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vol-399:「特定技能」が普及すると悪徳弁護士が大活躍する
2019年3月29日、技能実習生の失踪や死亡について調査していた法務省のプロジェクトチームは、失踪者5218人のうち721人に、実習先による不正行為の疑いがあったとの報告書を公表しました。最低賃金割れや不当な残業、外出制限などの扱いを受けていたようです。確かに、技能実習制度を利用していた企業の一部に、極めて悪質な雇用主がいたことは事実です。 しかしながら、今回導入する「特定技能」の雇用主が全員「性悪」であると決め付けて、本来「技能実習」に適用した上で、実務上の効果を検証すべきなのに、いきなり「特定技能」に押し付けたことは、愚策だと思われます。 マスコミにおける「典型的な報道」では、「企業性悪説・外国人性善説」に依拠して、「①悪い企業がいる ➡ ②外国人が搾取される ➡ ③正義の味方である弁護士が外国人を助ける」というストーリーが垂れ流されるわけですが、これから「実際に起こる現実」は、「①外国人が自分を正当化して嘘をつく ➡ ②悪徳弁護士と組む ➡ ③善良な企業が恐喝される」という可能性も否定できません。実態を踏まえた適切な省令に再整備することを望
2019年5月7日読了時間: 1分


vol-397:鳥貴族は280円から298円に値上げして苦境に陥る
焼き鳥チェーン大手の鳥貴族は、「全品均一価格」で急成長してきましたが、2014 年の上場以来、初の赤字決算に転落する模様です。2017年10月に、人件費や食材の仕入れ価格の高騰を理由に、全品280円均一から298円均一への値上げに踏み切ったのですが、4カ月後の2018年1月から客数減が顕著になり、値上げが一巡した後もズルズルと縮減しています。既存店売上高は、2019年1月時点で13カ月連続の前年割れになりました。 値上げを機に客離れが起き、客数が減少して、収益力がガタ落ち。値上げが一巡した2018年10月以降は、客単価も2~3%の減少が続いています。値上げによる客単価押し上げ効果は 2~3%程度でしたから、要するに、お客さまは値上げに納得せず、客単価を以前の水準に戻してしまったわけです。 マーケットを無視して値上げすれば失敗するという好例です。「物価が上がれば景気は良くなる」とか「賃金を上げるために値上げすればよい」などと説くお気楽なエコノミストは、未だに数多くいますが、マーケットを無視して値上げするのは自殺行為。そんな基本すらわからない輩が多す
2019年4月25日読了時間: 1分


vol-396:不法移民を助けることは犯罪なのか否か?
2018年12月、イタリアで、人道的理由による難民の滞在許可を廃止する法律が制定されました。戦争や政治的迫害以外の理由による難民に対して居住許可や身分証明書の発行ができなくなり、多くの難民が不法滞在状態に陥ることになります。この法律に対して、「憲法に謳われている人権を侵害する」と主張して、パレルモ市長が反旗を翻します。ナポリ市長やパルマ市長も同調して、滞在許可を発行し続けます。政府高官は、「不法移民を助けるものはイタリアを憎んでいる」と述べ、法的手段に訴える方針を表明。市長たちは受けて立つ構えです。イタリアでは、2018年秋、リアーチェ村長が、類似の事件で強権的に排斥されており、今後の展開が注目されます。 不法移民を助けることは犯罪か否かという問いは、万国共通の難問です。米国では、国境付近の自然保護区に無断で入り、不法入国者のために水と食料を置いて立ち去ったボランティアが有罪になりました。一方、フランスでは、移民を不法入国させる手助けを行い、廃駅にかくまった人の有罪判決が破棄されました。日本では明確に争われたことはないようですが、果たして?
2019年4月24日読了時間: 1分


vol-395:資生堂の工場は Made by Japanese なのか?
2019年2月、資生堂は、福岡県における新工場設立を発表。ライオンは香川県で(52年ぶり)、ユニ・チャームは福岡県で(26年ぶり)、日清食品は滋賀県で(22年ぶり)、各々新工場を稼働する予定です。このように大企業の一部で製造拠点を国内に回帰させていることを以て、「Made in Japan」というブランド価値が復興しているというノスタルジックな記事が散見されるようになりました。日本の「匠の精神」が再評価されているというのです。 しかし内実を覗くと、「Made in Japan」であっても、「Made by Japanese」でない場合も。苛酷な環境の中で就労する技能実習生に支えられている現場も少なくありません。冷凍食品や缶詰を手掛けるマルハニチロでは、技能実習生 229 人が工場の製造ライン等で働いており、繊維大手の東洋紡の富山工場では作業員の1割が技能実習生。このような状況下で、不適切な検査や管理データの改竄などが報じられるのですから心許ない限り。ワコールは委託先調査を実施しましたが、資生堂の工場において、技能実習生・偽装請負・外国人派遣が活用
2019年4月23日読了時間: 1分


vol-393:イチローはアメリカで『外国人』だった?
2019年3月21日、イチロー選手が引退を発表しました。会見で「アメリカでは僕は外国人ですから。このことは外国人になったことで人の心を慮ったり、痛みが分かったり、今までなかった自分が現れたんですよね。体験しないと、自分の中からは生まれないので、孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだよと今は思います」と語ったことが話題となり、SNSでは、「人生に一回はマイノリティーの立場を経験してみるのが良い」など支持する投稿が相次ぎました。 異国に行けば、日本人は「外国人」です。移民問題を議論する際には、「異国で自分がどのように扱われたいのか?」という視点が欠かせません。そういう見識を身に付けていないと、移民に断固反対しておきながら、「もし日本が戦争になれば、私は家族を国外に逃がしたい。日本が崩壊すれば、子供達はそのまま外国で暮らせばいい」などという身勝手な論理を振り回す評論家や、韓国人について「属国根性のひきょうな民族。断交、無視が一番」「反日教育を受けているんだから、そもそも日本へくる必要ない」などとツイー
2019年4月19日読了時間: 1分


vol-390:移民の受入が摩擦を産み出す現実を直視すべき
2019年3月15日、ニュージーランドで死者50人を出す銃乱射事件が起きました。イスラム教徒を狙った白人至上主義者は、侵略者である移民から逃れられる場所は残されていないことを世界に知らしめると語りました。 人口 474 万人のニュージーランドは毎年6万~7万人の移民を受け入れており、欧州系住民が早晩7割を切ると見られています。先住民のマオリと共生する努力を続けてきた歴史もあり、少数派に寛容な社会として知られてきました。1893 年に世界で初めて女性参政権を実現させ、女性首相を何人も輩出しているほか、2013 年に同性婚法を成立させるなど、リベラルなお国柄です。イスラム教徒は増えているものの、全体の 1%程度にすぎません。 隣国のオーストラリア人が犯人だったとはいえ、先進的な受け入れ国であっても、このような事件が起こるという現実は直視すべきです。移民の受け入れが社会との摩擦を産み出すことは事実であり、目を背ければ、こうした凄惨な事件の萌芽を促進しかねません。為政者であれば、「移民か否か」という空疎な激論は終わりにして、摩擦に屈しない社会の築き方を示
2019年4月16日読了時間: 1分


vol-388:在留外国人の貢献に素直に感謝することから始める
改正入管法を巡る2018年秋の臨時国会は、最悪の凡戦でした。移民なのに「移民ではない」と言い張る与党が「筋金入りの嘘つき」ならば、ヒドイ事例ばかりあげつらって揚げ足取りに専念する野党は「批判ばかりの毒舌家」。「ウソつき」と「毒舌家」の争いに呆れ果てたというのが経営者たちの本音だと思います。どのような主張を展開するにせよ、議論の土台は、現実を素直に直視すること。よく言われるコンビニだけでなく、私たちの生活は、農業、漁業、工場などのあらゆる分野で外国人に支えてもらっています。「技能実習は悪質だ」とか「偽装留学は廃止すべきだ」などと批判する前に、在留外国人の貢献に対して素直に感謝することからスタートすべきです。 そういう議論になっていたら、移民であるか否かにかかわらず、在留している外国人に対するケアや基本的人権の保護が必要だという至極当たり前のことに合意できたはず。本来、野党は、揚げ足取りではなく、共生を前提とする外国人労働法や外国人基本法の制定を与党に突き付けて、国自らの関与やインフラ整備を要求すべきでした。今からでも決して遅くはありません。
2019年4月12日読了時間: 1分


vol-385:日本人に外国人を受け入れる心の準備はあるのか?
コンビニの外国人店員の拙い日本語が話のネタになっています。タレントの中居正広が冠番組で、「『お釣り千円で』って言ったら、『ずりせんですか? ちょっとすいません。店長さん、店長さん。ずりせん。ずりせん。なんですか?』って言ってた」と発言したことが「差別」とされ、話題になりました。 一方、ある芸人が、新宿のファミリーマートで、「特定のお客様から人種差別と言わざるを得ない発言がありました。今後このようなことがあれば、差別として強力に抗議いたします。またそのような方の来店は拒絶いたします」と書いた貼り紙をSNSにアップしたら、「バイトテロしてる日本人より頑張って仕事してる外国人を応援したい」「近くのコンビニで、外国人店員にいちいちイントネーションを指摘するおじさんがいる。本当に腹立つ」などと大反響。おそらく類似の事件が至る所で起きているのでしょう。 書店に行けば、ヘイト本が並び、ベストセラーにも外国人排斥を高らかに主張する書籍がランクインしています。入管法改正で受け入れる外国人は増えるのでしょうが、外国人を受け入れる心の準備はできているのでしょうか。
2019年4月9日読了時間: 1分


vol-384:行政書士でも「特定技能」はわかりにくい
「特定技能」に関して、「行政書士でも分からない」という声が出ています。法務省や担当官庁の説明会に参加しても、「詳細があやふや」「詳しい内容が分からない」などの不満が募るばかりで、ほとんどの関係者が「特定技能」を理解しきれていない状況であると言っても過言ではありません。 「特定技能」を理解することの難しさは、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」を一読するだけでもわかります。参照条文が多く、禁止事項が山盛りになっているだけでなく、「支援に要する費用について直接又は間接に負担させない」「十分に理解することができる」「責めに帰すべき事由」など解釈に幅のある表現が少なくないからです。 同省令の第3条第2項は、企業に対して、「外国人が十分に理解することができる言語」で「一号特定技能外国人支援計画」を作成することを義務付けています。その定めが正義だと言うのなら、同様に法務省に対して、「一般の経営者や雇用主が十分に理解することができる言語」で「特定技能の関連法令」を作成することを義務付けるべきではないでしょうか。
2019年4月8日読了時間: 1分


vol-381:人口減少に伴う苦痛と外国人受入れに伴う苦悩
外国人労働者の受入増に反対する論者が反撃の機会を窺っています。「 社会が分断化される」「日本社会が壊れる」「日本人の美徳が損なわれる」「日本文明が死ぬ」など、言葉も激しさを増してきました。 もちろん、外国人を受け入れることによって、無視できない摩擦は生じます。軽視できない問題も数多く発生するでしょう。悲惨な事件が起こるかもしれません。しかし、だからと言って、「外国人は受け入れるべきでない」と決め付けるのは短絡的です。それは、「人員削減につながるからIT化には反対だ」「交通事故が起こるから、自動車は全面禁止にすべき」「殺人に使われたから、包丁の購入は許可制にする」などという主張に近いものがあります。 あらゆる政策には副作用が伴います。これは選択問題です。「人口減少で縮小する経済の中での耐え難い苦痛」と「外国人を受け入れることによる解決し難い苦悩」のどちらを選ぶのか。片方だけを指摘して痛罵したところで何も解決できません。苦痛と苦悩を秤にかけて選ぶ必要があります。現実問題として、「耐え難い苦痛」に耐えられる日本人はほとんどいないと思います。
2019年4月3日読了時間: 1分


vol-380:インチキの王道「翻訳・通訳」で虚偽申請する!
3月12日、フィリピン人の在留資格を虚偽申請したとして、神奈川県の行政書士が入管法違反(虚偽申請)で逮捕されました。昨年2月から50~100件の虚偽申請に関わり、計約300万円の報酬を受け取ったようです。約100人の留学生の在留資格を不正変更し、倉庫やレストランなどで単純労働をさせたとして摘発された人材派遣会社の事件から芋蔓式の逮捕です。 虚偽申請の手口は、王道の「翻訳・通訳パターン」。勤務先において「翻訳・通訳」の実態が皆無だったため、虚偽が立証されました。在留資格の申請では、①書かなければならないこと、②書いても良いが、叙述内容と実務対応を吟味すべきこと、③絶対に書いてはいけないこと、を峻別した上で、申請書類を作成し、虚偽でないことを立証する備えを構築する必要があります。 とはいえ、「翻訳・通訳」という虚偽申請の王道は、製造業派遣や偽装請負において幅広く定着している手法です。関東圏にあるコンビニの食品工場や自動車関連工場等でも、もっと大手の派遣会社や請負会社が大規模オペレーションを運営しているのに、そちらの大物には一向にメスが入りません。
2019年4月2日読了時間: 1分


vol-379:卒業した留学生はアルバイトすることができません
2019年2月26日、入国管理法違反(資格外活動)の疑いで、契約社員のベトナム男性(22)が逮捕されました。昨年10月以降、佐賀県鳥栖市内の飲食店で契約社員で働き、在留資格に属していない報酬を受ける活動を行ったという容疑です。男性は「留学」の在留資格を持っていましたが、2018年9月に福岡市の専門学校を退学になっていたため、「資格外活動」であるアルバイトに従事する権利を失ったのに、アルバイトをしていたというものです。 留学生のアルバイトは、本来の在留資格を維持していることが前提で許可されるものですから、「留学」という「主たる活動」を行っていることが条件です。したがって、退学した場合、あるいは、卒業した場合には、仮に「留学」の在留期間が残っていたとしても在留カードの裏面に、「資格外活動許可」の印字があっても、アルバイトをさせることはできません。貴社において、卒業生がアルバイトで働いていないか確認することをお勧めします。 2019年4月1日からは、新組織である「出入国在留管理庁」が始動します。摘発しやすい不法就労でイジメられないように十分に留意しまし
2019年4月1日読了時間: 1分


vol-378:健康保険を適用するのは日本居住の扶養家族だけ
厚生労働省は、外国人労働者の受け入れが拡大することに伴い、健康保険から給付を受けられる扶養家族について、日本国内に居住していることを原則とする方針を明らかにしました。現行制度では、外国人労働者の扶養家族が日本に生活の拠点がなくても健康保険から給付を受けられましたが、自由民主党内で「医療費が膨張する」「保険にただ乗りされる」との懸念が表明されたため、国内居住を要件に加えた上で、市町村が、加入者の資格の取得や失効について企業や語学学校に確認できるようにする方針です。 この問題に関しては、市区町村が2018年1月から窓口で確認する態勢に移行しましたが、2018年5月末時点までに入管への通報件数は2件にすぎず、身分を偽る不正は確認できませんでした。また、2018年4月時点の外国人の国保加入者は、全加入者の3.4%(99万人)である一方で、彼らが国内で使った医療費は0.99%(961億円)にすぎません。海外での療養費においては34.7%を占めるものの、金額は1.7億円に過ぎず、年々減少しています。 今回の措置が間違っているとは思いませんが、データの裏付けな
2019年3月29日読了時間: 1分


vol-377:賃上げ率5%を超える生産性の向上は実現しない
愚かな経済政策は、経営者に過度な負担をかけ、死に至らしめます。直近で言えば、「働き方改革」とか「最低賃金の毎年引き上げ」ということになるのだと思います。経済と経営のメカニズムを熟知しない素人たちが、万人受けを狙って、「残業時間を減らして、時給を上げれば、生産性が向上して、経済は良くなる」という宗教を流行らせて、法律まで作ってしまいました。 その結果はと言えば、大企業の「働き方改革」を実現させるために下請企業で残業が増え、1人で対応していた仕事に2人貼り付けて生産性が下がり、部下を定時で帰らせて独りで残務を仕上げる管理職が苦しみ、仕事に燃えて残業したい若手を無理やり帰らせてしまうという喜劇を演出。 最低賃金を引き上げれば経済は良くなるという宗教を唱えるエコノミストは、韓国がそれで失敗したことを知ると、「韓国は賃上げ速度が速すぎた」と弁解。生産性の向上を上回る賃上げは経済にマイナスであることがはっきりしたのに、「日本は毎年5%賃上げすべき」と断言。日本の生産性向上が年5%を超えていたことなど、高度成長期の一時期しかないのですが・・・。
2019年3月28日読了時間: 1分


vol-374:やはり派遣先の自動車部品製造会社は無罪放免
3月9日、不法残留していたベトナム人男性4人を自動車部品製造会社に派遣していた業者が、入管法違反(不法就労助長)容疑で逮捕されました。またしても製造業派遣です。派遣業者は、「働く資格があると思っていた」として容疑を否認していますが、知りながら派遣したのか、在留カードを確認しなかったのか、偽造在留カードで騙されたのか、がポイントになります。 問題は、派遣先の自動車部品製造会社です。リスクが自分に降りかからないように、在留カードはわざと確認していないでしょうし、事情聴取しても「派遣会社に任せていた。不法残留とは知らなかった」とシラを切るのでしょうが、入国管理法第73条の2は、「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者」は不法就労助長罪に該当することを定めていますし、「知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない」と明記しています。昨年、北海道では、派遣先の建設業者が逮捕されました。 「派遣先なら大丈夫」「技能実習なら指導どまり」と高を括って、白昼堂々大手を振って、法令違反を行う大企業を放っておいてよいのでしょうか?
2019年3月25日読了時間: 1分


vol-373:具体的な対案がない「移民禅問答」に生産性はない
改正入管法について、安倍首相が「いわゆる移民政策ではない」と言い張ることについて、2018年秋から、マスコミや識者は、国連やOECDの定義を掲げて散々批判を繰り返し、「移民か否か」に関する自説を数多く垂れ流してきました。「いわゆる移民政策」という表現自体、定義が曖昧であり、明確な定義を示さないことによって、都合よくその場その場で解釈して逃げおおす「官僚答弁」の典型的な手法。安倍首相の論理に無理があることは明白です。 未だに、この「移民禅問答」にこだわる論評も散見されますが、気になるのは、改正入管法や政省令を吟味すれば、住宅確保、十分な理解、教育訓練、健康把握、一時帰国、帰国旅費、苦情・相談、行方不明、転職支援、検査範囲など実務的には問題山積なのに、マスコミや識者と自称する方々が、法制度に関する具体的な批判を一向に展開しないことです。要するに、「移民か否か」という誰でも簡単に論評できる議論には参加するけれど、法令を読み込んだ上で、入管が回答に窮するほどの追及をするつもりははないということなのでしょうか。底の浅い評論など何の役にも立たないのです。
2019年3月22日読了時間: 1分


vol-372:介護ビジネスの民間努力はコストカットに向かう
「2025年問題」と呼ばれる難問があります。2025年は人口の多い「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になる年。後期高齢者が増えれば、それに比例して要介護者も増えます。各地方公共団体も人材確保に動き始めました。 介護事業者の人手不足は本当に深刻。特別養護老人ホームは、割安なので入所希望者が多いのですが、所定の職員数が確保できないため、受け入れられないというケースが頻発しています。全産業の平均月給が 304,300 円なのに、訪問介護員の平均月給は198,486円であり、経済評論家は「人が集まらないのであれば、賃金を上げるべき」と 断言し、経営者を厳しく批判します。 しかし、日本における介護ビジネスは、「介護保険」という枠組の中で成り立つ半官営事業。国が商品の中身と価格を決めている以上、民間企業としての知恵の絞りどころはコストカットのみ。本当に賃金を上げさせたいのであれば、介護保険料を引き上げるとか、保険料の支払年齢を40歳から30歳に引き下げるという措置を講じるしかありません。そういう点に触れないで、すべて民間企業の責任に擦り付けるというのは卑
2019年3月21日読了時間: 1分


vol-371:「特定技能」には「逆差別」の罠が組み込まれている
「特定技能」の外国人を雇う気満々の経営者も少なくないと思います。でも、「日本人と同じように扱えばいいだろう」と思っていませんか? マクリーン事件の最高裁判決(1978年)においても、「憲法による基本的人権の保障は、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきである」と判示されていますから、憲法上は「日本人同等でよい」ような気がします。 じつはその考え方、「特定技能」については大間違い。というのは、今回の入管法改正で、「アファーマティブ・アクション(外国人の不利な現状を是正するための改善措置)」が埋め込まれたからです。例えば、住居に関して会社が保証人になるとか、雇用契約が終了する際には転職支援するとか、一時帰国を希望した場合に有給休暇を取得させるなど、一般に日本人社員には認められていない措置が法定されています。有体に言うと「逆差別」です。 実際に制度が始まると、この「逆差別」に関して、様々なトラブルが発生します。早々に「内国民待遇」の大原則(日本人と同等に扱えばよい)を打ち立てないと、手ひどい混乱を招くのではないでしょうか。
2019年3月20日読了時間: 1分


vol-370:なぜ行政書士は登録支援機関の申請取次を恐れるのか?
とある行政書士会によれば、法務省は、入管への申請取次を登録支援機関に認める方針のようです。現在でも、企業や学校には、外国人社員や留学生に係る申請取次を認めているので、「登録支援機関には認められない」という理屈は見出し難く、そもそも行政書士の資格試験に入管法が入っていない以上、「行政書士は入管法の専門家だ」と主張するのも気が引けます。現実問題として、入管法に詳しくない申請取次行政書士が多数存在していることも事実ですし、東京行政書士会は、少数の仲間内で既得権益を独占するために、我流の解釈を振り回してきた張本人ですから、「高度な出入国管理及び難民認定法に精通する法的素養」などと主張するのは片腹痛い限りです。 入管法に関する最近の摘発事例や判例を会員に解説したり、実務上の留意点を研修することすらせず、試験に合格したばかりで顧客開拓に苦しんでいる行政書士を助けることもしないくせに、バカ高い登録費用を取り、毎月会費を徴収するのが行政書士会。要するに、「熾烈な価格競争」が嫌なだけ。本当に「高度な法的素養」の持ち主であれば、恐れることなどないのでは?
2019年3月19日読了時間: 1分


vol-369:「セクハラされた」と言い張る特定技能外国人は危ない
「特定技能」には、実務上の問題が数多くあります。例えば、受入企業には、「相談又は苦情の申出を受けたときは,遅滞なく,当該相談又は苦情に適切に応じるとともに,当該外国人への助言,指導その他の必要な措置を講ずること」が求められているのですが、法務省は、「当該機関の責めに帰すべき事由に該当する事由としては、例えば、賃金を支払わなかったり、相談、苦情に適切に対応しなかったことなどの理由で特定技能外国人が行方不明となる事態を発生させた場合を想定しています」と国会答弁。 「1年以内又はその締結の日以後に,当該機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていない」という条件が定められているので、「私はセクハラされた」という苦情を受けた後に失踪されてしまうと、1年間雇えなくなる懸念が生じます。いかに否定しても、外国人が「セクハラされた」と言い張れば不利になり得ます。マスコミは、「局部を露出して歩き回った」などの主張は取り上げますが、「お父さんと呼ばれて親しまれていた」などという証言は報じません。苦情対策は万全を期す必要があります。
2019年3月18日読了時間: 1分
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