vol-1099:入管はブラックリストの派遣会社を摘発しろ!
更新日:5 時間前
今日、ある行政書士から呆れた話を聞いた。外国人政策担当の小野田大臣や山下法務大臣が知らない中で、入管の現場が勝手にやっている話なのだろうが、本当にいい加減だ。
「技術・人文知識・国際業務」の申請において、従来にない不許可の事例が増えている、という話は、以前にも書いた。典型的な例が、申請した就労企業ではなく、その企業の一つ前、すなわち転職前の企業が派遣会社であった場合、その派遣会社における業務に関し、「前職の企業に関して、信憑性に疑義がある」として不許可になる事例だ。
ある外国人(当該行政書士に依頼した申請人)は、「特定活動(30日)」となり、不許可理由を説明した入国審査官から「一度帰国して下さい」という指導を受けた。説明に納得できない行政書士は、入国審査官を問い詰めた。
(行政書士)「技術・人文知識・国際業務の申請の場合、不許可になるケースは、①申請人の外国人に問題がある場合、②会社に問題がある場合、③会社における業務に問題がある場合のはず。この申請人の場合、①も②も③も問題がないじゃないか!」
(入国審査官)「この申請に関する限り、①②③に問題がないことは認識している。しかし、この申請人に関しては、前職の派遣会社において、技術・人文知識・国際業務に相当しない業務に従事していた可能性が極めて高い。その場合、違法行為に関わっていたことになるから、素行が悪い、という認定になる。したがって、入管法上、不許可になることは仕方がない」
(行政書士)「それは、その派遣会社が悪いのであって、申請人に罪はないですよね」
(入国審査官)「(声をひそめて)じつは、入管は、技術・人文知識・国際業務の使い方に問題が多い派遣会社に関するブラックリストを作成している。今般、問題が多い派遣会社を懲らしめるために、その派遣会社で業務に従事していた外国人については、在留期間更新申請を一律で不許可にすることが決まった。前職の派遣会社は、ブラックリストの中の1社だった・・・」
(行政書士)「だったら、ブラックリストの派遣会社を摘発して、社長を不法就労助長罪で逮捕すればいい。前職の派遣会社に関して、そんな話は聞いてないよ」
(入国審査官)「だから、申請人には問題がないし、今回の申請に係る会社や業務には問題がないと申し上げている。一度母国に戻ってから認定申請すれば、いま申し上げた派遣会社の問題は不問に付すから、とりあえず帰国しなさい」
(行政書士)「よくも、そんなに簡単に『とりあえず帰国しなさい』と言えますね。本人にとっては、人生を変えるほどの一大事ですよ。そこまで申請人をイジメるのなら、ブラックリストに載せた派遣会社を片っ端から不法就労助長罪で検挙するのが筋ですよ。なんでやらないの?」
(入国審査官)「そんなことを私に言われても・・・。私は、上が決めたことを、そのとおりにやっているだけなんで・・・」
(行政書士)「だっておかしいでしょ。申請人は、前職の派遣会社で資格外活動をしていた疑いが濃いから申請は不許可にする、とあなたは言ってるんですよ。それなのに、申請人に資格外活動をさせた派遣会社には家宅捜索もしない。だったら派遣会社は、疑いは濃いけれどクロじゃないんでしょ。だったら、申請人もクロじゃないんだから、許可しないとおかしいじゃないですか!」
(入国審査官)「決まったことだから、どうしようもないんですよ。一度、帰国してください」
(行政書士)「派遣会社が不法就労助長罪で検挙されているなら、申請人が不許可というのも理解できないではない。しかし、派遣会社が不法就労助長罪で検挙されておらず、家宅捜索も受けていないのであれば、申請人を不許可にするのは整合的じゃないですよね」
(入国審査官)「上が決めたことなので・・・」
呆れかえるではないか。問題が多い派遣会社はわかっているのに、家宅捜索など本格的な捜査をするのは面倒くさいのでやらない。その代わりに、その派遣会社に勤めた外国人をイジメるのは簡単なので、「特定活動(31日)」でよいところを、わざわざ「特定活動(30日)」にして帰国を強要する。派遣会社における業務が「資格外活動」だと確信しているのなら捜査すべきだろう。捜査する意志もないのに、「ブラックリストに掲載した派遣会社に関係した外国人は全員イジメてやる!」という陰湿さ ーー それが入管の現場である。
弱い外国人はイジメるが、弱くない派遣会社は直接イジメない。あまりにも度が過ぎると、時折、派遣会社はイジメるが、強い派遣先企業はイジメない。そういう腰の引けたスタンスをとっているから、「不法就労の温床」である「外国人派遣」が浄化されないのだ。
留任した小野田紀美・外国人政策担当大臣は、「しっかりと、みんなが納得していただけるような外国人政策をやっていく」など相変わらず勇ましいことを公言しているが、このブログで書いた事実を確認し、入管行政を少しはまともな方向に変えようと努力してみてはどうか? もっとも、小野田大臣は能力不足で無理だろうから、山下法務大臣でもいい。「おエライ大臣さま」だとは言え、たまには、自分の手下である入管の現場を知る努力をすべきだろう。まあ、期待薄だろうが・・・



