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vol-807:移民が増加すると賃金は低下するのか?

2021年5月2日
読了時間: 2分
  • Chat-GPTに聞いてみました。

  • Q:移民増が賃金低下につながらないことを示した経済学の論文を教えて

    A:「移民増が賃金低下につながらない」という結論で最も有名なのは、労働経済学者のデービッド・カード(後のノーベル経済学賞受賞者)の研究です。ただし、学界では現在も議論が続いており、「全く影響がない」というコンセンサスではなく、「全体として影響は小さいが、一部の低技能労働者には負の影響がある可能性がある」が主流的な見解です。

  • 1. David Card (1990)

    "The Impact of the Mariel Boatlift on the Miami Labor Market"

    1980年に約12.5万人のキューバ人がマイアミへ流入した「マリエル・ボートリフト」を自然実験として分析しました。カードは、「マイアミの労働力が短期間で約7%増加し、低技能労働者への供給増はさらに大きかった。それにもかかわらず、賃金低下は観察されないし、失業率上昇も観察されない」と結論づけました。この論文は移民研究の古典となっています。

  • 2. Peri & Yasenov (2015)

    "The Labor Market Effects of a Refugee Wave"

    同じマリエル・ボートリフトを再分析した研究です。著者らは、カードの結論を概ね支持し、「非キューバ系労働者の賃金への有意な悪影響は検出できない」と報告しています。

  • 3. Bodvarsson, Van den Berg & Lewer (2008)

    "Measuring Immigration's Effects on Labor Demand"

    この研究は、「移民は労働供給を増やすだけでなく、消費者として需要も増やす」という点に注目しました。「移民が家賃を払い、食品を買い、サービスを利用するため、雇用需要が増加し、賃金への下押し圧力が相殺される可能性がある」ことを示しています。

  • 4. National Academies (2016/2017)

    米国科学アカデミーの大規模レビューでは、数十年分の研究を総括して、「10年以上の長期で見ると、移民がネイティブ労働者全体の賃金に与える影響は非常に小さい」と結論づけています。また、「負の影響が出るとしても、既存移民、高卒未満の低技能労働者に集中する傾向がある」としています。

  • 一方で反論もあり、有名な反論者はハーバード大学のジョージ・ボージャスです。ボージャスは、「マリエル・ボートリフト後、最低技能層の賃金が10~30%低下した」と主張しました。

  • そのため現在の学界では、

    論点                  主流となっている見解

    移民増で国全体の平均賃金は下がるか  ほぼ下がらない

    雇用全体は減るか           明確な証拠なし

    低技能労働者は影響を受けるか     一部で負の影響の可能性

    長期的影響              非常に小さい

    という整理が一般的です。

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