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vol-458:働かせ続けるために技能実習生の失踪を装う?
6月1日から、「不法就労外国人対策キャンペーン月間」が始まり、当局が摘発を強化し、逮捕事例をマスコミに垂れ流していることもあって、不法就労助長罪に関するニュースが毎日のように報道されています。 6月7日には、就労資格のない外国人を働かせていたとして、テリー伊藤の実兄(卵焼き専門店「丸武」の経営者)が入管法違反(不法就労助長)容疑で書類送検されました。オーバースティの中国人2人を就労させていたようです。マスコミは大きく取り上げましたが、単純な不法就労助長罪です。 これに対して、マスコミの扱いは小さいものの、より興味深いのは、6月5日、建設会社「コウケン」の社長が、オーバースティのカンボジア人2人を建設現場で働かせたとして逮捕された事件です。同社は2人を技能実習生として受け入れた上で、在留期限の数カ月前に警察に行方不明届を提出していました。つまり、仕事に慣れ親しんだ技能実習生に、帰国義務がある在留期限後も続けて働いてもらいたかったので、失踪を装って、働かせ続けていたわけです。本来なら、「特定技能」に在留資格変更すべきケースでした。
2019年7月30日読了時間: 1分


vol-457:保育介護ビジネス名古屋専門学校の定員は上限なし
6月6日、東京福祉大学系列の「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」において、定員を大幅に超える留学生を受け入れているという疑いが浮上し、愛知県が立入調査を実施しました。留学生が対象の「国際教養学科(定員240人)」には約2100人(定員の約9倍)、「国際ビジネス情報学科(同80人)」には約800人(同約10倍)を入学させたと報じられています。 東京福祉大学並みに批判の対象になっているのが日本語学校。「悪の権化」のように描写する記事が出回り、良心的な運営の日本語学校まで叩かれています。そんな中、日本語学校への締め付けが強まるのは自然な流れ。日本語試験の合格率が7割を3年連続で下回ったり、1年間の入学者の3割以上(現行:5 割以上)が不法残留した場合は、留学生受入が不可となります。 その中で、雇用主として留意すべき点は、1カ月の出席率が5割を下回った場合、アルバイト先の情報を入管に通報する仕組みができること。学校に通っていない(=主たる活動を行っていない)留学生は、資格外活動を行う権利を失うので、アルバイトは即時「不法就労」になり得ます。要注意です。
2019年7月29日読了時間: 1分


vol-456:不法就労に係る無実を証明するのは経営者自身である
6月3日、不法滞在のベトナム人を工場に派遣したとして、不法就労助長の疑いで逮捕された派遣会社の中国人社長は、入管捜査の協力者だったようです。昨年6月頃、雇用して派遣予定だったベトナム人が不法滞在ではないかと疑い、大阪入管に相談。入管の担当者から、「 適切な時期に一斉に摘発したい」と言われ、雇用を継続して摘発に協力するよう求められたため、雇い続けました。それなのに逮捕されたので、「不当逮捕だ」と主張しました。 結局、この社長は、6月5日の夜に釈放されました。入管が手を回してくれたのか、兵庫県警が送検した後、神戸地検が勾留を請求しなかったのです。入管は、「現時点での回答は難しい」としてノーコメントです。 それにしても、この社長は肝を冷やしたでしょう。協力者のはずなのに一転して容疑者として逮捕までされたのですから。ただ、社長を救ったのは入管ではありません。社長は、入管の担当者が「引き留めたり、協力してほしい」と話した音声データを保管していました。この音声データがなかったら、釈放されなかったかもしれません。常に無実の立証を心掛けたいものです。
2019年7月26日読了時間: 1分


vol-454:製造業派遣の大手業者も派遣先の大企業も野放し
6月3日、またもや「製造業派遣」で、派遣会社の社長が逮捕されました。兵庫県内にある携帯電話の部品製造工場に外国人7人を派遣した疑いです。技能実習生として来日したベトナム人を不法就労させたとして、入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されたのは、兵庫県尼崎市にある人材派遣会社「ワールドビジネスパートナー」の中国人社長。不法就労していたベトナム人らは、関東や九州の技能実習先から失踪した後、闇サイトを通じて同社にアクセスしたとみられています。同社が、「定住者」と記載された偽造在留カードを作成し、提供した上で、派遣したという疑いもあります。 そういえば、昨年6月4日も、自動車部品製造工場などに派遣していたベトナム人が偽造在留カードを持っていたとして、愛知県の人材派遣会社の社長が逮捕されました(結果は不起訴)。「定住者」や「永住者」などの在留カードを持っている外国人には、注意が必要です。それにしても、外国人の「製造業派遣」で逮捕されているのは、小物ばかりという感じが否めません。100人以上の単位で大々的に実施している大手は野放しのままなのでしょうか。
2019年7月24日読了時間: 1分


vol-452:入管は除染作業を事後的に資格外活動と判断する
東電は、福島第一原発の廃炉作業について、入管に確認した上で、「特定技能」は受入可と判断。実際、「従たる業務」で従事することを禁じる法令はありません。そこで、特定技能外国人を受け入れる方針を打ち出したところ、批判の矢面に。入管は、「そのような回答をしたことはない」と否定に転じ、「所管省庁が判断すること」と責任を回避。5月21日には、厚労省が、外国人労働者を廃炉作業に就かせることに慎重な対応をとるよう求める通達を発出したことを契機に、東電は、その翌日、受入凍結を公表しました。 駐日ベトナム大使が、入管に対して「原発でベトナム人労働者が働くことは、ベトナムの法令では違法になる」と伝えたという裏事情もあったようですが、東電が日系ブラジル人に対して除染作業の募集をかけた際に、ブラジル大使館からのクレームでストップがかかったという事件もありましたから、十分に予測できた事態です。今回、暴露されたのは、入管庁のリーダーシップのなさ。風向きが悪くなるとダンマリを決め込み、所管省庁に責任を丸投げするのでは、「司令塔的な役割」など果たせるわけがありません。
2019年7月22日読了時間: 1分


vol-451:不法就労の温床である外国人派遣は永遠に不滅?
5月31日、人材派遣会社の社長が、留学生や技能実習生7人を埼玉県入間市のケーキ工場などに派遣して、不法就労させたとして逮捕されました。今年3月、7人が工場から帰宅する際に、警官から職質を受けて不法就労が発覚し、逮捕されたことが切っ掛けだったと報じられていますが、留学生の不法就労が職質でバレたとすれば、「毎日8時間働いています」とか「学校には通っていません」と回答したということなのかもしれません。いずれにしても、職質リスクは大きく、不法就労は必ずバレると覚悟すべきです。 「製造業派遣」の摘発は今後も続くと思われますが、今回の事件でも、ケーキ工場の工場長や経営者は逮捕されていないようです。昨年、派遣先の建設会社の社長が逮捕されたものの、暴力団絡みだったこともあり、未だに派遣先の逮捕は例外扱いなのかもしれません。しかし、取引実態を見れば、強い立場にある派遣先が、不法就労という実態を黙認しながら、リスクのすべてを派遣会社におっ被せているケースがほとんど。派遣先が逮捕されるようにならなければ、不法就労の温床である「製造業派遣」はなくなりません。
2019年7月19日読了時間: 1分


vol-450:品質を考えない需要供給論で現実の問題は解けない
無責任な経済学者やエコノミストは、未だに「人手不足は賃上げすれば解決する」と主張していますが、経営の現場には、「量(労働量)」と「価格(賃金)」以外にも大事な変数があります。それは「質(サービスの品質)」です。 建設現場がわかりやすい事例です。建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2017年には498万人と3割弱も減少。恒常的な人手不足に見舞われています。レオパレス21のアパートでは屋根裏の界壁がないことで世間を賑わし、ダイワハウスでも約2000棟の施工不良問題が発覚しましたが、これらは特殊な例外ではありません。人手不足のため、1人の現場監督が2桁を超える現場を担当している中、工事に忘れや雑な個所が目立つようになり、工事の不具合や不手際が年中発生するようになっただけでなく、建設現場における死亡事故も増えています。業界関係者は、「最近2年間に建てられた物件は買うな」と身内には囁いています。 人手不足は質の低下・劣化を生み、将来のリスクを膨張させ、競争力を減殺していきます。単に「価格(賃金)」だけで解決する問題ではないのです。
2019年7月18日読了時間: 1分


vol-449:在留資格に関する新聞記事は鵜吞みにできない
5月30日、「N1ビザ(特定活動)」の告示が公布されました。新聞各紙は、「留学生の就職、宿泊・外食でも」「飲食業も可能に」「専門外の接客業OKに」など入管の振り付けのまま記事を書いています。「技術・人文知識・国際業務」でも許可されてきたのに、「これまでは宿泊や外食や小売では許可されなかった」という書き振りです。しかも、このビザで「数千人」が就労するという大本営発表を垂れ流す体たらく。N1の合格率は約30%ですから希望者が2万人いれば数千人になるはずという理屈ですが、「技術・人文知識・国際業務」を選ぶN1合格者もいるでしょうし、就労希望者(≠N1受験者)の合格率は10%に満たないので、大幅未達に終わることは必至です。 にもかかわらず、入管が受入人数を嵩上げするのは、「外国人を大勢受け入れるので、これ以上、在留資格を緩和する必要はありません」というアピールをしたいから。4000人の枠に対して4人しか来日しなかった「日系4世」が典型例。すでに「留学ビザ」は大幅に厳格化されました。大幅緩和をアピールする裏側で、入管審査の厳格化が秘かに進行しています。
2019年7月17日読了時間: 1分


vol-448:感情論に走る前に移民に関する実証研究を為すべき
「移民」に係る議論は感情論になりがち。異文化に対する懸念を煽る「攘夷派」と人道主義一辺倒の「開国派」は水と油ですから、交わりようがありません。経済上の得失を語るべきエコノミストも、極論どうしの論争に煽られて、イデオロギーに塗れた論調に陥りがちです。この点、「経済学」がどう論じているかというと、移民肯定派が大勢ですが、「移民は米国の GDP を増やすが、移民以外の米国人が得る利益は小さい」とか「第1世代と第3世代の移民は、コストが税収を上回る」という主張もあります。 ただ欧米では、「移民が米国人労働者と競うことで給与は下がらない」「移民が低学歴の先住労働者の賃金を下げることはない」「移民が増えたら、同性・同学歴グループの米国人の失業率が下がり、就労率が上昇した」「移民の増加は、1人当たりGDPの改善や失業率低下をもたらす」という実証研究が蓄積されています。また、「移民が犯罪を行う確率は米国出生者よりも低い」「移民が集中している地域は移民が少ない同等の地域に比べて犯罪率が低い」ことも知られています。日本でも実証研究が必要です。
2019年7月16日読了時間: 1分


vol-493:オーバーステイの外国人を自宅に住まわせると有罪?
7月12日、韓国人の男性と内縁関係にあった日本人の女性が、不法滞在を手助けした罪に問われた裁判で、東京高裁は第一審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。内縁の韓国人男性の在留資格が切れてから2年間、男性を自宅に住ませたことが、「滞在に不可欠な住居や職を提供し、幇助にあたる」として、地裁では罰金10万円の有罪判決とされたのですが、「同居していただけでは罪に問われない」として、逆転無罪を勝ち取ったのです。 「不法滞在者を支援することは犯罪か否か」という命題は、世界共通の難問です。フランスでは、密入国してくる移民たちを車で運んだり、宿や食事を提供して支援したりすることを「連帯の罪」と定め、最高5年の懲役または3 万ユーロの罰金を科してきました。しかし、その一方で憲法は、「博愛の原則」を定めています。そして、今般、フランスの憲法評議会は、「博愛の原則」に軍配を上げ、「連帯の罪」を失効させました。 とはいえ、他国では「連帯の罪」と「博愛の原則」がせめぎ合っている最中。日本では、「博愛の原則」がとりあえず1勝したというところでしょうか。
2019年7月12日読了時間: 1分


vol-446:在留外国人の健全な消費市場を発展させるべきである
日本は、2017年に観光収入の世界ランクでトップテン入りを果たしました。2013 年には 21 位でしたから大躍進と言ってよいでしょう。観光客数も、2010 年に第30位、2014年第22位だったのが、世界10位ということなので、経済政策としては大成功だったと言えます。 これに気を良くした日本政府は、2020 年に訪日外国人数 4000 万人、2030年6000万人を目指していますが、「オーバーツーリズム」や「観光公害」という指摘が急増している中で、永続的な右肩上がりを達成できるか疑問です。観光人気が高いアムステルダムでは、観光客を減らす計画を立て始めました。 観光収入の目標は8兆円(2020年)ですが、1人当たりの支出は1187ドル(2017 年)と伸び悩み。訪日外国人も大事ですが、在留している外国人はもっと重要。月15万円支出するだけで年180万円の消費です。在留外国人数(273万人)で単純計算すれば5兆円の市場規模。天災や外交で左右される観光客とは異なり、着実に伸びることが見込まれます。在留外国人で8兆円市場(月20万円×12ヶ月×335万
2019年7月11日読了時間: 1分


vol-444:韓国の真似をする日本は韓国類似の経済に変貌する
安倍政権は、地方の所得水準を引き上げて、「アベノミクス」の果実を全国に波及させるという名目で、最低賃金を全国平均で1000円に引き上げる方針です。山本太郎参議院議員が立ち上げた「れいわ新選組」は「最低賃金1500円」を掲げ、現場を知らない経済学者は「最低賃金2000円」を主張します。 自民党が弱い選挙区の最低賃金は低水準ですし、「全国一律1000円」を掲げる共産党のお株を奪う側面もあるので、政治的には正しいのですが、この政策は「物価を上げれば景気は良くなる」「労働時間を短縮すれば生産性は向上する」という二大邪教に続く、「最低賃金を上げれば生産性が上がる」という第三の邪教です。最低賃金の引き上げで失敗した韓国を無視しています。 この結果、地域企業や零細企業、個人事業主は、韓国のように苦境に追いやられていくでしょう。経済政策としては、時給が良い先に労働者が転職しやすい環境を整えるだけで十分なのに、時給1000円未満の先を窒息死させる愚かな政策は、後世の経済学者たちから、「韓国の真似をした日本は、韓国よりも愚かだった」と酷評されることでしょう。
2019年7月9日読了時間: 1分


vol-443:移民であることを否定しても移民問題は消えない
中川正春・衆議院議員が、2012年に内閣府特命大臣(共生社会)に就任した際に「移民基本法を作りたい」と発言したら抗議が殺到。その後、「外国人材」という言葉に言い換えたそうですが、それだけ「移民」という語感に反発する人が多かったということなのでしょう。しかし、その結果、「移民」という言葉はタブーとなり、日本政府は、実習生や日系人などの裏口で受け入れながら日本社会を維持してきました。完全な「二枚舌」です。 その結果、「そこにある不都合な現実」を、「移民を受け入れていないのだから、問題などあるはずがない」という建前でごまかし、為すべき改革を放置してきました。連綿とした日常業務の中で培われてきた「見て見ない振り文化」を一晩で刷新することは困難です。「出入国在留管理庁」という看板に掛け替えても、攘夷派筆頭の入管が共生派に生まれ変わるわけもありません。 外国人人口が220万人になる中、過半数が「移民」に賛意を示すなど、国民のほうが現実的なように見えます。政治家も言葉遊びを止めて、「移民基本法」や「外国人基本法」を制定する方向で議論すべきではないでしょうか。
2019年7月8日読了時間: 1分


vol-442:終身雇用は本当に崩壊してしまうのか?
経団連会長が「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」と口火を切ると、経済同友会代表幹事も「終身雇用は制度疲労を起こしている。もたない」と呼応し、トヨタ自動車の社長も「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しました。追い込まれたというべきなのかもしれませんが、ついに、日本の大企業が「終身雇用」の改革に乗り出します。「日本的経営」と呼ばれてきた雇用慣行は終焉を迎えます。 国境や業種を超えたグローバルな競争が厳しさを増す中、終身雇用だけでなく、年功序列型賃金、新卒一括採用、春闘など、日本的な雇用慣行を維持し続けることは困難。日本人が少なくなる穴を、異なる文化を持つ若い外国人社員が埋めていくことを展望すれば、「日本的経営」が瓦解するスピードは加速度を増していくと予想されます。終身雇用を前提とした長期間の OJTは機能しなくなり、「社員は短期間で辞める」という不都合な現実を踏まえた米国流のマネジメントを巧みに取り入れていくことが求められます。移行期の激痛は生半可ではありません。当分の間、日本企業におけるマネジメントは試行錯誤が続きます。
2019年7月5日読了時間: 1分


vol-440:特定技能の外国人には住居を確保する義務がある
ある監理団体が、来日直後の外国人実習生に1カ月間、日本語や生活習慣を教えるための研修施設(最大60人)を大阪府摂津市に建築することを計画しました。1500世帯が暮らすこの地区では反対運動が勃発。「住環境の破壊ダメ!絶対!」「子ども達の安全・安心を守れ」というのぼりが、住宅の軒先ではためき、「地区の真ん中に外人がどんと来られたら困る」「不法就労や犯罪に走る可能性がある」などと不安の声が渦巻きます。反対署名も1万筆近く集まりました。今も建設は見通せません。 特定技能外国人に関しては、住居の確保が企業に義務付けられました。しかし現実には、外国人の入居を嫌がる貸主は少なくなく、摂津市のような事例はどこでも起こり得ます。外国人に対するいじめや差別、ヘイトスピーチも沈静化しません。山下法務大臣は、「令和元年を『多文化共生元年』と位置づけて日本で生活する人が安心して暮らしていける社会の実現を力強く推進していきたい」とカッコいいことを言っていますが、出入国在留管理庁は、この手の問題に対して、高みの見物を決め込むだけです。
2019年7月3日読了時間: 1分


vol-439:年功型賃金の山はどんどんフラットになっていく
日本企業の給与が、欧米どころか、アジアより見劣りするようになりました。日本企業の場合、大卒の初任給は20万円台でボーナスを合わせて年収300万円前後が相場ですが、シンガポール企業であれば、初任給で年収600万円がオファーされることもあります。中国企業ファーウェイが、日本の新卒エンジニアに初任給 40 万円を提示したことも話題になりました。 日本の給与水準は、OECD 35カ国中18位。上位のルクセンブルクやスイスはもとより、米国、ドイツ、フランスに劣後。米国・ドイツ・中国(上海)・日本の4カ国で比較すると、上位の課長クラスでは最下位。部長クラスだと大きく引き離され、米国企業とは1000万円以上の差。2016年時点では、日本企業が上海企業を400万円ほど上回っていましたが、2018年に逆転されました。そもそもこの20年間で賃金が低迷し続けているのは日本だけです。 最低賃金のことばかり議論されていますが、若者に夢を与える初任給を提示できない最大の要因は、後払いを前提とした年功型賃金。これが、コスパの悪いオジサンたちを大量生産し、初任給の大幅な引き上げ
2019年7月2日読了時間: 1分


vol-437:「働くな改革」で日本経済はさらに没落する!
平成時代、日本の国際的地位は一貫して低下しました。GDPの規模で言えば、当初、中国は取るに足らない存在でしたが、2010年に日本に追いつき、今では2倍近い規模になりました。日本の1人あたりのGDPは米国より高く、生活も豊かでしたが、あっという間に逆転され、かなり差がつきました。 ところが、未だに日本人は「日本は経済大国であり、日本人は優れている」という思い込みから抜け出せていません。残業の上限規制を導入し、GWを10 連休にしました。「働き方改革」ならぬ「働くな改革」が進行中です。そんな余裕が日本にあるのでしょうか。ハードワーキングでない日本人が、欧米やアジアの天才たちと伍していけるのでしょうか。現状のままでは、日本と世界の差はさらに開いていくことになると思います。 「水面を優雅に浮かぶ白鳥も水面下では必死に足をもがいている」という喩えは、事実に反しているという説が有力ですが、ビジネスにおいて、「同じ場所に留まるためには一生懸命に走らなければならない」というのは事実。実態を踏まえない「働くな改革」の戯言に乗せられてはいけないと思います。
2019年6月28日読了時間: 1分


vol-435:建設キャリアアップシステムで残業代は計算できない
建設労働者にIDカードを保有させ、就労データを管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の運用が始まりました。外国人にはCCUSの加入が義務付けられましたが、CCUSは、外国人のためのものではありません。元々は、技能を「見える化」することによって、技能に応じた賃金を保障することを通じて、建設労働者全体の処遇を改善するための仕掛けでした。 処遇が改善されない原因の一つは、日給ベースで計算し、稼働日数によって月給が変動する「日給月給制」。「特定技能」の外国人は、日本人と同等以上で「月給制」が義務付けられているので、「特定技能」を突破口にして、日本人労働者の処遇を改善したいという国交省の深謀遠慮が窺えます。その一方、業界が猛反発したため、CCUSでは現場入場の有無はわかりますが、入退場の時刻が記録されないため、残業代が計算できない仕組みになっています。 マスコミでは、「可哀そうな外国人」の話ばかりが掲載されますが、その背後には「可哀そうな日本人」がいるのかもしれません。外国人の問題として語られることの多くは、じつは日本人の問題でもあるのです。
2019年6月26日読了時間: 1分


vol-434:横綱白鵬の帰化は認めるべきか否か?
「外国人を受け入れるか否か」という問いの裏側には、「日本人とは何か?」という難題が存在します。「外国人(=外国国籍)は受け入れない」という主張は、「日本人(=日本国籍)は受け入れる」ことを含意し、「日本人」と認定されたら、受け入れることになるからです。 この点で、テニスの大坂なおみ選手の「二重国籍」や白鵬の「帰化」は、重要な争点を提供します。国籍法は、「二重国籍」を認めず(ただし罰則なし)、①5年以上日本に住所を有する、②20歳以上、③素行が善良である、④生計を営む能力がある、⑤破壊行為に従事したことがない、という条件を満たした場合、「帰化」の対象になり得るとしていますから、実質的な審査基準はともかくとして、表面的には、それほどハードルは高くありません。 外国人受け入れに断固反対するのなら、「二重国籍不可」「帰化撤廃」という論理になるはず。その場合、大阪なおみ選手も白鵬も受け入れることはできません。「日本に貢献しているから可」とするのなら、他の貢献する外国人にも門戸を開くべきということになります。どちらを選ぶべきでしょうか。
2019年6月25日読了時間: 1分


vol-433:移民に寛容なカナダですら難民の再申請は認めない
難民や移民に寛容なことで知られるカナダが、自国以外の国で既に難民申請をした場合、カナダで再申請することを禁止する方針を固めました。米国で受け入れを拒否された難民申請者が国境を越えてカナダ国内に大量に流入していることが背景にあります。保留中の難民申請の数は20万件を超え、審理待ちに平均20カ月かかるのが現状。国境近くの自治体は、申請手続を待つ難民のために古いスタジアムや公民館を住宅施設として再利用していますが、この費用負担を巡って、政府との間に軋轢が発生。カナダのトルドー政権は、一貫して難民を歓迎する姿勢を示してきましたが、秋の総選挙を控えて、難民問題に対して強硬な姿勢に転じ始めたようです。 この改正により、カナダ国境の出入国審査官は、他国で既に難民申請を行った人々について、カナダでの再申請を却下できるようになります。米政府の情報収集活動を暴露した CIA の元職員を匿った難民や、家族からの虐待を訴えたサウジアラビア女性、兵役を拒否したシリア男性などを受け入れてきたカナダが反難民に転じるとは思いませんが、今後の動きは要チェックです。
2019年6月24日読了時間: 1分
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