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vol-292:人手不足なのに賃金が上がらないのは移民が悪い?
経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。 しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないという事実を簡単に確認できます。リーマンショック後の回復期で見ても、年率換算するとたかだか年+0.4%程度の向上。2000年からの17年間で見ると、生産性向上はほぼゼロです。 労働生産性が大幅に向上すれば、賃金も上がるでしょうが、生産性が上がらない社員から「給料を上げろ」と言われて、素直に昇給させる社長はいません。生産性が上がらなければ、売上高や生産を増やすためには増員が必要なので人手不足につながります。怠けている「社内失業者」が3割いるという見方もありますが、まずは、労働生産性を上げないとお話
2018年11月19日読了時間: 1分


vol-291:伊藤ハムは確認していたが不法残留に気付かず?
不法残留を知りながら中国人男女2人を工場に派遣して働かせたとして、人材派遣会社社長と名古屋市在住の中国人が入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。両容疑者が共謀して、不法残留した中国人の男女を作業員として、富山県小矢部市にある工場で働かせていたようです。 この食品工場は伊藤ハムの子会社が運営。伊藤ハムは、取材に対し、「在留、就労状況は確認していたが不法との認識がなく、このような事態が発覚し大変驚いている。チェック体制をより強化していきたい」と答えましたが、「在留・就労状況を確認していたのに、不法残留がわからなかった」などということはあり得ません。新聞記者ならそこを突っ込むべきでしょう。 とはいえ、法律的に言えば、派遣先は直接の雇用主ではないので、「すべての責任は派遣元にある」と主張することが可能です。だから、入国管理法に詳しい大手企業では、外国人を正社員としては雇わず、派遣に頼る先も少なくありません。多少高い時給を支払っても、不法就労助長のリスクを負うことがなければ安い買い物。製造業派遣会社は一手にリスクを背負っています。
2018年11月16日読了時間: 1分


vol-290:米国は出生地主義を捨てられるのか?
ドナルド・トランプ米大統領が、大統領令によって、米国で生まれた子どもに自動的に市民権を与える『出生地主義』を転換させるという考えを表明しました。市民権を得た移民が祖国の親族を呼び寄せる「移民の連鎖」を断ち切るとして、大統領選時から唱えてきた考えです。 日本は、トランプ氏が理想とする「国籍制度」である「血統主義」を採用しています。というのは、日本国籍を取得するには、父か母かが日本人でなければならず、しかも外国で生まれた場合は一定の手続きを取らないと日本国籍を取得することができない仕組みになっています。「国籍」というものは生まれながらにして世界共通に決まっているものだと思いがちですが、じつは、各国が定めている「国籍法」の内容によって大きく変わり得るのです。 日本の「国籍法」は、二重国籍を認めていません。その一方、OECD諸国の圧倒的多数が二重国籍を認めています。また、海外に出て行った元自国民をつなぎ留める動きも顕著に見られます。入国管理法の議論が活発化していますが、同時に「日本人とは何者か」という根源的な議論が求められています。
2018年11月14日読了時間: 1分


vol-289:悪質な社会保険料の滞納者には在留を認めない
山下法務大臣は、「悪質な社会保険料の滞納者に対しては在留を認めないことを検討している」と述べ、在留期間の更新を審査するための指針を改定する意向を示しました。現行のガイドラインは、許可・不許可の考慮事項として「雇用・労働条件が適正であること」「納税義務の履行」などを挙げ、2010年4月からは申請時に窓口で保険証の提示も求めていますが「提示できないことで資格変更や期間更新を不許可とすることはない」との立場でした。 今後は、社会保険料を滞納している外国人には在留を認めない方向になると思われますが、そもそもこの扱いは、2010年当時、「社会保険料の支払の有無で在留資格を判断すべきでない」と主張した公明党が当局に働きかけて、ガイドライン化したもの。今回、公明党がどう動くのかが注目されます。 このほかにも、「母国にいる扶養家族を、日本の健康保険の適用対象から外すべきだ」とか、「外国人配偶者の年金受け取りを制限すべき」など、外国人に厳しい措置が続出。ただ、在留外国人に「年金保険料」を支払わせることの理不尽さについては、誰も指摘していないようです。
2018年11月14日読了時間: 1分


vol-285:排外主義を唱えるのなら琵琶湖の沖島で起業せよ!
「外国人労働者を入れると、低賃金労働者を前提とするビジネスモデルが変革しないから反対」という声が一部から出ています。中には、「経営者が極限まで追いつめられれば、生産性向上の道が開ける」という勇ましい声も。 しかし、ビジネスモデルを大きく変革するためには、①対象とする市場が今後大きく成長するので投資に見合うという強い期待があること、②新しいビジネスモデルに見合った一段上の生産性のレベルに労働者が成長する見込みがあること、③その投資を行う場所としてその地が最適であること、という条件が必要です。この3条件が揃わなければ、経営者がビジネスモデルを変更することはありません。縮小するか撤退するだけです。 琵琶湖に浮かぶ沖島では、30年前520人だった人口が現在は250人と半減しました。人手不足が技術革新や生産性向上を産み出すのなら、沖島は「日本のシリコンバレー」になっているはず。しかし現状は、ゴミ処理にすら往生しています。人口減少が進む日本は、世界から見れば、沖島のようなもの。こういう論者たちは、沖島に行って是非起業してもらいたいと思います。
2018年11月8日読了時間: 1分


vol-284:大企業の「技人国」は「翻訳・通訳」が多い
外国人材を紹介するビジネスに数多くの企業が参入していますが、入国管理法を十分に理解しているか否か甚だ疑問です。少なからぬ企業は、「大企業への紹介であれば問題ないだろう」と思い込み、自ら入国管理法を学ぶことなく、外国人材を紹介していますが、かなり大きなリスクを冒しています。 大企業の人事部の役目は「採用」であって、「コンプライアンス」ではないので、入国管理法に詳しい人事担当は稀。高い紹介料と申請費用を払ったんだから、問題が起きないように業者が諸対策を講じるのは当たり前と思っています。本来、入国管理法上のチェックを行う行政書士は、クライアントが大企業であるが故に、許可率を上げようとして、あるいは、不許可時の叱責を嫌って、職務内容を吟味することなく、「翻訳・通訳」で申請しがち。 このため、大企業の場合、入社早々現場研修に出される外国人材の実態と、申請書類に記されている職務内容の乖離は極めて大きく、入管や警察が現場に入れば、「資格外活動」を指摘される可能性大。大企業だからと言って、入国管理法上のリスクが小さいわけでは決してないのです。
2018年11月7日読了時間: 1分


vol-282:国境を守るためには軍隊による発砲も辞さない
中米ホンジュラスから米国を目指し、数千人規模のキャラバン(移民の集団)が徒歩で北上を続けています。ホンジュラスは、ギャングと麻薬密輸が横行する国で国民の多くが貧困に喘いでおり、米国で働き祖国に仕送りすることを夢見ています。これに対し、トランプ大統領は、国境に5200人の軍隊を派遣し、「米国への入国は許可されない」と言明。米軍部隊がキャラバンに発砲する可能性について「そうならないことを願っている」と述べる一方、群衆が投石等をした場合は「銃器による攻撃とみなす」と警告しました。 思い出されるのは、2017年9月23日に麻生財務相が、朝鮮半島有事で難民が日本に押し寄せた場合の対応について、「武装難民かもしれない。警察で対応できるか、自衛隊の防衛出動か、射殺ですか。真剣に考えた方がいい」と述べたときに沸き起こった猛反発。トランプ大統領は「キャラバンに対して発砲するかもしれない」と示唆しているわけで、麻生氏の指摘と何ら異なりません。「入国管理」という政策を、「人道主義」のきれいごとだけで語ることは非現実的だという「現実」を直視すべきです。
2018年11月5日読了時間: 1分


vol-281:時期尚早と言う人は100年経っても時期尚早と言う
予期されたことではありますが、安倍政権の「特定技能」に対して、野党やマスコミから「拙速だ」「 腰を据えた議論を」などの「拙速論」が出てきました。反対するのであれば、「日本語基準はこうすべき」とか「この条件を充たす場合は家族滞在を認める」などの対案を述べるべきなのに、具体策は一切出さずに、長々と審議することを求めています。「特定技能」という在留資格が美しいとは決して思いませんが、現状維持が最善ではない以上、何らかの対案を出すのが政権交代を狙う野党としての責務ではないでしょうか。 川淵三郎・元日本サッカー協会会長は、「時期尚早と言う人間は、100 年経っても時期尚早と言う。前例がないと言う人間は、200年経っても前例がないと言う」と喝破して、Jリーグを立ち上げ、成功に導きました。 新たなことをやろうとすれば、反対派が邪魔をするのは世の常。しかし、僅かであっても、より良い方向に世の中を導く(Not the best, but a little better)ためには、「とにかく反対」ではなく、「ここをこうすべき」という実務的で実践的な智慧が必要です。果
2018年11月2日読了時間: 1分


vol-280:外国人を受け入れる覚悟がないと排外主義になる
これから、外国人労働者の受け入れを拡大する制度を含んだ改正入国管理法が国会で議論されますが、世論の受け止め方は、おおむね好意的なようです。日本経済新聞・読売新聞・時事通信では、賛成が過半数となり、毎日新聞でも、「賛成」が47%と「反対」の32%を上回りました。 ただし、「移民」については区々。日本経済新聞では、日本での永住に関しても、賛成が過半数を占めましたが、毎日新聞においては、「永住を認めるべきだ」の40%が「永住を認める必要はない」の38%と拮抗。読売新聞では、外国人が定住を前提に日本に移り住む「移民」の受け入れについて、「賛成」43%に対して、「反対」44%と、わずかながら反対派が上回りました。 紆余曲折はあるでしょうが、改正入国管理法はこのまま可決されるでしょう。しかし、実際に外国人の受入れが増えていけば、世論は大きく変わり得ます。異文化の人々を受け入れるとき、摩擦や軋轢が生じるのは致し方ありません。しかし、その覚悟がない中でなし崩し的に拡大が図られるとき、外国人排斥の声は、現在以上に大きく拡声されて表面化することが懸念されます。
2018年11月1日読了時間: 1分


vol-279:スカスカの改正入管法は自民党劇場で振り回される
入国管理法改正案について、自民党の中で激論が戦わされています。2018年10 月22 日に政府案の説明を受けた自民党法務部会では、23~25日に業界団体等から意見を聴き、26 日には法案を了承する運びだったのですが、移民政策や治安の懸念、受入規模の明示や総量規制の必要などを問う意見が出たため、結論を持ち越し。29日の法務部会では了承されたものの紛糾。 マスコミは「自民党劇場」に振り回されている感じです。内部分裂かのごとく報じられていますが、個々の議員たちの見せ場を作り、如何にも法案の中身を揉んでいるように見せるところはさすがに老練。実のところ、議論しているのは、「 まずは、ほとんどを省令に委任した改正案を成立させ、その後に党の議論を省令等の実際の運用に反映させる」という決議案をまとめる方針の下で、政府に対する「決議文」をどうまとめるかで争っているだけ。 冷徹に見れば、国会軽視も甚だしい茶番なのですが、誰もソコを報じません。ジャーナリストならば、本来は、法案が「スカスカ」であることを問題視すべきなのですが、自民党のほうが役者が上手だということなので
2018年10月31日読了時間: 1分


vol-277:留学から就労ビザというルートを大切に育てよ
2017 年に外国人留学生が、日本国内での就職を目的に行った在留資格変更許可申請に対し、入管は、2万2419人を許可しました。2016年より2984人増えて過去最多となりましたが、許可率は2年連続で減少し、80.3%まで落ち込みました。2011 年の 93.9%と比べると 13.6%ポイントの大幅下落。許可率低下の一因は、専門学校の留学生増加。専門学校の場合、学習内容と就職先での職務内容の関連性が重視され、厳しく審査されがちだからです。 じつは、学歴別にみると、大学・大学院の留学生卒業数(当年)に対する許可数(前年卒に対する許可を含む)は 63.6%で、政府の目標とされている50%超を達成する勢い。一方、専門学校の留学生卒業数に対する許可数は24.4%にすぎません。さらに言えば、日本語学校の留学生卒業数に対する許可数(母国大学卒の場合は学歴基準を充足)は大部分が進学であるとはいえ1.8%。進学率が8割だと仮定しても許可率は1割未満です。 「特定技能」の議論も大事ですが、専門学校卒の留学生や母国で大学を卒業し日本語学校に留学した外国人の就職をどう考
2018年10月28日読了時間: 1分


vol-276:じつは日本維新の会は移民受入れに賛成だった
2018年10月24日に召集された臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大のために新たな在留資格を創設する入国管理法改正案を巡り、徹底審議を求める野党は、召集前から「会期延長」を取り沙汰するなど対決色を強めています。 反対一色に見える野党の中で、片山虎之助・日本維新の会共同代表が、個人的な意見と断りながらも、「移民政策をどうするのか、きちんと正面から議論する時が来ている」と正論を吐きました。「 人手不足で日本の経済社会が動かなくなってきている。政府は移民は認めないと言い続けてきた。その代わりに技能を教えるという名目で技能実習生を入れ、安い労働力としてこき使ってきた。このやり方を続けるのは限界だ。門戸開放して移民を無制限に受け入れるという国民的合意はできていない。しかしルールを作ってハードルを下げ、なだらかに受け入れることは検討してよい。多様性のない国は衰える。来る人に対してきちんと権利義務を認め、法的地位も与えて対応しないといけない。日本はこれだけの経済大国になったのだから、受け入れも堂々とすべきだ」と説く片山氏はかなり株を上げたと思います。
2018年10月26日読了時間: 1分


vol-275:東電や日立の資格外活動は処罰されることがない
2018年10月19日、法務省は、技能実習生を計画にない東京電力福島第1原発事故の除染作業等に従事させたとして、建設会社3社について、3年間の実習生受入停止や注意喚起の措置を講じたことを発表。政府は、外国人実習生に除染作業を行わせることを禁止する方針を示していますが、除染作業が短期間だった先については注意喚起にとどめました。法務省は「除染は技能実習の趣旨にそぐわない」との見解を示しているものの、入国管理法に照らせば、明白な「資格外活動」。「除染」は「技能実習」の「活動」として認められる余地がないので、不法就労助長に問われても仕方がない事案です。 折しも、ミャンマー人約70人をホテルの清掃員として斡旋したミャンマー男性らが警視庁に逮捕されました。技能実習生のミャンマー人の男女2人をホテル清掃員の派遣などを行う都内の会社に斡旋したと言います。「除染」だと受入停止か注意喚起で終わるのに、「清掃」だと逮捕・立件の対象になります。日立製作所が技能実習生に就労させた「電車のトイレ付け」という「資格外活動」もお咎めなし。これって、不公平なんじゃないでしょうか。
2018年10月25日読了時間: 1分


vol-274:韓国は済州島で難民申請したイエメン人に対処する
韓国では、済州島に上陸して難民申請したイエメン人の集団が問題となってきましたが、481人の75%に当たる362人に1年間の滞在を許可し、就労することや国内を自由に移動することを認めました。難民認定こそ0人でしたが、思い切った判断であることは間違いありません。一部のイエメン人が、SNS に銃を持った写真を掲載していたことについても、「イエメン現地の文化的背景を踏まえるべきだ。男として勇敢さを誇示しようと、銃を持って写真を撮った人もいれば、結婚式のお祝いの行事に出席し、他人の銃を借りて写真を撮り、SNSに掲載する場合もある」として許容しました。 このイエメン人の難民問題については、韓国内でも世論が分かれ、その去就が注目されてきました。今回の判断の是非は、今後の展開を慎重に見守るべきでしょう。しかし、それにしても特筆すべきは、韓国の入管が、当初から、地元自治体と協力して、難民申請者への職業斡旋を行ったり、宿所や医療の支援等に努めてきたという事実。日本でも、来春「入国管理在留庁」が発足します。果たして、韓国の入管に負けない働きはできるのでしょうか?
2018年10月24日読了時間: 1分


vol-272:移民大賛成の立憲民主党は特定技能に大反対した
臨時国会が2018年10月24日に召集される運びとなり、安倍政権が打ち出した外国人労働者の受け入れ政策に対して、野党から批判の声が挙がり始めました。立憲民主党の枝野幸男代表は、「事実上の移民政策」と批判し、「堂々と受け入れるかを議論せず、なし崩し的にやるのは最悪だ」と主張しています。 しかし、立憲民主党は、「国民との約束」の中で、「人種や性などによる違いを尊重し、社会を彩る多様性こそが、その社会を豊かで、活力あるものにするのです。多様性は、強さです。あらゆる差別に反対し、社会の分断を許しません」と謳っています。支援団体である日本労働組合総連合会の手前、明言は難しいのかもしれませんが、「正々堂々と移民政策に踏み込み、共生すべきだ」と安倍総理に迫るのが本来のスタンスのはず。 本来の主張に蓋をして、安倍政権の批判だけを展開するのは下策です。折しもドイツでは、極右の急伸に怯んで難民に対する排他的な政策を打ち出したキリスト教社会同盟が、「キリスト教の価値観から逸脱している」として支持者たちの信頼を失いました。野党第一党としての矜持が問われています。
2018年10月22日読了時間: 1分


vol-271:人手不足で悩んでいる自衛隊はPKOができなくなる
自衛隊が窮地に陥っています。自衛官の応募者数は、33,534人(2013年)から27,510人(2017年)に減少。採用数は4年連続で計画を下回り、兵隊レベルの充足率は73.7%。6.5%だった女性自衛官の比率を9%に引き上げ、募集の年齢上限を26歳から32歳に引き上げますが、このまま採用難が続けば、国連PKO活動を止めざるを得ないという声も。 それもそのはず。日本国内は、正社員の不足を訴える企業が過半数。人手不足倒産が前年比4~5割増で、求人難による倒産は倍増。後継者難の中、「働き方改悪」が経営を圧迫し、賃金上昇やコスト増が続いて収益が悪化していることに加えて、地銀が企業を支えられなくなってきたことから、人手不足倒産はさらに増加することが懸念されています。そんな中、人件費の高騰を賄いきれず、牛丼の吉野家が8年ぶりに赤字に転落しました。 企業から見れば、求人が充足できない切迫した状況が続いていますが、求職者サイドでも、就業率の鈍化が気になります。国内市場の成長が期待できない中では、強気一本槍の雇用戦略は採れません。倒産動向には要注意です。
2018年10月19日読了時間: 1分


vol-270:「特定技能」は各業界団体の成績表になる
2018年10月12日、新しい在留資格の骨子が公表されました。対象となるのは、「不足する人材の確保を図るべき産業上の分野」とされています。候補に挙がっているのは、農業、介護、飲食料品製造業、建設、造船・舶用工業、宿泊、外食、漁業、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造、電子・電気機器関連産業、自動車整備、航空の14分野と言われていますが、これら以外の業界は黙っていません。自民党も、来年度は、統一地方選(4月)や参院選(7 月)がありますから、業界からの要望を無下にはできないでしょう。 法務省は、年内にも省令で対象分野を決める見通しで、「公的な指標などを用いて人手不足の程度を調べる」と語りますが、まずは、政治主導で対象となる業界が決定され、その業界が対象となるように、有効求人倍率などの指標が選択されると見るべき。各業界は、今回落ちたとしても、次回の選抜で選ばれるように、自分の業界に有利な線引きを勝ち取ろうと鎬を削ります。 今回、「特定技能」に選ばれる業界の顔触れを見れば、どの業界が自民党に強いのか、自民党がどこを向いているのかがわかります。
2018年10月18日読了時間: 1分


vol-268:『特定技能』の転職には在留資格の変更が必要!
10月12日、来春、新設される在留資格「特定技能」の骨格が示されました。「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種の資格を創設。「1号」は相当程度の知識と経験保有者が対象ですが、在留期間は通算5年が上限で、家族の帯同は不可。ただし、所管省庁が定める一定の試験に合格すれば「2号」に移行でき、家族帯同や在留期間の更新が可能になります。主も処遇に配慮せざるを得ません。 画期的だったのは、「特定技能」の外国人に「転職」を認めたこと。これは、マーケットを劇的に変えるインパクトを内包しています。悪名高い「技能実習」で奴隷労働的な雇用が慣行となってきた背景には、「転職不可」という制度上の欠陥がありました。辛くなって逃げ出せば「不法在留」になり、他で働けば「不法就労」になるという構造が悲惨な諸問題を惹き起こしてきたのです。転職の可能性ありとなれば、雇用主も処遇に配慮せざるを得ません。 ただし、「転職可能」になったのは良いものの、転職する際には、同じ業種であったとしても、在留資格の変更許可が必要になります。「特定技能」は在留資格と受入企業を紐付けた上で許可しているの
2018年10月16日読了時間: 1分


vol-267:特定技能に直面する日本企業は人事を改革できるか?
安倍政権は、外国人労働者の受け入れ拡大へ大きく舵を切りました。今後、日本企業は、国内で外国人を本格的に活かすことが求められます。ところが報道されるのは、最下層で「部品」として活用する事例ばかり。経営職への抜擢や管理職への昇進は話題にのぼりません。 短期間での昇格や高給を求める優秀な外国人材は、年功序列賃金の下で昇給・昇格基準が曖昧なまま、長時間労働を強いられることには耐えられません。給与水準が母国よりも低ければ、日本企業で頑張る価値はゼロ。実際、高スキル人材の3分の2が「給与に不満」という調査結果もあります。日本人の若者も日本企業の人事制度に呆れ果て、出世を目指さなくなりました。 日本企業の「人材活用下手」は世界的な常識。「先進国中ワースト2位」と語る人材会社もいるほど。経済産業省の調査(2016)でも、日本に住むことは82.7%の留学生が高評価なのに、働く場としての日本企業を「魅力的」とする意見は22.0%にとどまりました(否定的な意見は49.9%)。人事制度を抜本改革しなければ、これからの時代に生き残っていくことはできません。
2018年10月15日読了時間: 1分


vol-266:日本に在留するのであれば日本語は必須である
外国人労働者の受入拡大に備えて、新たな「日本語能力テスト」が導入されます。「職場で円滑に意思疎通する実践的な力」を重視するという名目で、電話応答やスケジュール確認など仕事で使用する語彙や表現を出題し、外国人の受入条件として活用する模様です。理屈はこねていますが、要するに、現在の「日本語能力試験」が実用的でない(難しすぎる)という批判に応えたのでしょう。興味深いのは、日本語能力テストを所管するのが「国語施策・日本語教育」を担う「文化庁国語課」ではなく「外務省」だということ。「文部科学省(文化庁)」の凋落が表面化してきました。 ただし、要求すべき日本語レベルの設定や在留外国人に対する日本語教育は、国の将来を左右する最重要事項。霞ヶ関の権力争いで決めてよい事項ではありません。ロシアでは居住権を獲得するために、ロシア語とロシア史とロシア法の試験があると言います。日本では「国語=日本語」と定めた法律すらありません。緩和を求める業界に媚びず、国家百年の計のために真剣に対処する組織が必要です。本来ならば、「入国管理在留庁」の出番なのですが・・・
2018年10月12日読了時間: 1分
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