top of page


vol-216:職安法や入管法を遵守したビジネスと言えるのか?
外国人の紹介や派遣のマーケットが拡大しているので、新規業者が多数参入しています(2018年夏)。市場が活性化することは良いことなのですが、問題はコンプライアンス。外国人の紹介や派遣は、職業安定法・労働者派遣法・入管法という難解な法令の連立方程式を解いていく作業です。 例えば、「副業で30万円以上稼いでいる講師もいる」として4000人の外国人が登録しているある業者。職業紹介業ではないので、講師と顧客の契約をアレンジしているだけという立場なのでしょうが、講師の在留資格が「技術・人文知識・国際業務」「技能」「技能実習」だったり、週28時間の法定上限がある「留学」「家族滞在」だと入国管理法違反に抵触し得ますから不法就労助長罪に相当します。この点、同様のビジネスを展開している会社は留意すべきでしょう。 また、免許を持っていないブローカーと組んで、「仕事も紹介してあげるし、ビザもとれるよ」というトークで顧客を呼び込んでいる行政書士事務所も、駅近のレンタルオフィス等を根城にして増殖しています。無料であっても、厚生労働省の免許がなければ、職業紹介はできません。気
2018年8月2日読了時間: 1分


vol-215:外国人比率は高くなっていかざるを得ない
2018年1月1日現在の日本人の人口は、前年より37万人少ない1億2521万 人でした。人口減少は9年連続で減少幅は過去最大。人口37万人と言えば、 長野市・豊橋市・高崎市とほぼ同じですから、この規模の都市が1年で消滅するインパクト。さらにショッキングなのが出生数。昨年よりもさらに減少 して95万人。1971年の日本では年間200万人が生まれていましたから、こ の50年弱で半分以下になっています。出生数半減未満という「悲惨な現実」を見れば、放置することが是とは思われません。 日本人の人口減のインパクトを和らげているのが外国人。前年比17万人増 の250 万人となり、過去最多を更新しました。若い世代が多く、20歳代は 75 万人と同年代の日本の総人口の5.8%を占めています。東京都では20歳代の10人に1人が外国人。少なからぬ企業の現場は、外国人がいないと回 りません。外国人比率は1.96%と過去最高になりましたが、世界平均の3.4% と比べれば半分程度の水準であり、お隣の韓国(2.3%)よりも低水準。子供 が半減した国が「外国人による支援」を必要
2018年8月1日読了時間: 1分


vol-214:入管法を知らない警察官から自分自身を守る
私たちは、一般的に、取り締まる立場にある警察官は、逮捕する根拠となる法律や関連実務に詳しいと思いがちですが、入管法に関する限り、そんなことはありません。 ある日の夜10時頃、携帯電話に、突然、申請人から電話がかかってきました。話を聞いていると、どうも警察官から「職務質問」されて、困ってかけて電話してきたようです。その申請人は、「留学」から「経営・管理」に在留資格を変更するために申請中であり、「在留カード」上の「在留期限」は切れているものの、2ヶ月の「特例期間」の範囲内で、合法に日本で在留しているベトナム人でした。 申請人に代わって、職務質問している警察官が電話に出てくれたので、申請人の現状について説明したのですが、なかなか理解してくれません。「警視庁第一自動車警ら隊」に所属している方(以下「警」とする。)なのですが、パトカーや白バイでパトロールすることが主たる任務なので、入管法には詳しくないようです。以下に会話の概要を記します。 ―― 何か問題がございますか? (警)「在留カード」の期限が切れているんですよね。 ―― 入管法上、申請後に認められて
2018年7月31日読了時間: 7分


vol-213:安部政権は移民を受け入れることを決定した!
2018年、安倍政権は、外国人労働者の大幅受入増を決定しました。総じて賛成論が多いものの、「外国人との共生」に関しては、準備不足や懸念を表明する向きが多いのも事実。「呼び寄せる日本側の派遣会社のための制度でしかない」「仲介業者による中間搾取を防ぐ仕組みの整備、日本語学習や医療面の支援なども必要だ」「外国人を一時的な労働者とみなしての受け入れは禍根を残す」などの意見に対して真摯な回答が求められます。 弊協会が開催した大講演会でも、阿部知子衆議院議員が「『人』として受け入れるのか、それとも『労働力』として使うのか?」という大きな問題提起をされましたが、「政府の目に映っているのは、人手不足を補うための単なる『労働力』であって『人間』ではない」「外国人を『もの』ではなく『人』として受け入れる姿勢を欠いた、ゆがんだ政策と言わざるを得ません」という批判が湧き起っています。「我々の生活水準を落とさないために外国人労働者を受け入れるのだから、彼らの存在を地域社会が受け入れなければならない」という覚悟を持った上で、制度の詳細を決めることが求められます。
2018年7月30日読了時間: 1分


vol-212:真実を読み解くにはリテラシーが不可欠だ
日本においてトランプ米大統領は「悪役」です。トランプ氏の支持者はほとんどテレビに出てきませんし、ポジティブに評価する専門家にもお目にかかりません。流されてくるニュースはネガティブな内容ばかり。ところが、直近の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は 45%と就任以来最高になったと言います。マスコミ情報を鵜呑みにするのは危険です。 「米キニピアック大による世論調査」に関する2018年7月5日の報道を例に取りましょう。まずは、時事通信。「半数が『トランプ氏は人種差別主義』移民政策に厳しい目」という見出しを掲げ、「米国民の49%がトランプ大統領を『人種差別主義者』だと答え、そう思わないとする47%を上回った。中米からの不法入国者に対する厳しい取り締まりや、イスラム圏一部諸国からの入国制限を進めるトランプ氏に、厳しい目を向ける国民が多いことを示した。トランプ氏の移民政策に対する支持率は39%で、不支持の58%を大きく下回った。親子が引き離されて収容された問題への対処では、60%がトランプ氏の政策を支持しないと回答した。国境で親から引き離された子供につい
2018年7月27日読了時間: 2分


vol-211:感情的な排斥論にならないような配慮が必要だ
安倍政権は「外国人労働者の受入拡大」に踏み切りました。世論は、総じてポジティブですが、攘夷派はいずれ反撃に出ます。 現時点の反対論は、「すぐ外国人労働者に頼るのは安易だ」「人口減少対策として外国人に依存するのは問題の先送りだ」「根本的な問題は解決しない」「日本の都合だけで人数を確保できるか」「外国人労働者の増加は限定的」という「問題は解決しない論」と、「移民受入は実質賃金を引き下げる」「移民を入れると企業の生産性が上がらない」「人手不足だからこそ労働生産性が上がる」という「人手不足は受容すべき論」が主流。これらは、雇用現場で生じている諸問題を解決しないので、大勢を占めることはないと思います。 しかし、「外国人をモノのように扱う発想は危険だ」「 社会を大きく変容させ得る」「違いを乗り越えなければ対立や分断が生じる」という文化論に、「医療タダ乗りという現制度の穴をふさぐことが先決」「移民たちの社会保障費用を負担するのは日本国民だ」という正論が組み合わさると、感情的な排斥論が加わって、かなり強烈な逆風になることもあり得ます。要注意です。
2018年7月26日読了時間: 1分


vol-210:外国人材の受け入れはどこまで広がるのか?
安倍政権が2018年6月15日の「骨太の方針」に「一定の専門性を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とした新たな在留資格を創設する」と明記したことを契機に、様々な業界が動き出しました。どうも、当初報道されていた建設、農業、介護、造船、宿泊の5分野では収まりそうにありません。 マスコミは、「製造業に含まれるパンなどの飲食物をつくる食料品製造、鋳造、金属プレスなどを追加する見込み」「非製造業では漁業などを念頭に置く」「サービス業など業界が求める分野については幅広く対象にしていく」などと報道。同年7月19日には、日本商工会議所の三村明夫会頭が加藤勝信厚生労働相に陳情し、「需要のある業種は幅広く活用したい。実態を踏まえて具体論を要望したい」と人手不足の窮状を訴えました。 こうした業界の動きの背後には、経済産業省の後押しがあります。同年7月12日に同省が開催した説明会には業界団体の関係者ら300人が参加。経産省は、「製造業も外国人労働者受け入れ拡大の対象になり得る」と示唆しました。実際、「骨太の方針」は具体的な業種を明示していません。果たして・・・
2018年7月25日読了時間: 1分


vol-209:在留カードのコピーは絶対に信じちゃいけない
5月に不法残留のベトナム人を白馬村のホテルに斡旋していたとして、理容業を自営していたブローカーが逮捕されましたが、別の容疑で今月再送検されました。その容疑とは、2016年12月にベトナム人労働者の「在留カード」のコピー1通を改変し本物と装ってホテル関係者に提出し、行使したというもの。在留期間や許可年月日等を偽造していたようです。このブローカーから紹介を受けて働かせていた白馬村のホテルの会社役員2人も「在留カード」の実物で身分確認をしていなかったとして送検されました。 人材会社やブローカーから外国人を紹介されたら、彼らからもらう「在留カード」のコピーを信用してはいけません。雇い入れる本人から「在留カード」を提示してもらい、カードに印字された「MOJ」の変色やカードのIDを法務省に照合して「偽造の有無」をチェックし、写真が本人のものであることを確認した上で、「在留カード」の裏表をコピーして、「確認しました」という文言と日付を書き、確認した担当者に印鑑を押印させましょう。「偽造カード」ですら大量に出回っています。コピーを信用するなど以ての外です。
2018年7月24日読了時間: 1分


vol-208:外国人ゼロではもう農業はやっていけません
「特定技能」による外国人労働者の受入拡大が打ち出される3ヶ月前、70人を超える自民党有志の議員が参加し、「地域の農林水産業振興促進議員連盟」が発足しました。会長に就任した竹下亘・自民党総務会長は、その時点ですでに、「農業の将来を考えると、移民政策も含めて国会でも議論し、国民のコンセンサスを確立する必要があります。今は実習生として受け入れていますが、このままでいいのか。放置しておくと不法就労が増えます。外国人ゼロではもう農業はやっていけません」と断言していました。 「移民」を「有効なビザを保有し、90日以上在留予定の外国人」と定義すれば、39万人が流入した日本(2015年)は、ドイツ(202万人)、米国(105万人)、英国(48万人)に次ぐ世界4位の「移民大国」。移民に寛容なイメージのあるスペイン(29万人)・カナダ(27万人)・オーストラリア(22万人)よりも多く、排斥に傾くイタリア(25万人)を遥かに上回っています。 「移民」と呼ぶか呼ばないかにかかわらず、外国人が数多く在留していることは事実。この事実を直視して適切に対応しないと、後顧に憂いを
2018年7月23日読了時間: 1分


vol-207:イエメン難民が韓国の済州島に殺到する
いま韓国は、「難民問題」で大騒ぎになっています。内戦下の中東イエメンから大勢の亡命希望者が来韓。「韓国のハワイ」として知られるリゾート地・済州島がビザ不要だったため、LCC の直行便があったマレーシアを経由して殺到しました。ノービザで入国した後に難民申請すると審査期間中は滞在できます。難民認定されなくても訴訟すれば最長3年の滞在が可能になるので、日本の「偽装難民問題」に類似した現象が突如沸き起こったのです。 韓国では、2018年5月末までに計4万470人が難民申請しました。審査を終えた2万361人における難民認定数は839人であり、全体の4.1%にすぎません(人道主義的な在留許可を含めると 7.6%)。世界の難民認定率が 38%であることに比べると、日本ほどではないにしろ難民に厳しい国です。もっとも、難民申請後半年以内に就労できないという原則を曲げて、イエメン難民の生活を支援するために早期就労を許可したり、入管が雇用主と難民申請者のマッチングの場を設けたり、申請者の生計費(43万2900ウォン/人・月)を支援する制度もあり、難民に対し日本よりも遥
2018年7月20日読了時間: 1分


vol-206:芋蔓式捜査で監理団体もブローカーも逮捕される
当局による芋蔓式捜査が威力を発揮しています。2018年7月3日、外国人技能実習生を受け入れる監理団体幹部による不法就労斡旋事件で、ネパール人夫婦を幹部に紹介したとして、千葉県市川市のネパール人派遣社員が入管法違反(不法就労斡旋)の容疑で逮捕されました。「技能」の夫と「家族滞在」の妻を監理団体に紹介し、毎月、監理団体から1人あたり月5000円の報酬を受け取っていたほか、夫婦からも8万円の謝礼を受領していました。 この事件は、2017年11月、不法就労で逮捕されたタイ人男女3人が切っ掛け。タイ人が就労していた食品加工会社を調べると、不法就労に関与していた人材派遣会社が浮上。その人材派遣会社の役員が、外国人技能実習生を受け入れる監理団体を兼務していたことから、2018年4月、資格外活動の許可を受けていない外国人を食品加工会社に斡旋したとして、監理団体の代表理事と事業室長を摘発。その後、このネパール人ブローカーに辿り着いたわけです。 「ウチには関係ない」と高を括っていたら、ひょんなことから巻き込まれてしまいます。「不法就労」からは、明確に距離を置きましょ
2018年7月19日読了時間: 1分


vol-205:メンバーシップ型でもイノベーションは起こせる
「ジョブ型」を喧伝し、米国企業を礼賛する論者は、「日本企業のやり方では、専門性が磨かれないのでイノベーションが生まれず、GAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)も産まれなかった」と主張する。確かに、通販業界やSNS業界のグローバルなプラットフォームに関する限り、日本企業は後塵を拝している。しかし、ゲーム業界において国際的なプラットフォームを提供しているのは任天堂・ソニー・マイクロソフトであり、うち2社は日本企業だ。 実際、日本企業を見渡せば、自転車用変速機の世界シェアで90%を占めているシマノ、半導体製造用マスクブランクスで世界シェア90%を誇るHOYA、半導体用レジスト塗布装置で世界シェア80%を押さえている東京エレクトロン、エンジン計測器の世界シェア80%を持つ堀場製作所、メモリーテスターで世界シェアが70%あるアドバンテスト、医療用内視鏡で世界シェア70%を握るオリンパスなど、世界的にトップシェアを築いている会社は少なくない。 また、上記のような大企業でなくとも、LNG船用安全弁の福井製作所(世界シェア90%)、トンネル集塵
2018年7月18日読了時間: 2分


vol-204:欧州は移民問題とともに左右に漂う
EU(欧州連合)が難民問題で大揺れに揺れています。特に2018年6月の中旬から月末にかけては、これまでにないほど緊張感が高まりました。100万人を超える難民が押し寄せた2015年の難民危機を切っ掛けに、極右政党が勢力を増し、各国において反移民・反難民の政権が誕生しています。 2017年10月に実施されたドイツの総選挙では、右派政党が大きく票を伸ばし、 EUの盟主であるドイツのメルケル政権を揺さぶりました。同年12月には、オー ストリアで反移民・反難民の新政権が誕生。チェコでも移民排斥を唱える新政権が生まれます。また、EUの指示に従わないポーランドのポピュリスト政権は、首相を挿げ替えつつも自説を曲げません。2018年も流れは変わら ず、4月に反移民・反難民の最右翼であるハンガリーのオルバン政権が再選 を果たすと、6月にはイタリアで反移民・反難民の政権が誕生しました。 イタリアの新政権は、誕生するや否や、難民流入を阻止するための実力行使に出ます。地中海を渡って、イタリアに上陸しようとする難民を乗せた救助船の入港が拒否されると、それぞれの国の思惑が絡み
2018年7月17日読了時間: 2分


vol-203:日本企業が導入した「ジョブ型」は紛い物が多い
日本企業で広まっている「ジョブ型」は紛い物が多く、「業務上の成果を出して評価が高いと上位の等級に昇級できるが、逆に評価が低いと職責を果たしていないと見なされて、降級・降格が発生する」という「ジョブ型」の特徴を逆手に取り、「給与を上げず、下げやすくする」ために利用されている。その程度の代物を必要以上に礼賛する論説は、あまりにも胡散臭い。 本来の「ジョブ型」は、雇用契約時で結んだ「職務」は固定され、賃金も原則として変わらない。また、職務変更や配属先の異動・転勤は本人の同意を必要とするなど会社の人事権を大幅に制限する制度だが、日本企業における「ジョブ型」の多くは会社が異動・配置の人事権を捨てていない。要するに、「仕事」で規定されるはずの「ジョブ型」ではない。 そのような日本企業が多いのは、人事権を保ちつつ、「脱年功序列」を進めるのに「ジョブ型」という「仕組み」が便利だからである。必要なスキルを持つ外部人材を市場価格で調達できるメリットに加え、異動させることで幅広いビジネス分野で活用できる。成果評価による昇進と降格、それに伴う賃金の増減で、人件費を固定費
2018年7月16日読了時間: 2分


vol-202:日本の大学院は留学生に罪深いことをしている
日本人にとって、大学院(特に文系)というのは、学界を目指す人か、社会に出たくない人が行くところというのが相場なので、大学院に行っても年をとるだけで「就職に有利になる」という話はほとんどありません。ところが中国は逆で、学業成績が良い大学生は大学院を目指すのが当たり前。就職するのは、成績が悪いか、経済力がない学生というのが相場だそうです。 中国では文系・理系を問わず、大学院卒の方が就職に有利なので、就職のために大学院を目指すので、大学院入試も大学受験並みに競争が激しいようですが、日本の大学院は不人気なので「ガラガラ」の状態。大学の資金繰りのために、勘違いした留学生を大量に囲い込もうと大学関係者は必死です。 大学院に進学すれば、年齢が高くなる分、就活では不利になるのに、そういう事実を教える大学関係者がいるはずもなく、英語で授業をする大学院では日本企業に就職する際に最も重要な日本語も上達しません。「学士」ではなく「修士」を取ったところで評価する日本企業は皆無なのに、意味のない大学院進学を続ける留学生たち。日本の大学院は本当に罪深いことをしています。
2018年7月12日読了時間: 1分


vol-201:「偽装結婚」か否かはどこを見て判断するのか?
2018年7月3日、店で働く外国人女性に「偽装結婚」をさせたとして、フィリピンパブの経営者が逮捕されました。日本人男性に報酬を与えて婚姻届を出させ、「日本人配偶者」の在留資格を取らせたのです。この手の「偽装結婚」を見破るため、入管は、起床時刻や朝食メニュー、ベッドのサイズ、歯ブラシの色などを面接時に審査するようですが、実務的には、同居の有無が重要な判断基準。問題は、本当の「結婚」だが、別居している場合です。 ある中国人女性は、「偽装結婚」の疑いで逮捕されましたが、不起訴処分になりました。しかし、寝室が異なることを理由に、入管は在留期間の更新を認めず、強制退去処分としました。入管には裁量権がありますが、事実認定自体に行政裁量は認められません。配偶者に係る「在留資格該当性」の判断において重要な「あるべき結婚の態様」は、世間一般の「結婚観」という「事実」が「裁量」に優るわけです。中国人女性は提訴し、同年6月21日、処分撤回の判決が出ました。コンプライアンスにおいては、この「事実は裁量に優る」という大原則を踏まえて、ディフェンスを固めることが基本となりま
2018年7月11日読了時間: 1分


vol-200:「法律を知らなかったことにしろ!」は無効です
2018年夏、週28時間を超えて、ベトナム人留学生3人を自身の経営するホテルで清掃業務等に就かせたとして、ラブホテルチェーン「ファイン」の運営会社会長ら役員3人が逮捕されました。会長は、「留学生の労働時間に上限があるとは知らなかった」と容疑を否認しましたが、社員らは容疑を認め、会長から「法律を知らなかったことにしろ」と口裏合わせを指示されたようです。 中には、週85時間も勤務していた留学生がいたようですが、そもそも留学生の資格外活動許可には「風俗営業等の従事を除く」と明記されており、風俗営業が行われている現場での就労が禁止されています。要するに、ラブホテルでの清掃業務に、留学生を従事させた時点で違法なのです。 入管法73条の2第2項は、「知らないことを理由として・・・処罰を免れることができない」と明記しており、「上限時間があるとは知らなかった」とか「ラブホテルで働けないとは知らなかった」と主張したところで、何のディフェンスにもなりません。正社員であれ、アルバイトであれ、外国人を雇うときは、まず、入管法を正しく理解することが重要なのです。
2018年7月10日読了時間: 1分


vol-199:「社会の縮図」であるスポーツで開国が進む
スポーツは「社会の縮図」です。日本社会に「在留資格」があるように、スポーツにも「外国人枠」があります。「日本人選手を強化するために、外国人枠を撤廃せよ」と説く開国派と「外国人枠が緩和されたら、日本人の出場機会がなくなる」という攘夷派の論争は、「日本経済のために外国人労働者を受け入れよ」と説く開国派と「外国人を受け入れたら、日本人が働く職場が奪われる」という攘夷派の論争と瓜二つです。 そんな中、サッカー界では、前スペイン代表イニエスタ選手のヴィッセル神戸入りを切っ掛けに「外国人枠」撤廃の動きが表面化。ラグビーでも2019年のW杯開催に向けて外国人枠を緩和しており、安倍政権による外国人労働者受け入れ拡大よりも早く、スポーツ界では「在留資格」が緩和されそうです。 しかし、開国すれば「共生」できるわけでもなさそうです。バスケットボールでは、孤立した外国人留学生が審判を殴る大事件が勃発。人種差別の問題も時折表面化します。手本と言われるドイツですら、トルコ出身の代表選手バッシングに遭うなど難問山積。一つ一つ解決していくしかありません。
2018年7月9日読了時間: 1分


vol-198:独メルケル政権が難民問題で大きく揺れる
独メルケル政権が、難民問題で揺れています(2018年夏)。メルケル首相率いるキリスト教民主同盟は、半世紀以上統一会派を組んでいるキリスト教社会同盟(CSU)に加えて、ドイツ社会民主党と大連立を組んでいるのですが、CSU が離脱しかねない政局になっています。CSU は、難民の玄関口となった南部バイエルン州の保守政党で、61年間、同州の首相を輩出してきたのですが、難民排斥を唱える極右政党「ドイツのための選択肢」が台頭。2018年10月に控える州議会選挙で大敗する危険性を感じたCSUは、内相を務めるゼーホーファー党首が、一部難民を国境で送り返すという方針を打ち出し、メルケル首相と激しく対立。EU首脳会談での成果を基に合意が成立したので、ゼーホーファー党首は内相辞任を撤回しましたが、火種は残ったままです。 安倍政権による外国人労働者の受入増大を背景に、人権派の方々は、従来以上に「難民受入」を主張すると思われますが、「反難民」に染まる世界情勢の下で人類愛を唱えても議論は迷宮入りしそうです。
2018年7月6日読了時間: 1分


vol-197:コンビニ業務は本当に単純作業なんですか?
外国人留学生がいなければ、コンビニは24時間営業を維持できません。全国のコンビニでは、留学生が4万人働いており、東京の深夜帯だと6~7割の店舗で外国人が就業しています。本来、留学生は「勉強」が本文であり、「就労」することは不可。アルバイトは「裏口=資格外活動」で特別に認めるという建付けです。世界に通用する日本の製造業を代表するのがトヨタなら、日本の非製造業を代表するのはコンビニ。しかし、そのコンビニを支えているのが、「裏口入学の留学生」だとすれば悲しい限りです。 日本のコンビニは、公共料金支払も、小包も、カフェも、チケットもある世界的に珍しい小売りの形態。コンビニが実践している「単品管理」は、欧米のビジネススクールが取り上げるほどの高度なマネジメント手法でもあります。そもそも立法当時、「人文知識」という在留資格は、日本人の大学卒が就労するような仕事という捉え方でした。「販売=単純作業」という紋切り型の解釈を止め、以前のように「技術・人文知識・国際業務」でコンビニの就労を認めることこそ、入管に求められていることではないでしょうか
2018年7月5日読了時間: 1分
bottom of page
