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vol-977:「移民」ではなく「移住外国人」を議論せよ
国内の自治体をアフリカのホームタウンに認定するJICAの事業を巡る騒動が収まらない。ネーミングが「移民政策」を想起させやすかったことが一因だが、「移民政策は採っていない」という日本政府の「嘘」が背景にある。 日本政府は「いわゆる移民政策とは、外国人を無制限に受け入れ、我が国に定住させる政策である」と定義し、「日本はそのような移民政策を採用していない」と答弁。だから、「野放図な移民政策を止めろ」と批判したところで、「移民政策は採用していない」と断言されて終わり。無論、「移民」をこのように定義している国は日本のみ。「嘘」または「強弁」にすぎない。 とはいえ、定義論を延々と続けても時間の無駄になるだけ。だから、「移民政策」を論じるのは止めて、「移住外国人政策」について議論を深めるべきだ。厚顔無恥の政府でも、さすがに「日本に移住する外国人はいない」などと強弁することはできないから、定義論で胡麻化すことはできず、個別具体的な答弁を返すしかなくなる。最早、きれいごとの「多文化共生論」で隠蔽できるレベルではなくなった。定義論ではなく、具体的な対策が必要だ。
2025年9月22日読了時間: 1分


vol-950:移民の国・米国が移民に英語を強制する?
トランプ米大統領は、英語をアメリカの公用語とする大統領令を発表。歴史的に多くの国から移民を受け入れてきた米国が、連邦レベルで公用語を定めるのは初めてで、大統領令では「建国以来、英語は母国語として使用されてきた」としたうえで「国が指定する言語は、結束した社会の核となるものだ」と指定の理由を説明している。この指定に伴い、連邦政府機関などが英語を話さない人向けの言語支援を提供するよう義務付けた方針も廃止される。 これは、凄まじい方針だと言えるだろう。というのは、英語以外の言語を家庭で使用する人は6,780万人に上っていて、中でもスペイン語は、移民の増加などに伴い3,000万人以上増えているからだ(米国国勢調査局2019年)。 とはいえ、共通言語がなければ、コミュニケーションは成立せず、共通社会における共通のルールを遵守させることもできない。「移民の国アメリカ」ですら、移民に対して母国語である英語を強制させる方向で動き出した。日本でも、在留外国人に対して「日本語能力」を強く求めなければならない。これは、入管法を改正せずとも、在留資格審査の中で対処できる問
2025年3月10日読了時間: 1分


vol-924:外国人基本法を作って国益を判断基準とする
欧米メディアが「新参者の受容に慎重な国民性のために、法制度や支援制度が複雑化し、結果として外国人が根づきにくい状況が生まれている」「韓国や台湾、さらにはより離れたオーストラリアやヨーロッパ諸国など、労働力確保に懸命な国々と競争していくにあたり、外国人労働者の受け入れに対するこうした消極性が、いずれ日本に不利に働く可能性がある」と論じている。 余計なお世話だ。日本の将来を憂える暇があったら、自国における現在の惨状を改善するがよい。円安が進み賃金で見劣りしがちの現時点でも、インドのIT技術者の9割は、「スキルアップ」(32.6%)「日本が好き」(27.7%)「給料が良い」(16.9%)という理由で「日本で働きたい」と回答している。 日本が為すべきことは、諸外国と歩調を合わせることではなく、「外国人基本法を作って、外国人受け入れはわが国の国益を判断基準とする」ことである。そんなに難しいことではない。日本のルールを遵守し、日本の慣行を尊重し、日本の文化を敬う外国人だけに在留を認めるということに尽きる。そのためには、ロシアのように言語・歴史・法律の習得を義
2024年9月2日読了時間: 1分


vol-916:日本語教育のインフラを整備する意識はある?
今年4月から、日本語学校で外国人に教える「日本語教師」に「登録日本語教員」という国家資格が必要になった(経過措置期間あり)。日本語教師は44,030人(2022年度)いるものの、日本語学校の常勤は6,571人に過ぎず、非常勤がその2.4倍もいる(15,891人)。非常勤は年収100万~200万円だから若者は入ってこず、20代の日本語教師は5.4%(2,380人)にとどまる。 日本語学校の収入は留学生の学費。途上国の学生が多いと学費はなかなか上げられない。しかも、日中関係が悪化すれば中国人が激減するなど国際情勢で留学生の人数が大変動するので、常勤で雇用するのが難しい。さらに、担当授業時数は「1週間あたり25単位時間を超えてはならない」と法定されているから、時間で稼がせるわけにもいかない。教師の低所得が恒常化する。 その上、日本語教師は「適正校」の条件を充たすため、留学生の失踪を防がねばならず、面談を重ねたりアパートを訪ねたり母国の家族に連絡するわけだが、その大部分はサービス残業。外国人との共生に当たって、日本語教育は最重要課題のはずだが、岸田政権に
2024年7月1日読了時間: 1分


vol-894:日本語ができないタクシー運転手で良いのか?
タクシーやバスなど客を運ぶ車の運転に必要な「2種免許」について、警察庁は外国語での試験を可能にすることを決めた。これまでは日本語でしか受験できずに外国人は合格が難しく、運転手不足に悩む業界団体から多言語化の要望が出ていた。警察庁は近く、各都道府県警に20言語に翻訳した問題例を配布する。対象言語は、英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、ネパール語、クメール語、ミャンマー語、モンゴル語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、ロシア語、アラビア語、ウルドゥー語、シンハラ語、ヒンディー語、ウクライナ語にまで広がる。 運転免許試験は各都道府県警が問題を作成しており、車の運転に必要な「1種免許」の学科試験は、徐々に拡大し現在20言語に対応している。だから「2種免許もいいじゃないか」ということなのだろうが、本当によいのか。 外国人材が必要であることは議論の余地はないが、本気で受け入れて真剣に共生することを目指すのならば、日本語は必須。日本語が通じないタクシー運転手を増やしていくことは、「外国人と共生できる社会」とは相容れない。
2024年1月4日読了時間: 1分


vol-877:外国人が1割になるのに基本的な哲学がない?
国立社会保障・人口問題研究所が4月に発表した日本の将来推計人口は、2002 年時点で2.2%だった外国人の割合が、2052年に10.8%に高まるとの見通しを示した。じつは、公的年金の財政再計算においても、外国人の社会保険料が当てにされ、すでに計算上は算入されている。すなわち、日本政府は「外国人との共生」を前提に各種の政策を打ち出していることがわかる。 岸田総理自身「人口減少に対し、社会が適合する動きを並行して進めていかないと不都合が生じる。外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と述べており、在留資格「特定技能2号」の受け入れ対象の拡大を閣議決定したほか、外国人留学生の就職先も広げ、日本国内就職率を平成30年度の48%から令和15年までに6割という水準に引き上げたい考えという。 自民党内の保守派を中心に否定的な意見は根強いものの、労働力不足が深刻な地方からは「物理的に足りない」という声が上がる。「外国人労働者がいなければ日本経済は持たない」という危機感は、政官財共に共有されつつあるが、外国人を受け入れる際の哲学が全く議論されないのが気に
2023年9月4日読了時間: 1分


vol-449:在留資格に関する新聞記事は鵜吞みにできない
5月30日、「N1ビザ(特定活動)」の告示が公布されました。新聞各紙は、「留学生の就職、宿泊・外食でも」「飲食業も可能に」「専門外の接客業OKに」など入管の振り付けのまま記事を書いています。「技術・人文知識・国際業務」でも許可されてきたのに、「これまでは宿泊や外食や小売では許可されなかった」という書き振りです。しかも、このビザで「数千人」が就労するという大本営発表を垂れ流す体たらく。N1の合格率は約30%ですから希望者が2万人いれば数千人になるはずという理屈ですが、「技術・人文知識・国際業務」を選ぶN1合格者もいるでしょうし、就労希望者(≠N1受験者)の合格率は10%に満たないので、大幅未達に終わることは必至です。 にもかかわらず、入管が受入人数を嵩上げするのは、「外国人を大勢受け入れるので、これ以上、在留資格を緩和する必要はありません」というアピールをしたいから。4000人の枠に対して4人しか来日しなかった「日系4世」が典型例。すでに「留学ビザ」は大幅に厳格化されました。大幅緩和をアピールする裏側で、入管審査の厳格化が秘かに進行しています。
2019年7月17日読了時間: 1分


vol-364:外国人を雇うなら母国語で説明しなければならない?
2019年2月26日付の日本経済新聞の記事を読んで仰天しました。「労働条件、母国語で説明を 外国人雇用指針を改定」という見出しで、「賃金などの労働条件を示す際、母国語で説明するなど外国人の理解を促す」「健康診断などの際にも母国語で説明することを求めた」とあったからです。そんなことが義務付けられたら、ベトナム人を正社員として初めて雇う際に、通訳を手配しなければならず、コストと手間が馬鹿になりません。 疑問に思ったので、厚生労働省が公表した外国人雇用指針の改定案等を確認すると、「外国人労働者から求めがあった場合には、待遇の相違の内容や理由等について説明すること。その際、母国語又は平易な日本語を用いる等、外国人労働者が理解できる方法により説明するよう努めること」「外国人労働者に対し健康診断の結果に基づく事後措置を実施するときは、健康診断の結果並びに事後措置の必要性及び内容を当該外国人労働者が理解できる方法により説明するよう努めること」と書かれており、平易な日本語でもよいことが分かり安堵しました。正確な報道を心掛けてもらいたいと思います。
2019年3月11日読了時間: 1分


vol-358:入管は日本語が苦手な特定技能には甘く留学生に厳しい
関係者が期待していた「特定活動」の素案がまとまりました。日本の大学や大学院を卒業した留学生の就職先を広げるための施策なのですが、接客業など日本語を主体的に使う業務について、「特定活動」を与える際に日本語能力試験で最もレベルが高い「N1」を 条件にしたと聞き、実務経験豊富な「N2」以上で十分と考えている現場を無視した決定に呆れ果てました。 そのほか報じられた「在留資格の改革」は、中小企業に就職する外国人留学生の在留資格に関する手続を簡略化するといいながら、その対象を「国の補助事業などに参画し、審査を通過した中小企業」に狭めたり、「高度人材ポイント制」の加点対象を地方大の卒業者に広げるだけという「超限定バージョン」。「受け入れますよ」と言いながら、ハードルを思いっきり上げる入管のお得意芸です。この国は、「日本語も話せない・日本の文化も知らない・日本に住んだこともない人たち」を「特定技能」で大量に呼び寄せる一方で、「日本語はまあまあ話せる・日本の文化もある程度わかっている・日本に住んでいる人たち」を受け入れようとは考えていません。愚かなことです。
2019年3月1日読了時間: 1分


vol-266:日本に在留するのであれば日本語は必須である
外国人労働者の受入拡大に備えて、新たな「日本語能力テスト」が導入されます。「職場で円滑に意思疎通する実践的な力」を重視するという名目で、電話応答やスケジュール確認など仕事で使用する語彙や表現を出題し、外国人の受入条件として活用する模様です。理屈はこねていますが、要するに、現在の「日本語能力試験」が実用的でない(難しすぎる)という批判に応えたのでしょう。興味深いのは、日本語能力テストを所管するのが「国語施策・日本語教育」を担う「文化庁国語課」ではなく「外務省」だということ。「文部科学省(文化庁)」の凋落が表面化してきました。 ただし、要求すべき日本語レベルの設定や在留外国人に対する日本語教育は、国の将来を左右する最重要事項。霞ヶ関の権力争いで決めてよい事項ではありません。ロシアでは居住権を獲得するために、ロシア語とロシア史とロシア法の試験があると言います。日本では「国語=日本語」と定めた法律すらありません。緩和を求める業界に媚びず、国家百年の計のために真剣に対処する組織が必要です。本来ならば、「入国管理在留庁」の出番なのですが・・・
2018年10月12日読了時間: 1分


vol-259:必須条件の日本語基準は緩めるべきではない
2025年に介護職が34万人不足するため、「特定活動(EPA)」「介護」「技能実習」という在留資格に加えて、「特定技能」が新設されます。「技能実習(介護)」では、9割のEPA受入施設が日本語能力試験N3以上を求めたことを受け、「入国時N4・1年以内N3」という基準を定めましたが、これが大不評。ベトナム政府は「日本に行っても1年で帰国となると社会問題になる」として消極的。人手が集まらない現場は「言葉が通じなくても行動で示してくれればいい」「大切なのは心だ」として、日本語基準の緩和を求め始めました。政府は、N3に到達できなくても、引き続き在留できる仕組みを検討。元々、「特定技能」は、技能実習修了者の日本語試験を免除する方針です。 しかし、日本で生活するなら日本語は必須。大過なく外国人を受け入れていくためにも、一定の日本語力は不可欠であり、日本語学習を支援する政策が大切です。厳しいかもしれませんが、長い目で見れば、「N3」というハードルを下げるべきではありません。一定水準の日本語力を持っているのに帰国している留学生の就労支援を拡充する方が先決だと思いま
2018年10月2日読了時間: 1分
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