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vol-799:日本人の配偶者だと在留資格は認められない?
2021年3月17日、札幌地裁において、法律上同性のカップルに婚姻が認められないことは、法の下の平等を定める「憲法14条に違反する」という判決が下されました。同月25日、性的指向や性自認に関する差別を禁止する「LGBT平等法」の制定を求める団体が、与野党に10万筆の署名と要望書を提出するなど、日本でも同性婚を求める動きが活発化しています。 同性婚を認める世界的な潮流の中で、同性婚制度を導入した国で結婚した外国人同士の同性カップルの一方が、転勤などで日本で暮らす際に、入管は、2013 年から配偶者に対して、在留資格「特定活動」を与え入国を認めています。2020年までの間、93件のカップルの日本居住を可能にしてきました。 ただし、日本人と外国人の同性婚の場合、日本国内で同性婚が認められていないため、日本人が外国人を連れて帰国したくても、「特定活動」は認められていません。一般的に「日本人配偶者」という在留資格は、日本人と同等でオールマイティなのですが、同性婚の場合、「日本人配偶者」という地位が逆にデメリットになってしまいます。この不整合性は、今後折に触
2021年3月31日読了時間: 1分


vol-594:国際結婚は離婚すると大事になる
日本では、当事者の一方あるいは第三者が「協議離婚届書」を戸籍の窓口に提出し、戸籍係が届書をチェックして受理すると離婚が成立します。これは「世界で最も簡単な離婚制度」。諸外国では、夫婦財産の清算や離婚後の子の養育について合意し、その内容を裁判所が確認して初めて離婚が成立する場合が多く、合意のみで離婚できる場合でも、当事者双方が登記機関に出頭し、口頭で離婚する旨を述べなければならないようです。このため、日本人と結婚していたが、いつのまにか離婚されていた、と言うケースも珍しくなく、配偶者としての在留資格が知らぬ間に脅かされる場合もあるようです。 また欧米では、共同親権が主流なので、離婚しても訪問権の関係で元配偶者と係り続けなければならず、訪問権を侵害すると元配偶者から「子供を誘拐された」と訴えられるケースもあるとか。2019年8月にも、実子を日本人パートナーに連れ去られたという申し立てが国際連合人権理事会にありました。 国際結婚はロマンチックですが離婚率は高いようです。在留資格だけでなく、制度や文化の違いで悩む事例が後を絶ちません。
2020年2月19日読了時間: 1分


vol-579:ビザ獲得のための偽装結婚の種は尽きまじ
10月末、偽装結婚で不正に在留資格を得たとして、3人のベトナム人が逮捕されました。「留学」の在留資格が切れそうになったベトナム人女性が、会社経営をしているベトナム人男性に相談。「定住者」のベトナム人を紹介されて、正式に結婚した上で、なれそめ話などをでっちあげて、神戸入管に申請したようです。同月中旬には、中国人の偽装結婚ブローカーが逮捕されたほか、スナックを経営していた夫婦が、中国人女性と日本人客を偽装結婚させていたとして摘発されています。偽装結婚は枚挙に暇がありません。 来日した外国人が、長期の在留資格を入手するために日本人男性と結婚するという手口は、これまでも繰り返し使われてきましたが、何も日本の専売特許ではありません。タイやパキスタンではビザを目的とした偽装結婚が数多く報道されていますし、今般台湾では入管職員が偽装結婚を手助けした疑いで懲役刑を受けました。ほかにも、徴兵を逃れるための偽装結婚や再開発で自宅が取り壊される際の補償金を増やすための偽装結婚もあると報じられています。古今東西、偽装結婚のタネは尽きません。
2020年1月29日読了時間: 1分


vol-562:入管がついに同性婚を認める?
2019年9月18日に出た宇都宮地裁真岡支部の判決が話題になっています。憲法は 「同性婚を否定していない」という立場から、内縁関係の同性婚を婚姻関係に準じて取り扱い、慰謝料の支払を認めたからです。憲法24条は「婚姻は、 両性の合意のみに基いて成立」と規定していますから、政府は「同性婚は認 めない」という立場をとっています。しかし近年では、法の下の平等(憲法 14 条)や幸福追求権・個人としての尊重(憲法13条)を根拠として、「同性婚」を認めるべきという学説も有力であるほか、容認派が7割を占めるという調査もあり、同性婚を憲法改正で議論すべきという動きも出てきました。 本件について、在留資格の世界では、入管の裁量に完全に委ねられており、 外国人同士の場合、双方の国で同性婚が容認されていれば、「特定活動」の 在留資格が許可され得るのですが、日本人との事実上の同性婚の場合、政府が「同性婚を認めない」という立場であるため、該当しません。 しかし今回、日本人と同性のパートナーに対して、在留特別許可が初めて認められました。前例になるかは不明ですが、入管も少し踏
2019年12月27日読了時間: 1分


vol-480:「日系4世ビザ」は不発で終わった
「日系4世ビザ」は、懸念されたとおりになりました。制度導入から約1年経ったのに、在留資格を得たのは43人(6月17日時点)で、法務省が喧伝していた4000人の約1%。サンパウロの人材企業では、「条件が厳しすぎて申請者が少なく、4世の募集はしていない」と打ち明けます。日本語能力の資格や家族の帯同を認めていない点などが敬遠された理由です。 このままだと、「特定技能」も同じ結末を辿る公算大。申請してみると分かりますが、必須となっている書類がやたらと多く、誓約書等に必要な申請人・受入企業・支援責任者の署名も20近くに及びます。「技術・人文知識・国際業務」しか経験していない企業は、申請作業だけで疲れ果ててしまうでしょう。それに加えて、許可された後には、3ヶ月に1度の法定報告(罰則規定あり)や協議会への調査協力があるので、事務負担が並大抵ではないのです。 机上の空論だけで組み立てた在留資格は、申請人や受入企業から幅広い支持を得ることができません。「特定技能」は初年度に32,800人~47,550人を見込んでいましたが、数百人で終わると思っておいたほうがよさそ
2019年8月30日読了時間: 1分


vol-447:「特定技能」に係る企業負担は軽減されるか?
2019年5月下旬、「特定技能」に係る試験結果が続々と公表されました。外食業の技能試験では347人が合格(合格率75.4%)。宿泊業でも280人が合格し(同71.6%)、介護でも84人の合格者が出ました(同74.3%)。業界では、特定技能に特化したマッチングサイトを開設したり、日本語教育やトレーニングセンターに商機を見出すなど、一部で盛り上がりを見せています。 しかし、これらはすべて、外国人個人に対する必要条件に焦点を当てた試みにすぎません。じつは、「特定技能」は、従来の在留資格とは異なり、外国人個人の審査ではなく、受入企業のチェックに重きを置いた構造になっています。技能試験や日本語試験は、個人によほどの問題がない限りパスできますが、受入企業に課せられる条件やリスクやコストがやたらと重たいのです。現状のままで円滑なマッチングが実現するとは到底思えません。 2018年7月に始まった日系4世の受け入れ事業は、実態を無視した設計だったため、4000人の枠に対して来日4人の体たらく(2019年12月時点)。「特定技能」も、「大山鳴動して鼠一匹」という結末
2019年7月15日読了時間: 1分


vol-392:警察を信じて協力してもメリットはない
2019年3月19日、偽装結婚をして在留資格の更新を申請したとして、入管難民法違反の罪に問われた千葉県の男性とフィリピン人女性の夫婦に、東京地方裁判所が無罪を言い渡しました。2014年に結婚した2人は、2018年に妻の在留資格を更新する際に、婚姻関係を続けていると嘘の申請をしたとして、入管難民法違反の罪に問われていました。裁判官は「婚姻の実態があった」と判断してくれましたが、警察の捜査は、完全な決め付けでした。 女性は「自白」すれば夫は助かると思い、警察の描いた筋書き通りに、「偽装結婚していた」と虚偽の供述をしましたが、夫は、弁護士を雇って、容疑を否認。警察は、夫に対して、「彼らは悪の組織の弁護士だから裏切るだろう」と吹聴し、「否認すれば勾留が続く」と脅かしたそうです。 「警察は真実を追及する」とか「正直に話せばわかってもらえる」という考え方は禁物。入管法容疑で皆さんの所を訪れたときは、既に有罪の筋書きを描いて、自白させることしか考えていません。その際には、無罪であることを立証する証拠を示すことが肝要になります。「論より証拠」をお忘れなく。
2019年4月18日読了時間: 1分


vol-201:「偽装結婚」か否かはどこを見て判断するのか?
2018年7月3日、店で働く外国人女性に「偽装結婚」をさせたとして、フィリピンパブの経営者が逮捕されました。日本人男性に報酬を与えて婚姻届を出させ、「日本人配偶者」の在留資格を取らせたのです。この手の「偽装結婚」を見破るため、入管は、起床時刻や朝食メニュー、ベッドのサイズ、歯ブラシの色などを面接時に審査するようですが、実務的には、同居の有無が重要な判断基準。問題は、本当の「結婚」だが、別居している場合です。 ある中国人女性は、「偽装結婚」の疑いで逮捕されましたが、不起訴処分になりました。しかし、寝室が異なることを理由に、入管は在留期間の更新を認めず、強制退去処分としました。入管には裁量権がありますが、事実認定自体に行政裁量は認められません。配偶者に係る「在留資格該当性」の判断において重要な「あるべき結婚の態様」は、世間一般の「結婚観」という「事実」が「裁量」に優るわけです。中国人女性は提訴し、同年6月21日、処分撤回の判決が出ました。コンプライアンスにおいては、この「事実は裁量に優る」という大原則を踏まえて、ディフェンスを固めることが基本となりま
2018年7月11日読了時間: 1分


vol-130:トランプ大統領の家族だけは「連鎖移民」OK?
トランプ米大統領は、移民に関する「家族呼び寄せ制度」に反対し、合法の移民が家族や親戚を米国に呼び寄せることによる「連鎖移民」を攻撃しています(2018年春)。ところが、配偶者であるメラニア夫人は、旧ユーゴスラビアのスロベニアからきた移民。夫人は「家族呼び寄せ制度」を利用して、両親に「永住権」を取得させたと報じられました。1996 年にモデルとして渡米した夫人はトランプ氏と知り合った後、同氏が身元を保証し、2001 年に永住権を取得。結婚後の2006 年に米市民権を得ました。夫人の両親は70代で特筆すべき技能はありません。夫人が身元引受人となり、親族として呼び寄せたと見られていますが、この制度こそ、トランプ大統領が「連鎖移民」として攻撃している対象そのもの。彼は、呼び寄せ対象を配偶者と未成年の子供に限定すべきと主張していたはずですが、夫人の両親だけは例外なのでしょうか。 とはいえ、翻って我が国の在留資格制度を見ると、在留外国人が両親を呼び寄せて日本で一緒に暮らすことができるという仕組み自体がありません。日本在留の外国人からすれば、じつは米国は、「親
2018年3月29日読了時間: 1分


vol-59:小池都知事は在留資格について詳しくない
2017年1~6月に、難民認定を申請した外国人は8561人と過去最多を更新。入管は「誤った形で就労等を意図する外国人に伝わり、難民認定制度を乱用または誤用する者の増加につながっている」と主張しています。その一方、「避難を必要としている者であっても,その原因が,戦争,天災,貧困,飢饉等にあり,それらから逃れて来る人々については,『難民』の範疇には入らない」という運用は狭量すぎるとして、地方自治体に対し、「彼らを地域住民として認め、寄り添うような『サンクチュアリ・シティ(聖域都市)』が求められている」と指摘する声もあります。 そんな中、小池東京都知事が「国際金融都市・東京構想」を打ち出しました(2017年12月末)。構想では、「性的マイノリティーであるLGBTの同性パートナーが在留資格を得やすくなるよう国へ働きかけていく」としましたが、この同性婚問題は2015 年に決着済みの話。スケールとしてもセンスとしても今ひとつ。小池都知事は、「希望の党」の立ち上げ時にも、外国人参政権問題で物議を醸しまたが、入管政策に関しては、もう少しまともなブレーンを雇うべき
2017年12月1日読了時間: 1分


vol-38:技能実習という「偽装」を放置する入管は不要だ!
10月初、店舗で働くフィリピン人の女と、金を貸した客や店員らを「偽装結婚」させたとして、パブの経営者が逮捕されました。今年上半期に難民認定を申請した外国人は過去最多の8561人となり、前年比1.7倍の増加でしたが、多数の「偽装難民」が紛れ込んでいると報じられています。そのほかにも、就労目的の「偽装留学生」や「偽装滞在」が問題視されているなど、入管行政の周りは「偽装」だらけ。実際、今年3月末、警察庁・法務省・厚生労働省の三省庁は、「偽装滞在者の存在が深刻な問題となっており,その手口も悪質・巧妙化している」と警告しています。 しかし、入管制度に係る最大の「偽装」は、技能実習制度でしょう。法務省入国管理局入国在留課長や東京入国管理局長を歴任した坂中英徳氏は、「もともと、本音(単純労働者の受け入れ)を建て前(国際技術協力)で覆って作られた制度である。そんな『まやかしの制度』がいつまでも続くわけがない」(人口崩壊と移民革命・日本加除出版)と告白しています。この「大偽装」を改善せずに、「小偽装」を摘発しても問題の根幹は治癒されません。
2017年10月16日読了時間: 1分
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