top of page

vol-1085:入管の「30日」は厳格化ではなくイジメである!

10月9日
読了時間: 5分
  • かつて、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を申請した場合、審査においては、「申請人である外国人」 と 「雇用先の会社」 の内容と関係を総合判断して許可の可否が決まっていた。

  • かいつまんで言えば、審査のポイントは「①本人+②活動+③会社」に分類される。例えば、立派な会社であっても、採用する外国人の職歴・学歴・技術・能力・素行等に問題があれば、「技術・人文知識・国際業務」は認可されない【①本人】。また、優秀な外国人であっても、雇用先の事業内容について、安定性・継続性・収益性・外国人雇用の必要性等に著しい疑問点がある場合、「技術・人文知識・国際業務」 は認可されない【③会社】。

  • なお、申請人である外国人および雇用先の会社に問題がなくとも、「技術・人文知識・国際業務」 が許可されない場合がある。それは、職務内容(会社の事業内容や担当する仕事)が、申請人の専攻内容(学校での専攻、所属している学部・学科、在学中に勉強したこと)と合致していない場合である【②活動】。このため、「技術・人文知識・国際業務」を取得するためには、「どの会社に就職するか」 という点よりも、「どういう仕事をするのか」 という点が重要になる。

  • この審査の枠組み自体は変わっていないのだが、不許可の場合の対応が大きく異なっているのだ。

  • この点を正しく理解するには、「特定活動(出国準備・30日)」と「特定活動(出国準備・31日)」の違いを知っておく必要がある。

  • 入管法第20条第6項は、「在留資格の変更申請があつた場合(30日以下の在留期間を決定されている者から申請があつた場合を除く。)において、その申請の時に当該外国人が有する在留資格に伴う在留期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、当該外国人は、その在留期間の満了後も、当該処分がされる時又は従前の在留期間の満了の日から2月を経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き当該在留資格をもつて本邦に在留することができる。」と定めているから、不許可の後、「特定活動(出国準備・31日)」が付与された場合は、申請内容を再度検討して、再申請することができるだけでなく、再申請した場合には、在留期限から2ヶ月が経過するまでは「適法に在留を続ける」ことができる。要するに、不許可になったとしても、再申請することによって、日本での在留を継続できるという枠組みになっている。

  • これは、入管法第20条第1項(在留資格を有する外国人は、その者の有する在留資格の変更を受けることができる)や入管法第21条第1項(本邦に在留する外国人は、現に有する在留資格を変更することなく、在留期間の更新を受けることができる)が、在留外国人に対して在留資格を申請する権利を認めていることと対を為している。入管法第20条第6項は、在留外国人が申請する権利を守るための仕組みを定めているのだ。

  • ただし、この仕組みは「30日以下の在留期間を決定されている者から申請があつた場合を除く」から、「特定活動(出国準備・31日)」の場合にのみ適用される。逆に「特定活動(出国準備・30日)」の場合は、この「2ヶ月延びる」という仕組みは適用されないから、「出国準備期間」の「30日」が経過したら、オーバーステイの状態となり、退去強制手続の対象者となる。要するに、たった「1日」の違いなのだが、実質的に「31日」と「30日」は天国と地獄の差がある。

  • かつては、【①本人】に問題があった場合、不許可のときは「特定活動(出国準備・30日)」が付与されていた。本人事由で不許可の場合は、再申請しても、【①本人】の問題は解決していないので、不許可にせざるを得ない。逆に【②活動】や【③会社】の場合、異なる会社で内定を獲得して再申請すれば、不許可の時の【②活動】や【③会社】の事由は解決される。このため、不許可の時は「特定活動(出国準備・31日)」というのが慣行だった。

  • とはいえ、【②活動】や【③会社】の事由だからと言って、いつまでも再申請し続けることができるわけではない。再申請を審査した結果、前回の不許可と同じような事由による不許可となった場合、「不許可事由」を改善する意思がないとみなされて、「特定活動(出国準備・30日)」になる。実務的に言うと、再申請の2回目で不許可になった場合は「特定活動(出国準備・30日)」になるし、再申請の内容によっては、再申請の1回目で不許可になった場合も、「特定活動(出国準備・30日)」になるケースがある。

  • 要するに、【①本人】事由もしくは再申請の不許可(1~2回)の場合は、「特定活動(出国準備・30日)」になるが、それ以外は「特定活動(出国準備・31日)」が付与されて再申請が認められてきたというのが、長年続いた審査慣行だったのである。

  • ところが、最近、この慣行が大きく変わった。【②活動】や【③会社】の事由であるにもかかわらず、また、再申請ではないにもかかわらず、1回目の申請が不許可になったときに、いきなり「特定活動(出国準備・30日)」を乱発しているのだ。いわば、入管は、入管法第20条第1項や入管法第21条第1項が、在留外国人に対して在留資格を申請する権利を認めている条文に反した行政を行っている。在留外国人が申請する権利を守るための仕組みを定めている入管法第20条第6項の使命を踏みにじっているのだ。

  • いま、入管は、【②活動】【③会社】事由で不許可にした在留外国人に対して、「特定活動(出国準備・30日)」を乱発し、再申請の道を塞ごうとしている。「偽装難民」のような「不法移民」に対しては、何度でも再申請を認めているくせに、言うことを聞きそうな素直な「合法移民」に対しては、再申請を認めようとしない。

  • いま入管が実施していることは「厳格化」ではない。「合法移民」に対するイジメである。

  • そんな暇があるのなら、「不法移民」を摘発し収容し送還すべきである。

bottom of page