top of page

vol-1137:在留資格「留学」では国別に審査方針が異なる

2 分前
読了時間: 11分
  • 2026年10月27日、日本保守党の北村晴男議員が、在留外国人の18.2%しかいないベトナム人が検挙人員の32.6%を占めており、「他国の出身者と比較して検挙される割合(=犯罪を行う可能性)が格段に高い」と指摘し、「犯罪率が特に高いようであれば、受入れの停止などの措置を検討すべき」という提案をしたことに対し、山下法務大臣は、「個々の上陸申請者ごとにその上陸の可否を判断している。特定の地域の出身であることのみをもって一律に日本への入国を制限することは困難ではないかと考えている」と慎重な考えを示した。

  • しかし、在留資格「留学」については、「特定の地域の出身であることのみ」をもって、「慎重審査」の対象としている。これは、北村議員が「ベトナム人の受け入れを一律に停止するという判断も一つはあり得るかもしれない。特別に厳格な審査を行うという判断もあり得る」と示唆したうち、「特別に厳格な審査を行う」という手法にあたる。

  • 「留学」で実施している以上、わが国の在留資格制度において、「特定の地域の出身であることのみをもって一律に日本への入国を制限することは困難」だという山下法務大臣の論拠は弱い。ただし、「慎重」という入管の裁量に委ねてしまう規制は好ましくない。それよりは、政治判断に基づく「数値」で示す国別の総量規制を導入するべきである。

  • 【参考資料】

  • 在留資格「留学」の在留諸申請における提出書類について(令和8年〈2026年〉10月期生から) 1 日本語教育機関における入学者選考時の語学能力の確認について 日本語教育機関への入学を希望する留学生の入学者選考に当たっては、日本語教育課程の目的及び目標に応じ、勉学の意思及び能力(日本語能力)を御確認いただいているところ、在留諸申請時において、これまでは150時間以上の日本語学習歴をもってA1相当以上の日本語能力の立証を可としておりましたが、下記3の適用時期以後は、試験の証明書又は面接による確認を必須としますので、御留意ください。その上で、教育機関における入学者選考時には、試験の証明書の有無にかかわらず、可能な限り、申請人との面接を実施いただくとともに、面接の際には、申請人の日本語能力について確実に御確認いただくようお願いいたします。なお、試験の証明書をもって日本語能力の確認を行う場合、所属する教育機関が(選定結果の)適正校であるか否かにかかわらず、在留諸申請時に(下記2の各種確認書に加え)当該試験の証明書を提出いただきますようお願いいたします。

    2 各種確認書について 留学生の勉学の意思及び能力(日本語能力)を確認するものとして審査において必要となりますので、下記3の適用時期以後は必ず下記第3の各種確認書(参考様式)を教育機関において記載の上、申請時に提出いただきますようお取り計らい願います。なお、上記1を踏まえ、各種確認書の「□試験」又は「□面接」の欄のいずれか一方は必ず記載するようお願いいたします。また、入学者選考時における語学力の確認方法を記載するに当たっては、下記記載例のように、客観的手法をもって確認したことを詳細かつ具体的に記載いただくようお願いいたします。ただし、前回の在留諸申請から在籍する教育機関に変更がない場合は各種確認書の提出は不要です。(中略) 3 適用時期について 上記1及び2の適用時期は、在留資格認定証明書交付申請については、令和8年10月以降に入学を予定する学生に係る申請から適用し、在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請については、令和8年7月1日以降の申請から適用します。

    4 適用対象について

    ア 上記1及び2については、日本語別科に対しても適用されますので、御留意ください。

    イ 当庁HPに掲載の別表掲載国・地域(注)の出身国籍である申請人が外国の高等教育機関(大学等)を卒業し、その卒業証明書等を提出する場合については、上記1及び2の取扱いの対象外(日本語能力に係る立証を不要)とします。


    (注)慎重審査対象国 次の国・地域以外を慎重審査対象国として指定する。

    アジア(12か国・地域):韓国、シンガポール、タイ、台湾、中国、香港、マカオ、トルコ、ブルネイ、マレーシア、モルディブ、モンゴル 太平洋(9か国・地域):オーストラリア、サモア、ツバル、トンガ、ナウル、ニュージーランド、パラオ、フィジー、マーシャル

    北米(2か国・地域):アメリカ合衆国、カナダ

    中南米(29か国・地域):アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、キューバ、グアテマラ、グレナダ、コスタリカ、ジャマイカ、スリナム、コロンビア、セントクリストファー・ネーヴィス、セントビンセント・グレナディーン、セントルシア、チリ、ドミニカ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、ブラジル、ベネズエラ、ベリーズ、ペルー、メキシコ

    欧州(49か国・地域):アイスランド、アイルランド、アゼルバイジャン、アルバニア、アルメニア、アンドラ、イギリス、イタリア、ウクライナ、エストニア、オーストリア、オランダ、カザフスタン、北マケドニア、キプロス、ギリシャ、クロアチア、コソボ共和国、サン・マリノ、ジョージア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、トルクメニスタン、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、マルタ、モナコ、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア、リヒ テンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク、ロシア

    中東(9か国・地域):アラブ首長国連邦、イスラエル、イラク、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、バーレーン

    アフリカ(9か国・地域):アルジェリア、ガボン、セーシェル、赤道ギニア、ナミビア、ボツワナ、南アフリカ共和国、モーリシャス、リビア


  • 東京入管、留学生の在留審査を厳格化 資格交付、一部で激減

    2018年11月19日(朝日新聞) 東京入国管理局が、日本語学校などで学ぶため来日する留学生の在留資格審査を厳格化させていることが、関係者の話で分かった。不法就労などへの対策強化が背景にあるが、東南アジアなど一部の国では在留資格の交付率が激減し、日本留学への門が一気に閉ざされた形となっている。法務省によると、留学生は2017年末で国内に約31万人おり、5年前から10万人以上増えている。一方、就労目的の来日も指摘されている。政府は現在、外国人労働者受け入れ拡大のため、新たな在留資格を盛り込んだ出入国管理法改正案の成立を目指している。成立した場合は就労目的の外国人に新たな道が開ける一方、留学希望者は減る可能性がある。 留学生は主に4月と10月に入学するため、在留資格審査の時期が集中する。東京入管が日本語学校向けにまとめた資料によると、今年の4月期は2万9801件の申請があり、77.7%が交付されたが、10月期は1万6495件の申請に対し、65.6%の交付にとどまった。数値には一部の専門学校などのデータが含まれていないという。国別交付率はネパールが約48%から約8%、スリランカが約51%から約3%、バングラデシュが約58%から約3%、ミャンマーが約74%から約20%に下がった。中国やベトナムは9割前後で大きな変化はなかった。関係者によると、同様の傾向は全国で起きている。東京入管によると、交付率の減少は「違法な労働に携わる留学生がいるため、審査を慎重に行った結果」で、「国籍を理由に不交付にしたわけではない」という。留学を目指す外国人は、日本語力や学費の支払い能力を証明する書類を入管に提出する必要があり、こうした書類が偽造されていたケースもあるとみられる。

    ■留学生の在留資格認定申請件数と交付率         2018年4月期    10月期

    ベトナム   8692件(84.8%) 2760件(88.0%)

    中  国   8297件(90.7%) 5774件(97.2%)

    ネパール   3847件(48.0%) 2418件(8.4%)

    スリランカ  1890件(51.3%)  622件(2.7%)

    ミャンマー  1100件(73.5%)  448件(19.6%)

    バングラデシュ 930件(58.0%)  591件(3.4%)

    ウズベキスタン 918件(69.1%)  568件(4.0%)

    韓  国    831件(96.8%)  424件(97.6%)

    (東京入国管理局まとめ)


  • 留学生の在留審査を厳格化 対象国10倍超に 2020年2月9日(日本経済新聞)

    出入国在留管理庁(入管庁)は4月以降に日本への留学を希望する外国人の在留審査を厳格化する。出稼ぎ目的の入国を防ぐため、最終学歴の卒業証書や預金残高などの証明書を求める国・地域を10倍超に増やす。健全な外国人雇用の拡大のため、不法残留が増加している留学生をより厳格に審査し、特定技能制度の活用を促す狙いもある。約30年ぶりの大幅な審査方法の変更となる。

    現在、日本への留学で在留審査を厳格化しているのは中国(香港など一部地域を除く)、ベトナム、ネパール、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、モンゴルの7カ国・地域。不法残留が多かったため、(1)最終学歴の卒業証書(2)日本での生活費を出す親族の預金残高証明書(3)親族との関係を示す公的文書――など複数の書類の提出を求めている。ところがほかの国・地域から訪日した留学生が卒業後も不法残留するケースが多い。 2019 年の年初時点で留学目的で入国を認めた外国人で不法残留しているのは約4700人。15年の約2800人から1.7倍に増えている。審査なしで来日する人も多い短期滞在者(約4万7千人)や、失踪が相次いでいる技能実習生(約9千人)に次ぐ水準だ。国別ではベトナム(3065人)が大半を占め、次いで中国(1074人)、韓国(148人)が多い。 このため入管庁は「比較的経済状況がよく、不法残留のリスクが低い」と判断した118の国・地域を「ホワイトリスト」に指定。20年4月以降に日本への留学を希望する場合、ホワイトリスト以外の国・地域からの審査では、これまでの7カ国・地域と同様、複数の証明書の提出を求めて審査を厳格化する。中国からの留学生は富裕層が増えた影響もあり、不法残留が少なくなっておりホワイトリストに指定したが、日本が承認する国などのうち、インドやカンボジアなど80カ国が指定されていない。

    留学生は原則週28時間までコンビニエンスストア店員のアルバイトなどの単純労働ができる。厚生労働省によると、19年10月時点で外国人労働者のうち留学生は31万8千人と19%を占める。国内の留学生の大半が労働もしているとみられる。日本学生支援機構の18年の調査では、日本への留学生はインドネシアが約6200人、フィリピンが約2300人、ウズベキスタンが約2100人と多いが、いずれもホワイトリストに指定されていない。 在留審査の厳格化で留学生が減る可能性もあり、深刻な人手不足が続く中、留学生が重要な労働力になっている小売業や外食業は対応を迫られそうだ。 政府関係者は「不法残留者が相次いでいる留学生はより厳格に審査する。企業は新設した特定技能も活用し、適切な受け入れを進めてもらいたい」と話している。外国人の労務管理に詳しい山脇康嗣弁護士は「小売業や外食業は留学生のアルバイトに依存する体質を改め、営業時間の短縮や生産性の向上に取り組む必要がある」と指摘。「留学生より確保のハードルは高いが、特定技能などほかの単純労働ができる在留者への切り替えを進めていくべきだ」としている。

  • 出入国在留管理庁が、4月以降に日本への留学を希望する者について在留審査を厳格化する80カ国は以下の通り。

    アフガニスタン、アンゴラ、イエメン、インド、インドネシア、ウガンダ、ウクライナ、ウズベキスタン、エジプト、エスワティニ、エチオピア、エリトリア、エルサルバドル、ガーナ、カーボベルデ、カメルーン、ガンビア、カンボジア、ギニア、ギニアビサウ、キリバス、キルギス、クック諸島、ケニア、コートジボワール、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、シリア、ジンバブエ、スーダン、スリランカ、セネガル、ソマリア、ソロモン諸島、タジキスタン、タンザニア、チャド、チュニジア、トーゴ、ナウル、ニウエ、ニカラグア、ニジェール、ネパール、ハイチ、パキスタン、バチカン、バヌアツ、パプアニューギニア、バングラデシュ、フィリピン、ブータン、ブルキナファソ、ブルンジ、ベトナム、ベナン、ボリビア、ホンジュラス、マダガスカル、マラウイ、マリ、ミクロネシア連邦、ミャンマー、モーリタニア、モザンビーク、モルドバ、モロッコ、モンゴル、ラオス、リベリア、ルワンダ、レソト、中央アフリカ、東ティモール、南スーダン

  • 出入国在留管理行政の現状と取組 2022年5月1日(出入国在留管理庁)

    慎重審査対象国(令和4年9月現在) 本国の経済水準等を踏まえ、慎重審査対象国の定期的見直しを行っている。主な慎重審査対象国は以下のとおり。

    ・ベトナム

    ・ネパール

    ・インドネシア

    ・スリランカ

    ・ミャンマー

    ・バングラデシュ

    ・モンゴル

    ・フィリピン

    ・ウズベキスタン

    ・インド

    ・カンボジア

    ・パキスタン

    (トライアル実施時期)令和4年の選定結果を適用できる令和5年4月期生に係る認定申請から試行的に適用する。試行実施後、実施状況を踏まえ、選定基準を見直し、令和5年の選定から本格導入を検討する。

  • 在留資格「留学」運用を厳格化、日本語能力や活動把握を強化 2026年4月21日(ReseEd) 出入国在留管理庁は、在留資格「留学」に関する運用を厳格化する。2026年4月より日本語教育機関と連携した資格外活動の実態把握を開始するほか、同年7月以降、入学時の日本語能力の確認を厳格化する。不法就労の防止や教育の質の維持を目的としており、日本語教育機関には、より適切な指導と管理が求められる。今回の見直しは「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に基づき、留学生の在留実態をより正確に把握するために行われる。特に日本語教育機関に在籍する留学生の資格外活動(アルバイト)について、複数の就労先での時間超過といった不適切な実態を特定し、教育機関による指導を強化する狙いがある。 新たな運用では、日本語教育機関に対し、3か月に1度の頻度で留学生の資格外活動状況を確認するよう求める。確認事項には、許可の有無、活動先、内容、活動時間が含まれる。許可内容に違反が見られる場合は直ちに指導を行い、改善が見られない場合や不法就労が疑われるケースについては、最寄りの出入国在留管理官署への報告を義務付ける。あわせて、日本語能力の確認も厳格化される。これまでは150時間以上の学習歴で認められていたCEFR・A1相当以上の能力立証について、2026年7月以降の申請からは試験の証明書または面接による確認を必須とする。面接を行う際は、具体的な客観的手法を用いて日本語能力を確認し、その詳細を申請時に提出する必要がある。資格外活動の把握は2026年4月から運用が開始される。日本語能力の確認については、在留資格変更や更新の申請は7月1日から、新規の在留資格認定証明書交付申請は10月期生から適用される。なお、外国の大学等を卒業した者については、これまで通り日本語能力の立証を不要とする特例も維持される。


bottom of page