国立社会保障・人口問題研究所が4月に発表した日本の将来推計人口は、2002 年時点で2.2%だった外国人の割合が、2052年に10.8%に高まるとの見通しを示した。じつは、公的年金の財政再計算においても、外国人の社会保険料が当てにされ、すでに計算上は算入されている。すなわち、日本政府は「外国人との共生」を前提に各種の政策を打ち出していることがわかる。 岸田総理自身「人口減少に対し、社会が適合する動きを並行して進めていかないと不都合が生じる。外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と述べており、在留資格「特定技能2号」の受け入れ対象の拡大を閣議決定したほか、外国人留学生の就職先も広げ、日本国内就職率を平成30年度の48%から令和15年までに6割という水準に引き上げたい考えという。 自民党内の保守派を中心に否定的な意見は根強いものの、労働力不足が深刻な地方からは「物理的に足りない」という声が上がる。「外国人労働者がいなければ日本経済は持たない」という危機感は、政官財共に共有されつつあるが、外国人を受け入れる際の哲学が全く議論されないのが気にかかる。