vol-1093:山下法務大臣は「やらずぼったくり」なのか?
10月6日、山下法務大臣は、在留資格の手数料引き上げに関する記者からの質問に答えて、「外国人の出入国在留の公正な管理に関する施策を確実に実施する、そして、更なる強化拡充を図るためには、やはり財源が必要である」と説明しました。
そうであれば、ここまで大幅に手数料を引き上げた以上、①在留資格審査は迅速化しなければならないし、②不許可の際の理由は詳細に説明しなければならないし、③偽装難民やオーバーステイなどの不法移民の摘発をどんどん行わなければなりません。だって、こんなに高い手数料を徴収するのですから。
そんなこと、果たして、山下法務大臣はできるんでしょうか? 本当に、入管の組織を率いて、やる気はあるんでしょうか? 結局、「やらずぼったくり」に終わるのではないですか?
だって、山下法務大臣は、企業の負担に関して、「在留審査に必要な書類の提出が一部不要になるなどの在留審査手続の合理化で、総体として企業の負担というものを減らしていきたい」とも語っていますが、こんなの単なるリップサービスでしょう。遅い審査結果を待ちきれずに、入管庁に電話をしようとする申請者に対して、処理状況を丁寧に説明するどころか、「電話を掛けてくるな!」と怒鳴りつけるのが入管という役所なのですから。
法務大臣閣議後記者会見の概要
【令和8年10月6日(火)】
(外国人政策に関する質疑について)
【記者】外国人政策についてお聞きします。在留資格の手数料の引上げによって、外国人を採用する一部の企業の負担が重くなります。特に中小企業にとっては、非常に厳しい状況になりかねません。政府はその側面をどう対応するつもりなのか、また、在留資格の更新の手数料も高くなるので、払えない個人か企業が出てくる可能性があります。結果的に不法滞在に繋がるリスクもあると考えるのですが、不法滞在対策の強化は、例えば、どういった措置をとるつもりなのか。
【大臣】まず、今回の在留許可手数料の額の引上げは、例えば、審査に要する人件費とか物件費とか、そういう実費が増えており、従前の額では対応できなかったという部分、そしてまた外国人の出入国在留の公正な管理に関する施策を確実に実施する、そして、更なる強化拡充を図るためには、やはり財源が必要であるということで、それを確保するためです。また手数料については、そのような実費がかなりかかっているという部分を踏まえるとともに、諸外国における同種の手数料の額を勘案することとしています。例えばフランスでは、1年で5万8000円ということで今回の手数料、はるかに高いところはフランスもということです。それに倣ったわけではないですが、参考にもしながら、かかるべき実費というところを踏まえて決定しました。
これに関して、在留許可手数料は外国人の方が我が国に在留することができることの対価としての性質も有します。それにかかる費用等の実費の部分を国民が負担するのか、その外国の方が負担するのかというと、あまり国民に負担もかけられないなというところはあります。今回手数料を引き上げることによって、必要な財源の確保を図りながら、外国人の出入国及び在留の公正な管理に関する施策を確実に実施しつつ、さらなる強化拡充を図りたいと思っています。ですから先ほどフランスの例を挙げましたが、諸外国よりも比べて高いわけではないです。
他方で、企業の負担があるというところですが、そこは在留手数料だけを見るのではなく、例えば登録においてマイナンバーを活用した情報連携の導入や、あるいはDX推進などにより、在留審査に必要な書類の提出が一部不要になるなどの在留審査手続の合理化で、総体として企業の負担というものを減らしていきたい。出入国在留管理庁としては、そうした対応で考えていきたいと考えています。
また、外国人が所定の手数料を納付しなければならないということで、払えない外国人労働者が不法滞在に繋がるのではないかという御懸念もあろうかと思うんですが、金額を改めて御紹介させていただくと、例えば1年で3万円、1月当たり、3000円に満たないような状態で不法滞在になるのかというところはありますが、先ほど申し上げたように、実費とか人件費とか、そういったものが上がっていると、そこについて、やはり今までは他の国に比べても相当安過ぎたということで御理解をいただきたいと思っています。



