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vol-316:「特定技能」を就労地を限定するビザにすればいい
「特定技能」については、大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じることになりました。地方の最低賃金が大都市圏に比べて低い(東京都985円・鳥取県762円)ので、外国人労働者が都市部に集中するという懸念に応えたものです。実際、入国管理法には、居住地あるいは行動地域を制限する仕組みがありますので、その方式を準用すれば、居住地あるいは就労地を制限することは簡単にできます。類似の政策は、オーストラリアやカナダで先例があり、無理筋というわけではありません。 ただ実務的には、「在留カード」自体に地域制限を明記することができないので、実施する場合には、それらを記した「指定書」を旅券に貼付することになります。しかも、「特定技能」には「業種」の縛りがあるので、「指定書」には、居住地・就労地の制限に加えて、業種の範囲を書き足すことになります。「技能実習」は「転職不可」だったので、分かりにくい「指定書」でも不都合は生じなかったのですが、「特定技能」は「転職可」。入国管理法を熟知しない雇用主が、知らないうちに「資格外活動」に巻き込まれるのでは?
2018年12月25日読了時間: 1分


vol-315:中小派遣業者はなぜ不法就労に手を染めるのか?
現在の外国人派遣においては、入管法を無視した業界慣行をベースとした実務が、派遣先を中心に根強く定着している。そして、これまでのところ、業界慣行をベースにした実務を覆してしまうような象徴的な摘発や逮捕が発生していないため、派遣業界では「入管法を無視した実務慣行」がまかりとおっている。まずは、派遣業界の実情や実務慣行について解説しよう。 厚生労働省が集計している「外国人雇用状況」の届出状況によれば、日本における外国人労働者のうち派遣で就労している外国人は20%近くを占めている。日本人における派遣労働者の比率が2~3%にすぎないことに鑑みると、極めて高い比率であると言ってよい。もっとも、不法残留外国人を派遣するなどの「不法就労」は現実的には届出されないため、実態としては、在留外国人の25%近くが「派遣」に関与している と考えても、決して大きくは外れていないと推察される。 ここまで外国人派遣が増えた背景には、派遣先の大企業群が「違法派遣を排除しない巨大な外国人供給インフラ(以下「違法派遣インフラ」という。)」を創り上げてしまったことによる。食品工場などの
2018年12月21日読了時間: 3分


vol-314:日本的な人質司法は世界に通用するのか?
日産自動車の会長であり、ルノーや三菱自動車をも束ねていたカルロス・ゴーン氏が逮捕されてから 1 ヵ月が経過しました。報酬の虚偽記載については、「支払は確定しておらず、期待権にすぎないため、記載義務はない」「類似の役員退職慰労金を開示している日本企業はない」「投資家の判断に大きな影響を与える重要事項とは言えず、虚偽記載といえる水準にない」など様々な議論がありますが、それらは専門家と今後の成り行きに任せるとして、この事件が海外からどう見えるかについては留意しておく必要があります。 基本的人権を重んじる国であれば取り調べた後に保釈するのにクリスマスさえ家族と過ごせない。「推定無罪」という近代法の基本原則すら無視する。「人質司法」とも呼ばれる、こういう野蛮な手法は、日本人には日常で当たり前の風景ですが、海外の人々は「日本は、外国人を排斥しイジメる国だ」と捉えることでしょう。 政府は「高度な能力を持つ外国人に来てもらいたい」と言いますが、それらの人材に対して、基本的人権すら保障できないのであれば、「選ばれる国」になれるはずもありません。そういう視点がないの
2018年12月20日読了時間: 1分


vol-313:派遣先は熟知しながら知らない振りをする
中小派遣会社が「不法就労」に手を染めている可能性があることは、現場で派遣外国人を使っている派遣先大企業は気付いているので、彼らの多くは、「派遣先免責論」を前提としたコンプライアンス態勢を敷いている。すなわち、不法就労があっても「知らなかった」「派遣会社に任せていた」と言い張るDon’t Know Defenseを実行し、「敢えて在留カードを確認しない」という実務を徹底。これが業界慣行となっている。もっとも、その一方では、派遣先は「善意」で、派遣会社が「悪意」という証拠を残すため、「派遣する外国人は、永住者や日本人の配偶者等に限る」とか「入国管理法上全く問題のない外国人だけを派遣すること」などという到底クリアできない条件を書面やメールで突きつけながら、「来月初から100人頼む」「来週からは50人要らない」などの需給調整を押し付ける。 そういう無理難題に対応できる中小派遣会社がいるはずはないのだが、派遣先大企業は「在留カードはそちらでチェックしてくれ。多忙で在留カードを確認する暇がない」とつぶやいて「解決策」を仄めかす。派遣先が「在留カード」を確認し
2018年12月19日読了時間: 3分


vol-312:新設の「特定技能」は本当に増えるのか?
政府は、新在留資格「特定技能」で受け入れる外国人労働者数は、2019年度に最大4.8万人になると試算しています。実際、ロイターの調査では、77%の企業が「特定技能」の新設を「歓迎する」という結果が出ました。日刊工業新聞社のアンケートでも、外国人労働者の受け入れに62.1%が「賛成」し、「特定技能」にも51.7%と過半数が賛成しています。ところが、北海道では、約7割が外国人労働者を雇用する考えがないという調査結果が出ており、日本語能力(69%)、労働習慣、文化の違い(57%)、受け入れ体制の不備(56%)などが不安要素として挙げられました。京都市のアンケートでも、「雇用していないし、検討もしていない」とした中小企業が75.9%に上がりました。 じつは、マイナビの調査では、大手企業ですら、外国人留学生を採用する先は 1 割程度。現場の受け入れ体制が整っていない(43.8%)、 外国人が活躍できる環境が整っていない(43.2%)、母国語レベルの日本語能力を求めている(24.7%)、 ビザの申請など手続きが困難(14.6%)と洩らしています。法律さえ改正
2018年12月18日読了時間: 1分


vol-311:「特定技能」の試験は技能実習並みのインチキ
入国管理法の改正案が成立しました。内容のほとんどが政省令に丸投げなので、「特定技能1号」に必要な「相当程度の知識または経験」は、特定技能試験でどのように判定されるのかが全くわかりません。筆記なのか実技なのか、誰が合否を判定するのかという具体的な仕組みについては、「法務省令で定める」というだけ。法務省幹部は「特定技能1号の試験は、技能レベルとしては同等またはこれを少し上回るレベルになる」と指摘したようですが、3年間の経験がある技能実習生は、試験を受けずに「特定1号」へ在留資格を変更できるので、それと同等の「技能」を求めるということなのでしょう。各省庁からは、「新試験を間に合わせるのは難しいから、とりあえず技能実習生だけをスライドさせればいい」という本音が漏れてきます。 技能実習制度の対象ではない「宿泊」は、「技能実習2号」移行対象職種への認定に必要な厚労省の専門家会議の意見聴取を11月末に受けました。このままでは、「特定技能」は、「技能実習」の枠組みに取り込まれてしまい、虚偽に塗れた「技能実習」の欠陥を引き継ぐことになってしまいます。
2018年12月17日読了時間: 1分


vol-310:中国は人材の「輸出国」から「輸入国」になる
日本以上に激しく急速な少子高齢化が、今後中国に襲い掛かります。「一人っ子政策」の影響で、25歳以下の世代では女性が男性より3000万人も少ないという歪な人口構成になってしまい、出産適齢期の女性が激減しているので、出生数を伸ばしようがありません。出生率の低下と平均寿命の延長を背景に、世界各国で少子高齢化問題が浮上していますが、中国の場合、出産適齢期の女性が少ないので、高齢化のスピードが他国よりも遥かに速いのです。介護保険が整っていない中で、親2人を介護せざるを得ない独身男性が激増するため、何も手を打たなければ悲惨な未来が待っています。 2016年に、中国政府は「一人っ子政策」から「二人っ子政策」に転じましたが、出生率の上昇はわずかでした。年内に出生制限政策が撤廃されるとも噂されていますが、出産制限が完全に撤廃されても、若い女性が少なく、豊かになった中国で、出生率が大幅改善することは見込めません。したがって、近い将来、中国は「労働力」の「輸出国」から「輸入国」へと転じます。「門を開けば日本に来る」と高を括っていると、残念な結果に終わりそうです。
2018年12月14日読了時間: 1分


vol-309:日本語学校を悪者にして叩けばそれでいいのか?
2018年11月25日、千葉県船橋市で留学生総勢600名を擁する日本語学校の理事長が自宅で殺害されました。室内で土足の足跡が見つかった一方、物を盗まれた形跡がなく、怨恨による犯行の可能性についても捜査されているようです。入国管理法改正の渦中で、「"出稼ぎ”を食い物に…バブルに沸く日本語学校業界」「借金漬けの留学生、介護のバイトやめられず」など、日本語学校を犯罪者扱いする記事が増えているだけに、心が重くなります。 しかし、日本語学校が、アジアの人々に「ジャパニーズ・ドリーム」を与えており、少数ながらも成功者がいることも事実。単に「日本語学校を悪者にして終わり」という記事は、安っぽい正義感を振り回すだけの感情論です。 入国管理法に焦点が当たっている折角の機会なのですから、アジアの人々も、日本語学校も、就労先企業もハッピーにするために、どのように在留資格を設計すべきなのかという具体的な対策を示すのがフェアな評論でしょう。「留学生はかわいそうだから、日本に留学させないほうがいい」という安直な論理は、アジアの人々にとってもハッピーな解決法ではないはずです。
2018年12月13日読了時間: 1分


vol-308:違法な外国人派遣なら派遣先でも逮捕される
12月初、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で入国させたベトナム人3人を東北地方の工事現場に派遣し、資格外の単純労働をさせたとして、入国管理法違反(不法就労助長・斡旋)の疑いで、東京都の人材派遣会社社長(派遣元)や建設会社社長(派遣先)ら8人が逮捕されました。人手不足の現場や工場に、「技術・人文知識・国際業務」を派遣している業者は数多く存在しますが、「現場研修」の余地は少ないので、ほとんどが不法就労。 この事件では、「派遣先」が摘発されました。従来の類似案件では、「派遣労働者」と「派遣元」だけが捕まっていましたが、今回は「派遣先」である建設会社社長も逮捕されています。確かに、厳しい罰則を定めた入国管理法第73条の2は、「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者」や「外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者」についても、「知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない」と明記していますから、「派遣先なら大丈夫」ということにならないことは自明の理。派遣先も安心できなくなってきました。
2018年12月12日読了時間: 1分


vol-307:「新卒一括採用+メンバーシップ型雇用」は崩壊?
経団連は、就活の日程ルールを廃止することを決めました。「徒弟制度的な育成計画では求められる水準に届かない」「外国人材や留学生の採用が困難」「スキル優先の欧米企業との競争に勝てない」として、新卒一括採用のあり方にも問題を投げかけています。終身雇用とOJTを前提に、採用時に担当業務や配属先を限定することなく、会社が業務と配属を指示する日本独自の「新卒一括採用+メンバーシップ型雇用」が時代に合わなくなってきたので、世界標準である「通年採用+ジョブ型雇用(限定した業務内容に応じた市場価格を支払う)」に切り替えざるを得ない時代になったということでしょう。 留学生を雇用したことのある企業であれば、身に沁みているように、彼らのマインドセットは日本人とは異なります。また、若い日本人も、年配の日本人とはかなり違います。人事制度を大胆に改革しなければ、早晩、組織運営に支障をきたす企業もでてくるでしょう。「正社員という身分の一員になり、滅私奉公することで将来の出世という対価を得る」という日本独自の仕組みはいずれ機能しなくなるという近未来の現実を理解すべきです。
2018年12月11日読了時間: 1分


vol-306:偽造在留カードは2万円払えば3日で出来上がる
2018年11月26日、職務質問を切っ掛けに、メガソーラー建設の工事現場で働いていた中国人の男女11人が入国管理法違反(不法残留・旅券不携帯)の容疑で逮捕されました。さらに調べていくと、同じ工事現場で働いていた中国人の男女46人が失踪したこともわかりました。これらの中国人は、千葉県の下請業者が雇用しており、元請会社に提出された「在留カード」の写しには、「永住者」や「定住者」と在留資格が記され、就労制限の有無の欄も「就労制限なし」と記載されていたといいます。 しかし、警察の調べでは、逮捕された11人は、2018年6~10月、長崎港や成田空港、中部空港から短期滞在ビザなどで入国した後、そのまま不法に滞在を続けたようですから、不法滞在者に「偽造カード」を手交した「組織的な不法就労」の疑いが濃くなっています。 在日中国人は70万人を超え、不法滞在者は9500人とも言われています。不法滞在者が就労する際に必要なのが、偽造した「在留カード」。最近では、1~2万円出せば3日ほどで入手できるとも聞きます。「偽造カード」を持つ外国人が求人に応募してくる可能性は決し
2018年12月10日読了時間: 1分


vol-305:法務省は技能実習の技能実習法違反を気にしない
「技能実習」の延長線上に「特定技能」を設計した時点から危ぶまれていたことではありますが、法案審議の中で「技能実習」の筋の悪さが際立ってきました。しかし、不可思議なのは、「技能実習」における労働基準法違反は責め立てるのに、「技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)」違反を咎める声がないということです。 技能実習法第9条第1号は「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」と明記しています。また、技能実習法施行規則第10条第2項第1号のイは、「同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと」を「技能実習の内容」の要件にしています。 しかし、「技能実習」のほとんどは、同一の作業の反復のみによって習得できる技能であり、母国でも修得可能な代物。試験制度によって誤魔化してはいますが、インチキな実態は関係者全員が熟知しています。法務省からすれば、「それは所管官庁に聞いてくれ」という逃げの一手なのでしょうが、こんなあからさまな法令違反を黙認しながら、「Ministry of...
2018年12月7日読了時間: 1分


vol-304:年末特別警戒になったら入管と警察に注意せよ
2018年11 月下旬あたりから不法就労の摘発が立て続けに報じられています。入国管理法違反(不法就労助長・不法残留)の疑いで、三重県でスナック店を経営している台湾人女性とタイ人女性ら3人逮捕されたほか、埼玉県でもエステ店の中国人経営者ら女性3人が入国管理法(不法就労助長・資格外活動)で摘発。栃木県でも、不法就労助長の疑いで風俗店従業員の男性が逮捕されています。また、埼玉県では、解体業者の社長と中国人の妻が、不法滞在している中国人男性を解体工事現場などで働かせたとして逮捕されました。 年末にかけて、入管と警察は、「年末特別警戒」の体制に入り、即時摘発のモードに入ります。この時期は、アルバイトが路上で職務質問されたり、泳がされてガサ入れされるリスクが高くなるので要注意。2018年10月31日には、福岡県でベトナム人留学生が、留学の在留資格で滞在しながら教育機関に在籍せずにアルバイトをしていたとして資格外活動の疑いで逮捕されましたが、一蘭の場合、類似の逮捕が切っ掛けで本部に家宅捜索が入りました。年末にかけて、在留カードや通学状況を再確認することをお勧め
2018年12月6日読了時間: 1分


vol-303:縮小均衡を拡大再生産に変えないと意味がない
外国人労働者の受入増に対して、「労働需給が緩和されるから反対」という声が散見されるようになりました。大別すると、①「人数が増えると賃金が下がる」という素朴な「労働需給論」、②「生産性の低い企業は破綻すべき」とする「破綻推進論」、③「AIやロボット化で人手不足は解消される」とみる「AI万能論」に分かれます。これらの論者の過ちは、「賃上げ➡消費増➡売上増➡利益増➡賃上げ」という経済の好循環を思い描いており、賃上げが現状打破の端緒になるとみていることです。しかし、ほとんどの経営者は、「賃上げ➡消費増」という経路を信じていません。少しでも値上げすれば、売上が激減するという厳しい現実に直面しているからです。 実際に起きている企業行動は、「店舗減・時間減・人員減➡正社員の賃上げ回避・アルバイトの賃上げ対応」という縮小均衡。韓国と同じです。もしも、技能実習生や留学生の流入による人手不足の緩和がなければ、とうの昔に景気は腰折れしていたはず。縮小均衡の中でAIやロボットに投資する企業が過半になることなどありません。机上の空論で経済政策を語るのは危険です。
2018年12月5日読了時間: 1分


vol-302:政省令は入管に丸投げし共生は自治体に丸投げする
2018年、入国管理法改正案を巡り、外国人住民の多い太田市や大泉町など全国15市町で作る「外国人集住都市会議」は、山下法務大臣宛てに多文化共生の推進を求める意見書を提出しました。「生活者としての支援」という視点から、日本語教育の支援、社会保険の加入促進、共生を推進するための「外国人庁」の設置などを求め、「外国人は労働者であるとともに生活者であることが十分に認識されない中、中長期的な共生施策を伴わない外国人材受け入れは地域社会に大きな混乱を招く」と警告しています。 「人(外国人労働者)を入れて終わりにされると、尻ぬぐいをするのは我々(自治体)。かかるコストは市民の税金。入れた人(国)が尻までぬぐうのが筋だ」と主張し、「どのぐらいの規模で新たに外国人がうちの自治体にくるのか。報道で断片的に情報は入っているが、何も提示されていない中で、国に先んじて準備を進めることはできない」と愚痴をこぼしたくなる気持ちも分かります。スカスカの法律を通し、政省令は「入管に丸投げ」で、共生施策は「自治体に丸投げ」というのでは、近い将来、混乱するのは必至です。
2018年12月4日読了時間: 1分


vol-301:スカスカの「特定技能」は筋悪の在留資格になる
入国管理法改正案は衆議院を通過しました。自民党議員ですら「いくらでも問題点は出てくる」と自白するスカスカの内容です。山下法務大臣は、特定技能1号で求められる「相当程度の知識または経験」を、「監督者の指示を理解し、正確に業務を遂行することができる、自らの判断で業務を遂行できる能力」としましたが、具体的な説明を求められると、「所管省庁が緊密に連絡を取り合った上で今後決めていく」とかわしました。経団連が求める「判断基準の明確化」や「プロセスの透明化」は無視された形です。 幅広い裁量権を現場で振り回している入管に詳細の決定を委ねれば、政省令もスカスカになることは目に見えています。官邸の指示で新設した「経営・管理(4ヶ月)」すら運用で葬り去ってしまう兵たちです。政治圧力で「特定技能」が新設されれば、その一方「留学」や「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」の解釈を厳格化して、受け入れを勝手に絞り始めるでしょう。その兆候は、審査の現場に既に表れています。入管審査の実態を無視した議論を続けても現状改善には何ら役立ちません。改悪に終わる可能性大です。
2018年12月3日読了時間: 1分


vol-300:「煮て食おうと焼いて食おうと自由」なのである
2018年、大阪入管の収容施設で、暴れた外国人男性の収容者17人を6人部屋に閉じ込め、約24時間にわたり施錠したことが明らかになりました。入管は、自由時間が終了しても、部屋の一つに大勢の収容者が集まったままで、居室に戻るように命じても動かなかっただけでなく、職員に暴言を発し、窓やドアを叩くなど暴れたため、部屋を閉鎖したとの主張しています。 収容者らは「狭い部屋への監禁」と非難しますが、入管が説明しているとおり、仕方のない処置だったのかもしれません。しかし、半年以上の収容が稀ではなくなり、病気であることを訴えても放置されたり、収容所で自殺や自殺未遂が相次いでいることを見れば、現在の運用に問題があることは明らか。 半世紀ほど前、日韓国交正常化交渉で法務省入国管理局参事官として日本側代表補佐を努めた法務官僚は、『法的地位200の質問』(京文社1965年)という書物を著し、「(外国人の処遇は)日本政府の全くの自由裁量に属することで、国際法上の原則から言うと『煮て食おうと焼いて食おうと自由』なのである」と書いたそうですが、その DNA は残っているのかもし
2018年11月30日読了時間: 1分


vol-299:ラーメン一蘭の摘発は同情を禁じ得ない
2017年、外国人の就労をハローワークに届け出ていなかったとして、豚骨ラーメン店「一蘭」の本社や「道頓堀店別館」が家宅捜索されました。そして2018年3月には、留学生を「週28時間」を超えて勤務させていた容疑で、社長や店長ら計7人と法人「一蘭」が書類送検され、罰金刑が課されました。 その一蘭では、「週28時間」に注意するよう毎月指導しており、全国70店舗の中で問題があったのは道頓堀店だけでした。「週28時間超」の留学生10人の中には、「学校が長期休暇中」と虚偽申請した者もいました。学校によっては休暇時期が違いますし、確認しようとしても答えてもらえなかったこともあったようです。退学や除籍も同様に確認は困難です。また、スタッフ間で勝手にシフト交代したために、結果的に時間超過になったケースも。さらに、ハローワークへの届出については、社会保険労務士から「形骸化している規定で検挙された前例はない」と助言され、一定期間以上の者に限り、届け出る運用に変更したことが仇になったのですから、同情を禁じ得ません。 入管法等に関する法令遵守の実務は本当に大変なのです。
2018年11月29日読了時間: 1分


vol-298:野党議員有志が「多文化共生庁」の創設を提唱する
2018年11月、野党議員の有志が、外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案への対案をまとめました。現行の技能実習制度を温存する政府案に対し、技能実習制度を段階的に廃止して、新たな「外国人一般労働者受け入れ制度」を創設する案です。産業や地域毎に総量規制を設けた上で、職業選択の自由や家族の帯同を認めます。最初から労働者として在留できるよう日本語教育や社会保障などの受け入れ態勢を整備し、所管省庁の垣根を越えて生活支援に責任を持つ「多文化共生庁」を創設するという内容になっています。 野党が、この対案を法案として正々堂々と提示すれば、現在の政府案に足りない要素が明確になり、政府案が如何に穴だらけなのか、政府案のままで突っ走ることが如何に危険かという点を雄弁に物語ることができるはずです。 残念なのは、立憲民主党が、対案を提出することが、政府案の審議に協力する構図につながるのを恐れ、正式な法案の形に仕上げることにブレーキをかけていることです。「党利党略」か「政策に基づくより良い社会の実現」かが問われています。立憲民主党の英断を期待したいと思います。
2018年11月28日読了時間: 1分


vol-297:飲食業界はなぜ自らを不利な立場に置くのか?
入管法の表面しか眺めていない論者は、「特定技能」に、「外食」が入り、「コンビニ」が外れたことをもって、「外食の勝ち・コンビニの負け」という短絡的な記事を書いていますが、入管行政の現場はもう少し複雑です(2018年秋)。 外食業界を所管する農林水産省は、「受け入れるのは店長・チーフレベルの人材」と宣って、ハードルを上げているらしく、外食業の業界団体「日本フードサービス協会」はそれに盲従して、愚かにも「アルバイトのような存在ではなく、一定レベル以上の人材を集めていく」などと公言し、「店長レベルの能力を持つ人材を求めていく方針」と報じられています。 外食業界は自殺する気でしょうか。「店長業務」ならば、本来「技術・人文知識・国際業務」でカバーできる領域であり、かつては店長候補やアルバイト管理で「人文知識」や「国際業務」の許可が出ていました。しかし、最近は、上記の議論の煽りを受けて許可が難しくなっています。「特定技能=店長業務」になれば、まずます「技術・人文知識・国際業務」では許可が出ません。今からでも遅くないので、「特定技能」から脱退したほうがよいと思い
2018年11月27日読了時間: 1分
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