日立の法令違反を見逃していた事件でも、フレンドニッポンは厳罰に処されませんでした。日本には「監理団体は処罰されない」という不文律があるようです。ところが、同年4月20日、同監理団体を含む3団体による5億円の所得隠しが報道されました。監理団体は、今回も処罰を免れ得るのでしょうか。
2020年6月8日読了時間: 1分


vol-666:留学生にも実習生並みの配慮が必要だ!
コロナショックは、諸外国の留学生たちにも大きな影響を及ぼしています。緊急時においては、海外からの速やかな帰国を促すために、日本人留学生の奨学金の支給は停止することになっていましたが、あまりにも無慈悲だということで、帰国が困難な場合には継続が検討されることになりました。 海外を見渡すと、帰国することができずに空港で寝泊まりする羽目になったり、隔離ルールに違反して強制退去になったり、解熱剤で発熱をごまかしたことが問題視されて当局から告発される留学生もいます。 日本国内でも、留学生の苦境が報告されています。入国制限や国際線の欠航で帰国が困難になる中で、最大の問題になっているのが生活費。自粛要請の直撃を受けたショップや居酒屋は、留学生アルバイトをドンドン解雇しています。卒業したため、在留資格上アルバイトができない留学生も多いのですが、入管は就労を認めない方針です(滞在延期は認めています)。技能実習生に対しては、法令を超えた柔軟性を発揮したのですから、外国人留学生に対しても、非常時に応じた特別な配慮を示してもよいのではないでしょうか。
2020年6月5日読了時間: 1分


vol-665:「イノベーション=技術革新」ではない!
マスコミにおいて「イノベーション」という言葉は、「技術革新」という狭い意味で使われがちだが、「イノベーション」という言葉を産み出した経済学者ジョセフ・シュンペーターは、「イノベーション=ちがったやり方でことを運ぶこと」であると広く定義している。 『商品供給方法の変化という言葉でわれわれはそれを文字通りに受け取れば合意するよりもはるかに広い範囲のできごとを考えている。まさに標準的事例として役立つかもしれない新商品の導入をも含める。すでに使われている商品の生産についての技術上の変化、新市場や新供給源泉の開拓、作業の再組織化、材料処理の改良、百貨店のような新事業組織の設立 ―― 略言すれば、経済生活の領域での「ちがったやり方でことを運ぶこと」―― すべてこれらのことはわれわれが革新(イノベーション)という言葉で呼ぼうとするものの事例である』 (ジョセフ・シュンペーター:経済学者) 『イノベーションとは、顧客にとっての価値の創造である。それは科学的、技術的重要度ではなく、顧客への貢献によって評価される。イノベーションの必要性を最も強調すべきは、技術変化が
2020年6月4日読了時間: 3分


vol-664:入管が正式に「実務研修ガイドライン」を公表する
2020年4月14日、法務省は、「留学生の在留資格『技術・人文知識・国際業務』への変更許可のガイドライン」を改定しました。非常に画期的な内容です。というのは、この中で法務省は、「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格で許容される実務研修について」というガイドラインを示し、「技術・人文知識・国際業務」における現場研修を大々的に認めたからです。 これまでは、就労資格に関するQ&Aや一部の業種における公表事例を通じて、間接的に認めてきただけでしたが、今回の改定では、「在留期間中の活動を全体として捉えて,在留期間の大半を占めるようなものではないようなときは認める」としたほか、「在留期間中」の定義を,「申請人が『技術・人文知識・国際業務』の在留資格をもって在留する期間全体」であることを明確化し、1年を超える実務研修を認める場合があることを公式に認めました。 入管法と実務に精通していない一部のジャーナリストたちは、飲食業や宿泊業等に「技術・人文知識・国際業務」で就労することを「偽装就職」と批判してきましたが、彼らの知識の浅さが露呈する結果となりました。
2020年6月3日読了時間: 1分


vol-663:移民を排斥する英首相が移民の看護師に助けられる
4月12日、新型コロナウイルスに感染し、集中治療室(ICU)で治療を受ける等入院していたボリス・ジョンソン英首相が退院しました。ジョンソン英首相は、「助からない可能性もあった」と指摘して、命を救ってくれた医療従事者に感謝の意を述べ、2人の移民看護師の名前を挙げて、最も危機的状況の時に48時間もの間、ベッドのそばで待機してくれたと述べました。 皮肉なことに、ジョンソン英首相は、筋金入りの移民排斥論者。今年2月には、非熟練労働者を受け入れないとする新移民政策を発表。一定の英語の会話能力を必須とし、給与額などにも条件が付されるため、EU加盟国からの単純労働者を拒むことを示しました。この結果、EU 加盟国からの移民の70%は、就労許可が得られなくなるという推計もあります。 英国に居住するEU加盟国市民は約360万人で、東欧諸国などの出身者が、農業や食品加工業、建設や医療・保健福祉の現場で低賃金労働に従事しており、人手不足が懸念されています。「言葉にできないほどの恩」を受けたと語った英首相は、排斥色が強い移民政策を転換することができるでしょうか。
2020年6月2日読了時間: 1分


vol-662:技能実習の対象外なのにマスクを作れるのか?
岐阜県では、縫製を学ぶ技能実習生が数多くいます。ところが、このコロナショックで、百貨店や衣料品店の売上が急減し、実習先の工場で縫製の仕事が激減しています。このため、布製マスクの生産にシフトする動きが出てきました。ある実習先の社長は、「衣料品の受注キャンセルで来週には仕事が無くなる。マスクを望む地域の声に応えたい」と訴えました。 しかし、「技能実習」の建付けの下では、実習計画に基づく仕事しかできず、実習項目に「マスク生産」がないため、マスクを生産すれば違法行為になります。そこで、「実習生の雇用安定と地域社会への貢献につながる」として、厚生労働省や法務省などに提案し、特例措置を求めているというのです。 嘘にまみれた「技能実習」の欠陥が表面化しています。自民党では、「技能実習」を抜本的に改革するために、「グローバル人材共生」という概念を提示し、「人材育成マネージャー」や「企業内管理者」という在留資格を議論しているようですが、転職が認められていて労働搾取がされにくい「技術・人文知識・国際業務」の活動を広く認めるという王道も検討すべきです。
2020年6月1日読了時間: 1分


vol-661:新型コロナは人種差別を煽るのか?
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界各地でゼノフォビア(外国人嫌悪)とレイシズムの広がりを招いています。米国や欧州では、かつての黄禍論を想起させるアジア人差別が横行しており、アジア系であるという理由だけで暴行を受けるというヘイトクライムも少なくありません。 日本も同じ。「感染者の3割が外国人」などといった誤った情報が Twitter で広まり、元々あった「国民健保タダ乗り論」を煽りました。在日外国人との交流施設である「川崎市ふれあい館」を爆破することを予告する年賀ハガキが送りつけられ、埼玉朝鮮初中級学校幼稚部に対するヘイトスピーチが昂ぶりを見せています。「中国人お断り」の張り紙を提示する商店が現れ、横浜市の老舗中華料理店には「出ていけ」と書かれた手紙が送りつけられました。クルーズ船のウイルス感染者を藤田医科大岡崎医療センターに受け入れた際、「外国人に税金を使うな」という抗議電話が愛知県庁に相次ぎました。 新型コロナウイルスは人種も国籍も選びません。しかし人々は、新型コロナウイルスを契機に、人種と国籍の間に分厚い「心の壁」を築いてしまいます。
2020年5月29日読了時間: 1分


vol-660:転売ヤーは入管法違反で摘発してしまえばよい
4月4日、タイのパタヤ南部において、労働許可なく販売目的でマスク62,000枚を所持していた中国人がイミグレーション警察に逮捕されました。インターネットでマスクを販売して利益を得ていたようです。タイにおいては、政府がマスクの価格と供給を管理しているのですが、その管理を無視して販売していただけでなく、そもそも報酬や収益を得ることを許可する労働許可も得ていなかったわけですから、厳しく処罰されることになりそうです。 日本においても、マスク等の転売を生業とする「転売ヤー」が問題視されているところですが、じつは、上記のタイの事例と同様に、入管法違反を事由として摘発することが可能です。というのは、「転売」という活動は、活動内容に制限のない「永住」や「日本人の配偶者等」を除けば、「経営・管理」以外の外国人の場合、資格外活動に相当するためです。 実際、紙オムツの転売が問題視されていた2014年に、紙オムツを購入した「技能」の中国人3人が資格外活動違反として逮捕されています。「転売」という活動が認められない在留資格の「転売ヤー」は摘発の対象なのです。
2020年5月28日読了時間: 1分


vol-659:「技人国」の外国人は賃金が日本人より高い
日本で働く外国人労働者の賃金は、国内全体の平均よりも3割弱低いことが分かりました。フルタイムで働く外国人の賃金は、残業代等を除いた月額の平均で223,100 円。国内全体平均が307,700 円ですから、84,600 円下回っています。この主因は、外国人労働者の勤続年数が平均3.1年に過ぎず、一般労働者の12.4年との差が大きいとされていますが、実態としては、「技能実習」の影響が大きいと見るべきでしょう。「技能実習」の賃金は156,900円にすぎず、一般労働者全体の半分ほどにとどまっているからです。 その一方、「技術・人文知識・国際業務」などを含む「専門的・技術的分野」の賃金は月額324,300円で、日本人を含む正社員全体(325,400円)とほぼ同水準であり、該当する外国人の勤続年数が2.7年にすぎず、正社員全体が13 年であることに鑑みれば、外国人の方が賃金水準は高いとさえ言えます。 外国人の賃金水準を押し下げているのは、外国人差別ではなく、「技能実習」という制度的な要因が主なのですから、「技能実習」ではなく、「技術・人文知識・国際業務」によ
2020年5月27日読了時間: 1分


vol-658:「技能実習」は「特定技能」に圧勝した
2020年4月1日、改正入管法が施行されてから1年が経過しましたが、「特定技能」を取得して日本で働いている外国人は、3,000人程度にとどまったようです(同年2月末2,994 人)。 1年間で 32,800 人~47,550 人の受入れを見込んでいましたが、1割すら達成できませんでした。入管庁は、ベトナムと中国で、適切に送り出す仕組みが整っていないことから、全体としての受け入れの人数が伸び悩んだと総括しているようですが、「技能実習」との比較で「圧倒的に使いにくい」という評価が関係者の間で固まったことが主因でしょう。 「技能実習」の弊害を是正するための諸施策を「特定技能」には盛り込みながら、肝心要の「技能実習」には、その一部しか適用しないという整合性のなさ。手間暇の割に魅力が少ないことも相まって、「特定技能」vs「技能実習」の戦いは、「技能実習」の圧勝となっています。 遅ればせながら、「技能実習」の違法行為摘発が始まりましたから、今後は一進一退の戦いになるのかもしれませんが、規制上の整合性が是正されない限り、「技能実習」を支持する勢力はまだまだ多数
2020年5月26日読了時間: 1分
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