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vol-342:資格外活動をしたのに退去強制にならない?

2019年2月6日
読了時間: 2分
  • 入管や警察の大本営発表を垂れ流すだけの新聞やテレビでは、簡単に「資格外活動違反」という文言を報じていますが、実際のところ、入管法における「資格外活動違反」という概念は、かなり繊細で微妙です。

  • 例えば、広島地裁の判決(2008年3月13日)では、申請人である留学生が、 ①ホステスとして稼働していた、 ②勉学に費やした時間よりもホステスとして稼働した時間が長い、 ③ホステスとしてかなりの所得を稼得し、本国の家族にも大金を送金している、 ④本国からの送金を受けた等と虚偽の供述をした、 ⑤夫及び妹の不法就労先を斡旋していた 等の不利な事実が入管側の主張で示されたにもかかわらず、「退去強制処分」は違法であったと裁決されました。

  • というのは、1978年のマクリーン事件判決が「憲法第3章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべき」と判示しており、この考え方は判例として定着しています。そこで、上記広島地裁の判決では、「法24条4号イは、侵害処分の要件を定めるものであるのみならず、同法70条1項4号の罰則規定における構成要件と全く同じ要件を定めるものであり、その要件について同号と異なる緩やかな解釈をする根拠はないから、同号同様に明確性が特に強く要求される。すなわち、法24条4号イ該当性は厳格に解釈すべきであって、本来の語義の範囲を超えた解釈(類推解釈)をすることは許されない」と明言しました。

  • 要するに、「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者」(入管法第70条)は厳格に解釈されなければならず、「専ら」という単語は「その事ばかり」「他はさしおいて、ある一つの事に集中するさま」という意味であるから、「資格外活動を専ら行っている」とは、「外国人の主たる在留目的がその在留資格に基づき本邦において行うことができる活動から資格外活動に変更されたと認められる程度に資格外活動を行っている場合」をいうことになります。そして、広島地裁の事件では、そうではないと認定されたわけです。

  • つまり、「資格外活動違反」と報道する場合、「外国人の主たる在留目的がその在留資格に基づき本邦において行うことができる活動から資格外活動に変更されたと認められる程度に資格外活動を行っている場合」であるという裏取りが必要になります。もっとも新聞やテレビの記者たちは、そんな面倒くさいことはせず、「疑い」という一言を入れてリスクヘッジするだけでしょうが・・・


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