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vol-1073:山下法務大臣は訓示で外国人政策に言及しなかった

9月30日
読了時間: 6分

更新日:10月13日

  • 9月18日、再び法務大臣に就任した山下貴司氏は、法務官僚に対して「訓示」を垂れた。美辞麗句をきらびやかにまとった無難な「訓示」だったが、高市総理からの11点の指示を羅列した部分を除き、外国人政策や入管行政に言及した部分は一切なかった。

  • オーバーステイにも、偽装難民についても、外国人派遣に対しても、踏み込んだ発言はなかった。

  • 極めて残念ながら、やはり、高市政権にはあまり期待できないのかもしれない。

  • 奈良の鹿は、きっと泣いているだろう。

  • 【訓示:令和8年9月18日(金)】

    この度、法務大臣を拝命いたしました山下貴司でございます。・・・(中略)・・・法務省は、国民に最も身近な民法や刑法をはじめ、各法令の基礎となる基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護などを任務としております。これらはいずれも国民生活の安全安心を守るための基盤となるものであり、我が国にとって極めて大切な任務であります。・・・(中略)・・・

    今般、高市総理大臣からは11点・・・(中略)・・・

    6、「関係大臣と協力して、一定の専門性、技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに、在留管理を徹底する。あわせて、文部科学大臣をはじめ関係大臣と協力して、外国人が日本語や我が国の制度等を学習するプログラムの創設に取り組む。観光立国に相応しい入国管理の実現を図るとともに、長期収容・送還忌避の課題解消及び難民に準じて庇護すべき者に対する適切な支援に取り組む。」。

    7、「外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣と協力して、不法滞在対策の強化、出入国の管理の徹底、外国人の受入れの基本的な在り方の検討等、共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。」。・・・(中略)・・・

    これらはいずれも国民生活の安全・安心を確保する上で重要な課題であり、私としても、これらの課題に着実に取り組んでまいりたいと考えております。

    これらの課題については、当然のことながら、私一人では対処することはできず、全国約5万5,000人の法務省職員の皆様と一致団結して取り組む必要があります。そうした取組に際して、私の考え方を4点申し上げたいと思います。


    1点目は、平口前法務大臣をはじめとする先人によって築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかりと引き継いでいくということでございます。私事ではありますが、私は法務省を一度離れた人間であります。そしてまた、同期で一緒に任官した仲間にも法務省を離れた人間がたくさんおります。また、先輩たちもたくさんおられます。そうした離れた経験を持つ身からすると、例えて言うなら、宇宙から見た地球が美しいように、法務省が持っている責務、職務が本当に国民のために、そして日本のために必要であるということ、かけがえのない仕事であること、それは本当にそういった経験から自覚しているところでございます。皆さんはまさに法務省を支える方々として、先人たちによって築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政をしっかりと引き継いでいただいておりますし、今後も引き継いでいただかなければならないと思っております。私も職員の皆様と議論しながら、国民の皆様に寄り添うとともに、国民目線で分かりやすく国民の胸に落ちる法務行政の実現に取り組んでいきたいと考えております。


    2点目は、法務省は霞が関の各省庁の中で特に人と向き合い、そして正義と向き合う省庁であるということであります。まず、人と向き合うという点においては、犯罪やいじめ、虐待、ヘイトスピーチ等の被害者や加害者、それらの御家族の皆様など、傷つかれた方々や社会的弱者に寄り添い、手を差し伸べていくことが法務省に期待されている役割であります。 そのためにも、そうした方々の声に真摯に耳を傾け、どのようなことができるか、自ら考え、寄り添い、そして手を差し伸べていく、そうした法務行政を心がけていきたいと思っております。そして先ほど申し上げたように、正義の省庁である、つまり法務省は Ministry of Justice であります。それは正義の省庁ということでもあります。正義を実現する、数ある省庁の中で正義、法の支配を実現する省庁としてかけがえのない存在であるということであります。そのような立場から、法務省は国民の生命、自由、財産をしっかりと守る基盤をつくる、そして守る省庁であり、こうしたものが失われたときには、正義・公正を取り戻す官庁であります。そのことに思いを致したとき、昨今の様々な法務省に寄せられる厳しい御批判、これは法の支配、法務省の信頼を揺るがしかねないものであること。これを私とともに自覚していただき、厳正に対応していただきたいと思っております。私が検事時代に先人から教わったのは、国民の胸に落ちる検察、国民を支える司法、国民のための検察ということを教えていただきました。これは法務行政全般にも、国民の胸に落ちる法務行政、国民を支える法務行政、国民のための法務行政、ということで通じる考え方だと考えております。これをぜひ皆さんと共有させていただきたいと思っております。

    また、私の担務として、男女共同参画、女性活躍、そして新たに加わった法制度検証・改革という担務がございます。法務行政を司る法務大臣として職責を全うする以上、これらの担務、これは内閣全般に関わるものではありますけれども、法務省に先頭に立って取り組んでいただきたいと考えております。

    最後に私の経験も踏まえて申し上げますと、今、皆様は様々な重要な任務をお持ちであります。様々な重要なポストを、役割を果たしてこられております。しかしながら、人生の中で皆様がそのポストにおられること、これは当たり前ですが、最後であります。同じポストを2度やることは人生においてありません。だとすれば、このポストで自分はこのようなことをやった、やり切った、そうした思い出に残る仕事をぜひやっていただきたいと思っております。一人ひとりがそのような思いで取り組んでいただければ、法務行政は必ず輝かしいものになると考えておりますし、私もこの一期一会の思いで、法務大臣としての職務に取り組んでいきたいと思います。

    時代の変化の中で、法務行政を取り巻く困難な課題は日々生起しております。そのことに取り組んでおられる皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。私は全国約5万5,000人の法務省職員の皆様に、お支えいただきながら、様々な課題にしっかりと取り組み、皆様と一緒にこの重い任務を果たしてまいりたいと思います。ぜひ一緒に、力を出していただきたいと思っております。以上をもちまして、私の訓示とさせていただきます。

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