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vol-830:偽装難民問題が再び浮上し悪化していく?
7月16日、東京五輪出場のため大阪府泉佐野市で合宿していたウガンダの重量挙げ選手が行方不明になったことが明らかになりました。オリンピックで来日した選手は、宿泊先と競技場等を除いた移動は禁じられていたにもかかわらず、大阪から名古屋行の新幹線に乗ったようです。宿舎に「生活が厳しい国には戻らない。日本で仕事をしたい」という書き置きがありました。 「日本で仕事をしたい」という理由だけで、日本に在留できるのであれば、在留資格制度はガタガタになります。このウガンダ選手への対処は、極めて重要な試金石になるでしょう。というのは、法務大臣の判断でミャンマー人の難民申請というパンドラの箱が空いてしまっているからです。入管の対応が軟弱に終わるようであれば、偽装難民が大挙して来日することになります。 すでに、在留しているミャンマー人の多くは、「在留資格制度に抵触しても難民申請すればいい」と割り切っているので、無断で職場を離れる技能実習生や資格外活動違反を気にしない留学生が急増しています。「かわいそうだ」というだけでは、解決できない大問題に発展する兆しがあります。
2021年7月19日読了時間: 1分


vol-829:罵詈雑言は人権派が唱える寛容な社会と矛盾する
赤坂エクセルホテル東急が、東京オリンピック・パラリンピックの大会関係者と一般客の動線を分けるという指導に従うため、ホテル内のエレベーターに「外国人専用」「日本人専用」という掲示をしていましたが、「外国籍の人々への差別だ」という批判を受けて撤去しました。 三重県では、外国人の不法就労や不法滞在に関する県のウェブサイトに掲載されたイラストが「外国人への差別や偏見を助長する」との指摘を受けて、削除されました。イラストは、県警の依頼で制作されたもので、灰色の肌に黄色の目をした土木作業員や接客業、工場作業員とみられる男女3人が「在留資格無資格」などと書かれた紙を掲げて薄ら笑いを浮かべたものでした。 配慮が足りなかったのは事実でしょう。しかし、これらの張り紙やイラストを罵倒する人々は、多くの場合、「無差別で平等な良識を持った選民」と「基本的人権に鈍感な愚民」の間で線引きしたいという自己顕示欲だけに終わり、社会を融合ではなく分断に誘いがちです。罵倒による他人への攻撃は、真の意味で外国人を受け容れる社会を構築することには貢献しないと思います。
2021年7月14日読了時間: 1分


vol-828:留学生の受入学校は死に絶えても良いのか?
5月26日、2人のイタリア人大学生が記者会見を開きました。彼らは2.7万人いる「コロナ禍のため日本に入国できない留学生たち」の代表です。「G7の中で日本だけがなぜ留学生の受入れを再開していないのか」「留学生には厳しい入国制限を課しているのに、なぜ東京オリンピックの関係者は入国できるのか」と批判の声を上げました。日本人は海外留学できるのに、海外から日本へは特別な事例を除いて留学できません。相互主義が崩壊しています。 そんな状況下で政府は、AI 等の先端技術が海外に流出し軍事転用されるのを防ぐためと称し、留学生等を通じた情報漏洩に対して外為法の運用厳格化で対応します。技術の流出を防ぐために、日本国内でも外国人に技術を提供することは「みなし輸出」として、経済産業相の許可がいることになっていますが、国内に半年以上滞在する留学生等については「居住者」として扱い、許可を求めていないため、規制の対象に加える方向で検討するというのです。 趣旨は分かりますが、「留学生30万人計画」以降の留学生政策を明らかにしなければ、留学生の受入校は死に絶えてしまうかも。
2021年7月12日読了時間: 1分


vol-827:外国人幹部を2倍に増やしてどうするの?
日本経済新聞は、「政府は海外の企業経営者や経営幹部らの国内受け入れを増やし、2030 年に約20万人にする目標を決めた」と報じました。2019年(9.5 万人)の約2倍に増やす方針で、東京や大都市圏に集中する外資系企業の日本法人本社を地方に誘致し、東京以外に拠点を置く企業の数を 2026年に1万社にするべく施策を講じるそうです(2016年4,200社の2倍強)。 机上の空論です。海外の企業経営者や経営幹部が陸続として来日するとすれば、①日本経済の成長が他国に比べて魅力的であり、かつ、②現地法人の経営を日本人に任せるよりも外国人に任せることが合理的であり、③税制や在留資格などの諸制度が排他的でないことが最低限必要です。③だけ一生懸命やったところで結果は知れていますし、②の必然性もよくわかりません。言うまでもなく、①については、もっと大きな視点に立った諸施策が必要です。 おそらく、「日本人の経営者では現在の閉塞感は払底できない」という命題から「外国人ならできる」という結論を得て、今回の施策に至ったのでしょうが、経営現場を知らないお役人が「お絵描き」し
2021年7月6日読了時間: 1分


vol-826:日本の人口は世界のトップテンから脱落した!
国勢調査によれば、去年10月1日の日本の人口は、1億2622万6568人で、前回5年前の調査と比べて86万8000人減りました。前回より人口が減少したのは38の道府県で、市町村別でも全体の8割以上の市町村で人口が減っており、半数を超える市町村では減少率が5%以上となりました。世帯数は5571万9562世帯で、前回よりおよそ227万1000世帯増えた半面、1世帯当たりの人数は2.27人と過去最少を更新し続けています。 国連の推計によれば、2020年の世界の人口は77億9500万人で、日本は世界で11番目となり、トップテンから脱落しました。人口の増減率でみると、人口上位20か国の中で減少となっている国は日本のみとなっています。コロナ禍で少子化が進んだだけに、今後さらに人口減少が進むことは必至です。 人口減少は「静かなる有事」。未だに「AIやロボティクス等で生産性を向上させれば対処できる」という勇ましい言論を吐く方が大勢おられますが、そうであれば、自ら現場で実践して見せるべき。農業や漁業に始まり、製造業から介護に至るまで、外国人がいなければ回らない現実
2021年7月2日読了時間: 1分


vol-825:政策が甘ければ外国人はその綻びを必ず突いてくる
6月16日、W杯アジア2次予選に参加するため、日本に滞在していたミャンマー代表のサッカー選手が、クーデターで権力を握った国軍が支配するミャンマーに帰国することを拒否し、日本政府に保護を求めました。6月22日には難民認定を申請。入管は、認定の手続きを迅速に進める方針と言います。 この選手に関する認定の可否はともかく、問題はその後。法務大臣が「ミャンマーを救う」と大見得を切った中で、入管にとってもこの流れで難民認定を不許可にすることは難しいと思われますが、万が一、許可になったら、ミャンマーの人たちが怒涛の如く入管に押し寄せることでしょう。すでにカチン族で難民申請をしている人が記事になったりしていますから、自称「難民」が弁護士と一緒に次から次へと難民申請してきます。 ミャンマーと言えば、ロヒンギャ問題を避けることができません。100万人とも言われる彼らが日本を目指してきたとき、入管や日本の社会は、彼らを受け容れるだけの覚悟を持っているでしょうか。インドシナ難民ですら累計1.2 万人しか受け入れなかった日本にその度量があるとは到底思えません。
2021年6月30日読了時間: 1分


vol-824:ウーバーイーツが不法就労容疑で送検される?
6月22日、警視庁は、ウーバージャパンの幹部2人と、法人としての同社を入管法違反(不法就労助長等)の疑いで書類送検しました。書類送検されたのは、かつてウーバーイーツを運営していたウーバージャパンと代表社員及びコンプライアンス担当の社員。昨年6~8月、在留資格の有無を確認せず、ベトナム人男女を配達員として違法に就労するのを助長した疑い。元代表社員は「報告を受けておらず、知らなかった」と否認、元社員は「外国人の登録に問題があることはわかっていた」と認めているようです。 都内では配達員の外国人が不法就労容疑で逮捕される例が多数あり(昨年184 件)、警視庁は事態を重くみて、対策を講じるよう運営会社に指導を繰り返してきました。ウーバーイーツでは、配達員による交通法規やマナー違反のほか、交通事故も後を絶たず、警察への苦情が相次いでいるといいます。 ウーバーイーツに問題があったことは事実ですが、大勢の外国人労働者を使用して不法就労を助長しているという罪なら、外国人派遣の業者も同じはず。入管や警察が大手派遣業者に甘いのは、何か特別な関係があるのでしょうか。
2021年6月28日読了時間: 1分


vol-823:入管に関する朝日新聞の記事はいつも正確性を欠く
6月16日、朝日新聞が「入管庁長官 全件収容から決別宣言 長期収容を防か」というセンセーショナルな見出しの記事を掲載しました。日本の入管政策は、在留資格がない外国人を原則として入管施設に収容する「全件収容主義」だと批判されてきたのですが、この記事によれば、佐々木聖子長官は「『決別すべく、不退転の決意で取り組む』と述べた」そうです。 ただし、「不退転の決意」という割には、具体性が欠けており、「 反省すべきところを反省し、時代にあった入管にするため、やれることからやっていく」「収容を続ける必要があるのか、個々の事情をみてチェックするようにしたい」「収容はゼロにならなくても、被収容者の命や心身の健康を守る施策も進める。監理措置の基準を明確化するなど、国民の理解が得られるような取り組みを進めていく」など従来の路線を語っただけのようにも見えます。 記事の内容に目新しさがなかったことに鑑みると、6月20日が国連の定めた「世界難民の日」なので、その直前に発言の切れ端を捉えて、ぶち上げただけの記事にも見えます。希望ではなく、事実に基づく報道を切に望みます。
2021年6月21日読了時間: 1分


vol-822:人権派がじつは外国人を排斥している?
2021年6月15日、「難民問題に関する議員懇談会」は、在留カードが本物かどうかスマホなどで確認できるアプリを入管庁が昨年12月からHPで一般に対して公開していることを問題視し、市民による外国人監視につながりかねないとして、「差別や偏見を助長する」という批判の声を上げたと言います。 参加した「移住者と連帯する全国ネットワーク」は「外国人の監視に市民が動員される。地域社会の分断、日常生活における差別・偏見の助長につながる」と糾弾し、国際的な人権団体の「ヒューマンライツ・ナウ」は、「アプリが差別を助長する可能性を想定できなかったのか」と批判したといいます。 呆れて物も言えません。在留カードの偽造が蔓延している中、偽造カードを持っていた外国人の雇用主が「お前は偽造カードの取得に関わっていたのではないか?」と疑われるケースも出ているだけに、偽造判別アプリの公開は、必要不可欠だったと言えます。人権派を名乗る人々は、いずれ在留カードの携帯すら「差別や偏見を助長する」と言い出すに違いありません。そういう人権派の言動こそが、外国人に対する反感を醸成しているのです
2021年6月18日読了時間: 1分


Vol.821:技能実習機構は大鉈を振るえるのか?
技能実習機構が、多数の失踪者が出たベトナムの大手送り出し機関5社からの実習生の新規受入を停止する方針を決めたようです。この大手5社が派遣している実習生は1割を超えます。2019年末時点のベトナム人実習生22万人で全体の過半数を占めています。同年における実習生の失踪者数は8,796人(2014年の1.8倍)で、ベトナム人は7割(6,105人・2014年の6倍)。 実習生の失踪が相次ぐ背景には、送り出し機関が実習生から徴収している高額な手数料があります。ベトナムでは、法令で手数料の上限を3,600ドル(約40 万円)と定められていますが、2~3倍の請求が常態化していました。2017年に設立された技能実習機構が 4 年半経ってようやく本気を出してきたのでしょうか。実習計画の取り消しや監理団体の資格剝奪も毎月のように発表されており、悪質な業者は排除されていくのかもしれません。 しかし、気になるのは、日立や日産の違反事件で不問に付されたフレンドニッポンのような大手監理団体への対処。政治銘柄も多いだけに難しいのかもしれませんが、フェアに処分されないのなら関係
2021年6月16日読了時間: 1分


vol-820:工場に大量に派遣している大手業者は摘発されない
6月2日、入管法違反(不法就労助長)の疑いで、滋賀県甲賀市の人材派遣会社代表と社員ら男女4人が逮捕されました。4人の逮捕容疑は共謀し、在留期間が過ぎていたフィリピン国籍の男女12人を派遣労働者として雇用し、甲賀市と湖南市の部品製造工場で作業員として働かせた疑いです。「不法就労外国人対策キャンペーン月間」における摘発第1号と言ってよいでしょう。 6月9日に、警察庁・法務省・入管庁・厚生労働省が公表した「不法就労等外国人対策の推進」は、問題となる不法就労として、偽変造の在留カードや偽装難民のほかに、「表面上は正規の在留資格を有するものの,その実態は在留資格に応じた活動を行うことなく,専ら単純労働に従事するなど,偽装滞在して就労する事案」として、「技術・人文知識・国際業務」の派遣労働者に単純労働をさせる場合のことを明記しています。 当局が本気でやる気なのか否かは、工場やドラッグストア等に「技術・人文知識・国際業務」の外国人労働者を大量に派遣している大手業者を摘発できるか否かでわかります。いつまで経っても小者の摘発ではアンフェアです。
2021年6月14日読了時間: 1分


vol-819:外国人が急減すると日本の人口は激減してしまう?
2021年5月1日の総人口は1億2536万人で前年比▲0.42%になりました。新型コロナウイルス感染症が広がり始めた2020年3月は前年比▲0.22%でしたから、マイナス幅が拡大しています。この背景には、前年比+11%も伸びていた外国人人口がマイナスに転じ、▲25 万人のインパクトをもたらしています。外国人が自国に帰り、入国していないことが影響しています。 2020年の出生率は1.34にまで低下。今年1~3月期の出生数は前年同期比▲9.2%にまで落ち込みました。コロナ禍の中で子供をつくらない夫婦が増え、若者たちが出会う機会が減ってしまい、出産・婚姻数が激減しています。外部からの流入人口の多さで膨張してきた東京23区も、外国人人口が急減して、流入よりも流出する人口が多い事態となっています。 画期的な付加価値の創造が頻繁に起こるとは言えない日本において、人口減少は経済停滞の原因になる可能性が高く、日本経済を沈滞させていく構造的な背景になっていくかもしれません。企業にとって、人口減少とともに縮小していく国内市場だけで生き残っていくことはかなり困難になる
2021年6月11日読了時間: 1分


vol-818:留学生の入国は日本だけどんどん遅れていく?
米国務省は、今年3月に実施した欧州の留学生を対象とする渡航制限の免除措置を、8月1日から世界中の学生や研究者に拡大する方針を公表しました。米国への留学生において、最も多いのは中国人で、2019~2020年度に滞在した留学生の約35%(2位のインド人の約2倍)を占めています。 各国がコロナパニックから覚醒し、海外からの渡航を認容するための工夫を凝らす一方で、日本だけは、感染対策上大きな効果を望みにくい水際対策に関する議論に熱中しているように見えます。ウイルスは一度入ってしまえば、隔週毎に変異を繰り返すため、水際を閉じても国内で無限に変異するので、英国株やインド株に類似したものを早晩産出します。水際封鎖に見事に成功したように見えた台湾ですら完封できなかったという事実を冷静に受け止めれば、水際や人流ではなく免疫力が大事だと気付けるはずなのですが・・・。 いずれにせよ、「人流を止めればゼロコロナになる」という根拠薄弱な対策に固執する日本政府に、早期の渡航解除を期待することは難しいでしょう。留学生の再来日は、世界の動きからどんどん遅れていきます。
2021年6月9日読了時間: 1分


vol-817:特定技能も政治家の利権になっていく?
「特定技能」の外国人は、制度開始から 2 年経過した今年 3 月末時点で22,567 人にとどまっていて、当初の見込み(最大47,000人)を大きく下回っています。このうち、国内で「技能実習」や「留学」などから変更した人は17,299 人と、全体のおよそ77%を占めた一方、海外で「特定技能」の試験に合格するなどして、新たに入国した人は5,268 人にとどまっています。 国籍別では、ベトナムが14,147人で6割を超えました。分野別では、飲食料品製造業8,104人( 35.9%)、農業3,359人( 14.9%)、建設2,116人( 9.4%)、産業機械製造業1,937人(8.6%)、介護1,705 人(7.6%)となっています。 5月28日、自民党の外国人労働者等特別委員会は、「在留外国人の支援強化を柱とする政府への提言(案)」について議論しました。提言(案)には、「コンビニ、スーパーマーケット、運輸、産業廃棄物処理の各分野で、特定技能外国人の参入、技能実習制度の対象職種への追加を含めて検討」と書かれています。「技能実習」と同様に、「特定技能」で
2021年6月7日読了時間: 1分


vol-816:ミャンマー人への緊急避難措置は後顧に憂いを残す
5月28日、上川法務大臣は、ミャンマー国軍のクーデターによる情勢不安由に、日本在留のミャンマー人に対し、「情勢が安定するまでの緊急避難的な対応」として在留延長を認める(就労可)ことを発表しました。当分、在留資格の満了時に本人が希望すれば、「特定活動(6ヶ月・就労可)」や「特定活動(特定技能準備・1年)」の切り替えを認めます。情勢が改善し場合は、「特定活動」の延長も認める方針のようです。 帰国困難を理由に「特定活動(6ヶ月・就労可)」を認め、就労困難を背景に定活動(特定技能準備・1年)」を認容した状況下なので、入管からすれば、現状の中での微調整という判断なのかもしれませんが、個人的にはパンドラの箱を開けてしまったのではないかという感があります。 上川大臣は「一般市民が死亡、負傷し、デモに参加していない住民への暴力が報告されている」と説明し、難民認定についても迅速に審査を進め、難民認定されない場合でも在留や就労を認めるとしていますが、ミャンマーと類似の国情が発生したとき、同等の扱いができるか否かがいずれ問われます。
2021年6月4日読了時間: 1分


vol-815:入管行政はフリーハンドの裁量権で何でもあり
公安調査庁から異動し調査や審査を経験した元入管職員は、在留特別許可に関する判断が不透明で、ブラックボックスだと感じたそうです。「法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めた場合に限り、在留特別許可を出す」とあるだけで、どういう場合に許可を出すのかは法律に一切書かれていません。入管のホームページには、在留特別許可にかかるガイドラインはあるけれど、ガイドライン自体を入管が「基準ではない」として守りません。 入管行政は入管だけですべてを決められます。胸先三寸で決めるのではなく、基準を明確化すべきだと思う人は少なくありません。入管の判断をチェックする第三者機関がないので、なんらかの理由で入管がビザを更新しないと判断した際には、不服申立の手段が裁判しかないのですが、法律上、裁量が幅広く認められているため、入管が裁判でほとんど勝っています。 基準を明確化すると、フリーハンドで裁量を行使できなくなると恐れているのかもしれませんが、基準のない権力は、混沌と混乱を招きかねません。基準を積極的に示すことにより、秩序を形成するのが入管の役割のはずです。
2021年6月2日読了時間: 1分


vol-814:水際対策が甘いという批判が殺到して大童になる
5月25日、日本政府は、インドで確認された新型コロナウイルス変異株の対策として、インドやネパールなど6ヶ国については、在留資格を持っていても、特段の事情がない限り入国を拒否することを決めました。また、日本人の帰国者についても、検疫所長の指定場所で10日間待機し、3回検査を受け、陰性と判定された後でも引き続き入国後14日間については、自宅などで待機するという形で水際措置を強化しました。 この背景には、入管の水際対策に対する批判が高まっていることがあります。自民党内では「インド変異株の流入が懸念される」と指摘する意見が相次いでおり、佐藤正久外交部会長は「水道管が破裂して水浸しの状態だ」と批判。 国内でも短期間に変異を繰り返している新型コロナウイルスに対して、水際対策で対処できるのかという科学的な疑問は残りますが、水際対策は庶民にもわかりやすく、「来日する外国人が感染源を持ってくる」という問題の整理はどこかに悪者を求めたい政府のニーズにも応えることができます。来日を望む外国人の入国が許されるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
2021年5月31日読了時間: 1分


vol-813:在留資格の取消件数が過去最高になっていく
2020年における在留資格取消件数は1,210件(前年比+21.9%)と2016年の4倍になりました。在留資格別で見ると、最多の「技能実習」561人( 46.4%)と次点の「留学」524人(43.3%)で全体の9割を占め、実習先から失踪した技能実習生や学校を除籍された留学生が就労したケースが多いようです。 取消事由別にみると、「在留資格に係る活動を行っておらず、かつ他の活動を行い又は行おうとして在留している場合(50.9%)」という不法就労型が最多で、不法就労を立証できなかった「在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っておらず在留している場合(40.7%)」だけでなく、「偽りその他不正の手段により活動を偽り、上陸許可の証印等を受けた場合(5.6%)」も。 コロナ禍で、入管は厳しく摘発していなかったという印象でしたが、人員が拡充された中、入管法違反に対しては粛々と対処していたようです。実際、違反調査の結果を見ても、「出国命令」で優しく帰すのではなく、入国審査官の「審査」に委ね、犯罪者として処罰する方向に傾いているようにも見えます。6月の「不法就労
2021年5月28日読了時間: 1分


vol-812:入管法の改正見送りは入管行政をどう変えるか?
5月18日、入管法の改正が見送られることが決まりました。ただし、この結果は、外国人に対して良い影響をもたらさないかもしれません。 じつは、入管は入管なりに努力しました。今年2月の在留特別許可はなんと1,331 件(前年比9.9 倍)。昨年11月101件→12月235件→今年1月879件という推移を見ても配慮が窺えます。退去強制の発令も、今年2月は449件(前年比▲62.9%)であり、極めて抑制的でした。しかし、その譲歩が報じられることはなく、リベラル派の新聞は紋切型の入管批判を繰り返すだけ。日本共産党の志位委員長に至っては、「在留期限が切れたというだけで何の犯罪も犯していないのに、裁判所も通さず入管の裁量で外国人を収容施設に問答無用で追いやる。非人道的な大問題」と批判する始末。 入管からすれば、「だったら、オーバースティの外国人は、裁判所に全員送ってやる。自由度のある収容所じゃなくて、留置所や拘置所で寝起きさせればいい。出国命令という優しい措置はもうしねえぞ!」という感情に走ってもおかしくはありません。しっぺ返しが待っていなければいいのですが・・
2021年5月26日読了時間: 1分


vol-811:だからマスコミ報道は信用を失っていく?
2021年5月16日、NHKは「技能実習生受け入れの公益法人 特定企業に約6億円の優先発注か」として、最大の監理団体が違法行為を犯した可能性を報道しました。興味をそそられて、「違法」の内容を読み進んでいくと、前会長の知人が経営する会社に優先的に物品を発注していて、公益法人認定法に違反する疑いがあるとのこと。入管法や技能実習法とは無関係の話。 2020年1月、前会長に関するタレコミがあったため、同監理団体は、外部の弁護士による特別調査委員会を設置。その調査結果は2020年3月末に報告書になっているのですが、それが今回のネタ元。報告書では、コンプライアンス上の問題点が確認されたと指摘し(損害はゼロとの認定)、監理団体は、コンプライアンス室の設置や監査体制の充実、規程の整備、各理事等の牽制体制などの改善を直ちに実施。監督官庁にも2020年6月に報告済になっています。 要するに、改正入管法の正念場に差し掛かって、何か炎上する火種はないかと探していたら、未報道の古いネタがあったので投下してみたという次元の低いお話。こういう報道をしているから、マスコミは信用
2021年5月19日読了時間: 1分
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