top of page


vol-816:ミャンマー人への緊急避難措置は後顧に憂いを残す
2021年5月28日、上川法務大臣は、ミャンマー国軍のクーデターによる情勢不安を理由に、日本在留のミャンマー人に対し、「情勢が安定するまでの緊急避難的な対応」として在留延長を認める(就労可)ことを発表しました。当分、在留資格の満了時に本人が希望すれば、「特定活動(6ヶ月・就労可)」や「特定活動(特定技能準備・1年)」の切り替えを認めます。情勢が改善し場合は、「特定活動」の延長も認める方針のようです。 帰国困難を理由に「特定活動(6ヶ月・就労可)」を認め、就労困難を背景に定活動(特定技能準備・1年)」を認容した状況下なので、入管からすれば、現状の中での微調整という判断なのかもしれませんが、個人的にはパンドラの箱を開けてしまったのではないかという感があります。 上川大臣は「一般市民が死亡、負傷し、デモに参加していない住民への暴力が報告されている」と説明し、難民認定についても迅速に審査を進め、難民認定されない場合でも在留や就労を認めるとしていますが、ミャンマーと類似の国情が発生したとき、同等の扱いができるか否かがいずれ問われます。
2021年6月4日読了時間: 1分


vol-815:入管行政はフリーハンドの裁量権で何でもあり
公安調査庁から異動し調査や審査を経験した元入管職員は、在留特別許可に関する判断が不透明で、ブラックボックスだと感じたそうです。「法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めた場合に限り、在留特別許可を出す」とあるだけで、どういう場合に許可を出すのかは法律に一切書かれていません。入管のホームページには、在留特別許可にかかるガイドラインはあるけれど、ガイドライン自体を入管が「基準ではない」として守りません。 入管行政は入管だけですべてを決められます。胸先三寸で決めるのではなく、基準を明確化すべきだと思う人は少なくありません。入管の判断をチェックする第三者機関がないので、なんらかの理由で入管がビザを更新しないと判断した際には、不服申立の手段が裁判しかないのですが、法律上、裁量が幅広く認められているため、入管が裁判でほとんど勝っています。 基準を明確化すると、フリーハンドで裁量を行使できなくなると恐れているのかもしれませんが、基準のない権力は、混沌と混乱を招きかねません。基準を積極的に示すことにより、秩序を形成するのが入管の役割のはずです。
2021年6月2日読了時間: 1分


vol-814:水際対策が甘いという批判が殺到して大童になる
2021年5月25日、日本政府は、インドで確認された新型コロナウイルス変異株の対策として、インドやネパールなど6ヶ国については、在留資格を持っていても、特段の事情がない限り入国を拒否することを決めました。また、日本人の帰国者についても、検疫所長の指定場所で10日間待機し、3回検査を受け、陰性と判定された後でも引き続き入国後14日間については、自宅などで待機するという形で水際措置を強化しました。 この背景には、入管の水際対策に対する批判が高まっていることがあります。自民党内では「インド変異株の流入が懸念される」と指摘する意見が相次いでおり、佐藤正久外交部会長は「水道管が破裂して水浸しの状態だ」と批判。 国内でも短期間に変異を繰り返している新型コロナウイルスに対して、水際対策で対処できるのかという科学的な疑問は残りますが、水際対策は庶民にもわかりやすく、「来日する外国人が感染源を持ってくる」という問題の整理はどこかに悪者を求めたい政府のニーズにも応えることができます。来日を望む外国人の入国が許されるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
2021年5月31日読了時間: 1分


vol-813:在留資格の取消件数が過去最高になっていく
2020年における在留資格取消件数は1,210件(前年比+21.9%)と2016年の4倍になりました。在留資格別で見ると、最多の「技能実習」561人( 46.4%)と次点の「留学」524人(43.3%)で全体の9割を占め、実習先から失踪した技能実習生や学校を除籍された留学生が就労したケースが多いようです。 取消事由別にみると、「在留資格に係る活動を行っておらず、かつ他の活動を行い又は行おうとして在留している場合(50.9%)」という不法就労型が最多で、不法就労を立証できなかった「在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っておらず在留している場合(40.7%)」だけでなく、「偽りその他不正の手段により活動を偽り、上陸許可の証印等を受けた場合(5.6%)」も。 コロナ禍で、入管は厳しく摘発していなかったという印象でしたが、人員が拡充された中、入管法違反に対しては粛々と対処していたようです。実際、違反調査の結果を見ても、「出国命令」で優しく帰すのではなく、入国審査官の「審査」に委ね、犯罪者として処罰する方向に傾いているようにも見えます。2021年6月の
2021年5月28日読了時間: 1分


vol-812:入管法の改正見送りは入管行政をどう変えるか?
2021年5月18日、入管法の改正が見送られることが決まりました。ただし、この結果は、外国人に対して良い影響をもたらさないかもしれません。 じつは、入管は入管なりに努力しました。2021年2月の在留特別許可はなんと1,331 件(前年比9.9 倍)。2020年11月101件→12月235件→2021年1月879件という推移を見ても配慮が窺えます。退去強制の発令も、2021年2月は449件(前年比▲62.9%)であり、極めて抑制的でした。しかし、その譲歩が報じられることはなく、リベラル派の新聞は紋切型の入管批判を繰り返すだけ。日本共産党の志位委員長に至っては、「在留期限が切れたというだけで何の犯罪も犯していないのに、裁判所も通さず入管の裁量で外国人を収容施設に問答無用で追いやる。非人道的な大問題」と批判する始末。 入管からすれば、「だったら、オーバースティの外国人は、裁判所に全員送ってやる。自由度のある収容所じゃなくて、留置所や拘置所で寝起きさせればいい。出国命令という優しい措置はもうしねえぞ!」という感情に走ってもおかしくはありません。しっぺ返し
2021年5月26日読了時間: 1分


vol-811:だからマスコミ報道は信用を失っていく?
2021年5月16日、NHKは「技能実習生受け入れの公益法人 特定企業に約6億円の優先発注か」として、最大の監理団体が違法行為を犯した可能性を報道しました。興味をそそられて、「違法」の内容を読み進んでいくと、前会長の知人が経営する会社に優先的に物品を発注していて、公益法人認定法に違反する疑いがあるとのこと。入管法や技能実習法とは無関係の話。 2020年1月、前会長に関するタレコミがあったため、同監理団体は、外部の弁護士による特別調査委員会を設置。その調査結果は2020年3月末に報告書になっているのですが、それが今回のネタ元。報告書では、コンプライアンス上の問題点が確認されたと指摘し(損害はゼロとの認定)、監理団体は、コンプライアンス室の設置や監査体制の充実、規程の整備、各理事等の牽制体制などの改善を直ちに実施。監督官庁にも2020年6月に報告済になっています。 要するに、改正入管法の正念場に差し掛かって、何か炎上する火種はないかと探していたら、未報道の古いネタがあったので投下してみたという次元の低いお話。こういう報道をしているから、マスコミは信用
2021年5月19日読了時間: 1分


vol-810:リベラル派は入管法の改正に反対し続ける
2021年5月央となり、改正入管法案に関する国会審議が大詰めに入っています。リベラル派のマスコミ攻勢に加えて、収容施設における死亡事例における不手際から、与党が修正協議に応じましたが、与野党間の溝は深く、結局、物別れで終わったようです。後は、与党がいつ寄り切るかが焦点となってきました。 この流れの変化を受け、守勢に回っていた入管も、産経新聞の記事を通じて反撃に出ました。国外退去処分を受けた後、「仮放免」で一時的に収容を解かれたものの、逃亡して手配中の外国人は、2014年末においては96人でしたが、毎年30~100人程度ずつ増加し、2019年末には362人となり、昨年末には420人に上ったと言うのです。そのうち40人は、入管法違反以外の刑事罰で懲役・禁錮1年超の実刑判決を受けていたのですが、収監前に逃亡しています。過去6年間で約4.4倍というのは、無視できない数値でしょう。 仮放免中の外国人は昨年末で2,440人。時に理不尽さが際立つ入管の肩を持つわけではありませんが、数多くの「偽装難民」が紛れ込んでいることは事実。「長期収容者=難民=善人」とする
2021年5月17日読了時間: 1分


vol-809:偽造在留カードが摘発のターゲットになる?
2月に大阪で摘発された「偽造工場」では、白無地のカード7000枚が押収され、在留カードの偽造を依頼した客 1500 件の情報が残っていました。1枚5,000 円で半年間に1,000 万円以上の売り上げがあったと言いますから、たった半年間で2,000人に売り捌いた計算になります。本年1月1日時点において不法在留している外国人は82,868人ですから2.4%に相当します。 偽造業者が多数存在していることを考えれば、偽造在留カードを所有している外国人が3~5万人はいると仮定しても大袈裟ではないでしょう。しかも、「偽造」に対して、罪悪感を持たない人たちも4人に1人存在し、「犯罪に使わなければよい(11.3%)」「使っても雇われなければよい(7.5%)」「持っていても使わなければよい(5.7%)」という認識だったりします。 6月の「不法就労外国人対策キャンペーン月間」においては、偽造在留カードの摘発にも力が入るはず、入管の照会サイトを擦り抜けるカードが多いだけに、外国人の採用においては、目視だけで安心せず、入管が公開したアプリなどで、ICに記録されているデ
2021年5月14日読了時間: 1分


vol-808:オーバーステイやオーバーワークが摘発される?
2021年5月7日、不法残留のベトナム人が佐賀県で逮捕されました。また同年4月26日には、大阪府で不法残留の外国人を雇用していた建築会社社長が逮捕されています。じつは、この1年、コロナ禍の中で、「外国人」関係の報道は極端に少なくなりました。無論、直近の入管法改正に関する問題点や長期収容の実情や留学生の困窮などリベラルなマスコミが好む記事は紙面を飾っていますが、普通の在留外国人の動静を切り取った報道は大幅に減少しています。 入管法違反や外国人逮捕という「事実」の報道すら稀で、外国人がいないかのような情報の少なさ。新型コロナウイルスでそれどころではないという実態や、外国人を雇ってきた企業が意気消沈しているという背景もあるのでしょう。ただ、そんな中で、不法残留の記事が連発したことが気にかかります。 2021年7月開催のオリンピックの直前には、毎年6月に実施される「不法就労外国人対策キャンペーン月間」がやってきます。同年5月末に公表される有効求人倍率が 1.0 倍を切る可能性があるだけに、「入管が攻めに転じるのでは?」と邪推してしまいます。万が一に備えた
2021年5月12日読了時間: 1分


vol-807:移民が増加すると賃金は低下するのか?
Chat-GPTに聞いてみました。 Q:移民増が賃金低下につながらないことを示した経済学の論文を教えて A:「移民増が賃金低下につながらない」という結論で最も有名なのは、労働経済学者のデービッド・カード(後のノーベル経済学賞受賞者)の研究です。ただし、学界では現在も議論が続いており、「全く影響がない」というコンセンサスではなく、「全体として影響は小さいが、一部の低技能労働者には負の影響がある可能性がある」が主流的な見解です。 1. David Card (1990) "The Impact of the Mariel Boatlift on the Miami Labor Market" 1980年に約12.5万人のキューバ人がマイアミへ流入した「マリエル・ボートリフト」を自然実験として分析しました。カードは、「マイアミの労働力が短期間で約7%増加し、低技能労働者への供給増はさらに大きかった。それにもかかわらず、賃金低下は観察されないし、失業率上昇も観察されない」と結論づけました。この論文は移民研究の古典となっています。 2. Peri & Ya
2021年5月2日読了時間: 2分


vol-806:「緊急事態宣言」を乱発すべきではない!
マスコミに洗脳されてしまった人々が必要以上にコロナを怖れ、不必要なくらいにワクチンを求めている。意味のないマスクの着用を義務化し、他県ナンバーの自動車を追い返す。もはやコロナ問題は、疫学やウイルス学など関係なく、政治のおもちゃと化した。 意味も根拠もなく、飲食店の営業の自由を奪う国家は、民主主義ではない。禁酒法を実施することを肯定する科学的な証拠もないのに、法律を作ることなく、要請だけで何でも禁止しようとする。 日本はいつでも「全体主義」になり得る怖い国だ。「自由」も「民主」もない。このままでは、中国を批判する資格も失うだろう。 反ナチ運動組織告白教会の指導者だったマルティン・ニーメラーの警句を以下に記す。 ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、 私は声をあげなかった 私は共産主義者ではなかったから 社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、 私は声をあげなかった 私は社会民主主義者ではなかったから 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、 私は声をあげなかった 私は労働組合員ではなかったから そして、彼らが私を攻撃したとき、 私のために声をあげる
2021年5月1日読了時間: 1分


vol-805:介護の人手不足は日本人だけでは賄えない
介護は、日本社会における大きな課題であり続けています。介護は、単なる経済問題ではなく、生活にも、精神にも、そして社会にも解決困難な宿題を課しています。「親の世話は家族で看るべきだ」という美しい物語が、地獄絵図と化していく事例も枚挙に暇がありません。家族では到底抱えきれないというニーズを反映して、介護業界が急成長を遂げてきました。 しかし、介護業界の人手不足は深刻であり、年々深刻さを増しています。日本人では賄いきれない実態を、外国人材の助けを借りて何とかやりくりしてきましたが、高齢化の速度が増している中で、入国禁止の煽りを受けただけでなく、クラスター対策で人手がとられるという四重苦に直面しています。 雇用調整助成金の特別措置が切れる2021年5月末に向けて、中高齢の日本人における失業問題が表面化してくる中で、外国人不要論が鎌首をもたげてくるでしょうが、外国人に頼ってきた日本社会の実態を正確に認識せずに誤った政策を講じれば、必ず大問題が生じます。合理的な分析に基づく対処を期待したいのですが、コロナ騒動の顛末を見ていると期待薄なのかもしれません。
2021年4月23日読了時間: 1分


vol-804:「帰国困難ビザ」という狂った措置は終わる?
入管は、2020年5月より、「特定活動(就労可・6ヶ月)」を臨時的・特例的に認め、昨年12月からは観光客に対してすら「就労」を認めてきましたが、1年後の2021年5月中には、これらの許可を停止する可能性があります。 安易に「就労」を認めている現状は、「就労の可否」を基盤に据えた在留資格制度の正当性を毀損しています。「帰国困難であること=就労可」という論理を是認できない入管はすぐにでも正常化したいと思っているでしょうし、外国人の出国人数は、2020年5月から2.9倍(2020年12月時点)になっているなど、「帰国が困難である」という前提も崩れつつあります。しかも、東京オリンピックが開催されれば、9万人のアスリートや関係者が来日しますが、彼らが「帰国できない」ということはあり得ないため、「帰国困難」という前提は、国家の威信を賭けても絶対に解消しなければなりません。 2020年中、「特定活動(就労可・6ヶ月)」の審査は2~3日で完了していましたが、最近は2週間を超えるようになってきています。臨時的・例外的に認められてきた特別措置が廃止されるのは時間の問
2021年4月19日読了時間: 1分


vol-803:入管を叩き続けても現状改善には結実しない
昨年9月、国連の「恣意的拘禁作業部会」が、国外退去処分を受けた外国人2人が裁判等による審査・救済の機会がないまま入管施設に収容されたとし、国連人権規約等に違反するとして、日本政府に対して意見書を送付。これに対して、入管は、3月27日、「司法上、行政上の審査・救済の機会が提供されていた」と反論し、「事実誤認」だとして異議を申し立てました。 入管の反論に対して、弁護士や人権団体は一斉に批判を展開。ちょうど入管法改正が国会に上程されていることもあって、ヒートアップしています。入管側の反論が紋切型で、国際基準から見て不誠実な対応であることは否定できませんが、難民申請者の実態を無視して、「入管叩き」に走っても、世論は冷ややかに傍観するだけで、バックアップしてくれないような気がします。 ただし、改正入管法が導入する「監理措置」における就労の是非については、「観光ビザ」ですら就労を認めている現状の運用との比較で、入管は、整合的で説得的な主張が展開できない可能性大。大上段に構えた総論ではなく、論破できる重要な論点一つに絞って議論したほうが良いのでは。
2021年4月14日読了時間: 1分


vol-802:日本語学校を「諸悪の根源」と見做すべきではない
未だに、外国人留学生からパスポートや在留カードを預かって返さないとか、卒業したのに「出席証明書」や「成績証明書」を渡さないという日本語学校が少なくないようです。学校経営が苦しいから、系列の専門学校などで留学生を囲い込みたいというお家事情はわからなくはないのですが、そういう悪質な行為がなくならないようなら、業界自体が壊滅しかねません。 来日外国人が日本で生活し、就労して、社会に溶け込むためには、日本語が絶対に必要です。だから、日本語学校は、必要不可欠なインフラであって、一部のジャーナリストが煽り立てるような「日本語学校=諸悪の根源」説は、百害あって一利なしだと思いますが、悪意のある批判に対処するためにも、日本語学校業界自身の自浄作用が問われる時代になっている気がします。 これから失業問題が表面化しますから、当分の間は、若年労働者の構造的な人手不足など忘れ去られて、外国人の受け入れがポジティブに語られることなどなくなるでしょうが、客観的に見れば、受け入れざるを得ない状態は変わりません。冷静な議論を促すためにも、日本語学校の復権を期待します。
2021年4月12日読了時間: 1分


vol-801:ベトナム人の存在感が良くも悪くも一挙に増大
ベトナム人の存在感が増しています。2020年末の在留外国人数で、ベトナム人は44.8万人(前年比+8.8%)となり、過去最高を更新。上位10か国のうち人数が増加したのはベトナムだけです。在留ベトナム人の構成比は 15.5%で、中国の77.8万人(構成比27.0%)に次いで2位となり、長らく2位を堅持していた韓国(42.7万人・構成比14.8%)を抜き去りました。在留ベトナム人数は、2008年末の4.1万から11倍以上に増加しています。 在留資格別では、最多の「技能実習(20.9 万人)」が▲4.5%となり、「留学(6.6 万人)」も▲17.2%と減っているものの、「技人国(6.1万人)が+18.3%と増えているだけでなく、「特定活動(4.1万人)」が爆増(同6.5倍)。「家族滞在(2.6万人・+20.1%)」「永住者(1.8万人・+7.5%)」「定住者(0.6万人・+1.6%)」「日本人の配偶者等(0.5万人・+8.3%)」も軒並み増です。 その一方、ベトナム人の犯罪も目立ってきています。2021年元旦における不法残留者数では、ベトナム人が1.6
2021年4月7日読了時間: 1分


vol-800:留学生の受入学校が「禁じ手」を使いまくる
留学生受入学校の一部が「禁じ手」を使い始めたようです。今年4月に入学する予定の留学生が来日しなくなったため、背に腹は替えられないということなのでしょう。出席率や成績にイチャモンを付けて卒業させずに留年させたり、就職が決まっていない卒業生(自校および他校)に対し、「試験免除・入学金後払い(あるいは免除)・学費は月払い」という甘言を囁いて、「留学」というビザで在留できる扱いを斡旋しているという噂が流れています。 昨春に続いて、今春も新入生ゼロでは、学校経営が成り立ちません。従来は、手に入れた「定員枠」を守りつつ、「留学ビザの枠」を確保するために、無理矢理にでも卒業させていたのが、今年は入学生がいない分「定員枠」が余っているから、卒業させない(あるいは、ビザがほしい外国人を囲い込む)ことによって、多少なりとも入金を維持したいという気持ちは重々わかります。 しかし、「教育」という本分や枠組を離れて、学校の都合で「ビザ」を販売するようになると、単なる「ビザ屋」に堕落してしまいます。「偽装留学生」と批判するマスコミたちの餌食になってしまいかねません。熟慮が必
2021年4月5日読了時間: 1分


vol-799:日本人の配偶者だと在留資格は認められない?
2021年3月17日、札幌地裁において、法律上同性のカップルに婚姻が認められないことは、法の下の平等を定める「憲法14条に違反する」という判決が下されました。同月25日、性的指向や性自認に関する差別を禁止する「LGBT平等法」の制定を求める団体が、与野党に10万筆の署名と要望書を提出するなど、日本でも同性婚を求める動きが活発化しています。 同性婚を認める世界的な潮流の中で、同性婚制度を導入した国で結婚した外国人同士の同性カップルの一方が、転勤などで日本で暮らす際に、入管は、2013 年から配偶者に対して、在留資格「特定活動」を与え入国を認めています。2020年までの間、93件のカップルの日本居住を可能にしてきました。 ただし、日本人と外国人の同性婚の場合、日本国内で同性婚が認められていないため、日本人が外国人を連れて帰国したくても、「特定活動」は認められていません。一般的に「日本人配偶者」という在留資格は、日本人と同等でオールマイティなのですが、同性婚の場合、「日本人配偶者」という地位が逆にデメリットになってしまいます。この不整合性は、今後折に触
2021年3月31日読了時間: 1分


vol-798:外資に関する土地の買収規制は成立するのか?
2021年3月26日、日本政府は、安全保障上で重要な土地の取引を調査・規制する法案を閣議決定しました。自衛隊施設の周辺や離島の土地を取得する場合、氏名や国籍、利用目的を事前に届け出るよう義務付けることになります。懲役2年以下もしくは罰金200万円以下という罰則も科すことのできる法案なので、過度な私権制限を防ぐため、規制は「必要な最小限度」とし、2022年4月からの運用を目指し、今国会での成立を企図しています。 韓国による竹島の不法占拠が続き、中国による尖閣諸島の威嚇が高まる中、長崎県対馬市で韓国系企業が海上自衛隊施設の隣接地を買収したり、中国資本が航空自衛隊千歳基地に近い苫小牧市内の森林を買い取ったことが問題視されています。こうした環境に鑑みれば、当然の立法内容と思われます。 ただし、この法案の背後に潜む「排外的な世論」には留意が必要です。緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルスの変異株のリスクが殊更に強調され、外国人の入国規制は当分の間続く可能性大。今後、中高齢社員の失業問題が浮上して来れば、入国禁止の解除はさらに遠のくでしょう。
2021年3月29日読了時間: 1分


vol-797:日本語学校の苦境はまだまだ続きます
福岡市内のある日本語学校では、非常勤講師の契約が直接雇用から業務委託に変更されました。「感染症対応休業支援金・給付金」の対象外となった当該講師は、休業手当の支払義務を逃れるためではないかと主張しています。 客観的に見れば、「4 月に遡って業務委託へ変更する」というのはいかがなものかと思いますが、昨春から新規の留学生をほとんど受け入れることができていない日本語学校を経営する側からすれば、時間の経過とともに資金が流出していくだけで、破綻に向かってまっしぐら。厳しい台所事情に鑑みれば、なりふりなんか構っていられないという状況なのでしょう。 緊急事態宣言は解除されたものの、外国人の入国禁止措置の解除はお預けになったため、新規留学生は、「特段の事由」という裏口入国にしか頼れません。しかも、1日2,000人という上限が決まっている中で、オリンピック関係者やプロアスリートなどが埋めきれなかった枠を奪い合う構図になります。官房長官によれば、留学生も認められる方向とは言え、すべての外国人受け入れ学校に平等に割り振られるわけでもありますまい。苦境は続きます
2021年3月26日読了時間: 1分
bottom of page
