top of page


vol-335:法務省が守っているのは正義か人権か省益か?
技能実習生と言えば、「失踪者」が多いということが広く知られるようになりましたが、昨年末に「死者」も多いという情報が飛び交いました。技能実習生の死者数は、2010年からの8年間で174人。そんな中、日本国際研修協力機構は、それまで公開していた死者数に関するデータを削除しました。 改正入管法の国会審議において、法務省は、失踪動機で最も多かったのは「より高い賃金を求めて」で 87%だったと説明していましたが、本当の最多は「低賃金」で67%だったことが判明。このため、野党は、統計の基となった「聴取票」の公開を求めましたが、法務省は「閲覧」だけを認めてコピーを禁止。野党議員が手分けして2870人分全てを「書き写す」作業に追われました。その結果、最低賃金未満で働く者が極めて多く、約1割は「過労死ライン」を超える残業をしていたことも発覚しました。 法務省の英語表記は「Ministry of Justice」。直訳すると「正義の役所」です。法務省が守っているのは、「正義」なのか、「人権」なのか、「省益」なのか。国会審議を熟読していただき、個々に判断していただきた
2019年1月28日読了時間: 1分


vol-334:廃業を喜ぶ評論家は起業して劣悪企業を駆逐せよ!
入管法改正が成立して以来、攘夷派の矛先は、外国人を雇用する経営者に向かっています。「改正入管法はブラック企業を延命させる」「消滅しかかっていたブラック企業が復活する」「外国人労働者の問題は、DQN経営者の淘汰問題」「無能な経営者、低生産性の企業には廃業してもらえばいい」「業界の新陳代謝が遅れ、経営効率の悪い中小企業が生き残る」などとして、外国人に頼らざるを得ないような企業は破綻してしまえばよいと説きます。 こういう主張を展開する評論家は、得てして、自ら多数の従業員を雇用してビジネスを運営した体験がありません。人を雇うことの辛さや苦しさや悩みを知らずに、大言壮語を吐く勇気には拍手を送りますが、そんなに有能なら、非効率の代名詞であるブラック企業やDQN企業が居座る市場で起業し、卓越した経営力で、劣悪企業を駆逐してみせたらよいのではないでしょうか。 厳しいビジネスのリングには上らずに、リングサイドの椅子に腰かけながら批判するのは勝手ですが、リングの上で生き死にの戦いを日々繰り広げている経営者に対しては、最低限の敬意を示すべきだと思います。
2019年1月25日読了時間: 1分


vol-333:難民を受け入れるカナダの決断は吉か凶か?
2019年新年早々、「 家族の虐待から逃れてきた。帰国すれば殺されるかもしれない」などとSNS を通して助けを求め、タイで保護されていたサウジアラビア人女性が話題になっていました。この女性は、イスラム教を捨てたと話しており、それが事実であれば、サウジアラビアでは死刑で罰せられる罪に当たります。カナダは、国連難民高等弁務官事務所の要請を受けて、この女性を難民として認定しました。カナダのフリーランド外相は「とても勇敢な新しいカナダ人」として迎え入れ、トルドー首相は、「カナダは女性の人権のために立ち上がることの重要性を理解している」と述べました。 カナダは、議会が、2019年以降3年で100万人以上の移民を受け入れる計画を発表するなど、移民に対して寛容です。フッセン移民・難民・市民権相は、「我々は歴史を通じて新しく来る人たちを歓迎してきた。そのおかげで、カナダは今のように強く活気のある国へと発展した」と公言しましたが、フッセン氏自身もソマリアからの移民。「オープンマインド」というお国柄を武器にして、米国のIT技術者を招き入れるしたたかさ。このカナダの決
2019年1月24日読了時間: 1分


vol-332:知らなかったで免責されないことを誰も知らない
「不法就労助長罪」を定める入管法第73条の2が、外国人の不法就労をさせた者に対し、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」という厳しい罰則を制定している。この条文は、1989年度の入管法改正において、「不法就労助長罪」を設けるために挿入されたものだが、当時の法務大臣が「不法就労外国人の雇用主やブローカー等に対する処罰規定を設け、これによって不法就労を防止しようとするものであります 」と答弁したとおり 、この条文は、外国人の雇用主や人材紹介者をターゲットにしている。 さらに、入管法第73条の2第2項は、「知らないことを理由として、処罰を免れることができない」と明記しており、万が一、外国人が「不法就労である」と認定されてしまった場合、その外国人の雇用主や紹介者は、「不法就労であることを知らなかった」ことを主張するだけでは免責されず、逮捕・拘留・懲役があり得ることを意味している。 この第73条の2の第2項が導入されたのは、2009年度の入管法改正。不法就労助長罪が「故意犯」であるため、不法就労者を雇用している事業主等が、「雇用している外国人が在留資
2019年1月23日読了時間: 4分


vol-331:非常に精巧な「偽造在留カード」が氾濫する!
2018年は「偽造在留カード」が氾濫した年でした。偽造カードの所持や行使などに関する全国の摘発件数は昨年10月末までに523件に上っています。最多だった一昨年1年間の400件を既に超え、2013年の5倍近くに増加。中でも、偽造された在留カードを所持していたなどとして、入管難民法違反容疑で摘発されるベトナム人らが全国で急増しているのが特徴的です。ベトナム人の摘発は、2013年は0件でしたが、2017年は163件で2016年の51件から3倍超に急増しています。2018年については10月までの全体のほぼ半数にあたる252件で、229件の中国人を上回りました。 福岡県警が不法残留の疑いで現行犯逮捕した元留学生は「ホログラム」入りの「偽造在留カード」を所持していました。昨年末にも北海道で「偽造在留カード」を持つ中国人が大勢確認されています。警察当局は、精巧な「偽造在留カード」が不法滞在を助長しているとみて警戒中。雇用主としては、現物の確認を怠らず、法務省のサイトで、IDが有効か否かを確認することが最低限求められます(IDに対応している偽造カードもあるようで
2019年1月22日読了時間: 1分


vol-330:申請人の社会保険の支払状況がチェックされる
2020年12月28日、法務省は、外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管法の関連政省令案を公表し、「意見公募」を開始しました。新聞等では、「報酬額は日本人と同等以上」「 報酬は預貯金口座に振り込む」「帰国旅費を工面できない場合は受入先が旅費を負担する」「対象者を18歳以上と規定」などが例示されているのですが、その陰で、とても重要な「入国管理法施行規則」の改正案が潜り込んでいました。それは、社会保険の加入状況の確認です。 改正案では、「特定技能の在留資格の在留期間の更新の申請に必要な添付資料は,次のとおりとする」として、①活動の内容,期間及び地位を証する文書、②年間の収入及び納税額に関する証明書、③特定技能1号の活動を行う者にあっては,申請人に対する支援の状況を証する文書に加えて、④社会保険の加入状況並びに国民健康保険及び国民年金の保険料の納付状況を証する文書、を明記しました。この取扱いは理屈から言うと、「特別技能」だけに限定すべきものではありません。したがって、早晩、すべての在留期間の更新審査の際にチェックされる可能性があります。要注意です。
2019年1月21日読了時間: 1分


vol-329:移民政策を採らない日本が移民を保護する?
外国人労働者の人権を軽んじていると非難轟々の安倍政権ですが、じつは、入管法改正の裏側で、移民の人権を保護する国際的な動きに協調していました。それは、「国連移住グローバルコンパクト」への賛成です。 世界の移民は2億5800万人(総人口の3.4%)ですが、難民と異なり、国際的なルールがありませんでした。昨年12月19日、国連総会は、移民保護等を目的とする初の枠組みであるこの決議を採択します。採決では、米国を含む5カ国が反対し、オーストラリア、シンガポール、イタリア等の12カ国が棄権しました。そんな中、日本は米国と袂を分かち賛成に回ったのです。 グローバルコンパクトは、「移民から自由を剥奪することは最後の手段であり、別の措置がとれるよう努力すること」や「移民が社会の一員として完全に受け入れられるよう後押しすること」「 あらゆる形の差別を排除すること」などを含んでおり、この事実を示すだけで、安倍政権が「外国人の人権を無視していない」ことを示すことができます。しかし、広報すると「移民政策をとらない」とするスタンスとの矛盾を突かれるので黙っているようです。
2019年1月18日読了時間: 1分


vol-328:報酬を支払わなくとも不法就労は成立する?
入管法における「不法就労助長罪」は、就労資格のない外国人に報酬を支払った場合に成立する罪だが、報酬を支払っていない場合にも留意が必要である。というのは、2016年10月12日、外国人客を無料で泊まらせる代わりに宿泊施設内で清掃員として働かせたとして、入管法違反(不法就労助長)の疑いで、「カオサン札幌ファミリーホステル」を運営する東京都台東区の宿泊業「万両」社長ら男女3人が逮捕されたことがあるからだ。 これは、観光客の中国人女性とマレーシア人女性に対して、宿泊代を無料にする代わりにベッドメークや清掃などを行わせたことを警察が問題視したことによるもの。カオサン札幌ファミリーホステルでは、1泊約2000円の宿泊代を免除する代わりに1日約3時間、ベッドメーキングや清掃などの業務をさせていたのだが、警察は「宿泊代の代わりに働かせることは、宿泊代を稼ぐために働かせることとほとんど代わらない」と主張し、観光客として宿泊した以上、宿泊料を支払うのは当然であり、宿泊料免除の代わりに従業員として働くのであれば、賃金を受給する代わりに、受領した賃金を宿泊料に充てたこと
2019年1月17日読了時間: 2分


vol-327:入管では記録の書き換えも許される?
2018年1月、大阪入管は、施設の収容者に薬を渡す時間を間違え、それを隠すために投薬時間の記録を書き換えたとして、処遇部門に勤務する50代の男性職員を減給20分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表しました。男性職員は書類送検され、大阪地検が虚偽有印公文書作成・同行使罪で不起訴処分(起訴猶予)にしたといいます。職員は2017年6月16日午後1時ごろ、かぜの症状を訴えた収容者に薬を渡して飲ませたのですが、本来は前回の投薬から6時間空けないといけないのに4時間36分しか空けておらず、その後、「救急常備薬投与簿」に投与時間を午後3時と偽って記入したといいます。 大阪入管は「厳粛に受け止め、再発防止に取り組んでいく」とコメントしました。問題が生じた場合は事実を明らかにして再発防止を講じるしか対処法はありません。当事者の職員は、「時間を間違えてしまい、安易な気持ちで投薬簿を書き換えてしまった」と話したようですが、そういう供述をしても不起訴処分で終わるということを知っていたとすれば、これまでも安易な気持ちで書き換えが起こっていた可能性があります。本当はどうなん
2019年1月16日読了時間: 1分


vol-326:入管の審査はロシアンルーレットである
入管は多忙である。このため、審査実務では、案件審査に着手したときの印象によって、「許可・不許可」を決め付けてから審査するケースが増えている。従来であれば、追加資料を徴求してから確認した上で判断してきた場合であっても、追加資料を徴求することなく放置して、ギリギリの期限を待った上で不許可にする事例や、申請人や受入企業に直接電話しその答えぶりが不適切であったとして不許可にする事例が増えている。 入管では、上席によるチェックがほとんど機能していないため 、担当した入国審査官による判断の幅が広がっており、まさに「ロシアンルーレット」。実際、法務省のある高官は、「現場では統制がとれない。というのは、バリバリ審査やっている係長クラスの人の審査結果に、上司が文句を言えば、『定時退勤します』と言われて、結局、自分にお鉢が回ってくるからだ。だから、上司は部下の審査結果に一切文句を付けない。部下の機嫌を伺っているのが実情である」と証言している。 つまり、「入管においては、詳細なガイドラインに基づいて、厳格な在留資格審査が行われているため、同じ内容の申請であれば、同じ結
2019年1月15日読了時間: 2分


vol-325:派遣先は厚生労働省の指導を無視している
派遣先の一部は、入管法が要請するコンプライアンスをまっとうするには、「就業現場において、『在留資格が許容した活動範囲』の中で業務の指揮命令を行う必要があり、派遣会社にその権限はない」という事実を棚に上げて、「外国人を派遣する派遣会社は、外国人派遣の専門家であり、その専門家に適切な外国人の派遣を依頼したのだから、派遣先の過失はない」という主張を強弁する。しかし、派遣先は、厚生労働省が定めた「派遣先が講ずべき措置に関する指針 」を遵守する義務があり 、この指針を遵守するためには、実務上「在留カード」の確認が必須となる。したがって、「派遣先だから『在留カード』を確認する必要はない」と強弁する現在の業界慣行は、厚生労働省の指針とも相容れない。 まず、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」は、「派遣先は、労働者派遣契約の締結の申込みを行うに際しては、就業中の派遣労働者を直接指揮命令することが見込まれる者から、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該業務を遂行するために必要とされる知識、技術又は経験の水準その他労働者派遣契約の締結に際し定めるべき就業条件の
2019年1月11日読了時間: 4分


vol-324:優秀な留学生の選択肢に日本の大学はない
ビザの厳格化に走るトランプ政権の下で、2017 年度において米国の大学に入学した海外留学生の数は前年比▲6.6%。2年連続の減少です。1960年代前半、米国で学ぶ留学生はたった5万人でしたが、2015年には100万人を超える規模にまで成長。留学生が支払う授業料等は420億ドル(約4兆7660億円)と言いますから、財務状況が悪化する大学が出てくるかもしれません。 留学生が米国を選ばない理由のナンバーワンは「留学ビザ」ですが、「米国に歓迎されていない感覚」や「米国における身体的安全」という指摘も多かったようです。それに加えて、トランプ政権は大学卒業後の「就労ビザ」も厳格化。超人気だったMBAですら敬遠されるようになってきました。 本来、日本の大学にとって千載一遇のチャンスになるはずですが、米国を敬遠した留学生が日本に流れるという見方は皆無。オーストラリアやカナダが一歩先んじる中、アジアでは、英オックスフォード大や米スタンフォード大とともに「世界のトップ30」に入ったシンガポール国立大と中国の北京大・清華大の人気が上昇中。日本の出番はどうもなさそうです
2019年1月10日読了時間: 1分


vol-323:天皇陛下は温かく迎えてほしいとおっしゃった
2018年12月23日、天皇陛下は、「今年、我が国から海外への移住が始まって150年を迎えました。この間、多くの日本人は、赴いた地の人々の助けを受けながら努力を重ね、その社会の一員として活躍するようになりました。こうした日系の人たちの努力を思いながら、各国を訪れた際には、できる限り会う機会を持ってきました」と日系人の苦労を偲び、強い思いを語られました。 続いて、「そして近年、多くの外国人が我が国で働くようになりました。私どもがフィリピンやベトナムを訪問した際も、将来日本で職業に就くことを目指してその準備に励んでいる人たちと会いました。日系の人たちが各国で助けを受けながら、それぞれの社会の一員として活躍していることに思いを致しつつ、各国から我が国に来て仕事をする人々を、社会の一員として私ども皆が温かく迎えることができるよう願っています。また、外国からの訪問者も年々増えています。この訪問者が我が国を自らの目で見て理解を深め、各国との親善友好関係が進むことを願っています」と語られました。日本は、天皇が望むように社会の一員として温かく迎えることができるで
2019年1月9日読了時間: 1分


vol-322:外国人による健康保険の不正は深刻なのか?
入管法改正による外国人労働者受け入れ拡大の機運が高まると、「外国人による健康保険の不正を正せ!」という声が自民党を中心に沸き起こりました。 市区町村の調査権限の強化や写真付きの在留カードの提示を求めることに加え、海外に居住する被扶養者を保険から外すことが検討されています。 しかし、2018 年1月から市区町村において、外国人が在留資格通りの活動 をしているか国保窓口で確かめることとなり、疑いがあれば入管に通報することになったものの、2018 年5月末時点までに通報された件数は2件で、 いずれにおいても不正は確認できませんでした。また、2018 年4月時点の外国人の加入者は 99 万人で、日本人を合わせた全加入者の 3.4%を占めま すが、2017 年度に外国人が国内で使った国保の医療費は961億円(全体の 0.99%)で、海外で治療した際の海外療養費は1.7億円(同34.7%)に過ぎません。しかも、海外療養費は年々減少しています。 一部には、きっと不正もあるのでしょうが、事実に立脚しない感情的で場当 たり的な外国人バッシングをしていると、しっぺ返
2019年1月8日読了時間: 1分


vol-321:入管は外国人労働者の受入れ拡大に反対している?
散々揉めた挙句に成立した改正入管法ですが、じつは、外国人労働者の受け入れ拡大に対して、担当省庁の法務省が反対しているという噂があります(2019年初)。「法務省は法案成立に積極的でない」「法務省内部では拒否反応が強い」「法務省が改正案に反対だ」「法務省は、規制は大好きだが緩和は嫌いだ」「外国人労働者拡大に反対してきた役所が旗振り役になったのが間違いだ」など、耳を疑うような内容です。実際、69 名もの外国人実習生が亡くなっていたという悲惨なデータが参議院で明らかになったのは、改正案の成立を邪魔したいと願う法務省内からのリークという説まであるようです。 では、なぜ改正案を担いだのかというと、本来であれば、内閣府の傘下になるはずだった「出入国在留管理庁」を法務省に与えたから。局が庁に格上げされ、次官級の「長官」に加え、次長や審議官といったポストが新しく増えるだけでなく、大幅な増員も可能になるという「アメ」のために、反対だった入管法改正を吞んだというのです。確かに審査の現場では、不許可の乱発に加えて、在留資格の取消が急増しており、緩和ムードの欠片もありま
2019年1月7日読了時間: 1分


vol-445:「特定技能」は「技能実習」に取り込まれていく
日本政府は、外国人技能実習制度の「宿泊業」について、現在は1年しか認められていない技能実習を2年目以降もできるように制度を改正することを決めました。この措置により、「宿泊業」で約3年の実習を経験すれば、新たな在留資格「特定技能」に無試験で移行することが可能になります。 じつは、北大阪高等職業技術専門校は、3年間在留する技能実習生に義務づけられる「3級」の検定試験(フライス盤を使った金属部品の加工技術)の対策講座を開講しています(計12時間の2日間コース)。つまり、表向きは「習得に3年かかる」と謳っている「技能」は、たった2日間でマスターできる代物にすぎません。「宿泊業」の「3 年」も同じ類でしょう。 宿泊業界は、外国人を「特定技能」で直接集める道筋ではなく、「技能実習」の立て付けの中で、将来「特定技能」で受け入れる外国人を取り込む戦略を選びました。この事実は、「特定技能」という在留資格が、「技能実習」に取り込まれてしまったことを意味します。いずれ「外食業」もそうなるかもしれません。「技能実習」は、今後もしぶとく生き残っていくことになります。
2019年1月1日読了時間: 1分


vol-320:「労働者不足」に「労働者劣化」が襲い掛かる
2018年は、「労働者不足」の事実が表面化した年でした。経営者たちは人口が毎年40万人減るという逆風の中で守りに徹しています。経営者が守りに徹すれば、賃金や待遇が大幅に改善されることはありませんから、就労者も守りに徹します。そして、就労者=消費者が守りに徹すれば、値上げを織り込んだ戦略は失敗に終わります。そうなれば、ますます経営者は守りを固めます。そういう中で「人手不足倒産」が増加してきました。この膠着状態を打破しなければ、日本経済は完全復活を遂げません。そこで、安倍政権は、様々な批判をものともせず、「外国人受け入れ政策」に踏み込みました。 しかし、これにより、仮に「労働者不足」が緩和されたとしても、今度は、「労働者劣化」という新たな問題が浮上してきます。時代に合わなくなった年功序列という人事制度が効果的な企業運営を困難化させていく中で、日本企業は人事改革という「辛い試練」の断行を迫られています。そういう中で、「経済メカニズム」を無視した経済政策が実施されたならば混乱は必至。2019 年は、2018 年よりも厳しい年になると覚悟しておかねばなりま
2018年12月29日読了時間: 1分


vol-319:在留カードを確認するだけでは免責にならない
「不法就労助長罪」に抵触しないためには、「在留カード」を確認することが必要である。しかし、「在留カード」の確認は必要条件であって、十分条件ではない。「在留カード」を確認しても、「在留カード」から得られる在留資格の関連情報を無視して、「資格外活動」に従事させれば「不法就労」になるからだ。例えば、特殊な料理を創る「活動」が許された「技能」という「在留カード」を確認した上で外国人を雇用した場合、いかに「在留カード」を丁寧に確認したとしても、専ら事務や広報等の業務に就労させたら「不法就労助長罪」に相当してしまう 。「身分・地位に基づく資格」以外の在留資格には「活動範囲」が定められており、「在留資格が許容した範囲」の中で業務を与えなければならない。 したがって、実務としては、「在留カード」を確認するだけではコンプライアンスとしては不十分である。当然と言えば当然のことだが、 ㋐「在留カード」を確認し「在留資格が許容した活動範囲」を認識した上で、 ㋑ 就労場所において「在留資格が許容した活動範囲」の中で業務を指示する、 という2つの基本実務が揃ってはじめて、「
2018年12月28日読了時間: 3分


vol-318:「特定技能」より「技人国」を適法に活かそう
日本企業で働く外国人のマインドセットは、日本人とは異なります。専門性を度外視してチームワークでの成果を競う日本型は、専門スキルの存在を前提にJob Descriptionで働くスタイルとは異質。不明確なキャリアパスに不安になり、年次主義に不満を覚えて、出世が遅い現実に直面すると、外国人は転職していきます。日本企業においては、「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場」はまだまだ少数派。長くても3年以内のキャリアアップやスキルアップを求める外国人に年功序列型の人事体系は向きません。かと言って、外国人に合わせれば、年功序列を信奉する数多くの日本人から一斉射撃を食らいます。 在留資格「特定技能」の新設で、人海戦術の担い手である兵隊の話に焦点が当たっていますが、下士官候補をリクルートし戦力化する議論は盛り上がっていません。兵隊不足は喫緊の重要課題ですが、下士官不足は将来を左右する深刻な問題。筋悪の「特定技能」の話はさっさと切り上げて、「技術・人文知識・国際業務」の外国人材を幅広く活用するための施策に転じるべきです。
2018年12月27日読了時間: 1分


vol-317:派遣元は処罰されヒルトンニセコビレッジは無傷
2018年秋、ニセコ町のホテル「ヒルトンニセコビレッジ」で、就労資格のないベトナム人を不法に働かせたとして、入国管理法違反(不法就労助長)の罪に問われた人材派遣会社社長の判決が下りました。懲役1年6カ月・執行猶予3年・罰金200万円。裁判官は「入国管理行政への悪影響は大きく、刑事責任は軽視できない」と判示しました。ベトナム人7人を10ヶ月間、ホテルに派遣して清掃業務に従事させたことが、重大な犯罪であると断ぜられたのです。 派遣契約の場合、派遣労働者と派遣元は必ず責任を問われますが、今回の事件で「ヒルトンニセコビレッジ」は罪に問われませんでした。ホテル側は契約書を管理しておらず、在留資格について把握していなかったと言いますから、契約書を交わさずに「雇用」した可能性も否定できず、入国管理法上も「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者」「外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者」に相当するので、本来なら同罪であることは明らか。いずれ、派遣先が、「大変驚き、残念に思っている」と語るだけでは許されない時代がやってきます。
2018年12月26日読了時間: 1分
bottom of page
